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【アフリカ発! 理数科授業改善の試み〜教師中心から生徒中心の授業法へ〜】ケニアそしてアフリカ大陸の理数科教育改善を目指し、ASEI&PDSIアプローチに基づいた教員研修事業を繰り広げている日本のODA活動:SMASSEプロジェクトの現状をお伝えします。

  • 最新号:2008-02-14
  • 発行周期:不定期・隔月刊
  • 読んでる人:26人
  • 創刊日:2005-06-23
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[SMASSEメールマガジン] 040622 第8号

発行日: 2005/6/23


◎●◎●◎ SMASSEメールマガジン  第8号  2004.6.22

ケニア中等理数科教育強化(SMASSE、スマッセ)プロジェクトが
お世話になっている皆様にお送りするメールマガジンです。
    Web:   http://www.smasse.org
    Email: news@smasse.org
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 □ □ □ □ □ □ 目次 □ □ □ □ □ □

[速報]
● 2004/2005年度ケニア政府予算の発表
● 第4回SMASSE-WECSA会議、南ア・ムプマランガ州にて開催

[寄稿]
● SMASSEの INSETに参加し続けて
  林 賢一 (青年海外協力隊員 平成14年度1次隊 理数科教師)

[最近の出来事]
● JICA評価セミナー「評価結果の総合分析」(初中等教育/理数科分野)(2004.4.23)
● 緒方理事長のSMASSE訪問(2004.4.27)
● 校長INSET(2004.5.3-5.7)
● SMASSE WECSA 第4回域内会議(2004.5.31-6.4)
● SEIA学会参加@セネガル(2004.6.6-6.9)

[SMASSEの今後の予定]
● Inspector Workshop(2004.6.21-6.25)
● NEPAD事務局ケニア訪問への対応(2004.6.22-6.25)
● 学習達成度の予備調査の実施(2004.6.28-7.2)
● WCCI学会参加@オーストラリア(2004.7.3-7.9)
● ICET学会参加@香港(2004.7.11-7.18)
●● その他盛り沢山

[ケニアの生活情報]
● 気候、通貨、為替レート、マタトゥ規制のその後と交通事故

[お知らせ]
● アフリカのJOCV理数科教師隊員集まれ!(再々々掲)

[編集後記]
● 期待通りの成果と予期せぬ成果

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┛┛┛ 速報 ● 2004/2005年度ケニア政府予算の発表
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 ケニアの年度は7月に始まり、6月に終わります。つまり今は年度末。
 6月10日、2004/05年度のケニア政府予算が発表されました。全体額は2211億シル
(経常予算、約3225億円)で前年度(2003/04)比174億シル(約254 億円)の増加です。ケ
ニアの人口が約3000万人と言われていますから、一人当たりにならすと約7400シル
(約1.1万円)の予算です。これは日本の政府予算81.8兆円(うち一般歳出48兆円)を1億
2759万人で割った金額約64万円のおよそ1/58です。逆にこの規模の予算を持つ日本
の地方自治体を探すと、都道府県レベルでは大きすぎ(最大は東京都の約6兆円、最小
は鳥取県の約5000億円)、東京の八王子市(人口53万人、3212億円)程度でした。
国の発展度、物価が違うので単純に比較はできませんが、ともかくケニアはこの予算
で国家運営しているのです。
 予算額の内訳を省庁別に並べますと、1位/教育科学技術省/787億シル(約1148億円、
全体予算の36%)、2位/大統領府/229億シル(約333億円、10%)、3位/防衛局/204億シル
(約298億円、9%)・・・と続きます。公教育への予算が他分野に比べて断然多いこと
が明らかです。再び、日本で同規模の年間予算を持つ地方自治体を探したところ、
東京の杉並区(人口51万人)や品川区とほぼ同じでした。

 さて教育省についた新年度予算は、教師の給料支払い等に使われる経常予算787億
シルに、学校建設等の一時的な支出に充てられる開発予算47億シルが加わり、
合計834億シルとなっています。これは前年度の経常予算708億シル、開発予算84億
シルに比べてそれぞれ79億シル増、37億シル減となっており、学校・教室建設等の
開発事業を縮小した分、人件費を増やし、教師や大学講師の給与水準向上に充てる
模様です(後日、事務次官は雇用人数を増やすわけではないと表明)。

