花岡信昭メールマガジン555号
発行日時: 2008/4/5▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
★★花岡信昭メールマガジン★★555号[2008・4・5]
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<<「ガソリン政局」で民主党は本当に勝ったのか>>
【日経BP社サイト「SAFETY JAPAN」連載コラム「我々の国家はどこに向かっているのか」弟103号・3日更新】再掲
ガソリン税の暫定税率を巡る与野党折衝が決裂、4月からガソリンの値段が下がった。ここまでは「ガソリン値下げ」を政局の最大の争点としてきた民主党の「勝利」のように受け取られているが、本当にそうなのか。税制を巡る本格的な「改革論」での勝負が迫られている。
国会攻防の次元で言えば、ガソリン税の暫定税率維持を含めた予算関連法案は4月29日に参院送付後60日を迎え、衆院での再議決が可能になる。民主党は「いったん下げたものを上げるのは政治的には不可能」として、このまま暫定税率廃止で突き進む構えだが、そうなると2兆6000億円の歳入欠陥が生じ、地方財政にも多大な影響が及ぶことは言われている通りである。
再議決規定は憲法59条で定められている。民主党は再議決を強行したら、首相問責決議案を参院で可決するとしているが、問責決議案は憲法にも国会法にも規定はない。法的拘束力はゼロなのだ。政治論として、問責決議を受けた首相が参院の審議に出ることは許されない、だから政権は立ち往生する、というのが民主党側の思惑だ。
憲法で定められた規定よりも、法的になんら裏付けのない問責決議が優先されるのかどうか。ここは、ガソリン再値上げを巡る是非論をわきに置いて、政治のスジ論から改めて考え直す必要がありそうだ。
この先、怖いものない自民、分裂を危惧する民主
福田首相の周辺や自民党幹部らは「粛々と憲法の規定を踏まえて対応すればいい」としている。おそらくは、4月末に与党単独可決というかたちで、衆院本会議での再議決が行われるだろう。国民新党は暫定税率維持に理解を示しているから、野党内での対応の乱れが出るかもしれない。
国会はまた混乱することになるが、予算は既に成立しており、関連法案も成立するとなれば、与党側としてはもう怖いものはない。
極端な話、そのまま何もできずに6月15日の通常国会会期切れを迎えることになっても、国政は著しく停滞するが、福田政権は安泰だ。いずれかの時点で内閣改造をやって、国民的人気のある実力者や若手論客らを閣内に取り込むといったイメージチェンジでも図れば、内閣支持率をなんとか維持できるかもしれない。
前回コラムでも触れたように、福田首相がいよいよ支持率低下でバンザイするようなら、解散をせずに総裁選を行うという手もある。民主党としては、そういう展開だと困ることになる。麻生太郎、与謝野馨、谷垣禎一、小池百合子各氏らの名前が早くも浮上しており、そうした顔ぶれで総裁選をやったら、国民の関心がそこに集中する。
そう考えると、「ガソリン政局」は民主党が勝ったと見るのは早計で、むしろ、9月代表選挙を控えた民主党の党内事情のほうがより深刻な要素を秘めている。上述のような展開で自民党総裁選が行われれば、自民党のパワーは強化されるが、民主党代表選の場合、経過によっては党分裂の引き金になりかねないのだ。そこが政局の「アヤ」というものである。
首相提案は年末の税制改正を見据えている
いわれてきた「4月危機」突入後、政治攻防は新たなステージを迎えたといっていい。そのキーポイントは福田首相が3月27日に突然、発表した「7項目提案」に隠されている。町村官房長官らが同席せず、伊吹幹事長が「党の了承を得たものではない」と述べた記者会見だったが、この「7項目」はだれがどういう経緯で作成したのか、詳細は依然としてナゾだ。
「7項目」の第1項目は、「20年度歳入法案の年度内成立」となっていたから、これは実現できないまま消えた。したがって、この首相提案がいまだに生きているのかどうかは判然としない。だが、「道路特定財源制度は今年の税制抜本改正時に廃止し、21年度から一般財源化」という項目の持つ意味合いを軽視すべきではない。
「一般財源化」は民主党の主張でもあった。民主党がここで首相提案に乗っていたら、その後の展開はまた違ったものになったのだろうが、「ガソリン値下げ」を最優先とした民主党はこの首相提案を蹴ってしまった。金融国会では「政局にしない」という対応が一定の成果をあげたのだが、そのときとまったく逆の動き方をしてしまったのである。
年末の予算編成、税制改正は近年にない重要な意味合いを持つ。基礎年金の国庫負担を3分の1から2分の1に引き上げるため、消費税の税率アップの必要性が出てくるのだ。首相提案に「今年の税制抜本改正時」とあるのは、そういう意味だ。消費税と道路特定財源、年金財源を絡めた一大税制改正ということになる。
道路財源の見直しは「田中角栄型政治」からの脱却という歴史的意味も持つことになる。小泉元首相が郵政分野に手を突っ込んだのも、「角福対決」を引きずった同様の意味合いから説明する向きがあったことを想起したい。
