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花岡信昭メールマガジン497号
発行日: 2007/11/24★★花岡信昭メールマガジン★★497号[2007・11・24]
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<<「大連立」構想は再燃する>>
【日経BP社サイト「SAFETY JAPAN」連載コラム「我々の国家はどこに向かっているのか」第86回・22日更新】再掲
自民・公明与党と野党第一党の民主党との「大連立」は、小沢一郎民主党代表の「辞意表明−撤回」劇の側面だけがクローズアップされてしまった。これによって、大連立構想は頓挫したと受け止められているが、消えてはいないと見るべきだ。「衆参ねじれ」の究極の打開策として、これ以上のシナリオは見当たらないからである。
小沢氏は11月20日の記者会見で大連立について、「国民との約束が実行できるなら国民への責任を果たすことになる。その思いは今も変わらない」と述べた。その一方で、党内の反対が強いことから当面の大連立実現には否定的な見通しも示した。
これは、小沢氏が依然として大連立の意欲を捨てておらず、党内の支持が高まれば踏み切る意思があることを示唆したものだ。福田康夫首相らに対する重要なメッセージともいえる。
一連の経緯の中で小沢氏は民主党の現状について、「力量不足」「政権担当能力に疑問」「次期衆院選の見通しも厳しい」などと率直に述べた。その認識は変わっていない。大阪市長選の勝利や防衛省の疑惑表面化で意気あがる民主党だが、衆院選の見通しが甘いものではないことも事実だ。とにかく、現在の勢力を倍増させても過半数には達しないのである。
☆共産党と組むより大連立
小選挙区制を軸とする選挙システムだから、得票数と獲得議席の乖離が激しく、予想外の結果が出る可能性は皆無とはいえないが、それにしても情勢は厳しい。さらに、もし民主党が大勝した場合、共産党の事実上の支援が大きな要因を占めることになるという点も見逃せない。
これまで共産党はあらゆる選挙で可能な限り候補擁立を図ってきた。だが、供託金没収による財政事情などもあって、次期衆院選では候補をかなり絞り込む方針だ。となると、共産票が民主票に上乗せされる選挙区が増えるわけで、過去の選挙データをそのまま当てはめると民主党が大勝するという試算もある。
これは民主党にとって痛し痒しの展開である。小沢氏は勝敗ラインについて、「最善は単独過半数、次善は野党の過半数突破、三善は衆院第一党」と述べている。これをわざわざ明らかにしたのは、「三善」の民主党が自民党を上回って第一党になるというところまで、勝敗ラインを下げたことを意味する。
つまり、その場合は次善の野党過半数よりも下だから、自公与党が過半数を確保することになる。福田政権継続となるわけだ。
民主党が最も「困る」結果といえるのは、共産党を加えたら過半数を突破するというケースだろう。それでも野党連合政権をつくるのかどうか。共産党は閣外協力ということになれば、事実上の「容共政権」誕生となってしまう。
これは民主党が目指してきた政権交代可能な2大政党制の様相とは異なる。したがって、このケースの場合、小沢氏が自民党、公明党との大連立に走る公算が強まってくる。
臨時国会の攻防戦で福田政権を追い詰め、早期解散を引き出すとしている民主党だが、本音では早期解散を望んでいないと見られているのは、そういう事情もある。容共政権か大連立か、重大な選択を迫られかねないのだ。
☆「衆参ねじれ」による停滞、打開策はほかにあるのか
大連立は「衆参ねじれ」によって国政が停滞している状況を打開するための策として打ち出された。7月参院選での自民敗北が確実視されたころから、水面下で大連立への工作が進行していたという。
自民党守旧派を中心とする謀略という冷めた見方もあるが、小泉元首相が大連立の挫折を「残念だ」と述べていることなどを考えると、一概にそうとばかりも言えない。村山「自社さ」政権の樹立とは意味合いが異なる。
「衆参ねじれ」の打開策としては、憲法が認定する衆院優位の大原則を与野党が認め合うことがまず求められる。参院で否決(あるいは60日間過ぎても結論が出なかった場合も同様)されても衆院に戻して3分の2の賛成で再議決できるという憲法59条の規定を混乱なく適用することが必要だ。参院での首相問責決議が重大な意味を持たないようにすることも求められる。
さらに党議拘束の緩和という課題がある。米国では上下院とも民主党優位の構成になったが、これがただちにブッシュ共和党政権の屋台骨を揺るがすことにならないのは、クロスボーティングが日常的に行われ、共和党提出法案でも民主党から賛成者が出るケースがあるためだ。議員を独立した存在として認めていることによるが、日本では厳格な党議拘束があって、党の方針に反した投票を行えば、郵政民営化法案で見られたように、とんでもない騒ぎになる。
こうした「ねじれ」対応ルールを野党が認めるかというと、そうはなっていない。民主党は7月参院選の結果が直近の民意だとして、参院優位の状況を政略の武器として使ってきた。
☆「大連立」の理解は進んだ
大連立反対論には、中選挙区制への復帰願望が隠されているという点や、国際貢献を巡る「小沢イズム」が採用されることへの懸念を挙げる向きが多い。だが、これも当を得た論拠とは言えない。
