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【アフリカ発! 理数科授業改善の試み〜教師中心から生徒中心の授業法へ〜】ケニアそしてアフリカ大陸の理数科教育改善を目指し、ASEI&PDSIアプローチに基づいた教員研修事業を繰り広げている日本のODA活動:SMASSEプロジェクトの現状をお伝えします。

  • 最新号:2008-02-14
  • 発行周期:不定期・隔月刊
  • 読んでる人:26人
  • 創刊日:2005-06-23
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[SMASSEメールマガジン] 030920 第3号

発行日: 2005/6/23


◎●◎●◎ SMASSEメールマガジン  第3号  2003.9.20

ケニア中等理数科教育強化(SMASSE、スマッセ)プロジェクトが
お世話になっている皆様にお送りするメールマガジンです。
    Web:   http://www.smasse.org
    Email: news@smasse.org
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 □ □ □ □ □ □ 目次 □ □ □ □ □ □

[特集]
● SMASSEのこれまでの成果と知見をイギリスの学会で発表!

[SMASSEの活動紹介]
● モニタリング・評価活動

[寄稿]
● ケニア体験記
  広島県立教育センター 企画部 井上 経彦 (INSET運営管理・短期専門家)

[最近の出来事]
● インスペクター研修(2003.7.14-18)
● 新赴任協力隊員(理数科教師)へのオリエンテーション(2003.7.24-8.21)
● SMASSEフェーズ2発足式典(2003.7.25)
● 中央研修(2003.8.11-8.22)
● 地方研修(2003.8.18-8.29)
● 井上専門家赴任(2003.8.25-9.6)
● マラウイINSET実施支援(2003.8.31-9.6)
● 第718回ウィルトンパーク国際会議への参加@英国(2003.9.1-9.4)
● Oxford会議への参加・発表@英国(2003.9.9-9.11)
● ロンドン大学教育研究所でのセミナー@英国(2003.9.12)

[SMASSEの今後の予定]
● 第三国研修実施に係る事前調査出張1(2003.9.17-10.3)
● 第三国研修実施に係る事前調査出張2(2003.10.13-10.15)
● ナイロビでの第三国研修開催(2004.1.18-2.14)
● フィリピンでの第三国集団研修参加(2004年1-2月?)

[ケニアの生活情報]
● 気候、通貨、為替レート、その他

[編集後記]
● そう言えば日本は「夏休み」だったのですね。


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  ┛┛┛ 特集 ● SMASSEのこれまでの成果と知見をイギリスの学会で発表!
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服部 浩昌 (教育評価・長期専門家)

 9月1日から12日まで英国で行われた2つの国際会議に参加して来ました。今回はそ
の報告をしたいと思います。まずはウィルトンパーク国際会議から。

 イギリス南部サセックス地方に、16世紀に建てられたウィストンハウスがあります。
広大な草原の中にぽつんと立つヨーロッパの古城を思わせる建物。最初見たときはド
ラキュラの城かと思いました。会議はそこで9月1日から4日までの4日間開催されまし
た。会議の名前は「第718回ウィルトンパーク国際会議」。このような会議が何と718
回も開催されているのです。それはほぼ週に一回何らかの会議が続けて開催されてい
るからで、次回719回の会議はこの翌週に戦後の復興支援をテーマに行われる予定で
した。

 さて今回行われた718回会議のテーマは「発展の優先課題としての教育(Education
as a development priority)」で、特に「万人に教育を(EFA: Education For All)」
の達成状況や今後についての活発な話し合い、意見交換が行われました。参加者は開
発関係の国際機関、ユネスコ、ユニセフや世界銀行、イギリスの援助開発庁DFID、ま
た教育開発関係の大学教授やOXFAMなどのNGO団体から代表された人達、また被援助国
側からは各国のEFA担当者、教員養成機関の担当者、大学研究者など総勢約40名でし
た。

 今回は国際協力事業団(JICA)の実施するプロジェクトからの代表として、SMASSEプ
ロジェクトから中央研修所長のジュグナ氏と私が参加しました。会議は晩餐会が行わ
れるような天井の高いシャンデリアのある大きな会議場で、全員が向かい合うように
配置された楕円のテーブルの席に着いて行われました。何か重大な政治的合意が話し
合われるような荘厳な雰囲気の中、実際は関係者が集まって情報、意見の交換を行う
というものでした。

