トップ > ニュース&情報 > 時事・世論 > 花岡信昭メールマガジン

政治ジャーナリスト・花岡信昭が独自の視点で激動の政治を分析・考察します。ときにあちこち飛びます。




花岡信昭メールマガジン554号

発行日: 2008/4/3


▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

★★花岡信昭メールマガジン★★554号[2008・4・3]


▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽


<<「容共政権」を否定した民主党>>

 「ガソリン攻防」が一段落して、政局は一転して静かになった。ガス抜き効果などともいわれるが、激しくぶつかると局面が大きく転換するのが政治攻防の常だ。

 自社対決時代(といわれていたが、実態は自社「なれあい・談合」に近かった)の55年体制下では、重要課題で与野党がぶつかってこう着状態になると、お互い納得づくの「強行採決」が行われ、国会は一夜で正常化したものだ。

 いま、それと似た状況が生まれているといっていいかもしれない。政治家も人間だから、こういうぶつかり方をすると、精神的、肉体的な消耗も激しい。しばらくはリハビリ期間ということになる。

 ガソリン業界だけがきりきり舞いさせられたわけだ。月末29日になると、再議決規定の適用が可能になるから、また騒がしくなる。

 9日に今国会初めての党首討論が行われることになった。ガソリン税や道路特定財源の一般財源化といった問題も大事だが、国家戦略そのものを党首同士で率直に語ってほしい。

 どういう国柄を目指そうとするのか、国際社会の中でどう振る舞おうとするのか。そういう骨太の論議がほしい。

 政治の世界が静かになったといっても、さまざまな動きは続いている。こういう時期の政治ウオッチャーとしては、短い記事(短信という)が要注目だ。

 そこで見逃せないのが、「民主、共産との選挙協力『しない』」という記事。民主党幹部が語ったという。

 これは重要な意味合いが込められている。時期はともあれ、次の衆院総選挙で民主党は政権を奪取するとしている。現有勢力を倍増させても過半数に及ばないのだから、厳しい情勢であることに変わりはないのだが、小選挙区主体の選挙は思わぬ結果が出る。

 昨年の参院選も1人区(小選挙区だ)が明暗を分けた。得票数に比べて、過剰な議席を与えるというのが、小選挙区制の特徴だ。

 仮に現在の300小選挙区をA党とB党が争って全選挙区でA党が51%、B党が49%の得票率であったとしよう。現実にはあり得ないが、理論的にはあり得る。復活当選はこのさいわきに置く。

 その場合、得票数はほとんど同じだが、獲得議席数はA党が300、B党はゼロだ。これが小選挙区制の怖さである。

 2大政党時代になったとき、必ず一方の政党が過半数を制し、強力な政権をつくるうえでメリットといえる。政権運営に失敗すれば、政権交代もたやすく行われるようになる。

 共産党はこれまでほとんどの選挙で候補を擁立することを実行してきた。選挙が政党のPRの格好の場となる。だが、有効得票総数の10%を得られないと供託金没収となるなど、財政的にも負担しきれなくなったようだ。

 次期総選挙では候補を絞り込んで臨む方針を打ち出した。となると、共産票は当然ながらアンチ自民だから、民主党候補に上乗せされるケースが増える。

 これは事実上、民主党への選挙支援体制を組むのと同じだ。共産党は野党連合政権を目指してきたのだが、仮に、共産党を加えると野党が過半数を超えるという結果になった場合、悲願達成となる。

 「共産党との選挙協力はしない」と民主党幹部が言明したのは、そういう事態を避けようというものだ。あの小沢一郎代表のことだから、共産党とだって手を握りかねないという見方が民主党内にあるのも事実だが、そうではないということを今から表明したということになる。「容共政権」はつくらないという意味になる。

