花岡信昭メールマガジン529号
発行日時: 2008/2/16▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
★★花岡信昭メールマガジン★★529号[2008・2・16]
<<たばこカード「タスポ」、その導入経緯に怒れ!>>
【日経BP社サイトSAFETY JAPAN連載コラム「我々の国家はどこに向かっているのか」第97回・14日更新】再掲
購入するときに許可証が必要なモノは何があるか。銃砲刀剣類、特殊な劇毒物、医師の処方箋が必要な薬剤などが思い浮かぶが、たばこを自動販売機で買うのにも特別なカードが必要になるという。
成人識別ICカード。名づけて「taspo(タスポ)」という。たばこ、アクセス、パスポートをもじったのだそうだ。たばこ自販機専用の顔写真付きカードで、2万円を限度にチャージできる電子マネー型もある。ただし、たばこ以外には使えない。
すでにカードの申し込み受け付けが始まっており、3月から鹿児島、宮崎でスタート、逐次、範囲が広がり、7月からは全国でこの「タスポ」カードがないと自販機ではたばこを買えなくなる。かつて、コメは米穀通帳がないと購入できなかったが、たばこもそうした扱いになるとは驚く以外にない。自由経済を旨とするからには、モノの売買はぎりぎりまで自由でありたい。
カードの申込書はたばこ販売店の店頭などに置いてある。本人確認書類(運転免許証、健康保険証、顔写真付き住民基本台帳カード、年金手帳、外国人登録証明書、住民票の写しなどのいずれか)のコピーと、顔写真(縦45ミリ、横35ミリ、3ヵ月以内に撮影したもの、正面、無帽、サングラスなし、マスクなし、無背景)を申込書の所定の位置に張り、日本たばこ協会(社団法人)に郵送する。2週間後に配達記録郵便でカードが届く。発行手数料、年会費は無料だが、再発行には1000円かかる(その場合、旧カードは無効になるので、二重取得はできない)。
日本の喫煙率は日本たばこ産業(JT)の調査だと、2006年時点で、男性41・3%、女性12・4%。全国の喫煙者はざっと2700万人だ。これだけの人がこのカードを必要とすることになる。
カードの運営主体は、日本たばこ協会、全国たばこ販売協同組合連合会、日本自動販売機工業会の3者だ。システムの開発、運営には、NTTデータ、NECトーキン、NTTドコモ、大日本印刷、トッパンホームズ、トランスコスモス、日立製作所、ベルシステム24といった大手企業がかかわっている。総費用900億円の一大事業である。
問題は、そうした民間主体の、それもたかがたばこを買うだけのカードに、個人情報が集約されてしまうことだ。「タスポ」には会員番号が付けられ、コンピューターで一元処理される。愛煙家という個人の嗜好がデータ化されることになる。顔写真付きにしたのは、成人認識の厳格性を高め、貸与・譲渡を禁じるためと説明されているが、自販機がカードの写真と本人の顔を見比べて「販売許可」を出すわけではない。カードを自販機の読み取り装置にかざすと使用できるだけの仕組みに顔写真は必要か。
たばこを買う未成年の8割が自販機を利用しているとされ、「タスポ」導入は未成年の喫煙防止策の重要な一環なのだという。厚生労働省の最近の調査では、喫煙経験のある未成年者は高校3年男子で42%に達している。たばこを吸いたい未成年者は、その気になれば、コンビニなどでいくらも購入可能と見られるが、そうした対面販売では年齢確認を厳格にするという。深夜のコンビニでのトラブル多発が気になるところだ。
未成年の喫煙防止には、家庭、地域、学校など総合的な取り組みが必要なのであって、強制的なカード導入は、効果に疑問が持たれていることもさることながら、これまでの経緯に不可解さが残る。たばこ事業の所管官庁は厚生労働省ではなく、財務省である。たばこは価格の6割が税金で、国、地方合わせて年間の税収が2兆円を超える。業界と財務省のタッグマッチが「タスポ」導入の背景にあったことを指摘しないわけにはいかない。
カード導入の契機となったのは、2005年2月に発効した「たばこ規制枠組み条約」で未成年の自販機でのたばこ購入を防ぐ義務が締結国に課せられたことによる。日本たばこ協会などは2002年から千葉や鹿児島の一部でカードの試験導入を進め、全国展開に踏み切った。だが、鹿児島では導入当初は未成年の喫煙補導件数が減ったものの、3年後には親や先輩などからカードを借りることが広まり、一転して補導件数が増加したという報道もある。