 今回の会議の主な議題は1990年にタイのジョムティエンで開催された世界教育会議
で最初に提起された「万人に教育を(Education For All)」について。これは2015年
までに全世界の初等教育の就学率を100%にするというものを中心に各国が取り組む
べき教育についての目標が決められたものです。ちなみに日本はいつ頃小学校の就学
率がほぼ100%に達したと思いますか?答えはなんと明治時代の終わり頃(1910年辺
り)。日本では今からおよそ90年前には小学校全員就学を達成していたのですね。そ
れと比べてサブサハラアフリカ(アフリカでもサハラ砂漠以南の地域)の国々では就
学率のまだまだ低い国が多く、例えばニジェールでは40%程度しかありません。これ
は本来小学校に行って学んでいるはずの子供達の半分以上が学校に行っていないとい
うことなのです。これを達成するために先の会議で「万人に教育を(Education For
All)」が宣言されたのですが、これがなかなか思うように達成することができません。
今回の会議では現在の状況についての発表がありましたが、援助国の経済停滞から援
助予算が削減されたり、新たにエイズの問題が深刻化していたりと、これがあまり良
い状況であるとは言えないということでした。しかし世界銀行による最優先国支
援(First Track Initiative)やNGOによる就学率向上への取り組みなど、達成に向け
ての各方面の努力が続けられていることに、多少なりとも明るい兆しが感じられまし
た。

 SMASSEではジュグナ氏による「所有と持続発展性(Ownership and Sustainability)」
というテーマの発表(小グループによるワークショップ)が行われました。これ
はSMASSEプロジェクトで行われてきた、ケニア側主導の持続発展性を考慮して設計、
実施されてきた中等理数科現職教員再研修事業の紹介とその成果についての発表で、
開発援助プロジェクトの成功例として参加者からの大きな注目を集めました。援助国
主導で行われた多くの途上国開発プロジェクトではプロジェクト終了後に自然消滅し
てしまうものが多く、SMASSE流の考え方、やり方は他の援助関係者達にインパクトを
与えたようです。会議の中では援助国側からは「今まで莫大なお金が途上国援助に投
じられたのに現状が全く改善されないのはどうしてか?」という問いかけがあったり、
また被援助国側からは「全く私達の意見が反映されずに援助国側だけで目標や事業が
決められるのはなぜか?」という意見が出されました。それは今まで援助が援助国主
導で行われてきたことに問題があるからで、SMASSE流のケニア人主導のケニア人によ
る事業の進め方は、これらの問いに対する一つの答えになるのではないでしょうか。

 ウィルトンパーグ会議の翌週9月9日から11日までの3日間はオックスフォードで開
催された「第7回オックスフォード国際会議」に出席しました。会議は2年に一回オッ
クスフォード大学で開催されており、今年はニューカレッジというところで行われま
した。ちなみにこの近くには日本の皇太子殿下が留学されていたマートン校があり、
多くの日本人観光客が訪れていました。

 参加者は各国の教育援助関係の研究者、大学教授や援助機関の関係者達で、今年の
テーマは「教育の状態;量、質、結果(The State of Education: Quantity, Quality
and Outcome)」というもので、6つの分科会に分かれて発表が行われ、活発な議論が
行われました。私が参加したのは「教育を測る:定量的評価と定性的評価」というセッ
ションで、本来測ることが難しい教育分野の評価についての話し合いが行われました。
会議初日にはSMASSEモニタリング評価委員長のワイティトゥ氏による「人材開発事業
における評価」をテーマにした発表が行われました。これはSMASSEで取り組んでいる
研修事業に関するモニタリング評価活動とその評価結果の紹介を行ったもので、発表
後には多くの質問が出されるなど、大盛況のうちに発表が終わりました。どの国でも
現職教員再研修事業はうまく実施できていないことが多く、SMASSEの成功の秘訣がモ
ニタリング評価制度にあったということを広めることが出来ました。会議2日目には
「教育の国際的、国内的目標:援助か障害か?」というセッションにおいてSMASSEの
ジュグナ氏による「所有者意識と金銭的な持続性を考慮した中等教育事業」というテー
マの発表が行われました。同時間帯に他の部屋で大きなセッションが行われていたた
め、残念ながら参加者は少なかったものの、発表後は大きな反響が返ってきました。
中々うまくいかない援助プロジェクト成功の秘訣を、SMASSEから学ぼうという大学関
係者、援助関係者の真剣な姿勢がうかがえました。