「歳入欠陥はほぼ消費税1%」の意味
消費税は1%で2.5兆円の税収となる。道路特定財源の暫定財率廃止で生ずる歳入欠陥規模とほぼ同額である。そこから「税制抜本改正」は絵空事ではなく現実的な意味を持つのだというイメージが鮮明になっていく。その効果を見過ごすべきではない。
あの時点での首相提案は土壇場でのアリバイ工作であるかのように受け取ることも可能だが、今後の改革政策の核心を提起したということであるのなら、本格的な税財政改革論の先行提示として重要な意味合いをはらんでいる。「ガソリン政局」といった矮小化されたレベルを超越して、政策論争のスタート台に立ったということであれば、福田首相の投じた一石は重い。
民主党としても政権担当能力を示す上で、「一般財源化」をキーワードとする本格的税財政改革の論争舞台に乗るべきであろう。国政を機能不全に陥らせた不毛の政局攻防はもうたくさんだ。
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<<重要注目記事>>
★「中央日報」08/04/03
北朝鮮、「軍の対応措置を取る」と警告
北朝鮮は3日、韓国・合同参謀本部の金泰栄(キム・テヨン)議長が前日北朝鮮側に通知文を送り「緊張醸成行為の中断」と「不可侵の合意を順守すること」を再度求めたことに対し、それを受け入れられないとし、「軍の対応措置を取る」と警告した。
軍筋によると、北朝鮮は同午前9時40分ごろ、南北(韓国・北朝鮮)将官級会談・北朝鮮側団長名義の電話通信文を韓国に送り「韓国側が昨日通知文で表明した立場は弁解だ。軍の対応措置を取る」とした。
北朝鮮軍の対応措置は、軍当局者を含む韓国側当局者の軍事分界線(MDL)通過を全面遮断することを意味するようだが、短距離ミサイルの発射などに乗り出す可能性もあるとみられる。国防部は、関連省庁との協議を経て、対応策を決めるとし
ている。
★「東亜日報」08/04/03
米財務省「北朝鮮の偽ドル札摘発、今も続く」
北朝鮮が製造した精巧な偽米ドル紙幣「スーパーノート」が今も摘発されていると、スチュアート・リービー米財務次官補(テロ・金融情報担当)が1日、明らかにした。 リービー次官補は同日、上院財政委員会の聴聞会に提出した報告書で、「財務省秘密検察局(Secret Service)が、北朝鮮の偽ドル紙幣の製造活動を継続して調査しており、『スーパーノート』の名で知られる北朝鮮で製造された精巧な偽ドル紙幣は、今も発見されている」と強調した。
同報告書は、「スーパーノート」を最近どれだけ摘発したかについては、具体的に言及しなかった。
ワシントン外交筋はこれと関連して、「昨年上半期に、米国が北朝鮮との核交渉進展のために、マカオの銀行『バンコ・デルタ・アジア(BDA)』の北朝鮮資金の凍結を解除し、北朝鮮と精力的に後続措置を進めている最中も、米財務省は、『北朝鮮の偽造行為は中止されていない』という問題提起を内部的に続けてきた」と伝えた。
リービー次官補の今回の報告書は、国務省主導の北朝鮮交渉の気流に押されて、非公式になされていたこのような問題提起が、公式化したという点で注目される。
同報告書から、米財務省が北朝鮮の偽造米ドル紙幣および大量破壊兵器(WMD)拡散に関わる金融取引をどのように見ているのかがよく分かる。
報告書は、「北朝鮮のWMD、ミサイル拡散、偽造ドル紙幣などの不法金融活動に直面し、財務省は、拡散活動に関与した多くの北朝鮮企業に狙いをつけ、BDAに制裁を与えた」としつつ、「このような措置の效果のほとんどは、北朝鮮の不法行為に関する情報を全世界の政府および銀行と共有したことから得られた」と指摘した。
そして、「民間部門の反応は大きかった。多くの金融機関が、不法活動に関わると目された機関だけでなく、北朝鮮の他の顧客との取り引きをやめた。北朝鮮は、国際金融システムで事実上孤立した」と説明し、「これは(結果的に)国務省が外交的に北朝鮮を扱う手段を提供したという点でも意味がある」と付け加えた。
米財務省は、06年10月に報告書で、「北朝鮮で偽造された100ドルと50ドルの『スーパーノート』を1989年に秘密検察局が初めて摘発してから16年間にわたって、5000万ドル相当のスーパーノートを回収した」と明らかにしていた。
米財務省海外資産統制局は05年以降、全世界51機関と12人をWMD拡散者とにらんでおり、そのうちの9機関と1人が北朝鮮と関連している。米国は、イランに対しては36機関と11人、シリアに対しては3機関を把握している。
★「朝鮮日報」08/04/02
「北は南朝鮮なしにいくらでも生存可能」
緊張拡大による韓国経済への打撃が狙いか
李明博(イ・ミョンバク)政権を「逆徒(逆賊の集団)」と非難した北朝鮮の労働党機関紙、労働新聞の1日付の論評は、李大統領とその対北朝鮮政策である「非核・開放・3000」に対する不満を高らかに宣言したものだ。