 教育レベル別に見ると、初等教育65億シル(経常予算、以下同じ)、中等教育9.6億
シル、高等教育(大学)97億シルとなっています。ケニアには公立小学校に637万人、
同じく中高等学校に85万人、大学(教師養成カレッジ等は除く)には5万人が在籍して
いるとされるので、一人当たりの額を比較すれば初等1020シル(1488円)、中等1129
シル(1647円)、高等19万シル(28万円)です。高等教育への予算配分が突出している
印象を持ちますが、ケニア国民全体の教育レベルを底上げするためには、この偏った
予算配分の是正が必要に思えます。
 なお、教育省予算のうち、SMASSEの研修事業向けに経常予算として2000万シル
(60人の専任スタッフの人件費は含まず)、開発予算として2000万シルが計上されてい
ます。JICAからプロジェクト活動に支給される予算と補い合いながら、主にモニタリ
ング評価活動に伴う地方出張旅費や、地方研修センター整備等に使われる予定です。

 ちなみに787億シルのうち、22万人を超える教師(大学講師は含まれない)の給与総額
(住居手当等を含む)は約510億シルです。国家予算の1/4、教育予算の2/3は教員の人件
費に費やされていることになります。予算の人件費に占める割合が非常に大きいという
ことは、逆に、その影響で教育にかかる他の支出、例えば学校建設、改修、教科書代等
にお金がかけられないということになります。SMASSEの研修事業が彼等の授業の質を
向上させることは、ケニア政府が費やす巨額のお金がより有効に使われることに貢献し
ているのです。

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┛┛┛ 速報 ● 第4回SMASSE-WECSA会議、南ア・ムプマランガ州にて開催
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 SMASSEプロジェクトの域内活動の目玉の一つであるSMASSE-WECSA会議(第4回)
を南ア・ムプマランガ州ネルスプリット近郊にて開催しました。本会議には21ヶ国の
アフリカ諸国の教育関係者(実務レベルの行政官、教員養成カレッジ講師、中等学校校
長、主に第三国研修に参加した教員等)ならびにJICA関係者、合計111名が参加し、ア
フリカ各国における中等理数科教育の向上を目的としたプレゼンテーション、議論、
授業研究会等が繰り広げられました。
 本プログラムの後半には、JICA理数科教育関係者(12ヶ国より21名の事務所員、専門
家等) を集めた会議も行い、JICAが実施中/実施予定のアフリカ理数科教育事業とその
今後について、アフリカ側とともに協議しました。
 SMASSEプロジェクトからは、SMASSE-WECSA事務局として11名が標記会議の準
備/運営のため出張しました。会議の概要について以下、簡単に報告します。

1. 会場と日程
Bundu Country Lodge / 2004年5月31日(月)〜6月4日(金)
南アの空路の玄関口、ヨハネスブルグ国際空港からネルスプリット国際空港まで約1時間、
そこから車で20分。陸路ならばヨハネスブルグや首都プレトリアから北東へ320km。

2. 参加国: WECSA会議としては18ヶ国からの参加があった。
ボツワナ、ブルンディ、ガーナ、ケニア、レソト、マラウイ、モザンビーク、ニジェール、
ナイジェリア、ルワンダ、セネガル、セイシェル、南アフリカ、スワジランド、
タンザニア、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエ (新規参加国はセイシェルとボツワナ)
(JICA関係者のみ参加した国はエジプト、マダガスカル、日本)

3. 参加者数 : 21ヶ国から111名が参加した。(JICA関係者のみ参加した3国を含む)
- WECSA国からの招待者:18ヶ国より58名(うちケニア事務局11名)。
- 南ア国内から29名が参加(うちMSSI9名、ムプマランガ州14名、他州3名、
 プレトリア大学2名、NEPAD1名)。
- JICA本部が直接旅費負担した参加者は12ヶ国から18名。
- JICA南ア事務所より6名(事務所員2名とNEPAD支援アドバイザー1名、
 ムプマランガ州に展開するJOCV理数科教師チームから3名)。