 今回の2つの学会出席では「発表すること」の大切さを知りました。他の発表から
学ぶこともたくさんあるし、また発表したことによる反響を直に感じることが出来る
からです。今後も教員研修の全国展開に向けてのSMASSEの活動を進めて行くとともに、
その成果についても広めていって、更なる発展をしていきたいと思っています。


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  ┛┛┛ SMASSEの活動紹介 ● 地方研修モニタリング・評価活動
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徳田 智磯 (数学教育・長期専門家)

 8月18日から29日までの2週間、プロジェクト対象5地区で第3回現職教員研修が行わ
れました。今回の研修は、今年4月に行われたナイロビでの第3回中央研修受講後、地
方研修講師が各々の地区で全理数科教員に対して行うものです。今回の研修のテーマ
は「授業実践」で、研修期間10日のうち2日間が理数科教育全般に係わる一般セッショ
ン、残りの8日間が教科ごとのセッションに当てられました。

 地方現職教員研修の実施状況を把握するため、研修期間中、中央研修講師は地方研
修所を訪れ、地方研修講師の研修運営能力、各セッションの実施状況、及び研修施設
の状況に関する多項目についてモニタリング・評価活動を行いました。今回、私はケ
ニア人スタッフとともに、8月18日から22日までの1週間、ナイロビの西、約250kmの
ところに位置するコイバテックとバリンゴ地区の地方研修所を訪れ、研修のモニタリ
ング・評価を行いました。

 コイバテック地区で研修が行われるのは今回が初めてで、研修所に着く前は、研修
は無事行われるのか、どのような研修になるのか等、いろいろと不安がありました。
しかし、研修開始前日の日曜日の夕方、研修所を訪れると、教育委員長、視学官、研
修会場の校長、校長会長、地方研修講師が集まって、研修の打合せを行っており、研
修関係者の熱意を感じました。実際の研修も、初めてとは思えないほど、手際良く、
順調に行われました。研修参加人数は120名程で、皆、熱心にグループディスカッショ
ン等に取り組んでいました。ただ、グループディスカッション後の全体でのディスカッ
ションでは、地方研修講師が一方的に考えを研修参加者に押しつける場面が度々見受
けられました。研修参加者が自問自答しながらASEI/PDSI手法を確実に自分のものす
るためにも、参加型アプローチ用いてセッションをファシリテーションすることが地
方研修講師の今後の課題です。

 バリンゴ地区での研修は今回が3回目で、研修運営も軌道に乗ってきて、各セッショ
ンにおける参加型アプローチも定着してきたように思いました。研修参加者は140名
程で、皆、熱心に研修に参加していました。一般セッションの一部はこの地区独自で
考案されたものでしたが、その内容が研修の目的と大きくかけ離れているものも見受
けられました。これは今回のバリンゴ地区の研修だけの問題ではなく、今後、パイロッ
ト地区が中央研修所から独立して、独自に研修プログラムを作成していく際に生じる
可能性のある問題でもあります。地方研修の目的を達成するための適切なプログラム
作りは、SMASSEに課せられた今後の課題です。

 以上、2地区の研修について総括すると、改善すべき点はあるものの、研修制度確
立という観点から見て、ほぼ成功裡に終わったと言えます。中央研修所のスタッフ及
び地方研修関係者はモニタリング・評価の結果を検討し、今後のプロジェクト運営に
活かしていく予定です。


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  ┛┛┛ 寄稿 ● ケニア体験記
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広島県立教育センター 企画部 井上 経彦 (INSET運営管理・短期専門家)

 ケニアはアフリカの中でも私は非常に親しみを感じ、ぜひ機会があれば訪問したい
と思っていた国であった。昨年度,私が所属する広島県立教育センターで担当した国
際理解教育講座のテーマがアフリカ、しかもケニアが中心で、広島在住のケニア人や
元青年海外協力隊の高校の先生方をゲストにお招きしてケニアについて非常に楽しい
話を聞かせていただいた。ケニアについて特に知識があったわけでもなく、勉強もし
たわけでもなかった。ただこのように「ケニア体験者」の方々が異口同音にケニアの
素晴らしさを語る中で、それに感化され,いつの間にか私自身もケニアに魅かれるよ
うになったのだと思う。そのような中で(2週間弱という短期ではあるが)専門家とし
て派遣が決まった時には、私にとってのケニア体験がいよいよ実現するということで、
非常に嬉しくてたまらなかった。

