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【アフリカ発! 理数科授業改善の試み〜教師中心から生徒中心の授業法へ〜】ケニアそしてアフリカ大陸の理数科教育改善を目指し、ASEI&PDSIアプローチに基づいた教員研修事業を繰り広げている日本のODA活動:SMASSEプロジェクトの現状をお伝えします。

  • 最新号:2008-02-14
  • 発行周期:不定期・隔月刊
  • 読んでる人:26人
  • 創刊日:2005-06-23
  • Score!:-点
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  • 発行者サイト:あり
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[SMASSEメールマガジン] 041021 第10号

発行日: 2005/6/23


◎●◎●◎ SMASSEメールマガジン  第10号  2004.10.21

ケニア中等理数科教育強化(SMASSE、スマッセ)プロジェクトが
お世話になっている皆様にお送りするメールマガジンです。
    Web:   http://www.smasse.org
    Email: news@smasse.org
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 □ □ □ □ □ □ 目次 □ □ □ □ □ □

[速報]
● 10月1日のJICA設立記念式典にて第1回「JICA賞」を受賞!
● 中等理数科学習達成度調査終了、ただいまデータを解析中

[寄稿]
● SMASSE見聞記:アフリカの地で考えた
  岡村 美由規 (広域企画調査員 JICAホンジュラス事務所)
● JOCV研修に参加した隊員のその後の活動について(ザンビア編)
  木根 主税 (青年海外協力隊員 15年度2次隊 ザンビア 理数科教師)

[最近の出来事]
● 政策研究大学院(GRIPS)大学のケニア訪問(2004.8.29-9.5)
● 「国際協力」誌取材班のケニア訪問(2004.8.29-9.3)
● 第2回第三国研修事前説明のためのアフリカ諸国訪問 2(2004.9.12-9.18)
● ホンジュラス算数指導力向上(PROMETAM)プロジェクト関係者の来訪(2004.9.14-9.17)
● ナイジェリア中等理数科支援のためのワークショップ参加(2004.9.26-10.1)
● 中等理数科に関する学習達成度の全国調査 (2004.9.27-10.15)
● JICA-Netキャンペーンチームの来訪 (2004.10.13)
● SEIA会議@オランダへの出席(2004.11.14)
● TSCハイレベル職員の本邦研修(教員研修政策)参加(2004.10.16-11.3)

[SMASSEの今後の予定]
● 内山葉月専門家(理科教育)の赴任(2004.10.22から2年間)
● 第2回第三国研修の実施(2004.11.8-12.10、5週間、16ヶ国、定員88名)
● ADEA運営委員会への出席(2004.11.15-19)
●● その他盛り沢山

[ケニアの教育情報]
● 卒業資格試験(KCSE, KCPE) 今日から開始

[ケニアの生活情報]
● 気候、通貨、為替レート、ガソリン価格

[お知らせ]
● 第2回第三国研修の実施、参加者の内定
● JOCV理数科を対象とした研修(12月予定分)のキャンセル

[編集後記]
● 賞を授ける理由


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┛┛┛ 速報 ● 10月1日のJICA設立記念式典にて第1回「JICA賞」を受賞!
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 独立行政法人化1周年を迎えた国際協力機構(JICA)は10月1日(金)、JICA本部にて
「JICA設立記念式典」を催し、「第1回JICA理事長表彰」表彰式を行った。
(・・・中略・・・)
 記念式典ではまた、「第1回JICA賞」も発表された。「JICA賞」は、JICAが実施する
事業のうち、特に優秀な成果を収めた案件・事業に対する表彰制度として本年度創設さ
れ、アフガニスタン緊急復興調査をはじめとする21件が選ばれた。今後は5年ごとの設
立記念式典にあわせて選考・発表する。
(以上JICAホームページより抜粋 http://www.jica.go.jp/press/041005.html)