4. 会議内容
4.1 本会議
 本会議は、昨年開催した第3回会議以降各参加国が実施した活動報告と新規参入国の
中等理数科教育の現状と課題報告から構成された。第3回より取り入れられた実際の学
校でのASEI/PDSI授業実践では、本年1月ナイロビで行われた第1回第3国研修に参加し
た教員を中心に模擬授業が実施され、それぞれの授業に対する論評会が行われた。授業
実践では、あらかじめ南アのシラバスを入手し授業計画を立てて授業を実施したが、
南アの生徒のレベルが必ずしも各国生徒のレベルと同等ということではなく、南ア人以
外の教員が特に授業の導入部で戸惑う状況が観察された。この授業実践は本会議の中核
となる部分で、第3国研修の成果の確認のためにも不可欠な活動であるので、今後本会議
の有効性を高めるためにも改善する必要を感じる。このような教育系国際会議のプログ
ラムに「学校視察」や「授業参観」が取り入れられるのは一般的であるが、「授業実践」
が組み込まれている例はまれであり、新規参入した参加者には非常に新鮮な試みとして
受け取られていた。
 今回新たにプログラムに取り入れた「生徒たちへのインタビュー」は参加者みなの関
心を集め、教育の質向上に「教師のプロフェッショナルな職務態度」が欠かせない事を
改めて認識する場となった。当然のことであるが、生徒は教師をよく観察している。
教師が生徒を愛さなければ、生徒も教師を愛せないし、教員が授業を愛さなければ、
生徒も授業を愛せないのである。

4.2 幅広い関係者(アフリカ・日本)による活発な意見交換と情報共有
 日本がアフリカに対して長年実施している理数科教育分野への協力に関して、その
現状、日本政府の方針、今後の実施体制について日本人、アフリカ人関係者が広く情報
を共有することが出来たのは大きな成果であろう。その意味で東京本部からのプレゼン
テーションは非常に効果的であった。今後の案件形成や事業実施のためにアフリカ側か
らの主体的な参画は不可欠であり、そのためにもこうした機会を持つことは非常に有意
義であった。
 今後、JICAが事業の責任を在外各国のJICA事務所に移していく中で、東京、在外事
務所、地域支援事務所、現場のプロジェクト、相手国政府、そしてSMASSE-WECSAが
果たすそれぞれの役割を互いに正確に認識するために大きく貢献する場となった。全て
の関係者がそれぞれの立場に応じた機能を果たし、我が国と相手国の関係各機関が有機
的な連携が行うことにより、現地での事業がよりスムーズに実施されるようになること
を期待したい。

4.3 NEPADとの連携/日本大使館との意見交換
 開会式に出席いただいた在南ア日本大使館の松井書記官に対して杉山CAが本会議の
経緯やSMASSE-WECSA活動の概要をご説明させていただいた際、NEPADとの連携が
話題となり、大きな関心を寄せていただいた。
 会議後半にはNEPAD事務局より教育アドバイザーProf. M. Mboyaが参加して、NEP
ADの組織・活動を紹介する発表を行い、多くの会議参加者の関心を集めた。NEPADと
SMASSEはJICA南ア事務所村上所長を交えた協議を行い、今回の会議開催をきっかけ
として両者の連携を前向きに検討していくことに合意し、すぐに技術交換のための
ケニア訪問を実施することを打ち合わせた。
 今後、南アやケニアの日本大使館、JICA事務所、地域支援事務所、NEPAD Branch、
関係省庁、関係教育機関等と協議を重ねながら、日本政府がTICADで宣言している
NEPAD支援の具体策としてSMASSE WECSAの活動が国際的に認知されるよう、
速やかに本連携関係を発展させていきたい。

5. 次回開催
 閉会式の中でWECSA事務局代表であるMr. Njugunaは「2005年6月、第5回会議をル
ワンダで行う」とアナウンスした。先般、ルワンダ教育大臣からSMASSE事務局に対し
て、正式に本会議(第5回)のホスト国として立候補するレターが届けられている。今後、
ルワンダ代表Mr. Mboneza(教育省中等教育局長)が窓口となり、具体的な計画をSMAS
SE-WECSA事務局と打ち合わせていく。