 今回の今回の私の派遣任務の一つに地方の理数科現職教員研修についての指導・助
言があった。そのため地方の研修センターとなっている学校を何校か訪問させてもらっ
たが、その中で一番印象に残っている学校がBaringo地区にあるSacho高等学校である。
校舎が本当に美しく非常に手入れの行き届いた学校という印象だった。こちらにして
は珍しく、公立の男女共学の寄宿学校であり、男子寮と女子寮には現在研修中の先生
方が宿泊していた。学校の敷地はかなり巨大でまるで大学並み?の広さを誇り、美し
い庭園の中には大きな水泳プールもあった。食堂の隣にはスーパーのような大きな売
店もあったが、これは山の中に隔離された環境にあるため、生活上必要なものが一通
り揃うようにしているためらしい。教職員の宿舎も敷地内にいくつか建てられており、
教員は学校内で生活をしているのだ。宿舎もどれも綺麗な建物で、こちらの教員はさ
ぞかし快適な生活をしているのだろうと思われた。

 他に驚いたのが保健室ならぬ保健所とでもいうような一戸建ての立派なクリニック
である。寄宿学校のため病人が他の生徒と一緒にならないようにという配慮らしい。
学校内にこのような施設があるのを見たのは私は初めてだった。各教室も手入れがしっ
かり行き届いており、机もまだ新品であった。

 John Chahiku校長(カナダのモントリオールの大学で教育を受けたという)は,非常
に紳士的な方で物腰もやわらかく、ていねいに我々を接待してくださった。広島の県
立世羅高校の姉妹校として、これからの交流を非常に楽しみにしているようであった。

 今回は短期間で地方の研修視察がメインだったため,なかなか観光名所を楽しむこ
とはできなかった。ただ空いた時間に訪れたフラミンゴで有名な「ナクル湖国立公園」
は素晴らしく,その美しさを十分堪能することができた。公園内を車で移動しながら、
フラミンゴやペリカンの大群を展望したり、水牛の大群やシマウマ,小鹿などをすぐ
傍で見ることができたことは忘れられない思い出になるであろう。

 ケニアには雄大な自然や野生動物とともにナイロビのような大都会の生活も同時に
楽しむことができる。ケニアの人たちは何事も一人では独占せず、みんなで分かち合
うことを好む優しい心を持っている。短期間の滞在だったため、私は窓越しにほんの
一部しかケニアを観ていなかったのであろうが、その間にも決して忘れることのでき
ない多くのことを体験できたように思う。


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  ┛┛┛ 最近の出来事
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● インスペクター研修(2003.7.14-18)
 全国事業となって初めての研修は、各地に散らばって地方INSETの実施運営に貢献
してもらうことになるインスペクターへの研修でした。

● 新赴任協力隊員(理数科教師)へのオリエンテーション(2003.7.24-8.21)
 平成15年度1次隊として赴任した理数科教師隊員は3名。いずれも大学を卒業(修了)
したばかり。鉄は熱いうちに打てとばかり、SMASSEのケニア人スタッフの中に放り込
み、みっちりとケニアの教育事情や各教科のカリキュラムや授業法について勉強して
もらいました。

● SMASSEフェーズ2発足式典(2003.7.25)
 SMASSEの全国展開に伴って、新たにケニア政府が用意した研修所(カレンというナ
イロビ近郊の高級住宅地にあります)にて、SMASSEフェーズ2発足式典が行われました。
ケニア教育省からの招待に応じて、日本、フィリピン、ザンビア、ジンバブエ、エリ
トリアの在ケニア大使(あるいは代表)も出席し、ケニア教育省副大臣がSMASSEフェー
ズ2における域内協力の推進を宣言しました。また日本大使館の花谷公使が、日本が
戦後、廃墟の中から立ち上がり、急激な経済成長を重ね、現在の経済大国を築いてき
たストーリーを紹介し、その鍵は「教育」にあるとしてSMASSEフェーズ2の開始を祝
うスピーチと激励の言葉を頂戴しました。