 では、そういうきわどい結果になった場合、どういうことが考えられるか。自民、民主入り乱れての「再編成」である。

 自民党は民主党の一部を切り崩して多数勢力を構築しようとするだろう。民主党も逆に自民党に手を突っ込むことになる。

 いまから言うのもなんだが、この帰趨はおもしろい展開になる。勝ったと思った次の瞬間に敗者の側に転落するというダイナミックな政治ドラマが繰り広げられるわけだ。

 民主党幹部の発言を伝える短信から、そういう読み方をするのも、政治を見ていく上での楽しみである。

 で、がらりと話題は変わってプロ野球。巨人の開幕5連敗は興味深い。

 「巨人・大鵬・卵焼き」の世代としては、どうしても「隠れジャイアンツ」を捨てきれない(かつて所属していた新聞社はヤクルト系だったので、社内では静かにしていた)。


 野球の世界は政治と似ている。とりわけ監督の選手起用は政治リーダーのあり方に通じるものがある。

 そうした観点からいえば、原監督の采配には疑問ばかりである。上原を開幕戦に使わず、4戦目の中日戦に「温存」し、そして敗れた。

 巨人が最も信頼し、エース一番手の位置にいるはずの上原(五輪日本代表のエース候補である!)を開幕戦に起用しないというのは、当たればいいが、こういう結果になればチーム内の監督不信を倍化させる。そこがトップの決断の難しいところだ。

 上原を開幕戦に堂々と出して負けたのなら、選手たちは納得する。そうでないのだから、これは最悪だ。

 もしかすると、福田政権よりも原政権崩壊のほうが先かもしれない。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 記事を読んだら、あなたの評価をつけてください。
 評価は3段階で簡単にできますので、本メールの一番下からご参加ください!
___________________________________
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

<<読者から>>

★ 4月1日のお話はこれが現実ならばと、悲しげに笑いながら読ませて頂きました。さて、同じ日にTHE STRAITS TIMESの韓国ソウル特派員の衝撃的な記事がのっていました。4月1日付けですが、これは本物のようです、中身が凄いのでご紹介させてください。

新しく就任した李大統領は公務員制度の大改革を始めたそうです。まず18の省を13に減らし、56の政府関係機関を43にします。それで7000人が職を失います。これは始まりに過ぎず、現在94万6千人の公務員を5年間に30万人減らす予定です。長らく信じられてきた公務員の“鉄のお茶碗ー日本では親方日の丸”、終身雇用もおしまいです。
本人は4時間しか眠らないので有名ですが、働きが悪い公務員を“ムチ打つ”ことも遠慮がないといわれます。閣議の日は大臣連は朝7時半までに報告書を提出しなければならないので、部下達は早朝5時には出勤しなければなりません。“公務員は国民のSERVANT(公僕でしょうが、下僕と訳させて下さい)だ、MASTER(ご主人様)より早く起きて働かなくてはならない”と大統領は言い、閣議もしばしば日曜日に開きますので、高級役人の土日曜は吹っ飛びました。

このやり方は古いという批判もあるようですが支援者も多く、公的部門は非能率で、お役人は頑固で扱いにく、腐敗も多い、職が保証されて、年功で昇進すれば自己満足で怠け者になると民間人には好評です。大統領は“民間の経営者は会社の輸出品が競争力を失い、絶えず新市場を開発しなければならないような事態になると夜も眠れなくなる。公務員諸君はそのようなことを考えたこともないであろう、諸君等は国家が困難な状況になっても報酬を貰っている”と公務員との集会で述べました。

彼は公務員の汚職に撲滅にも乗り出しました。韓国では昇進のためにカネを使うということが広く行われているそうです。又、ベルリンの国際機関が発表した国家の清潔度ランキングが180国中で43位だったことに怒りランクアップを決意しました。
大統領の政府、公務員制度の変革と共に公務員へのメッセージは明快で、「身を引き締めて、新しく出発しよう」です。彼は韓国がトップクラスの先進国になるためには公務員が自らの行動と考え方を変えねばならないと信じているのです。又大統領は少年時代に苦学し、今は財産を築いていますが生活は地味で、閣議の部屋の豪華な椅子も普通のものに変えたそうです。今後5年間の任期中、報酬はすべて慈善事業に寄付するといいますから真剣みを感じます。

これが日本のリーダーの話だと思いたいのですが、日本で記事にすると、一行読んだだけでエイプリールフールだと読む気を失うでしょう。残念です。(シンガポールのじいさん)

[花岡コメント]
 興味深いご指摘をありがとうございます。「公」に徹底して尽くすという姿勢が確立しているわけですね。「滅私奉公」は日本の美徳の柱であったはずなのですが、いま、完全に忘れられているようです。