6. 所感
 第4回目を数える本会議の運営は大きな混乱もなく、プログラム進行もほぼ計画通り
に進んだ。会議の進行役、それを受けたディスカッション等、いずれも各国からの参加
者自らが積極的に参加する仕組みになっており、その仕切り役としてケニアのWECSA
事務局が適切に機能していた。と同時に、第1回から継続的に参加しているコアメンバー
の貢献が非常に大きい。彼らがケニアと南アのオーガナイザー側を適切にフォローし、
参加者111名をまとめてくれたお陰でこの会議がスムーズに進行したと言って過言では
ない。さらに特筆すべきは、それら継続的な参加者の中にジンバブエの教育省事務次官、
ケニアの主席視学官、ルワンダの中等教育局長といった要職に昇格する者が続出してい
ることであり、SMASSE-WECSAの活動が各国の政策担当レベルへ徐々に浸透している
ことである。

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┛┛┛ 寄稿 ● SMASSEの INSETに参加し続けて
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林 賢一 (青年海外協力隊員 平成14年度1次隊 理数科教師)

 青年海外協力隊として平成14年7月にケニアに赴任したが、ケニアに赴任前の訓練
での任国事情にて何度かSMASSEやINSETと言う言葉を耳にしたが、はじめはあまり
よく理解していなかった。ケニアに来る前に分かっていたことは、ほかのアフリカの
国とは違った何かをしているようだといったくらいの認識であった。しかし、ケニア
についてからの現地訓練でSMASSE事務所を訪問して次第に意識が変わりだした。
「自分はとんでもないところに来てしまった。」協力隊の一般的な弱点が語学力だが、
それを補うために日本で培った技術があるが、その点においても差がないことを感じ
させられた。オリエンテーションは英語で行われるが、内容は日本の大学で学んでき
たことと対して差がない。差がない分だけ、英語のレベルが高すぎてほとんど聞き取
れない。はじめてのSMASSEとのかかわりは、実力差を感じさせられたといった印象
でした。
 引き続き、現地訓練の一環として、中央INSETに参加させて頂いた。このときは第2
と第4サイクルが行われていたが、語学にまだ適応していないので第2サイクルの方が
実験が多くてよいだろうとの判断で参加させていただいた。しかし、ケニアに来て
1ヶ月と、多くの研修プログラムからちょっとした事件が起こった。はじめの週の水曜
日これまでの疲れとあまりにセッションについて行けないストレスから大幅に遅刻して
しまった。このとき内心、「ケニア人は結構ルーズだから少しくらい平気。」という慢心
があった。実際は、INSETに参加している教師はINSETに対して非常に熱心である。
今でも覚えているが、遅れてきたとき宮川元専門家に「ここに来ているケニア人教師は
ほんとにまじめにやっている。そこに日本人がいい加減な態度を見せれば彼らにマイ
ナスの影響を与えてしまう。」ここで始めて、自分が学生気分で来ていることに気づい
た。「みんな仕事でやっていて、必死なのだ。」
 協力隊とSMASSEとのかかわりは日本人専門家の存在なくして語れない。基本的に
協力隊との関係はJICAのプロジェクトのもと緩やかな連携と定義されている。しかし、
ケニアの中等教育界での位置づけを見ると、協力隊は中央と地方の橋渡し的な位置づ
けになっている。そのため、時にはマクエニ理数科グループ活動について助言を頂い
たり、INSETでの様子を草の根レベルの意見として中央と話し合ったりもした。特に、
宮川元専門家はケニア協力隊OBと言うこともあり、毎月開催されるマクエニ理数科
教師グループの会議にもたびたび出席頂き、意見の交換が行え、よりSMASSEを理解
する場になった。
 中央INSETにはケニアに赴任した時期が良かったために、全てのINSETに参加する
ことが出来た。これに、地方INSETも含めば6回参加したことになる。協力隊の
INSETへの参加は現地訓練中の1回と地方INSETを除き基本的に自由参加であるが、
これまで全てのINSETの参加した理由として、一つは自己研修の大きな場になること、
SMASSEをより理解する、専門家や研修員との良い意見交換の場になることが大きな
要因であろう。また、これも偶然であるが、4回の中央INSETともKiambuディストリクト
の先生方と一緒に参加することが出来た。はじめ、中央の研修員のレベルの高さに
驚いたところに、地方の研修員になる先生方のレベル・意識の低さには驚いた。
セッション中飽きてくると新聞は読むは、携帯電話が鳴れば大音量とともにどこかに
消えてしまうし。しかし、回数を重ねるごとに目覚しく変化して行った。今回、最後の
INSETで第4サイクルへの参加であったが、セッションの始まる8時半にはほとんどの
先生が集まり、セッション中新聞を広げる先生など誰一人としていなかった。また、
最終日のオープンフォーラムでは「セッション中新聞を読むこと、携帯電話を鳴らすの
は妨害行為だ。」と多くの先生方言っていたのには、ここまで意識が変化するものなのか
と正直驚かされた。当然のことながら、授業の質も劇的に変化した。はじめは、話して
聞かせる体質からなかなか抜け出せず、ふと気づくと全て話していた先生が多かったが、
今回参加した第4サイクルでは出来るだけ生徒の活動の場を盛り込もうとよく工夫して
いた。それは、ASEI授業・PDSIアプローチをなぜ効果的なのか理解しているから実行
できたのであろう。
 最後に、INSETに参加してケニア人教師を喚起する役割が日本人にあったと考えて
いたがかえってこちらが喚起させられた。特に、ケニアの教科書にはなかなか実験が
行いにくい内容も含まれているが、そのような項目に対しての工夫の仕方がうまくな
ってきた。今、中央ではフェーズ2になり、よりケニア人主導になりつつあるがそう
遠くない近い将来全てにおいてケニア人よって行えることが確信できるのが楽しみで
ならない。もしかしたら、いつか日本に追いつき、追い越してくる時代もやってくる
のかもしれない。