● 中央研修(2003.8.11-8.22)
 これまで第1サイクルから第4サイクルまで実施してきましたが、今回の中央研修は、
何らかの事情で第1サイクルに出席できなかったトレーナーを主な対象として実施し
ました。今回からは、新たに教員養成大学の講師も研修員として参加するようになり、
いよいよASEI授業はケニア理数科教育界に広く浸透することになります。

● 地方研修(2003.8.18-8.29)
 徳田専門家のレポートをご覧下さい。

● 井上専門家赴任(2003.8.25-9.6)
 INSET運営管理の短期専門家として、広島県立教育センターの井上経彦指導主事が
赴任しました。2週間という短期間でしたが、SMASSEの実施する地方研修の現場をご
覧いただきました。また、中央研修の運営管理に携わるSMASSE中央スタッフへのプレ
ゼンテーションアドバイスでは、広島県における現職教員研修のシステムが紹介され
ました。その幅広い研修内容や細分化された研修対象は、特にケニア人スタッフにとっ
て強烈な印象となったようで、SMASSE事業の可能性の大きさを再認識しました。なお、
井上専門家には、今後も、来年2月にSMASSEのために開催予定の研修コース(INSET運
営管理)立ち上げ準備を進めていただく予定です。

● マラウイINSET実施支援(2003.8.31-9.6)
 SMASSE-WECSAの活動事例として、最も進んでいるのがマラウイ・ケニアの連携協力
です。今年の4月に続いて、今回もマラウイのドマシでのINSET(試行段階)にケニア人
スタッフ2名が参加して参りました。その経過報告については、マラウイ中山専門家
にお願いして、次回のメールマガジンに記事をお願いしましょう(?)。

● 第718回ウィルトンパーク国際会議への参加@英国(2003.9.1-9.4)
 その議論の中身は非公開にして、正式な報告書も残されないという、ちょっと変わっ
た国際会議にSMASSEからスタッフ2人が参加しました。招待状には「会議にはカジュ
アルな服装でどうぞ、晩餐会にはフォーマルな服装でおいでください」とありました。

● Oxford会議への参加・発表@英国(2003.9.9-9.11)
 ウィルトンパークへの参加に引き続き、オクスフォードに移動して学会発表しまし
た。教育援助に対する各国(あるいは各参加者)の思惑の違い、実践に徹する現場第一
主義者と、それらを理論に昇華させて公式を導き出したい研究者とのスタンスの違い・
・・学会とは色々な立場の参加者がそれぞれの主義主張を掲げ、互いにせめぎ合う場
所であることを再確認しました。以上、詳しくは服部専門家のレポートをご覧になり、
直接話を聞いて下さい。

● ロンドン大学教育研究所でのセミナーにて発表@英国(2003.9.12)
 イギリス出張の最後は、JICA英国事務所の呼びかけに集まった学生約25名を前にし
たSMASSEの事例紹介発表でした。ロンドンに在住し、教育開発を研究している日本人
留学生を主な対象として、ジュグナ氏とワイティトゥ氏がこれまでの経験と成果を紹
介したうえで、「今後、途上国を対象とした教育援助に関わるならば、こんなスタン
スで仕事に取り組んで欲しい!・・・」という彼らへのメッセージを熱弁したとのこ
とです。これまた詳しくは書けませんので、直接、ジュグナ氏かワイティトゥ氏に話
を聞いてください。


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  ┛┛┛ SMASSEの今後の予定
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● 第三国研修実施に係る事前調査出張1(2003.9.17-10.3)
 来年1月にナイロビで実施する予定の第三国研修は、SMASSE-WECSAメンバー国から
研修員を招いてのASEI&PDSI普及研修。つまりこれまでケニア国内で実施してきた中
央INSETのダイジェスト版を、周辺諸国の教員養成スタッフに対して実施しようとい
うもの。その宣伝とSMASSE-WECSA啓蒙活動を兼ねて、ザンビア、南アフリカ、ジンバ
ブエ、ナミビア、レソト、モザンビークへと参ります。

