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政治ジャーナリスト・花岡信昭が独自の視点で激動の政治を分析・考察します。ときにあちこち飛びます。




花岡信昭メールマガジン505号

発行日: 2007/12/8

★★花岡信昭メールマガジン★★505号[2007・12・8]

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<<先が見えてきた国会攻防>>
【日経BP社サイト「SAFETY JAPAN」連載コラム「我々の国家はどこに向かっているのか」第88回・6日更新】再掲

 大荒れの臨時国会だが、どうやら先が見えてきたようだ。政府与党にとって重要なのは、新テロ特措法の成立と来年度予算の年内編成ということになるが、いずれもなんとかめどがつきそうな気配が濃厚だ。 

 臨時国会は15日まで延長されたが、これが再延長となるかどうか、もうひとつ不明な要素は残る。だが、いずれにしても予算の年内編成は可能というのが政府与党の判断だ。 

 つまり、臨時国会を再延長した場合でも予算編成との同時進行はできるという見通しが出てきたのだという。事務レベルでの編成作業は国会がどうなろうと続けていけばいいのだが、問題は閣僚折衝だった。 

 言うまでもないが、閣僚折衝とはいっても、すべて事務レベルでお膳立てをした上の話である。閣僚折衝用の財源を用意しておいて、閣僚レベルで最後の詰めを行い、かたちをつけるわけだ。 

 問題は閣僚が国会に縛り付けられていては、物理的時間が取れない、というところにあったが、その場合でも夜間に行えば対応は可能、という判断で固まってきた。 

☆民主党「ポカ」連発で与党が強気に

 政府与党が予算の年内編成にこだわるのは、越年すると、予算案の年度内成立(来年3月末、ぎりぎりで4月第一週)が危うくなるためだ。細川政権当時の94年度予算は、越年編成となり、予算成立は6月下旬にまでずれ込んだ。50日間の暫定予算を組み、さらに40日間の暫定補正予算を追加するという異例の展開となった。 

 その二の舞いは避けたいというのが福田政権の最優先課題だ。サブプライム問題などで景気動向が不安定な中で、国家予算の成立が遅れたら、経済情勢にもろに影響が出る。 

 政府与党が強気の読みに転じたのは、民主党が「ポカ」を連発したことが大きい。「大連立」を拒否した民主党だったが、防衛省汚職に関連して額賀福志郎財務相の証人喚問を野党単独で決めた。さすがに共産党からも「間違いだった」と反省の声が出て、これを撤回した。証人喚問は全会一致が原則で、数にモノを言わせて単独で決めてしまっては、衆院で与党の思うがままの喚問を許すことになってしまう。 

 さらにこの重大な国会開会中に46人もの衆参議員の大量訪中という「常識ではあり得ないこと」(自民党幹部)が加わった。以前から決まっていたことで会期延長は与党が勝手にやったものだ、というのが民主党の主張だが、インド洋での海上自衛隊の支援活動を停止させておいて、その言い草は何だ、と批判されてしまった。 

 かくして、民主党の鳩山由紀夫幹事長は「審議を遅らせるようなことはしない」と言明せざるを得なくなり、民主党の国会運営の稚拙さが一段と浮き彫りになった。 

☆予算関連法案では“ウルトラC”も

 新テロ特措法の扱いについては、15日までの会期中に決着をつける可能性も出てきた。その場合は、参院で否決、衆院で3分の2の賛成によって再議決するという憲法59条の規定を使うことになる。民主党はそうした事態になった場合、参院で首相問責決議を可決すると揺さぶってはいるが、国会閉幕となれば一過性の騒ぎに終わる。 

 これが再延長となると、1月12日以降、60日規定(参院で60日間たっても結論が出ない場合は否決したものとみなす)が適用できることになる。この場合も同様の展開になるものとみられるが、いったん臨時国会を閉じて、一呼吸おいて通常国会召集となるわけだから、このケースでもしのげるという判断が政府与党に強まっている。 

 仮に額賀財務相の「疑惑」がホンモノとなっていった場合は、一転して民主党側が勢いづくことになるが、いざとなれば「小幅改造」で乗り切る手も残されている。 

 政府与党にとって、次の難問は、予算関連法案だ。とくに、道路特定財源関連のガソリン税などは、2倍程度に引き上げている暫定税率が3月末で期限切れとなり、この改正法案の成立がずれ込むと厄介なことになる。税収欠陥が生じ、ガソリンの値段がいったん下がり法案改正で再び上昇するという展開も予想される。 

 そこで、1月下旬の通常国会召集後、ただちに関連法案を衆院で可決して参院に送付、3月末に60日規定を適用するというウルトラCも検討されているらしい。 

 海上自衛隊の支援活動が11月1日で期限切れとなり、撤収を余儀なくされたのは、安倍政権時代に早めの対応を取っておかなかったことが大きい。参院選前の通常国会で処理していればこういう結果にはならなかったのだが、当時の安倍政権にはそこまでの余裕がなかった。 