大連立推進派のシナリオは、衆院議員の任期が2年弱残されていることから、これを大連立期間とし、この間に自衛隊海外派遣の恒久法をはじめ、年金、消費税、さらには憲法といった国家的課題の決着をつけようというものだ。否が応でも任期満了は来るのだから、その時点で改めて2大政党時代を目指した一大決戦を行うという構想である。
したがって、選挙制度の変更は小沢氏の脳裏にはない。小選挙区制は小沢氏が主役となって導入されたものだ。国際貢献策にしても、小沢氏の「国連至上主義」を軸とするかどうかは政策協議の過程で修正が施されていくだろう。
大連立は2005年、ドイツのメルケル政権発足の際に登場した。キリスト教民主同盟・キリスト教社会同盟(CDU・CSU)、ドイツ社民党(SPD)のいずれもが過半数に達せず、左翼政党との連立にそれぞれ失敗したため、一気に大連立を実現させたものだ。国政の安定を目指した政治の知恵といえる。
「衆参ねじれ」は参院選で自民党が「順当に」勝っていった場合でも、解消されるのは6年後か9年後となる。むろん、次期衆院選で民主党が大勝し民主党政権ができれば、逆の形態でねじれは解消されるのだが、その見通しは高くはない。
ということは、今後、長期にわたってねじれ状態が続き、国政停滞を克服できないまま推移するおそれがある。それは国民にとっては望ましい展開とは言えない。いずれにしろ、先の騒動によって、大連立の意味合いに対する理解も進み、免疫効果も出た。大連立への道はこれからが本番と見る。
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<<読者から>>
★<「野合と書くのは勝手だが、オレたちが何を目指したか、分かるか。社会党を溶
融させてしまえということなんだ。社会党がいたら二大政党時代は来ない」>
この発言と共通することを当事者の一人から聞いたことがあります。今回、赤松議員が猛反対した背景は案外、貴台のお見通しの通りかも知れませんね。
いずれにしても貴台による今回の連立騒ぎについての解明と評価に共感する政治分析が月刊誌に登場するかどうか、その水準を知るために興味津々です。大人の政治分析が少ないと、それだけ解明される対象も低くなるという関係にありますから。(Rさん)
[花岡コメント]
大連立構想はほとんどのメディアであまり評価されていないようですね。政治の世界を見ていくには、とことん幅広い視野が必要かと自戒を込めて思うのですが。
★ 民主党は小沢代表の辞任劇から、結局また代表に頼らなければ何一つ事が運ばない党であることを国民の前に見せつけました。この点を党内でよく総括して欲しいものです。小沢代表は、国民もそうですが党内においても連立という意味を理解できずにいるこの国の姿を残念に感じているのでしょう、いまだに連立にこだわった発言をしています。たしかに先ごろの大阪市長選といい風は民主党に吹いてはいるものの、仮にこのまま衆議院選挙に勝って政権交代しても国民は現在の民主党だけで国政権運営ができるとは思っていないでしょう。若い議員は国民側から見るとチャンス到来に浮かれている感じがしないでもありません。実際の政権運営については、外交、防衛についての確固たる理念が確立できていない
現状ではとても政権を託せ無いと言うのが国民の立場だと理解すべきです。小沢代表だけが理解されている党の現状では、ねじれ国会の続く流れの中で与野党による政策協議の政治が一番望まれると思われます。(岡目八目さん)
[花岡コメント]
仰るように民主党は「風任せ・敵失頼み」の基本的な体質から抜け出てはいないように思えます。そこがポイントでしょうね。
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三島由紀夫氏が憂国の諫死を遂げる直前、開催された「三島由紀夫展」は「書物の河」「演劇の河」「肉体の河」「行動の河」と四つに展示が分けられた。そこで憂国忌も一昨年は肉体をテーマに細江英公氏の「薔薇刑」を、昨年は「演劇」で村松英子さんに「薔薇と海賊」の予告上演をしていただいた。ことしは「行動の河」に焦点をあてて次の要領で開催します。
記
と き 11月25日 午後二時(一時開場)
ところ 豊島公会堂 (池袋東口、三越うら)
http://www.toshima-mirai.jp/center/a_koukai/
ことしのテーマは、『行動の河』です!
会場分担金 おひとり千円)
第一部 1400−1530 (総合司会 藤井厳喜)
シンポジウム「あれは楯の会事件ではなかったのか」
パネリスト 堤 堯(元文藝春秋編集長)
中村彰彦 (直木賞作家)
司会 花田紀凱(WILL編集長)
(休憩)
第二部 1540−1710
記念講演 「武士道の悲しみ 最後の特攻としての三島由紀夫」
評論家 井尻千男(拓殖大学日本文化研究所所長)
もっと詳しくは発売中の『WILL』12月号、『正論』12月号(11月1日発売)をご覧ください。また三島研究会の下記サイトにも詳しい案内があります。11月23日産経新聞の広告にご注目ください。
三島由紀夫研究会 HP URL http://mishima.xii.jp/
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★コメントライナー(時事通信)11月1日付 「『衆参ねじれ』に対応するルールを」
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この記事へのコメント
全2件表示多数説とは違った、幅の広い見方だと思います。日時:2007年11月24日
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