★ 中国との合弁企業で日本側が一番困惑するのは中国人のものの考え方であると合弁企業に出向経験のある日本人の技術者の言。例えば、機械設備を定期点検整備する場合にこういう意見を主張する。
「どこも悪くないのに、何故点検整備する必要があるのか?」
「正常に動いているのに、何故整備するのか?」
「故障して動かなくなってから整備すればいいではないか?」

これが、中国人の一般認識であったが、近年は大分良くなっている。しかし、基本的には、故障した場合には、日本が「不良品を納入したから故障した」と責任転化して言い募る。
過去の例で言えば、日本が新日本製鐵主導で「宝山製鐵」を建設した時、日本(新日鐵)は最新鋭の製鐵高炉では中国人には操業運転できないと判断し、一世代前(と言っても日本ではまだ主流)の高炉を選定して建設した。ところが、完成した後に中国側はクレームをつけた。「この高炉は中古の設備だ」「中国をバカにしている」と非難したそうである。

日本(新日本製鐵)は、最新鋭設備では日本の技術者でも正常に動かせるまでには時間が掛かる。技術指導出来るまでには何年も掛かるとの判断で、熟知している最前線の高炉で建設したのだが、中国側はそれを理解しないばかりか、日本側の誠意を本音では理解していながら難癖をつけているかのようであった。と指導した技術者が述懐していたことを思い出す。

中国4千年の手練手管が結集されたのが今日の中国であると考えれば、早晩日本企業は追い出されるだろう。その手口は、日本企業が抵抗できない程の状態に追いこみ、しかる後に真綿で締め付ける様な巧妙な手段で迫ってくるだろう。 
日本企業は丸裸にされる日が近付いている。オリンピック終了後が、日本企業撤退元年となるだろう。
さあどうする日本企業、設備丸ごと置き去りにして逃げ帰るか、朽ち果てるまでしがみつき屍をさらすか、オリンピック後が正念場となろう。

この項は、単なる筆者の戯れではなく、根拠のある仮説であります。中国の真実は、深山幽谷の闇の中にあると考えておかねばならないと思う。一読者より警告を込めて発信す。(KUさん)

[花岡コメント]
 重いご指摘です。中国とのつきあい方を根底から考え直す必要がありますね。


★ 昔の社会党はなんだかんだ言っても大人でしたね。それに比べて民主党は党利党略しか考えていない我利我利亡者ばっかりですね。小沢一郎は小渕さんを倒し、安倍さんを瀕死の重傷に追いやり、今度は福田さんも?と思っておりました。
江藤淳さんが生前、産経新聞の月一回の大型コラム(今の“日本よ”の前身)で小沢一郎よ、岩手に帰りなさい。と書いておりましたが、江藤さんは先を読んでいたのですね。あれだけ騒いだインド洋の給油はどうなったんでしょうかね。この揮発油税も今月復帰したら、またすぐに忘れるのでしょう。
今度は年金問題で自民党を苛めるそうですよ。この年金問題は民主党の支持団体の労働組合が公務員に怠勤の勧めを強要して起きた問題でしょう。責任は労働組合でしょう。敢えて言わしてもらえば、民主党の支持団体の責任を、何も関係のない民間から来た社保庁長官の責任に擦り付けたり、事件が起きた時は政治家でもなかった枡添厚生労働大臣のせいにしたりと、とにかく、政府の嫌がらせばっかりです。(KSさん)

[花岡コメント]
 たしかに民主党は政略優先主義が過ぎるようです。これで支持を高められると踏んでいるのでしょうか。



<<産経新聞コラム>>
 花岡のコラム『政論探求』は原則火曜付ですが、紙面の都合でときどき水曜付となります。

<<SAFETY JAPAN>>(日経BP社サイト)
<http://www.nikkeibp.co.jp/sj/>
花岡のコラム『我々の国家はどこに向かっているのか』連載中。毎週木曜更新。

<<Janet>>
 時事通信サイトJanetの花岡コラム『官邸ウオッチ・風測計』。月1回更新。
<http://janet.jw.jiji.com/apps/do/auth/login.html>

