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花岡信昭メールマガジン478号
発行日: 2007/9/13★★花岡信昭メールマガジン★★478号[2007・9・13]
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<< なんとも無念だ・・・ >>
安倍首相がこのところ、「おかしくなっている」といったウワサは耳にしていた。人と会っていてもどこか心ここにあらずで、答えが出てくるまで10秒ぐらいかかることがある、といったたぐいの話である。
すいぶん疲れているのだな、と思っていた。それが突然の辞任表明。所信表明演説をやって衆院代表質問の初日というのは、いかにもタイミングが悪い。いったい、首相の心境に何があったのか。そこを知りたい。
週刊誌が首相の相続税をめぐる「疑惑」を取材しているといった話もあった。だが、いくらなんでも一国の宰相の進退を左右するほどの問題ではないだろうと思っていた。
参院選惨敗での政権継続は見方によって賛否があろう。参院選は政権選択の場ではないという筋論からいえば、安倍首相が政権継続を決断したことを理解したいと思ってきた。
橋本龍太郎氏は44議席で退陣したが、あれは党内の政治状況による。退陣しなければ党内抗争が起きて収拾がつかなくなるところだった。
安倍首相の場合は、逆にあの時点で退陣表明をしていたら、党内はただではすまない状況となっただろう。
だが、1カ月かけて「身体検査」をやった結果でも、「政治とカネ」をめぐる不明朗な話は絶えなかった。改造人事は重厚な布陣で、内閣発足時点でこういう態勢を取っていたら、その後の展開もちがっていたはずだ。
それになによりも、首相周辺の「幕僚」体制が問題視された。「お友達内閣」などと揶揄されたきたが、問題は、周辺に本当のプロを配することができなかったところにある。
首相というのは、元来が孤独な存在だ。どうしても「ハダカの王様」になってしまう。安倍首相が「KY」(空気が読めない)などといわれたのも、周辺が悪い。ちょっとした発言ひとつでも、気のきいたセリフを用意して、さっとメモを渡すような才覚があったのかどうか。
退陣の理由としてインド洋での海上自衛隊の派遣延長問題をあげた。民主党の小沢代表との党首会談を拒否され、新しい首相でなければこの局面は転換できないと判断したという。
この政治判断は半分だけ分かる。インド洋での給油支援は、国際社会における日本の位置づけを担保するものだ。「対米追随」「国連決議無視」などという批判があるが、世界中で40カ国がアフガン戦争に参加したのである。
インド洋への海自派遣は日本の国家戦略が裏づけにあった。シーレーン確保という観点も含め日本の国益が最大の眼目だった。
それを否定されたのだから、安倍首相としては「職を賭す」構えを示したのも分からないではない。
だが、政治的にはどうか。退陣表明によって、派遣延長を可能にする「新法」成立のメドは立ったのか。小沢氏側とひそかに話をつけたのか。それがあるのならば、きわめて高度な政治判断として理解できる。
「戦後レジームの転換」「現政権での憲法改正」を掲げた首相はこれまで存在しなかった。本格保守政権の旗手としての期待が一身に寄せられていたはずであった。
1年足らずで幕を降ろす安倍政権だが、教育基本法改正、防衛庁の省昇格、憲法改正のための国民投票法成立など、実績をあげてきた。
それが、年金不信、政治とカネ、閣僚の失言といった別次元の話の噴出によって、支持率低下に見舞われ、ついに求心力を回復できないまま退陣に追い込まれる。
これによって、憲法や国家像をめぐる論議は当分、できなくなるだろう。集団的自衛権の見青しもどうなるか。
この国のありようを考えたとき、なんとも残念、無念な退陣といわなくてはならない。
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<< 読者から >>
☆ 昨今の日本の状況を見ますと、日本そのものが敗戦時と同じ地獄を見なければ目を覚まさないのではないでしょうか。株式市場でも日経平均は世界に先駆けて下落し値戻しは最後と言う状態が続いています。株の世界ではトコトン底値を付ければその後回復に向かうと聞きます。
安倍政権は、本来は良い仕事をしているのにもかかわらず、市場価値は著しく低く評価されていることは事実だと思います。ファンダメンタルは良いのに評価されない銘柄です。
ここで思い切って衆議院を解散し、世評の高い民主党に政権を渡して日本人全体が地獄を味わえば日は又昇るはずです。アメリカも次の大統領は民主党でほぼ決まりです。思い切った日本軽視もしくは無視の方向に向かうことになります。
この状態を予測することは残念ですが、昭和20年8月15日に見た地獄からすればたいしたことでは無いと思います。小生は当時8歳でしたが、東京の下町が完全に焼け野原になっていたり、小学校の裏にある公園から数多くの遺体が掘り起こされていたことを覚えています。(AKさん)
[花岡コメント]
ちょっと更新が滞ってしまい、掲載が遅れました。ご趣旨、よく分かります。国のありようそのものが問われているのですね。
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この記事へのコメント
全7件表示意気込みだけで、中身の無いスローガンほど国家の道を危機に陥れるものはないという真理にどうして眼を開けないのですか?
大変失礼かもしれませんが、結局、安倍さんと同類と思うしか、合理的な理由はみつかりません。
「戦後レジームからの脱却」、「美しい国」、「主張する外交」、すべて中身のないスローガンであったことは、もはや明らかではありませんか。テロ特措法こそ「主張する外交」だと語った安倍首相は、自らの論理矛盾に自己崩壊したとしか説明のしようがありません。
おっしゃるとおり、憲法や国家論は国の形を決めるべき重要な問題ですが、安倍さんほどそれを語る資質の伴わない指導者はいないのではないですか?
明白な敗北を「戦略的転進」とすりかえる戦前の精神構造からこそ、はやく脱して欲しいと思います。さもなければ、日本国は永遠に迷える子羊です。日時:2007年9月13日
同感。当分、国家観、理念を掲げられる総理はムリだろう。安倍辞職はなんとも残念。日時:2007年9月13日
所信表明演説があわり、さあこれから年金ほか多くに課題に対し野党との論戦開始という段階で辞任は”試験当日になって頭が痛いから止めた”ようなもので敵前逃亡と同じです、三代目のひ弱さが露呈したと言えばそれまでですが、安倍さんを首相にした立役者は小泉さんゆえ、小泉さんにも責任があるはずで、前面に出て事態収拾をはかるべきでしょう日時:2007年9月13日
花岡氏をはじめ親米保守陣営の方にとっては残念至極であろうが憲法改正を目論む「戦後レジーム」は安倍さんと違って胃腸の強い国民にとってもまだ未消化だったのでは、それを保守陣営の声高な声援を世論と見誤った。それだけの未熟児政治家だった。多くの国民は、ほっとしている。日時:2007年9月13日
新聞記者の方々は、時には取材している目の前で起こっている真実を、自分というフィルターを一切無くした状態でありのままに文章にしなければならない。つまり自分をを無くして文章を書かなくてはならないのが責務でしょう。長い年月をかけてそれができた方のみ、初めて評論家としてものを言えるのだと思います。その意味で花岡さんの文章は、ご自分の知らないことについてはハッキリと距離を置いて、ご自分の経験と知識に裏づけされたことのみを表現する、私としましてはとても愛着のある文章です。しかしこの国も、来るところまで来てしまった。という感じでしょうかね。無念というか、もう何も無いでしょう。日時:2007年9月13日
安倍退陣についての苦渋な総括、伝わるものがあります。日時:2007年9月13日
判り易い
日時:2007年9月13日
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