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花岡信昭メールマガジン508号
発行日: 2007/12/15★★花岡信昭メールマガジン★★508号[2007・12・15]
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<<「大連立」批判論を検証する>>
【日経BP社サイト「SAFETY JAPAN」連載コラム「我々の国家はどこに向かっているのか」第89回・13日更新】再掲
「大連立」は消えていない、と以前のこのコラムで書いた。いわゆる識者の間では、大連立への批判が大勢のようだ。政党政治と議会制民主主義を踏まえ、日本政治の置かれた現状からすると、大連立という選択肢があっておかしくはない。
今後の政治展開によっては大連立が再燃する可能性は大いにあり得る。そこで、もう一度、大連立について考えて見たい。
大連立構想への批判はざっくりいえば、以下の3点に集約されるように思える。
(1)中選挙区制への復帰につながる。
(2)小沢一郎民主党代表の国連至上主義が採用される可能性がある。
(3)読売新聞グループ本社会長・主筆の渡辺恒雄氏が関与した。
まず、中選挙区制復帰について。大連立推進派の渡辺氏や中曽根康弘元首相が中選挙区制への復帰願望を抱いていることは事実だ。農耕民族型の日本的政治風土には小選挙区制はなじまないということらしい。だが、大連立が現実のものとなった場合、選挙制度をただちに過去のシステムに戻すような企てに着手できるだろうか。10年余り前に現行の小選挙区制導入が実現したときの経緯を考えればいい。それとまったく逆方向へのエネルギーが生まれるとは考えにくい。
中選挙区制への復帰を懸念する論調は、衆院480議席のうち、共産、社民両党などを除いた450議席程度が大連立に参画するイメージを描き、中選挙区制に戻さなければ選挙を戦えないではないか、というものであるらしい。確かにこれだけの勢力になってしまえば、300小選挙区でどう戦うのかという疑念が出るのは分かる。
だが、想定される解散時期についての誤解があるのではないか。大連立が実現すれば、早期解散はあり得ないのだ。衆院議員の任期は2009年9月まで残されているのであって、これが大連立の期間になる。任期満了となれば、否応なく選挙戦に突入するわけで、その時点での政治状況に基づいて2大政党時代を目指した一大決戦が展開されることになる。現在の政党の枠を超えた2大政治ブロックが形成され、2大政党へとつながっていく可能性を無視できない。これがいうところの政界再々編である。公明党はいずれの勢力に加わるか、重大な判断が迫られることになる。
大連立によって、自民、民主両党の協議が深化すれば、中選挙区制とはまったく逆に「完全小選挙区制」への動きが本格化するかもしれない。そのほうが2大政党時代に近づけることを、より可能にするからである。
2点目の国連至上主義について。大連立構想は7月参院選によって生じた「衆参ねじれ」を克服する手段として浮上した。焦点となったのはインド洋での海上自衛隊の補給支援活動である。小沢氏は大連立受け入れの理由として、福田首相との党首会談で、「国連決議があれば自衛隊はどんな活動にも参加できる」という持論が受け入れられたとしている。党首会談の内容は完全には明らかにされていないため、ことの真偽は分からない。だが、小沢氏流の国連至上主義が日本の国際貢献策の軸となっていくと考えるのはあまりに早計すぎる。
この問題をめぐっては、濃密な政策協議が必要であって、いかようにも修正の余地がある。小沢氏とすれば、あの時点で「政府の憲法解釈の重要な変更」を強調しなければ党内を説得できないという事情があったのではないか。大連立に飛び込むことが先決なのであって、この微妙な問題がすんなりまとまるとは小沢氏も思ってはいなかったはずである。
小沢氏の「集団安全保障」論の基本的なスタンスは、「憲法改正が常道であることは百も承知している。だが、憲法はきょうあすに改正できるものではない。それまでの間、自衛隊を海外で活動させるための論拠として、これ以外に考えられるか」というものである。小沢氏の主張は現憲法下でも自衛隊の海外での武力行使を可能にするための「知恵」だったと見ていい。国連の「限界」など、小沢氏は先刻承知の上なのである。
3点目の渡辺氏の関与について。日本最大の新聞社の主筆が現実政治の裏側で動いたことを批判するのはたやすい。だが、その批判は渡辺氏の言動を封殺するパワーを持ってはじめて現実的な意味を持つ。古今、政治にはその是非はともあれ水面下の動きがつきものなのであって、表に見えるところでやれと主張するのはあまりにナイーブすぎる。
