花岡信昭メールマガジン |
この記事の発行者<<前の記事
|
次の記事>>
|
最新の記事
★★花岡信昭メールマガジン★★485号[2007・11・3]
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
★名刺交換させていただいた方々などにも送信しています。ご不要の場合は、末尾の停止措置をご利用ください。このメルマガは、無料・原則日刊です。
★ウェブサイト <http://www.hanasan.net/>(現在、「炎上」後遺症で閉鎖、修復作業中です)
★ブログ「はなさんのポリログ」 <http://hanasan.iza.ne.jp/blog/>
★メルマガバックナンバー <http://www.melma.com/backnumber_142868/>
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
<<党首会談攻防は何だったのか>>
福田首相と小沢民主党代表の党首会談は結局、何だったのか。報道によれば、福田首相が「大連立」を呼びかけ、小沢氏が党に持ち帰って役員会にはかったら拒否された、ということらしいのだが、それだけなのか。
福田首相は「政策協議の新体制」という言い方をしている。「連立」とも「大連立」とも言ってはいない。首相はまた、参院選で自民大敗となった直後から考えていたとも述べている。
つまりは、「衆参ねじれ」の現状では、重要な法案はことごとく成立しないから、「政策協議機関」をつくろうではないか、と持ちかけたらしい。これがイコール大連立となるのかどうか。そのあたりの微妙な中身を吟味する必要がある。
その材料として使われたのが、新テロ特措法に代わる「恒久法」だった。自衛隊の海外派遣について、これまでのように案件ごとの特措法で対処するのではなく、海外派遣を可能にする条件を整理して、いかなる事態にも対応できるようにしようというわけだ。
これは小沢氏にとって、魅力的に映ったようだ。インド洋での海上自衛隊の給油支援には反対だが、国際治安支援部隊(ISAF)は国連決議で明確に規定されたものであるから、これへの自衛隊参加は結構、というのが小沢氏の考えだ。
この小沢氏の主張は、民主党内の大勢とはなっていない。むしろ、これまでの民主党は給油支援には賛成だが、ISAF参加は反対というのが基本姿勢だった。
2日の党首会談は休憩をはさんで計2時間ほど行われた。不思議なのは、小沢氏が党首会談の場で福田首相の提案を拒否したのではなく、党に持ち帰って役員会を開き、その結果、拒否が決まったことだ。
給油支援などをめぐる持論について、小沢氏は「反対なら離党する以外にない」とまで述べて、党内の異論を封じ込めていた。その姿勢からすると、小沢氏の今回の態度はなにやら自信なげにも見える。これまでの小沢氏なら党首会談の場で態度を鮮明にしていたはずだ。
そこに、民主党内の力学の変化が見えてくる。参院選大勝の神通力が早くも失せてきたということか。小沢氏が党の意見集約をはからなければならないほど、党内の亀裂が表面化しつつあったということなのか。
民主党はいうまでもないが、旧社会党から自民党までの出身者による寄せ集め政党である。小沢氏は左派を巧みに引き付け、党内をまとめてきた。
対テロ作戦への支援となると、左派は自衛隊を海外に出すことそのものに反対だし、逆に保守派は積極的な国際貢献を求めている。まさに股裂きのテーマなのだ。
福田首相としては、アメリカの理解を得るためにもあらゆる努力を尽くす必要があった。まして訪米を控えている。「大連立」を呼びかけて民主党から拒否されたとなると、米側にはその努力に対して好感も生まれよう。福田首相の当面のねらいは、案外そのあたりにあったのかもしれない。
福田首相の提案を拒否した民主党は、ダイナミックな政界大再編の主導権を握れなかったことになる。党首会談をめぐる攻防は福田首相側がポイントを稼いだと見ていい。
大連立というのは、小選挙区制を軸とした選挙制度のもとでは、相当の腕力がないと踏み切れない。300小選挙区と比例代表11ブロックの候補調整は容易なことではないからだ。
現在、衆院の自民党は304、民主党111、合わせて415議席である。公明党31を含めると446議席となる。これに落選中の候補を含めて、総定数480すべてを取る、というぐらいの選挙をやる構えがあれば、大連立も可能になるのだが、あまりに非現実的だ。