北朝鮮は韓半島(朝鮮半島)核問題の原因を、「米国が南朝鮮に核兵器を持ち込み、われわれ(北朝鮮)を核で威嚇したことが原因」と指摘し、「朝鮮半島の核問題は、米国による核戦争の策動に踊らされている南朝鮮にも責任がある」などと主張した。1950年代後半から金日成(キム・イルソン)首席の指示により(ちみつ)に核開発を進め、2006年10月には核実験まで行い、核保有国としての地位を認めてほしいという要求すら行っている現実を、自ら欺いているのだ。
労働新聞はさらに韓半島非核化について、「北南間の問題ではなく朝米関係の問題であり、南朝鮮まで含めた国際的問題」とした。韓国について言及しているが、核問題は基本的に米国と話し合うものという認識を明らかにしたということだ。同紙が「先軍政治の産物である核抑止力を素直に差し出すわれわれではなく、“親米走狗(そうく)”の李明博政権程度が騒ぎ立てたところで、話し合いの対象にはならない」と表明したのも同じ流れだ。
同紙は「(李大統領が)開放について云々し、北南関係を不信と対決へと追いやっている」と主張した。さらに北朝鮮が開放された国である証拠として、2月末に行われたニューヨーク・フィルの平壌公演を取り上げた。しかし北朝鮮が世界最悪の閉鎖国家という点は、今さら説明する必要もない。今回の論評で言及されたニューヨーク・フィルの公演も、開放へと向かう動きでは決してなく、体制の正当性を訴える手段にすぎないという点を、北朝鮮自らが証明したことになる。
同紙は李大統領が北朝鮮に対する経済協力の4大原則として、▲核問題の進展▲経済的妥当性▲財政負担能力▲国民的合意—について言及したことについても、「(北朝鮮を)孤立(させようとする)策動」と非難した。
「北朝鮮が核を放棄して開放を行えば、10年以内に一人当たり国民所得を3000ドル(約30万5000円)にまで引き上げる」という李大統領の提案に対して同紙は、「煮込んだ牛の頭も笑ってはじけるほどの」ばからしい話とあざけった。同紙は10年前に韓国がアジア通貨危機を乗り切れたのは、「われわれ(北朝鮮)の先軍政治で米国の核戦争の挑発を防いだからだ」と話にならない主張を展開した。
とりわけ同紙は韓国経済についても取り上げ、「南朝鮮がわれわれに背を向け、どのように生き残っていくのか。(われわれは)南朝鮮がなくともいくらでも生存できる」とした。今後も軍事的緊張を高め、韓国経済に打撃を与えることができるという、一種の脅迫とも受け取れる。
同紙は李大統領による北朝鮮の人権政策について、「政治的挑発」と規定した。その一方で北朝鮮の人権問題は、「あり得ないことで、存在もしない」「人権問題は米国による軍事的占領を受けている韓国の側にある」と反論した。さらに「人権をうんぬんしながらわれわれの体制にケチをつけるのは、内政干渉は行わないとした北南関係の基本原則も理解していないからだ」と非難した。
<<産経新聞コラム>>
花岡のコラム『政論探求』は原則火曜付ですが、紙面の都合でときどき水曜付となります。
<<SAFETY JAPAN>>(日経BP社サイト)
<http://www.nikkeibp.co.jp/sj/>
花岡のコラム『我々の国家はどこに向かっているのか』連載中。毎週木曜更新。
<<Janet>>
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<<知的空間・人形町サロン>>
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若手研究者らによる「知的空間サイト」。花岡の政治コラム連載。月初めに更新。
<<そのほか花岡の論文・コラムなど>>
★WiLL3月号 民主党の腫れもの小沢一郎
★Voice4月号 渡辺喜美行革担当相インタビュー「霞が関との戦いに勝つ」
★道経塾(モラロジー研究所)50号 「国家としての汚名を晴らせ」
★激論ムック「反日マスコミの真実2」(オークラ出版)
★コメントライナー(時事通信)3月27日付 「国政混迷に『民主党主因』論」
★政経往来5月号 「政局展望 不透明政局の行方を追う」
★交詢雑誌(財団法人交詢社) 507号「当面の政局動向と日本の行方を考える」
★現代警察119号 「大連立は必ず再燃する」
★JAPAN TAIWAN(日華文化協会)158号 「『大連立』は必ずよみがえる」
★時事評論(647・8合併号) 「自民党の手のひらの上で踊らされる民主党」
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この記事へのコメント
全2件表示さらにすごいのは「ただし、ねじり過ぎて…元に戻る事だけはしないでくれ。」という結句で、これを書いたのはお笑いコンビの一人といいますから、「ねじれ」を悪としかとらえられない物書きのプロを自認する人々は、穴を掘って入ればいいでしょう。
こういう人も起用するというのが産経の懐の深さです。ただし、一方の端に花岡様や阿比留瑠比様がいることを考えると、森田実氏や天木直人氏、内橋克人氏あたりも起用することにすれば、懐の広さは完璧ですね。日時:2008年4月8日
読み応えあり。楽しみにしています。日時:2008年4月5日
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