大連立構想は実は7月参院選の前から、自民敗北を前提として進められていたらしい。「衆参ねじれ」が現実のものとなって、小沢氏のみならず、民主党の少なからぬ幹部もこれに理解を示したという説すらある。今となっては関係者は一様に否定するだろうが、そこまでの事前工作がなければ党首会談でいきなり浮上するわけがない。小沢氏にとっては、大連立に参画することによって、民主党の政権担当能力が試されるという思いがあった。小沢氏が代表辞任表明を行い、慰留を受けてこれを撤回するというドタバタ劇を演じたのは、大連立の意味合いを理解できなかった党内の政治的成熟度の低さに対する「あてつけ」でもあった。
付言すれば、この一件によって、小沢氏の党内におけるパワーは一段と強化された。小沢氏に代わる代表はいないということがいみじくも明らかになったからである。このことの意味合いは今後の展開を考えるときわめて大きい。次のチャンスでは、小沢氏はこんどこそ大胆に動けることになる。
ドイツは2005年の大連立によって、消費税の大幅引き上げを実現させた。政府税調は先の答申で消費税問題を先送りしたが、これは来年中に衆院選があり、2009年度予算編成は国政選挙を前提としない環境下で行われるという見通しに基づいてのことである。消費税引き上げは避けて通れない道といっていいのだが、与党を攻撃するのが野党の役割という旧来型の意識が存在する間は難しい。大連立が実現してはじめて、もろもろの国家的課題に解決への道筋がつくことになる。
さらにいえば、大連立は憲法改正を現実化させるためのイメージ形成に貢献するはずである。安倍政権下で成立した国民投票法により、3年後に改正の発議が可能になる。その場合、自民、民主両党が同じ土俵に乗らなければ発議の条件である両院の3分の2の勢力は結集できない。大連立構想の最大の眼目はそこにあったといっていいのではないか。これも大連立再燃の可能性を示唆するものである。
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<<読者から>>
★ <「南京“大虐殺”」や「慰安婦“強制連行”」などは、中国当局の謀略プロパガンダによるフィクションであることが、最近の研究で一段と明確になっている。それがいまだに「反日」の材料として使われているのだから、日本としては「不快感」を示し続けなくてはいけない。それがまっとうな主権国家の姿だ。 >
貴見の通りですが、それの伝わらない場合の多い与野党議員や内閣のメンバーです。何がまっとうで、何がまっとうでないという判断基準が、方々にあるのかどうか。そろそろ、すでに無いと判断すべき時期に来ているのではと、しきりに思うようになりました。(Rさん)
[花岡コメント]
政治家の多くは「大虐殺」が虚構であることを承知しているのですね。しかし、中国があったと言っているのだから、まあ、言うとおりにしておこう、いまさら正面から反駁していたずらに中国と事を構えるのもいかがなものか、といった感覚なのだと思います。それが大人の態度だと勘違いしているのですね。国家と国民に対するこれ以上はない誹謗中傷(向こうは「ホロコースト扱い」しているのですから)なのですから、声をあげるのがまともな国の当たり前の態度ですね。黙っていたら、認めたことになってしまいます。
★ 防衛省は守屋問題に続いて今度は先のイージス艦情報の漏洩問題で横須賀基地の3佐が流出源として逮捕されました。それにしてもこの国の防衛という国の要に関わる自衛隊の組織は一体全体どうなっているのか?国民全体も唖然とせざる状況と言えます。
戦後の教育の流れの中で、軍事ということに忌避感が醸成され、国家全体が能天気な背景をもつに至った結果でしょう。普通の国ではあり得ない情報管理であり、形だけの機密管理の中身が露呈されています。しかも発覚に至ったのが、中国人女性と結婚していた自衛隊員のところからと言うに至っては、先の大戦で真珠湾の奇襲攻撃を行った日本軍の攻撃がすべて米国側に傍受されていたのと同じ構図です。とにもかくにも日本は戦後一貫して平和天国の中で暮らしたお陰で他国からの侵略に対してはまったくの無防備であり、考え方そのものから再教育する必要がありそうです。(岡目八目さん)
[花岡コメント]
ご指摘の通りで、平和ボケもきわまれりということでしょう。国によっては「死刑」ですね。
<<重要注目記事>>
★「人民日報」07/12/13