大連立を主張する論者は、中選挙区制への復帰を前提としているようだ。選挙のことだけを考えれば、中選挙区制なら大連立も可能ということになる。だが、政治改革の主眼であった小選挙区制を放棄するというのは、完全に後ろ向きの議論だ。
しかし、こういうことなら可能だろうし、理解できる。大連立と同様の意識を持って、重要政策を一気に協議し、決めていく。自衛隊の国際貢献、年金制度、消費税、さらには憲法にも着手できれば一番いい。
そうなれば、大連立協議に参画した勢力は政権担当能力があると認められることになる。国家的テーマを片付けてから総選挙に臨む。その過程で再編が進む。
大連立を果たした場合、一党による翼賛体制が続くわけはない。個々の議員の選挙区事情もあるだろうが、なんらかの対立軸によって2大政党に割れていく。保守vsリベラルといったかたちでもいい。その間に、完全小選挙区制への移行を果たすことができたら、これは2大政党時代の前提条件として最高だ。
それが2大政党時代に向かっての理想的コースといえたのだが、民主党役員会には、そうした壮大なシナリオを描き、踏み込む気概などなかったのであろう。
となると、民主党の「バラバラ感」がまたぞろ高まっていくのは必至だ。今回の小沢氏の手法に抵抗するかたちでの離党、新党結成といった動きが出るかもしれない。だが、そうしたかたちではダイナミックな政界大再編に結びつくのかどうか。
もっとも、次期総選挙に向かって、自民党側でも小泉チルドレンは総崩れが予想され、郵政造反組の落選候補に対して党の古賀誠選挙対策委員長が平沼赳夫氏とともに応援にかけつけるという光景も見られる。このあたりにも新党(第2自民党!)のにおいがちらつく。
いずれにしろ、2回にわたった党首会談をめぐる攻防によって、政界流動化に火がついたのかもしれない。福田首相の意外なまでの粘り腰も強烈に伝わった。先行きはなお不透明ながら、おもしろい段階を迎えたのは事実のようだ。
<<「衆参ねじれ」に対応するルールを>>
【コメントライナー(時事通信)11月1日号】再掲
海自はついに撤収
福田政権は発足以来、法案を1本も成立させていない。参院選の結果、自公与党が大敗して、衆院では与党が3分の2を制しながら参院では過半数に達しないという「衆参ねじれ」構造が生まれたためだ。この結果、インド洋で給油支援に従事していた海上自衛隊の派遣期限が11月1日で切れ、撤収せざるを得ない事態となった。政府与党はこれまでのテロ特措法に代わり、給油・給水に任務を限定するなどの「新法」を提出したが、今国会成立の見通しはまったく立っていない。福田首相と小沢民主党代表の党首会談が週内にも再度行われることになっているが、小沢氏が新法反対の態度を変えるのは困難と見られている。
国益に多大な悪影響
臨時国会を来年まで大幅に延期すれば、衆院可決、参院否決の場合、衆院に戻して3分の2の賛成で再可決できるという憲法59条の規定が使える。国会開会中に参院で60日間、結論が出なかった場合は否決とみなすとされているからだ。だが、福田首相としては予算の年内編成を優先させなければならない事情もあり、延長しても12月中旬までがせいぜいと見られ、60日規定は使えない。テロ新法が来年の通常国会に先送りされ、たとえ60日規定の適用で成立したとしても、半年ほどインド洋での日本のプレゼンスが消滅することになる。日米同盟や日本の国益に与える悪影響は計り知れないものがある。
再議決規定の適用を
ここは「衆参ねじれ」に対応した新ルールが必要ではないか。小沢民主党がテロ新法にどこまでも反対であるのならば、衆参両院で採決に応じ堂々と反対すればいい。その上で、憲法の再議決規定を粛々と適用するというのが憲政の常道ではないか。参院で多数を占めているからといって、これを政略的に利用し、国会混迷を狙うのは、憲法の趣旨に沿わない。再議決規定は衆院の優位性を認め、政治の安定を担保するために設けられたはずだ。米国では上下院とも民主党が多数を占めているが、クロスボーティングが常態化しているため、法案がすべて通らないということはない。これが成熟した議会制民主主義であることを再認識すべきだ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
記事を読んだら、あなたの評価をつけてください。
評価は3段階で簡単にできますので、本メールの一番下からご参加ください!