 というわけで、SMASSEは、栄えある第1回「JICA賞」を頂戴しました。
 10月19日には、ケニア教育省事務次官Prof. Karega Mutahiへの表彰状授与が行われ、
ケニア教育省を含め、プロジェクトのスタッフ一同、喜びに沸いております。

 今回受賞した合計21件の案件/事業のうち、教育分野の事業としは唯一の受賞案件
でした。アフリカ全体でも3件が受賞したのみであり、その重みをずっしりと受け止め
ています。
 今回の受賞に満足してしまうことなく、これを励みとし、今後さらに現職教員事業
の質的拡充を進め、ケニアの理数科教育に対してハッキリと目に見えるインパクトを
与えられるよう実績を積み重ねていく所存です。

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┛┛┛ 速報 ● 中等理数科学習達成度調査終了、ただいまデータを解析中
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 ケニアの中等学校を対象として、生徒の学力、思考力と生徒の学習に対する意識、
態度との関係、さらに校長や教師の意識、態度や教授法が生徒の学習に及ぼす影響に
ついて調べるために、ケニア全国規模での調査を実施しました。
 プロジェクトではこの調査のことをSPIAS(スピアス)と呼んでいます。SPIASと
はSMASSE Project Impact Assessment Surveyの頭文字をとった略称です。
 今回の調査では、ケニアの中等学校二年生(日本では高校一年生に相当)に対し、
数学、物理、化学、生物の四科目の学力試験と学習態度、意識調査質問紙を用いたペ
ーパーテスト調査方式を採用し、全国約3,000校から地域性等を考慮して150校を無
作為に抽出し、生徒6,000名(各学校一学級40名に想定)、先生600名(調査対象学級を
担当している数学、物理、化学、生物担当の教師)、校長150名を調査対象の目標数
に設定していました。
 この調査は今年2月頃からプロジェクト内に調査特別チームを設置し、調査の概要、
全体の構成を始めとして、テスト問題や質問の作成、実施方法や結果の分析方法、報
告書の体裁まで何度も綿密に会議を行って決定してきました。予備調査も二度実施し
て問題の精選、再検討を行い、問題の妥当性、信頼性を高める努力を行ってきました。
このように作成から実施まで、全ての作業をプロジェクトのケニア人達自身で行って
きましたが、このこと自体誇らしく思います。
 このような調査は、IEA(国際教育到達度評価学会)のTIMS-R(国際数学・理科
教育調査)が有名ですが、これらは主に先進国や中進国を対象に行われており、ほと
んどの途上国については調査の対象となっていないというのが実際の現状です。し
たがって今回のケニアでの調査は、今まで誰も手をつけていなかった、全く情報の
無かったということから考えると、実に画期的なものであると言えるでしょう。
 ちなみにこのTIMS(ティムス)、皆さんは「日本は数学理科の学力が世界でトッ
プクラスである」というのを新聞報道等で見たことはないでしょうか?これはこの
TIMSの結果を報じたものです。
 さて今回の調査に話を戻しましょう。ケニア人調査チームは9月26日から10月15日
までの三週間にわたり、12チームに分かれて合計150校を実際に訪問して調査を行い
ました。ひとくちに150校と言っても、学校が山の上にあったり、次の学校まで100km
以上も離れていたりと、そこに行くだけで大変な状況の中を、使命感を胸に彼らは東奔
西走しました。その結果146校からデータを回収し、調査した生徒数は5,477人でした。
今後データを解析していくのですが、果たしてどのような結果が出るか、皆さんも楽
しみにしていて下さい。

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┛┛┛ 寄稿 ● SMASSE見聞記:アフリカの地で考えた
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岡村 美由規 
   広域企画調査員 JICAホンジュラス事務所

 9月14日午前6時半。ナイロビは曇り空。意外に涼しい。
 空港を出るとJICAケニア事務所斉藤所員のお出迎え。「ようこそ。お疲れでしょう?」
明るい声にホッとする。「はい、疲れました」。中米のホンジュラスからアフリカの
ケニアまで、米国、ロンドン経由でやってきた。ハリケーン・イヴァンを避けたため、
経由地が5ヶ所。三大陸横断だ。48時間かかった。