● 第三国研修実施に係る事前調査出張2(2003.10.13-10.15)
 引き続き、この8月に大統領選挙を終えたばかりのルワンダへ。約10年前の辛い経
験を乗り越えて、新しい社会を作り上げようとしているルワンダ国民の気運と、ルワ
ンダ教育省からの熱心な誘いに応じ、JICA事業としては久しぶりのルワンダ入りです。

● ナイロビでの第三国研修開催(2004.1.18-2.14)
 上述の通り、6ヶ国より44名を集めての研修を実施する予定です。なお、日本のプ
ロジェクト事業の経験・成果をより広域に普及させるために、そのプロジェクト拠点
に周辺諸国の研修員を集めて実施する研修のことを、JICAでは「第三国研修」と呼び、
日本の行政機関や研究機関で実施する「本邦研修」と区別しています。社会的状況や
歴史的背景が似通った国同士での研修になるため、また言葉の壁も少ないことから技
術移転の効果が高く、そのうえ実施機関(つまりSMASSE)自身の能力向上にもつながり、
実施経費も安く済む(特に飛行機代)ことから、今後、こうした形の技術協力が増えて
いくものと思います。

● フィリピンでの第三国集団研修参加(2004年1-2月?)
 過去2度、SMASSEの中央研修講師を受け入れていただいたフィリピン大学の国立理
数科教育開発研究所(UP-NISMED)にて、来年早々にも集団研修を実施していただける
運びとなりました。ケニアの地方研修講師と中央研修講師あわせて20名がお世話にな
る予定です。カリキュラム詳細はこれから煮詰めていくのですが、ケニアで展開す
るASEI&PDSIアプローチに、さらに厚みを持たせるため、ケニアからの参加者に
はUP-NISMEDに蓄積された有形・無形の財産をどん欲に学び取ってきて欲しいと期待
しています。


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  ┛┛┛ ケニアの生活情報
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◎ 気候 8月は、7月に引き続き曇りの日が多く、肌寒い毎日。ついに長袖シャツを
     着た。9月になって、やや暖かく、雨も少々。半袖シャツに戻した。
      ナイロビの最高気温19度 / 最低気温13度 (8月8日)
          最高気温26度 / 最低気温15度 (9月15日)

◎ 通貨 ケニアシリング ($1 = Ksh78, Ksh1 = 1.5円, 昨年の水準へほぼ回復)
    初代大統領ジョモ・ケニヤッタ氏の紙幣が出揃った。25年前から保管されて
いたピン札(Ksh100, 50, 20, 10)に加え、ほぼ同じデザインの紙幣(Ksh1000, 500,
200, 100, 50)が新たに印刷されて出回っている。Ksh20やKsh10はコインもあるし、
新札と旧札で大きさが違うため、財布の中身を把握するのに一苦労。

◎ 電話
 国営電話会社Telkomの独占事業。競争原理の働かないところには、料金競争もサー
ビス競争もなく、新規の電話線をひくためには不法な手数料と不必要な忍耐ばかりが
要求される・・・という典型的な例。請求書が送られてこないために、料金を払わず
にいると、突然、電話回線を切られてしまうというような理不尽な経験もしばしば。
10月1日から下記の通りに料金が増額改訂される予定。
基本料金 Ksh 500 (月額、以下同様)
市内(60km以内)通話 3分ごとにKsh 7.40 + 消費税16%
市外(60km以遠)通話 1分ごとにKsh 17.40 + 消費税16%
携帯電話への通話  1分ごとにKsh 27.00 + 消費税16%
日本への通話   1分ごとにUS$ 1.66 + 消費税16%

◎ お昼ご飯
 日本であれだけ普通に見られるお弁当持参という習慣はまず見かけないが、オフィ
スビルによってはお弁当を売って廻る業者もある。レストランなら緑に囲まれた広大
な敷地と良く手入れされたお庭を愛でながらのんびりと食事を楽しむ英国風から、イ
ンド料理、中華、イタリアン、スイス、タイ、韓国、日本料理(なぜか韓国人経営が
多い)まで、気分と予算と時間の余裕に合わせて幅広く楽しめる。時間の無いときは
ガソリンスタンドに併設の南ア資本のファーストフードチェーン(ハンバーガーやフ
ライドチキン、ピザ)やコンビニエンスストア(のようなお店)で済ませることもでき
る。現地の人はもっぱら主食のウガリ(トウモロコシの粉をそばがき状に炊いたもの)
に山羊の焼き肉や煮込みを添えた食事が大好き。あるいはビーフシチューのぶっかけ
飯にスクマという青菜(日本では青汁に加工される野菜)の炒め物を添えて、Ksh100弱。
お財布が淋しければ、てんこ盛りのフライドポテトとコーラでKsh50くらい。