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  ┛┛┛ 最近の出来事
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● JICA評価セミナー「評価結果の総合分析」(初中等教育/理数科分野)(2004.4.23 )
昨年度、これまでJICAが行なってきた初中等理数科教育の技術協力プロジェクトに
関する調査が行われ、昨年11月には調査団がSMASSEプロジェクトを訪れました。
この度、その調査が終了し、広く一般の方々に調査の成果を公開するため、東京にて
このセミナーが開催されました。

● 緒方理事長のSMASSE訪問(2004.4.27)
JICA理事長就任後、初のアフリカ大陸出張。ケニア訪問を皮切りに、エチオピア、
セネガル、南アの現場を視察訪問しました。SMASSEプロジェクトにも来訪し、
中央INSETの一場面を御覧いただくことが出来ました。この出張にはNHKの取材が
同行し、6月2日のクローズアップ現代で取り上げられました。

● 校長INSET(2004.5.3-5.7)
 地方の現職教員研修を計画・運営・実施・管理するマネージャーとして重要な役割
を果たすのが中等学校の校長先生達。SMASSEに関する彼らの理解なしに、研修事業
の全国展開は成功しません。

● SMASSE WECSA 第4回域内会議(2004.5.31-6.4)
 南アフリカ共和国のムプマランガ州に展開するJICA事業、ムプマランガ州中等理数
科教員再訓練計画(略称: MSSI)の協力を得て、第4回会議が南アフリカで開催されました。
この4月に大統領選挙を終え、2010年サッカーワールドカップ開催が決まった直後の
南アは、祝賀ムードに溢れていました。

● SEIA学会参加@セネガル(2004.6.6-6.9)
世界銀行が音頭を取り、アフリカの中等教育開発の戦略を策定する会議で、昨年6月に
第1回会議がウガンダで開催されました。今年も引き続き、セネガルの首都ダカールで
行われる第2回会議にSMASSE-WECSA事務局から1名が参加しました。

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┛┛┛ SMASSEの今後の予定
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● Inspector Workshop(2004.6.21-6.25)
学校/教室で行われている教育の質を保つため、学校を巡回視察指導するのが、
Inspector(視学官)の仕事。彼らにSMASSEの研修事業とその研修が目指している内容
を理解してもらえれば、学校を指導する視点にSMASSEの考え方が生かされます。
全国の地方視学官約150名を集めた研修会を一週間開催します。

●NEPAD事務局ケニア訪問への対応(2004.6.22-6.25)
先日のWECSA会議の中で活動紹介をしたNEPAD事務局のProf. Mboyaと、NEPAD支
援アドバイザーとして派遣されているラーヘッド和美専門家がナイロビを訪れ、
SMASSEの施設や活動を視察し、今後のNEPADとSMASSEの連携活動について打ち
合わせを行います。