<<知的空間・人形町サロン>>
<http://www.japancm.com/sekitei/>
若手研究者らによる「知的空間サイト」。花岡の政治コラム連載。月初めに更新。


<<そのほか花岡の論文・コラムなど>>
★WiLL3月号 民主党の腫れもの小沢一郎
★Voice4月号  渡辺喜美行革担当相インタビュー「霞が関との戦いに勝つ」
2月号 「防衛省の「平和ボケ」を覚ます」小池百合子氏インタビュー
★道経塾(モラロジー研究所)50号 「国家としての汚名を晴らせ」
★激論ムック「反日マスコミの真実2」(オークラ出版)
★月刊「正論」11月号 「安倍晋三は何に敗れたのか」
★コメントライナー(時事通信)3月27日付 「国政混迷に『民主党主因』論」
★政経往来・新春合併号 「福田政権の命運を握る年金問題」
★交詢雑誌(財団法人交詢社) 507号「当面の政局動向と日本の行方を考える」
★現代警察119号 「大連立は必ず再燃する」
★JAPAN TAIWAN(日華文化協会)158号 「『大連立』は必ずよみがえる」
★時事評論(647・8合併号) 「自民党の手のひらの上で踊らされる民主党」

 
このメルマガの読者になる
規約 
>> メルマ!の会報誌もお届けします

ブックマーク: はてなブックマークに追加del.icio.usに追加Buzzurlにブックマークニフティクリップに追加ライブドアクリップに追加Yahoo!ブックマークに登録My Yahoo!に追加Add to GoogleRSS

このメルマガを読んでいる人はこんなメルマガも読んでいます

Japan on the Globe 国際派日本人養成講座
日本に元気と良識を。歴史・文化・政治・外交など、多方面の教養を毎週一話完結型でお届けします。3万4千部突破!
週刊アカシックレコード
02年W杯サッカー韓国戦の「誤審」を世界で唯一「前日」に誌上予測し、誤審報道を「常識化」した推理作家(金正日の「遺書」で始まる「中朝戦争」後の北朝鮮...
宮崎正弘の国際ニュース・早読み
 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析
頂門の一針
急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。
甦れ美しい日本
日本再生のための政治・経済・文化などの発展・再構築を目的とし、メールマガジンの配信を行う


この記事へのコメント

全3件表示
コメントを書く
とてもためになります、いつも楽しく読ましております、知識が豊富になります。野村さんによろしく。日時:2008年4月4日

パトリオット少しはごねても、結局はお上の言う通りにやれ、ということなんでしょうか。政治の現状の責任を民主党に持っていくのはどうも合点がいきません。安倍氏の失政で参議院の議席を激減された以上、こうなるのは賢明な自民党にはわかっていたはずで、日銀総裁候補がいい例ですが、ろくな準備行動もしていなかった自民党に最大の責任があるとはいえないのでしょうか? ところで一時自民党が野党であったときも、武器は審議拒否であったように記憶しています。それに、前にも書きましたが、障害者自立支援法の応益主義削除の法案とか、介護者の待遇を向上させる法案とか、民主党が提出した法案については、自民党としては反対するわけに行かないので、ひたすら審議拒否だそうです。また、年金のことで責められそうな委員会審議も、テレビ中継されそうだやはり審議も拒否してくるそうです。こちらの方もちゃんと報道をお願いしたいと思います。花岡様にもマスコミにもお願いします。日時:2008年4月3日

本当に昔の社会党の方が今の民主党よりましだったような気がします。今の民主党はこう言ってはなんだが「幼児戦略のオンパレード」のような気がする。日時:2008年4月3日


おすすめキャンペーン

三井住友銀行カードローン
金利 年6.0%〜12.0%。最高500万円までお借入可能。
最短30分審査。三井住友銀行に口座をお持ちでなくてもお申込可能です。

くわしくはこちら⇒

発行者プロフィール

ペンネーム : はなさん

  • ジャーナリスト花岡信昭(元産経新聞論説副委員長、日本の新聞社で戦後生まれの政治部長第1号)が現代政治、メディア、世相などを独自の視点で分析・解読、この国のありようをさぐる。

このメルマガの読者になる

規約に同意する



このメルマガの最近の記事


このメルマガの最近のコメント


注目情報


新着記事トピックス