◎ 教育
 1月から3月までが1学期、5月から7月まで2学期、9月から11月までが3学期、と規則
正しい長期休みが3度ある3学期制。就学年齢は6歳で、プライマリースクール(初等学
校)8年、セカンダリースクール(中高等学校)4年、大学4年と進む8-4-4制である。プ
ライマリーやセカンダリーを卒業する際には、全国統一の卒業試験が課せられる。そ
の成績で進学できるかどうかが決まるだけでなく、就職等の際にも必ず履歴書への記
入を求められるので、一生ついてまわることになる。従って卒業試験の成績はケニア
社会の一大関心事であり、全国トップの成績を修めた生徒や、参加生徒全体の成績が
良い学校は、その固有名詞と写真が新聞に大きく掲載される。
 ちなみにSMASSEがプロジェクト事業の対象としている「教員」になるためには、セ
カンダリースクールを卒業後、大学の教育学部か、教員養成カレッジに進学すること
になる。その一方で、子供達に将来就きたい職業はと聞くと、エンジニア、法律家、
銀行員、医者などという答えが返ってくるが、いつも目の前にいる「教員」になりた
いという生徒は数少ない。つまり、セカンダリーの卒業試験の成績で、医学部、法学
部や工学部に進めなかった生徒達が「最後の選択肢」として教職への道を選ぶケース
が多いという、彼らの本音が伺える。それが何故なのか?私にも良くわかりません。

◎ 日本からのフライト
 仕事関係ではヨーロッパ(イギリス、オランダ、スイス)経由が主流だが、この9月
からケニア航空がナイロビ→バンコク→香港便を週3便飛ばし始めて、お客の入りも
なかなかとのこと。昨年10月にアラブ首長国連邦のエミレーツ航空が関西・ドバイ線
を就航させたのに加えて、また日本とナイロビを繋ぐフライトに選択肢が増えた。と
はいえ日本・ナイロビ直行便が就航することはないのだろうか?


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  ┛┛┛ 編集後記
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  ■そう言えば日本は「夏休み」だったのですね。

 インセンティブ、エンパワーメント、コラボレーション、ジェンダー、アカウンタ
ビリティー、サスティナビリティー、タスクフォース・・・お役所やマスコミで使わ
れているが、日本国民一般には理解しにくい言葉の例として、とある新聞記事に列挙
されていたカタカナ用語です。その調査によれば、こうした言葉の意味を理解してい
る国民は10%にも達しません。それは当然でしょう。どれもこれも少々難しめの英単
語が語源ですし、適当な日本語訳が見付からず、仕方なくそのままカタカナ言葉にし
て使ってしまっている例もあります。適当な日本語訳がないということは、そうした
概念そのものが日本人の生活の中になかったというような背景もあるのでしょうから、
むりやり訳語を作ったところでやはり理解は難しいはずです。

 この記事を読んで苦笑したJICA関係者は世界中で相当数いたのではないかと思いま
す。適当な日本語訳を探す前に、英単語そのものを飲み込んで、仕事のやりとりや報
告書を書く際に頻繁に使わなければならない単語がそのままズラズラと並んでいたか
らです。実際、私にとってもお馴染みの言葉ばかりです。

 日本に一時帰国した時に両親や親戚、友人など、必ずしもJICAの仕事やODA事業に
詳しくない「ごく普通の人達」に、普段の私の仕事のことや、ケニアでの生活を説明
するときに、こうした分かりにくい言葉は極力使わないようにしようとは思っている
のですが、普段の仕事の中でまぁまぁの頻度で使われる英単語でもあり、同じ業界の
日本人と話している限り適当な訳語を使わなくとも通じてしまうこともあり、ついつ
い口にしそうになって慌てて言い直す(あるいは口ごもる)ことしばしばです。活動現
場が海外、しかも馴染みのない途上国にあることは仕方ないにせよ、使っている言葉
さえ日本の普通の市民と共有できていないことに気付きます。ODA事業の説明や広報
の難しさ(逆に言えば、報道や報告を通じて日本国内に住んでいる一般市民がODA事業
を理解することの難しさ)がそこにあります。