 その教訓から早期衆院採決という策が浮上してきたわけだが、これも与党側が強気に出ていることを象徴するものだ。 

☆政治状況は流動化の一歩手前

 こうした状況を招いた背景は、民主党も表向きの威勢のよさとは違って、早期解散を本音では望んでいないというところにある。 

 与党側には衆院で3分の2を制し再議決規定が適用できる状況をこのまま維持しておきたい思惑が強い。3分の2という大勢力は小泉政権当時の郵政解散・劇場型選挙があってはじめて可能になったもので、次期衆院選については「与党過半数はまず間違いないが、3分の2はとても無理」(自民党幹部)という見通しが大勢だ。 

 できる限り長期に3分の2を死守したい与党側と、選挙準備が間に合わない上、どう見ても順風下にはないという民主党側の思惑が奇妙に一致して、早期解散はないという観測が強まっている。 

 さらには、民主党にとって微妙な選挙結果となった場合、対応がきわめて難しくなるという判断が出てきた。衆院の現状を見れば、民主党は現有勢力を倍増させても単独過半数には及ばないのだが、小選挙区制を軸とした選挙制度では何があるか分からない。民主党の単独過半数が現実のものになれば、これは文句なく民主党政権誕生だ。 

 野党過半数となった場合、とくに共産党を加えれば過半数を超えるという展開になったときに、民主党としては高度な政治判断を迫られることになる。事実上の「容共政権」を認めるのかということになるからだ。 

 自民党も民主党も過半数に達しなかった場合は、大連立ならぬ「中連立」「小連立」の可能性が出てくることになる。民主党の一部の離党だ。参院で17人がこれに加われば、参院でも野党が過半数割れとなり、「衆参ねじれ」は解消される。 

 「分裂の危機」を払拭しきれないことが民主党を弱気にさせ、逆に与党側の強気を呼んでいるともいえそうだ。「平沼新党」の可能性も喧伝されており、いずれにしろ、政治状況が流動化の一歩手前まで来ていることは確実と見られる。 



<<盛り上がった「南京」集会>>

 このコラムでもご案内した「南京陥落70年 国民の集い」は大変な盛り上がりだった。

 筆者もお手伝いしたのだが、90歳を超える元兵士の方々は、力強い口調で、自身の体験を述べられ、「虐殺などまったくなかった」ことを証言された。

 会場の九段会館は1階席がまたたく間に埋まり、2階席もいっぱいに。3階席はスクリーンの上部が切れてしまい、見えにくいのだがここも半分以上埋まった。全席で1300だから1000人は軽く突破した。

 この模様は追ってチャンネル桜で放送されるほか、DVDなども販売される予定。

 元兵士の方々を全国からお呼びするという試みができるのは、これが最後の機会となるかもしれない。そうした意味でも大きな意義のある催しだった。

 上京してくださった元兵士5人の方々は7日午前、靖国神社に昇殿参拝し、戦友たちの冥福を祈った。


 以下、この集会の模様を伝える産経記事。
「産経」07/12/07

「大虐殺なかった」 南京の真実 国民の集い、旧日本兵証言

 「南京事件」から70年を迎えるに当たり、「南京陥落70
年 国民の集い 参戦勇士の語る『南京事件』の真実」(南京
事件の真実を検証する会主催)が6日、東京都千代田区の九段
会館で開かれ、参戦した旧日本兵が「南京での大虐殺はなかっ
た」と証言した。

 検証する会の加瀬英明会長が「中国、米国などがこの事件を
取り上げ、日本の非道を改めて告発する動きがある。これに対
し南京事件の真実を世に訴えたい」と開催の趣旨を説明した。

 日本「南京」学会の冨沢繁信理事は「当時、南京の市民は南
京の安全地帯に集められていた。中国軍は南京を捨てて退却し
たが、一部は市民に紛れて安全地帯にいた。安全地帯以外に人
がいない状況で事件が起こるはずがない。南京の当時の人口は
20万人だったが、安全地帯の人口は減らなかった」と述べた。

 南京戦に参戦した元兵士5人が拓殖大の藤岡信勝教授の質問
に答える形で証言。第9師団(金沢)に所属していた近藤平太
夫さん(93)は「城内では中国人が日本人相手に露店を出し
て商売をしていた」と述べ、その際に購入した印鑑を示して城
内が平和だったことを強調。虐殺や略奪については全員が「見
聞きしたことはない」と明言した。

 「南京事件」については中国などが、昭和12年12月に旧
日本軍が南京を占領した際、一般市民を巻き添えにして虐殺、
婦女暴行、略奪を行ったとしている。中国側は被害者数を30
万人と主張している。
  


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