花岡信昭メールマガジン525号
発行日時: 2008/1/31★★花岡信昭メールマガジン★★525号[2008・1・31]
<<「南京の真実」官邸で試写会を>>
【 産経新聞連載コラム「政論探求」29日付・再掲 】
映画「南京の真実」第1部「7人の『死刑囚』」が完成し、先日、東京で試写会が行われた。会場は超満員で、入りきれない人のために、急きょ、ロビーにモニターが用意された。
3時間が長くは感じられない濃密な画面を、打ちのめされるような思いで見入った。東京裁判で死刑判決を受けた東條英機、松井石根ら「A級戦犯」7人の処刑までの最後の1日をドキュメントタッチで描いたものだ。当時の巣鴨プリズンを再現、俳優たちの凛とした演技がなんともいえない重さを持って伝わる。
監督の水島総氏によると、2部は「南京大虐殺のでっちあげ」を検証するドキュメンタリー、3部は南京攻略戦の劇映画としたい計画だ。制作費は全国から募った2億円余りのカンパでまかなった。
「南京」「慰安婦」「百人切り」など、謀略プロパガンダによって仕立てられた虚構に対し、米紙への意見広告、参戦兵士の証言を聞く会、英文本の発刊、名誉棄損訴訟などの取り組みが展開されているが、この映画もそうした試みの一環だ。「大虐殺」サイドに立った映画が10本ほど制作されている中で、ようやく一矢を報いたかたちになる。
米下院の「慰安婦非難決議」の背後には、中国や韓国の在米プロパガンダ団体の「カネと票」を武器にした暗躍が伝えられている。
そうした謀略戦に対して、なんとも「上品な」日本政府は、対抗手段を持ち得ないままだ。改装されて規模を拡大した南京の「虐殺記念館」には「300000」という中国が主張する「被害者数」を示すプレートが依然として掲げられている。
当時の国民党政府の首都を攻略したのだから、激戦が展開されたのは事実だが、これは通常の戦闘行為であって国際法でも認められている。略奪だのレイプだの30万人虐殺だのといった事態がなかったことは、その後、国民党政府が外人記者に行った300回の記者会見でただの一度も言及されていないことでも証明されている。
戦勝国が敗戦国を一方的に裁いた東京裁判では、「大虐殺という虚構」がまかり通ってしまった。それがいまだに通用しているのは、日本政府の怠慢以外のなにものでもない。
訪中した福田康夫首相も民主党の小沢一郎代表も「いくらなんでも30万人というプレートは外したらどうか」ぐらいのことを突きつけていたら、と思うのはないものねだりか。
試写会には「保守派」の議員が何人か駆けつけたが、現在の政治の対応としては、これも寂しい。映画はすべてを飲み込んで、粛然として絞首台に上った「日本人」の姿を描いている。「ガソリン国会」の攻防戦に明け暮れる中、首相官邸で試写会を催してはどうか。
<<「敵失」に救われる脆弱な内閣>>
【SANKEI EXPRESS 26日付・福田政権考・今、何が問題になっているのか】再掲
福田康夫首相の世間的な存在感がなかなか高まらない。内閣支持率は低空飛行のままだ。民主党の「稚拙さ、判断ミス、ポカ」に救われているというのが実態といっていい。
「特別便」再発送の深刻さ
「ねんきん特別便」が分かりにくいと批判されて再発送することになった問題は、軽視すべきではない。そこに福田政権の脆弱さがあらわれているからだ。
この問題は厚生労働省という役所のいい加減さを改めて示したが、同時に、福田首相周辺の「幕僚」体制の欠陥をも浮き彫りにした。参院選の自民惨敗を招いた最大の要因が「年金5000万件」にあったことを忘れてしまったのか。
「5000万件問題」は旧厚生省、社会保険庁のずさんな体質が引き起こしたものだ。「3月末」公約が近づいているというのに、この処理を厚生労働省に任せていたというのでは、いかんともしがたい。
役所側のミスを棚に上げて、加入者に記録の不備があるかどうか確認させるという発想がそもそもおかしい。役人仕事の典型だ。首相官邸に直属チームをつくるなどして、「特別便」の内容を事前チェックしていれば、こういうバカなことは起きなかったはずだ。
民間の金融機関あたりが、これと同様の不始末をして同じような文書を発送していたら、倒産間違いなしだ。首相がやるべきは、この特別便を発送した担当者の処分、つまりは最高責任者の事務次官の更迭以外にない。
再発送に1億7000万円よけいにかかるというのだから、そのくらいの厳しさであたらなければ、年金問題は乗り切れない。
福田首相が追い込まれるとすれば、年金問題の詰めを誤った場合と防衛汚職が政治家に波及する事態だろう。それ以外は、予想以上に順調な政権運営が続いている。
ミスの自覚ない民主党
それは、民主党側がミスを連発してくれるからだ。おそらくは民主党内には、自らのミスについて深刻な認識はない。それが、さらに福田首相の政権運営を助けることになる。
越年臨時国会の最大の焦点だったインド洋での海上自衛隊の支援再開問題は、57年ぶりの再議決規定の適用で乗り切った。日本の貴重な国際貢献を、いかに理屈があろうと、葬り去ろうとした民主党の完全な判断ミスである。
小沢一郎代表はインド洋での支援活動を「憲法違反」と断じた。それでは補給艦が日本を出るときに、民主党は、捕鯨調査船を妨害する団体さながら、海上にボートを浮かべて阻止するのかというと、そんなことはない。結果として、支援を3ヵ月半ほど中断させたという「嫌がらせ」にすぎなかったことになる。
通常国会を民主党は「ガソリン国会」と名づけ、暫定税率の継続をつぶすとしている。3月末までに租税特別措置関連法案が成立しないと、4月からガソリンは1リットル25円下がることになる。
景気対策としてガソリンの価格を下げるというのなら分かるが、民主党の主張は「政略」にすぎないことを賢明な国民は見透かしている。関連法案が成立すればまた元に戻るのだ。混乱が残るだけである。
新テロ特措法の衆院採決で直前に退席して非難を浴びた小沢氏といい、民主党はやることなすこと、どこかおかしい。方向感覚を見失っている。
もっとも福田首相が「敵失」に安閑としていると、落とし穴が待ち構えていることになる。
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