●学習達成度の予備調査の実施(2004.6.28-7.2)
モニタリング評価チームはいよいよ学習達成度の調査を開始します。その準備段階と
して30の学校を訪問し、1200名の生徒、120名の教師、30名の校長にアンケートや
学力調査を実施することにしました。本格的な調査は全国から150校を抽出し、9月
以降に実施する予定です。

● WCCI学会参加@オーストラリア(2004.7.3-7.9)
昨年3月にアメリカで開催され、武村専門家がSMASSEの実績を紹介したところ、今年
のオーストラリア学会事務局から、ぜひASEI授業を見せて欲しいとご招待を受けました。
ケニア人スタッフ5名と服部専門家が参加し"Enhancing Classroom Practices through
ASEI/PDSI"と題して本プロジェクトの活動を発表する予定です。
(WCCI学会: World Council for Curriculum and Instruction Conference)

● ICET学会参加@香港(2004.7.11-7.18)
本学会にはMr. Njugunaと杉山チーフアドバイザーの2名が参加し、"Mentoring System
Construction for Mathematics and Science Teachers at Secondary 
Education in Kenya"
と題するペーパーを発表します。フェーズIにおけるASEI/PDSIを通した授業改造とその
インパクトを紹介します。
(ICET: International Council on Education for Teaching)

●校長研修の開催(2004.7.26-7.30)

●JOCV広域研修の開催(2004.8.2-8.13、今年12月にも実施予定)

●ステークホルダー(SMASSE関係者)会議の開催(2004.8.16-8.20)

●中央INSETの開催(2004.8月中に予定)
 これまで約700人の地方研修指導員を養成してきた中央INSET。8月には最後に残っ
た約200人を対象に第1サイクルの研修を実施し、今年の中央INSETを終了します。

●地方INSETの開催(2004.8月中に予定)
 フェーズ2開始以来、この1年間で68の地方研修センターの新設を完了し、教員研修
事業を全国展開するのに必要な基盤整備を終えました。この4月には23の地方研修セン
ターで地方研修を実施し、約5千人の理数科教員が参加しました。この8月には残り
45センターで約1万人の教員が地方研修に参加する見込みです。

●SADC会合への出席(2004.9月に予定)

●第2回第三国研修の実施(2004.11月に予定、定員44名、割り当て国未定)
 今年1月から2月にかけて4週間実施した第1回第三国研修(7ヶ国から42名が参加)に
引き続き、第2回第三国研修を実施します。

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  ┛┛┛ ケニアの生活情報
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◎ 気候
 雨期も終わって、爽やかな青空と穏やかな天候が続く。朝晩は少々冷える。
 6月16日の最高気温24度 / 最低気温12度

◎ 通貨 ケニアシリング ($1 = Ksh 77-78, Ksh1 = 1.5円, ケニアシル安傾向)

◎ 物価
 ガソリン価格が急騰。バス代を始めとして日用品の物価への影響が懸念される。
が、一年前の物価(メルマガ第1号)と比べてみても、さほど変わりはありません。
  卵6個パック              Ksh 45              68円
  卵30個パック            Ksh 130           195円
  牛乳1L                        Ksh 50-55       75-83円
  ソーダ300ml瓶         Ksh 15             23円
  ビール350ml缶         Ksh 60             90円
  新聞1部                      Ksh 35             53円
  たばこ1箱                  Ksh 40-80       60-120円
  ガソリン1L                Ksh 67             100円
  ディーゼル1L            Ksh 53             80円
  国内の最低郵便料金(封書)    Ksh 20       30円

◎ マタトゥ規制のその後と交通事故
 今年2月の交通法改正で、全員着席、乗客のシートベルトの着用、80km/hの速度
制限装置取り付けが義務となったマタトゥ(庶民の足である民営ミニバス)のその後
について。6月18日付けの新聞記事によれば、今年2月から6月まで交通事故の件数
や交通事故による死傷者数は、昨年同時期に比べて大幅に減少したとのことです。
警察が発表した統計は以下の通り。ナイロビ市内の交通量は変わりませんし、朝夕
の渋滞も相変わらずですが、傍若無人なマタトゥによる交通事故は、確かに減った
ような気がします。
              昨年   今年   比較
 交通事故件数(重大なもの) 1768   464   74%減  
 交通事故による死者数   1091   321   71%減
 交通事故による重傷者数  3999   854   79%減