 空港からナイロビ市内までは40分程のドライブ。サバンナが続く。キリンの影でも
見えないかと外を眺める。ゾウの銅像が中央分離帯にあった。「今回は地方INSET訪問
もある。シマウマなら歩いているかもしれない。」わくわくする。
 JICAホンジュラス事務所からの出張者3名(富安、西方、岡村)は早速ホテルにチェ
ックイン。午後からのインタビューに備えて休息・・・・ではなく、「ショッピング
モールはどこですか?」。荷物が無事に着いたのは、富安次長の分だけ。あとはヒュ
ーストンに置き去りになっている。せめて明日の教育省表敬に失礼のない格好をしない
と。私(岡村)は襟付きのシャツを買う。南アフリカからの輸入品。た、高い。日本で
千円くらいの物が50ドルする。西方専門家は靴を買う。ケニア製だ。「安くて軽くて
履きやすいよ」。ここで買ったシャツや靴が、3泊4日のケニア滞在必須グッズとなる。

 午後、武村専門家と長沼専門家にお話を伺う。SMASSEの何と言ってもすごいのは、
ケニアの人々のやる気によって進められているところ。それがケニア国内だけでなく、
アフリカ域内18カ国のネットワークSMASSE-WECSAを作るに至っている。実はホン
ジュラスでも、中米とカリブ地域の5カ国が一緒になって算数プロジェクトをやろうと
計画している。だからこそ三大陸横断の出張。SMASSEの秘訣をぜひとも探らなければ。

 「授業を改善する、というニーズをケニア人自身から出してもらうにはどのようにさ
れたのでしょうか?」言うは易し行うは難しのこの課題。ぜひとも聞きたい。「とにか
く話しました。どういう状況なのか、何に悩んでいるのか、どのような授業にしたいの
か。そうやって、彼ら自身からキーワードが出てきたんです。私のノートには200個以
上の彼らの言葉が書いてありますよ。それが集約されてスローガン“ASEI(Activity,
Student Centered, Experiment, Improvisation)”になったんです。」「このASEIを実現
化する方法として、“PDSI(Plan, Do, See, Improvement)”が生まれたんですよ。」
1999年の開始時から杉山リーダーと共にSMASSEを育てておられる武村専門家の説明
が続く。絶妙な間合いで補足される長沼専門家。グッド・チームワーク。

 「“PDSI”は、最初は“PDS”だけでした。私のモデル授業を見て、ケニア人の口から
  “I(Improvement)”が出てきた。プロジェクト開始2年目の終わりに南アフリカに行った
帰りの飛行機の中で、ケニア人スタッフの一人が僕に『全国研修の中に授業を入れま
しょう』と言ってきたのです」ケニア人自身が経験し、観察の中から見つけていくも
のを大切にする姿勢。プロジェクト成功の一つのキーだ。

(編集注)実はボリュームたっぷりの「SMASSE見聞記」、編集の都合上、ここで
     最後の章に飛びます。全編ご覧になりたい方はホームページからダウン
     ロードしてご覧下さい。(近日中にアップロードしておきます)

 ホンジュラスでは、2003年から、算数指導力向上プロジェクト(通称PROMETAM)
で、小学校カリキュラム準拠の教師用指導書(ガイドブック)と児童用作業帳(ワーク
ブック)を作ってきた。先日6年生版教材が完成し、教育省へ引き渡し式が行われた。
これで6学年分の教材が揃うことになり、来年度から全国の公立校に配布されることも
決定している。そして、その教材を見聞きした近隣諸国からは、この教材を活用して
自国で算数教育の改善を行いたい、という要望が寄せられている。その中でも特にグ
アテマラ、エル・サルバドル、ニカラグア、ドミニカ共和国、そしてホンジュラスの
5カ国で共同して今立ち上げようとしているのが、中米広域算数プロジェクトである。