 そんな中、7月末から8月にかけて、ケニアにおけるJICA事業の活動現場に日本から
沢山の方々が訪れました。SMASSEプロジェクトには、外務省が実施するODA民間モニ
ター視察の皆様と、JICAが実施する高校教師派遣の皆様がいらっしゃいました。他に
も、知人や恩師の関係しているJICAプロジェクトを視察する人、旅行の途中でJICA事
務所を訪れ、職員からケニアの歴史や政治状況について説明を受ける人、かつてケニ
アの協力隊員だった人が独りふらりと訪れる、協力隊員の友人が日本から彼/彼女を
訪ねてくる・・・など相当数の方がここナイロビを訪れ、動物にせよ、植物にせよ、
気候にせよ、景観にせよ、多彩な顔を持つケニアの自然や人々に触れる機会を得ただ
けでなく、「日本の顔の見える援助」を最前線で支える私達の活動現場をその目でしっ
かりとご覧いただけたのだろうと思います。

 今や文書だけでなく、音声も、動く画像も、ディジタル信号に置き換えられインター
ネットで簡単に配布することが出来るようになりました。先進国ではコンサートやス
ポーツイベントがインターネットのブロードバンド放送で配信されており、というこ
とは近い将来(??)、ここケニアでも同じような環境が実現していくのでしょう(ナイ
ロビにはあちこちにインターネットカフェがあります)。ということは、かなり話は
飛躍しますが、SMASSEで行っている現職教員研修をインターネットで世界中に中継す
ることも、技術的には決して不可能な話ではなくなるのでしょうし、SMASSEの毎日の
仕事ぶりを生中継するホームページサイトをつくることも出来るでしょう。

 そうすれば、もうODA民間モニターなど要らなくなります、いつでもODA活動の現場
を日本国民の皆様にご覧いただくことが出来ます・・・ということには決してならな
いのですね。高いお金を払って、チケット売り場に何時間も並んだり電話を何度もか
け続けるなどしてまでチケットを手に入れて、わざわざ電車を乗り継いで会場まで出
掛けて、そこまでしてもコンサートや野球場へ出掛けてごひいきの歌手や野球チーム
の活躍を、生で見たり聞いたり応援したりするのは楽しいものです。インターネット
のニュースで何度阪神優勝の記事を見ても、TV報道を見ても、残念ながら昨晩(9.15)
の甲子園球場の興奮はその場に居合わせることの出来たファンの人達だけのものです。
いくらブロードバンドが普及しても、「その場にいる」ことで味わえる喜びは再現で
きません。現場の一員として感じる一体感、臭い、その活動に携わる人達の熱気、意
気込み、絶え間なく五感を刺激する圧倒的な情報量・・・これらはディジタル信号に
置き換えて運べるものではありません。

 というわけで、私達の携わるODA活動に興味をお持ちの方は(良い印象をお持ちの方
も、その逆の方も、どちらでもない方も)、一度、その現場をご覧になって、活動に
携わる人の話を聞いてみて欲しいと思います。国民一人当たり約1万円の税金がODA事
業を支えています。その価値があるのかどうか、皆様の五感で判断していただきたい
と思います。

━━━━━━━━━━………‥‥‥・・・・・・‥‥‥………━━━━━━━━━━
 発行:国際協力事業団(JICA)ケニア中等理数科教育強化計画 フェーズ2
 Strengthening of Mathematics and Science in Secondary Education Project

  編集長:チーフアドバイザー 杉山 隆彦
  編集 :業務調整員     長沼 啓一
   c/o Kenya Science Teachers College, P.O.Box 30596-00100, Nairobi, 
KENYA
   Web: http://www.smasse.org    プロジェクトの各種活動の様子はこちらへ。
   Email: news@smasse.org        ご意見、ご感想のメールはこちらへどうぞ。
   掲載内容の「無断 or 一部を取り出して or 改変して」の転載・再配布を禁じます。
━━━━━━━━━━………‥‥‥・・・・・・‥‥‥………━━━━━━━━━━

 
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