 運賃が上がったり、乗車定員が減ったため、庶民にとって今回の交通法改正は
相当の負担となったはずですが、これだけハッキリとした効果が得られたのならば、
納得のいく新政策だったのではないでしょうか。

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┛┛┛ (おまけ) 南ア・ムプマランガ州の生活情報
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◎ 気候
 南半球に位置する 南アはこの時期が冬。5月下旬から6月上旬にかけて雨はほとんど
降らなかった。毎日快晴。朝夕は非常に冷えこんでナイロビよりも寒かった。フリース
の上着やセーターが欲しいくらい。しかし同時期、大陸最南端の大都市ケープタウンで
はTシャツでもOKという暖かさだったということなので南アも広い。

◎ 通貨 南アランド ($1 = R6.5〜6.2, R1 = 約17円, 為替レート: ランド高ドル安傾向)

◎ 物価 ケニアに比べていくらか高め。しかし南アの人の所得水準はケニアの2倍以上
という印象、国民一人あたりのGNPも約10倍なので、相対的には安価なのかもしれない。
ケニアのショッピングセンターに入っているお店やファーストフード店の大半は
南ア資本であることを再認識した。
 ミニバス R5 (ネルスプリット市内から郊外のホテルまで10km, 10分) 
 長距離バス R165 (プレトリアからネルスプリットまで320km, 6時間)
 缶ビール R9 (ケニア人にAMSTELが人気, ホテルのレストランでの値段)
 缶コーラ R4 (ホテルの売店での値段)

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┛┛┛ お知らせ ● アフリカのJOCV理数科教師隊員集まれ!(再々々掲)
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 今年の8月(8/2-8/13)と12月(12/6-12/17)、SMASSEではアフリカのJOCV理数科
教師隊員とその同僚(中等学校の理科か数学の教員)を対象とした研修コース(2週間)
を開設する予定です。
 SMASSEでケニア全国に広めようとしている「教師中心のチョーク&トーク式授業
から生徒中心の授業を目指し、教員は毎日毎日少しずつ授業に工夫を加えながら改善
していこう」という理数科授業改造運動(ASEI&PDSIアプローチと呼んでいます)を、
他のアフリカ諸国で活動しているJOCV隊員やその同僚の先生にも知っていただき、
教室に持ち帰って実践していただこう、さらには周りの先生にも広めてもらおうとい
うのが研修の目的です。講師役はケニアSMASSEプロジェクトの中央研修講師ですか
ら、研修そのものは基本的に英語で行われます。
 この研修はただ座って話を聞くだけではなく、参加者全員が積極的に研修に参加し、
経験や知識を持ち寄って発言し、それを皆で共有して、それぞれの現場に持ち帰るこ
とに意義があります。研修内容をよりよいものにするのは参加者自身です。「少しで
も生徒のためになる授業を出来るようになりたい」という向上心を持った、数多くの
理数科教師隊員の皆さんに集まって欲しいなぁと切に願っております。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┛┛┛ 編集後記 ● 期待通りの成果と予期せぬ成果
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今回は高校時代の数学の授業を思い出しながら。

なかば恒例行事となってきたWECSA会議、今回はWSSD FU会議を含んで南アでの開
催となりましたが、参加者を数えてみると過去最高の111名になりました。特にお茶の
時間など参加者同士、わいわいガヤガヤと談笑する(あるいはヒソヒソ打ち合わせする)
姿に満ちあふれ、会議は公式にも非公式にも活気ある情報交換の場となりました。

そこでふと、「111人が集まった時、おしゃべりする二人の組み合わせは一体何通り
あるのだろうか?」と気になってああでもない、こうでもないと考えはじめました。
いきなり111人の場合を数え上げるのは大変です。まずは、小さな数のケースで図を
描いたりしながらイメージを掴むのが、こういう計算に取り組むときの常道。

1人ではおしゃべりになりません。2人の場合、例えばAさんとBさんがいたとして、
Aさんからみて話し相手はBさんしかいませんし、その逆も同じことなので結局A-Bの
1通りしかありません。以下同様に考えていくと、3人では3通り(A-B、A-C、B-C)、
4人だと6通り(A-B, A-C, A-D, B-C, B-D, C-D)、5人だと10通り・・・と人数が増える
ほど話相手の組み合わせは急激に増加します。ではこれが111人になると?正解は
次号で発表ということにしますが、相当大きな数になります。
(正解をメールでお寄せいただいた方には先着10名にケニアの粗品を進呈しましょう!!)