全国のたばこ自販機は56万台。「タスポ」対応型はこれまでのものより2−3割高くなり、旧型を改造すると7万円ほどかかるという。このため、たばこメーカー貸与自販機43万台は切り替えが可能だが、販売店所有自販機13万台については、強制力がない、周囲の状況を見て判断、費用がかかるなどの理由で拒否するところが多かった。
こうした状況から、日本たばこ協会などは2006年9月、財務省理財局たばこ塩事業室長あてに、すべての販売店で「タスポ」稼動が達成できるよう、「法的規制のあり方を含めた行政によるご指導等のご検討依頼」を文書で陳情した。これを受けて、財務省理財局長がたばこ小売販売業者に「タスポ」導入に協力するよう行政指導を通達、さらに、今年7月1日以降、「タスポ」識別装置のない自販機の設置を認めず、違反者には営業停止や販売許可取り消しの行政処分を科すとして締め付けを強めた。
以上が「タスポ」導入の経緯である。JTは全国でイベントを展開しPRに努めることにしていたが、子会社が販売した中国製毒ギョーザ事件の発覚で中止した。そうした事情もあって、「タスポ」が一般にどれだけ伝わっているか、疑問だ。
それにしても、2700万人がかかわる個人カードの導入、たばこ小売販売店への行政指導が、業界と財務省の意向だけで決まってしまうのは、いかにも無神経すぎる。国会で大問題になったという話も聞かない。たばこ購入カードを強制され、たばこを買うことだけの番号が勝手に付けられる。国民としては怒りの声をあげていいはずだ。これは昨今の嫌煙ブームとは別次元の話である。
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<<読者から>>
★ いつもメルマガ楽しみに拝見させていただいております。
私の住んでいる愛知県江南市では、事前に登録しておくと、「市内の火災の情報」「重大事件情報」「地震情報」「警報発令の気象情報」「毎月19日の定期テスト送信」など、いざという時のために、メールできめ細かく送られてきます。
「不審者が現れると、児童/生徒から(大人を介してか直接かは不明ですが)警察に通報があり、不審者情報がメールで流れる」というルートがきっちり出来上がっています。
当然、PM8:30という時間に愛知県内で外国人が片言の日本語でしつこく中学生をナンパしていたら、通報の対象でしょう。
沖縄では「米兵にナンパされてもついていかないように。もししつこく付きまとわれたり、無理矢理連れて行かれたら(誘拐や拉致の範疇ですが)すぐに警察に連絡する」というような基本的なことが、果たして中学や高校で徹底されていたのかどうか。
今回の事件を見ると、まさに「沖縄行政の危機管理のなさ」を感じます。(「菩提樹」さん)
[花岡コメント]
貴重な情報とご指摘、ありがとうございます。愛知ではそういうことをやっているのですか。これは地域社会に緊張感と連帯感を根付かせるためにも参考にしたいですね。
★ この事件は勿論、米軍側に非があるのは当然だが日本政府は抗議だけでいいのだろうか? 場合によっては思いやり予算を削減するなど徹底した反省を促すべきだ。当然、ここにあるように子供の対応にも問題がある。声を掛けられて簡単について行ってしまったという行為は日常の親たちの話し合いがなされていないし、米軍でなくても犯罪に巻き込まれる恐れは十分にある行為である。
これとは別に、あの出会い系サイトでの未成年者に対する犯罪行為だ。聞くところに依ると、少女たちの方から誘惑するメール呼びかけも多いそうだ。いわゆる援助交際を呼びかけ、その行為に及ぶと大人が一方的に犯罪行為とされる問題である。したたかな少女は取り締まるべきで、親の責任も問うべきである。
それにしてもいつまでたっても戦後の日本での占領犯罪は消えて行かない。残念の極
みです。( 岡目八目さん )
[花岡コメント]
ご指摘の通りですね。米兵が悪いのは当たり前ですが、被害者の側もあまりに無防備でした。
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この記事へのコメント
全1件表示イージス護衛艦「あたご」の件は、まず問題にすべきなのは、なぜ漁船はよけなかったのかということだ。さも自衛隊に落ち度があるように報道するのはけしからん!
というところでしょうか。違っている部分は修正お願いします。違っていなかったら、特にコメントは書かなくていいですよ>花岡先生日時:2008年2月19日
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