___________________________________
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<<読者から>>
★ (日本シリーズ中継について)そんなアホなアナウンサーがいたのですか?ドラマの見どころは、9回は山井で行くのか、という一点でした。わが家もそこで盛り上がりました。一瞬の迷いもない落合は大したものです。
祝勝会が終わって、落合が山井のそばに行き「すまんかったな」とぶっきらぼうに言うであろう。山井は「監督、何を仰います。優勝できて最高です」。落合「ありがとうヨ」・・
潤んだ眼で両者力強い握手、と「こうなるであろうね」と家内と祝勝会の片隅で起こる場面を想像しながら、名古屋出身の友人にお祝いの電話していました。ポイントを外す、痒いところに手の届かない間抜けとは縁を持ちたくないですね。(Nさん)
[花岡コメント]
落合と山井の会話、おそらくそんなところだったのでしょうね。指揮官のあり方を教えられた思いです。
★ 次から次と不祥事が発覚する公的機関の中で、とりわけ国防の要である防衛省の問題は看過できないものがあると言えます。いったいこの国はどうなっているのでしょうか?国民や政治家も戦前の軍の問題をうんぬんする前に現在あるこの事象に目を向けて、自分たちの将来の運命に関わることだと認識すべきでしょう。
守屋元事務次官の問題に端を発して、自衛隊幹部にGPSの所持を義務付けると石破防衛大臣が発表したのを受け、当然のことに早くもプライバシーがどうのこうのと文句が出ています。いったい、彼らの頭には自分の任務に対してどういう認識があるのかと問いたいものです。
当たり前の認識が出来ていないこの国の姿は、国全体で平和ボケが浸透して異常にも思えるものです。他の諸外国から見れば、唖然と思われるこの認識振りに気がつかないのでしょうか?
自衛隊を海外に派遣するたびに、犠牲者うんぬんという言葉も出ます。勿論、犠牲者は出すべきではありませんが、それを承知で国防に当たり、その任務を遂行するのが役目であるはずです。政治家も党利党略やおかしな原理主義で本来のあるべき姿を曲げないで欲しいものです。(YTさん)
[花岡コメント]
その通りですね。国防という最高の「公務」に携わる誇りはどこへ、と言いたくもなります。
★ <湾岸戦争で日本は130億ドルの支援を行ったが、「武器、弾薬には使用しない」という条件をつけた。インド洋で日本の補給艦から給油を受けた米艦船がイラク作戦に従事していた「疑い」をことさら強調するのも、これと同様の「非常識」にほかならない。これは戦闘作戦行動の次元の話なのだ。インド洋に展開する艦船が対アフガニスタン作戦とともにイラクにもにらみを利かせているのは当たり前ではないか>
筆鋒益々冴えて、同感しきりです。(Rさん)
[花岡コメント]
恐縮です。日本の常識は世界の非常識、ということでしょうか。
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
【お知らせ】
<<産経新聞コラム>>
花岡のコラム『政論探求』は原則火曜付ですが、紙面の都合でときどき水曜付となります。
≪知的空間・人形町サロン≫
<http://www.japancm.com/sekitei/>
若手研究者らによる「知的空間サイト」。
≪SAFETY JAPAN≫(日経BP社サイト)
<http://www.nikkeibp.co.jp/sj/>
花岡のコラム『我々の国家はどこに向かっているのか』連載中。原則として毎週木曜更新。
<<Janet>>
時事通信サイトJanetの花岡コラム『風測計』。月1回更新。
<http://janet.jw.jiji.com/apps/do/auth/login.html>
<<そのほか花岡の論文・コラムなど>>
★月刊「正論」11月号 「安倍晋三は何に敗れたのか」
★コメントライナー(時事通信)11月1日付 「『衆参ねじれ』に対応するルールを」
★政経往来12月号 「政局展望 来春の衆院解散に命運をかける」
★交詢雑誌(財団法人交詢社) 507号「当面の政局動向と日本の行方を考える」
★現代警察118号 「安倍政治から福田政治へ」
≪このメルマガへのご意見などは、こちらへどうぞ。メルマガ掲載の是非、本名かハンドルネームかなどもお書き添えください。
<hanaoka_melma@yahoo.co.jp>
本メルマガの転載、引用、リンクなどはご自由に。その場合、出典を明記し、こちらにご一報を≫
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
この記事の発行者<<前の記事
|
次の記事>>
|
最新の記事