会議に参加する意義は、公式プログラム内の議論に加わったり、その内容を共有する
ことだけではありません。休憩時間に小さな打ち合わせをしたり、食事を囲んで気楽
なおしゃべりをしながら情報交換したり、そうした非公式な場面で得るものが意外に
大きいものです。しかもそれは会議に参加する人の数や種類(国・職種・立場)が多い
ほど効果が大きいし(さきほど計算した通り)、参加者自らが情報を提供するほど、
彼(女)が会議から得るものも大きい。

SMASSEプロジェクトがアフリカ大陸全域を意識した協力事業を展開していこうとし
ている今、各国の理数科教育関係者(アフリカ側も日本人側も含めて)との具体的かつ
率直な意見交換は欠かせません。普段は電子メールや電話でやりとりするとしても、
時々こうして顔を会わせてじっくりお互いの状況を話し合うことが、互いの意思疎通
を劇的に助けてくれます。またそうした話の中から新しいアイディアが生まれて、新た
な展開が広がることもあります。本プロジェクトがWECSA会議を定期的に開催しよう
とし、毎回新たな国を招待しつづけている理由の一つはそこにあります。

わざわざ遠くから時間とお金を費やして南アにまで出かけて会議に参加してくださる
参加者の皆様についても同じこと。公式に謳われている本来目的の情報交換に参加する
ことはもちろん、他参加者との交流や情報交換から生まれる意外なアイディアや新たな
事業展開を無意識のうちに期待しているのかもしれません。今回、WECSA会議に参加
した皆様にもそれぞれ何かしら成果があったものと確信します。私にも期待通り(?)
「予期せぬ成果」がありました。多くの皆様が会議に積極的に参加して下さったお陰で
す。またこれから忙しくなりそうです。

最後にこぼれ話を。私とケニア人スタッフ8名は一週間の会議を終えた後も4日間現地
に滞在し、参加者を見送り、ホテルや旅行会社への支払いを済ませ、報告書をつくって
からケニアへ帰りました。私だけはその途中、プレトリアに立ち寄り、JICA南ア事務所
にご挨拶にいきました。ここまでは予定通り。ところがその日、事務所にはアフリカ各
国の保健分野で活躍中のJICA事務所員や専門家の皆様が集まって会議をしていました。
お昼ご飯にご一緒させてもらってビックリ。つい昨年までケニアでお世話になっていた
Iさん、5年前に東京で一緒に働いていたUさん、7年前にザンビアでお世話になっていた
Zさんがいらしたのです。意外な再会にヤァヤァとご挨拶。

そしてもう一人、どうにも見覚えのある顔がこちらをチラチラ窺っています。なんと
約20年前、高校1年の時の同級生K君でした。その頃の仲間や先生の名前を記憶の底から
引きずり出すのはなかなか大変でしたが、懐かしいおしゃべりを楽しみました。111名
がおしゃべりする組み合わせの数、あの頃ならずっと素早く計算できたはずです。

━━━━━━━━━━………‥‥‥・・・・・・‥‥‥………━━━━━━━━━━
 発行:独立行政法人国際協力機構(JICA)ケニア中等理数科教育強化計画フェーズ2
 Strengthening of Mathematics and Science in Secondary Education Project

  編集長:チーフアドバイザー 杉山 隆彦
  編集 :業務調整員     長沼 啓一
   c/o Kenya Science Teachers College, P.O.Box 30596-00100, Nairobi, 
KENYA
   Web: http://www.smasse.org    プロジェクトの各種活動の様子はこちらへ。
   Email: news@smasse.org        ご意見、ご感想のメールはこちらへどうぞ。
   掲載内容の「無断 or 一部を取り出して or 改変して」の転載・再配布を禁じます。
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