南京大虐殺に新たな資料集 元日本兵の日記など収録
南京大虐殺に関わった元日本兵102人の当時の手紙や日記、回想録を集めた南京大虐殺資料集「元日本兵の書簡と日記で見る南京大虐殺」(松岡環編集)が12日、南京市で出版された。「南京大虐殺史研究文献シリーズ」で初の日本人が編集した資料集となる。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
同資料集を編集した松岡氏は、小学校教諭だった1988年、南京市にある南京大虐殺記念館(正式名:侵華日軍南京大屠殺遇難同胞記念館)を初めて訪れ、戦争の悲惨な歴史をより多くの日本の生徒たちに教えようと決心。南京大虐殺の生存者を訪ね歩き、180人の証言を集めた。その後、大虐殺に関わった日本兵さがしを始め、中国侵略を行った多くの元日本軍兵士を取材、大量の証言と証拠物件を集めた。そのうち多くの価値ある証拠物件が南京大虐殺記念館に寄贈されている。
今回の資料集は、松岡氏が元日本兵の戦時中の手紙と日記、回想録を編集し、南京大虐殺記念館の援助を受けて出版したもの。南京大虐殺の研究に役立つ新たな資料となる。
南京大虐殺70周年 南京で大規模な平和集会が開催
南京市で13日午前、大規模な平和集会が行われ、江蘇省及び南京市の各界代表者と国内外から集まった人々合わせて約8千人が参加し、旧日本軍が行った南京大虐殺によって命を奪われた30万人の犠牲者たちに追悼を捧げた。新たに新設された南京大虐殺記念館(正式名:侵華日軍南京大屠殺遇難同胞記念館)の新館も同時に正式公開された。「新華網」が伝えた。
追悼式は南京大虐殺記念館の集会広場で行われた。南京芸術学院の学生である任潔さんが南京市民を代表して「南京平和宣言」を読み上げ、「南京市民は平和を渇望し、平和を愛します。(中略)戦争の暴力に断固として反対し、テロリズムに反対し、市民の生命と財産を侵すあらゆる正義なき行為に反対します」と宣言した。
江蘇省政治協商会議の許仲林主席は追悼式で、「南京大虐殺記念館は、悲惨な歴史を心に刻み犠牲者を記念するための大切な場所だ。今回の記念館の拡大は参観者に歴史を体験してらうためだ。南京大虐殺は中国人だけではなく人類が共有する根本的な価値観に対する攻撃であり、多民族と多数の国家の調和的な共存のための土台を突き崩すものだという歴史の教訓を教え、現代と未来の人々に、戦争責任を否定し戦争を美化するいかなる風潮に対しても断固として反対していくよう促し、中国国民とりわけ南京市民が全人類と共有する、平和への信念ならびに世界の人々との平和的な共存への願いを表すものだ」と述べた。
1937年12月13日、旧日本軍は南京市を占領、続く6週間の間、30万人以上におよぶ罪のない市民と武器を下ろした兵士が日本軍によって殺害され、2万人以上が性的暴行を受け、市内3分の1以上の建物が破壊され、数え切れない財産が失われた。
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【お知らせ】
<<産経新聞コラム>>
花岡のコラム『政論探求』は原則火曜付ですが、紙面の都合でときどき水曜付となります。
≪知的空間・人形町サロン≫
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若手研究者らによる「知的空間サイト」。花岡の政治コラム連載。
≪SAFETY JAPAN≫(日経BP社サイト)
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花岡のコラム『我々の国家はどこに向かっているのか』連載中。原則として毎週木曜更新。
<<Janet>>
時事通信サイトJanetの花岡コラム『風測計』。月1回更新。
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<<そのほか花岡の論文・コラムなど>>
★月刊「正論」11月号 「安倍晋三は何に敗れたのか」
★コメントライナー(時事通信)11月22日付 「『大連立』は消えていない」
★政経往来12月号 「政局展望 来春の衆院解散に命運をかける」
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★現代警察118号 「安倍政治から福田政治へ」
★JAPAN TAIWAN(日華文化協会)157号 「安倍政治から福田政治へ」
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