 中南米は協力隊派遣の歴史が長い。しかし教育プロジェクトは中米のホンジュラス
と南米のボリビアで近年始まったばかりである。だから、SMASSE-WECSAのように、
中米の広域プロジェクトでは、まだ5カ国で一致した理念は共有していない。いや、
理念そのものも、まさにこれから現地の人々が自分自身で生み出していくものだ。
各国でどのように算数教育を盛り立てていくのか、これも各国の教育関係者が考えて
いくものだ。
 中米版ASEI-PDSIは生まれてくれるだろうか。「焦っては駄目ですよ。20年先を見
ながら頑張ってね」。武村専門家の言葉を胸に、ジョモケニヤッタ空港に向かう。

 「井の中のホンジュラスに、ぜひ、SMASSEチームの方々に体験談を話していただ
けないだろうか」協力隊時代から10年に亘ってホンジュラスの算数教育に尽力してき
た西方専門家。「井の中のホンジュラス」。まさに言い得て妙である。「それはいい
考えだ。ぜひやろう」富安次長の力強い言葉。グッド・チームワーク。ちょうど来年
3月には、この中米広域プロジェクトの形成ワークショップをホンジュラスで開催する
計画を立てていた。グッド・タイミング。もし事情が許すならば、今度はSMASSEチ
ームの方に、中米の地を踏んでいただきたい。そして、日本人専門家のサポートはあ
ったにせよ、自らの力でここまでやり遂げたというケニア人カウンターパートの意気
込みを、是非とも感じて欲しいのだ。
 中米でよく聞く「給料が安いから」という教師の言葉。とてもよく分かるけれど、
しかし、お金では満足できないものも必ずあると思う。現場の先生たちには、成長を
通じた充足感を得てほしい。これは算数教育を向上させるだけではない。一人一人が
教師という職業を選んだ自分の人生に、満足してほしいのだ。「給料が安いの」。
この言葉の後にせめて「でも、教えるのがとても楽しい」と、言ってもらいたい。
長い道のりだが、中米の広域プロジェクトは、これから始まるところ。この時期に
SMASSEを視察し、ケニア人関係者、日本人関係者の皆さんから直にお話が伺えて、
本当に有難かった。
 こうして、3泊4日のSMASSE視察の旅が終わった。ロンドンで荷物との再会を
熱望しつつ、涼しいナイロビの地を後にした。最後までシマウマは現れなかった。
「すみません。今回は仕込みが間に合いませんでした。次回来られるときには是非」。
ケニアだけでなく18カ国の間を調整される長沼専門家も、さすがに動物までは調整し
づらいらしい。と、とんでもありません。ケニアに来たのは、出張、出張。シマウマ
を見に来たわけでは・・・。
 SMASSEチームの皆様、JICAケニア事務所の皆様、本当にお世話になりました。
次回はぜひ、テグシガルパでお会いできるのを楽しみにしております。

(編集注)中米の地理にはまるっきり疎い私達。ホンジュラスの位置を確認すると
     ケニアとは時差8時間ですから日本よりもさらに遠い国でした。アメリカ、
     ユーラシア、アフリカと三大陸を駆け巡った出張、お疲れ様でした。

 なお、ホンジュラスの算数指導力向上プロジェクト(通称PROMETAM)の活動は下記
 ホームページに詳しく紹介されています。ご覧下さい。
 プロジェクトのホームページ  http://www.prometam.hn2.com/Jmain.htm
 JICAフロンティア2003年6月号 http://www.jica.go.jp/jicapark/frontier/0306/07.html
 JICAフロンティア2004年7月号 http://www.jica.go.jp/jicapark/frontier/0407/07.html

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┛┛┛ 寄稿 ● JOCV研修に参加した隊員のその後の活動について(ザンビア編)
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木根 主税
 青年海外協力隊 15年度2次隊 ザンビア 理数科教師

 9月24、25日にかけて、私の配属先のひとつであるNkwashi Zone Recourse Centre
(NZRC)にて、Science Lesson Demonstrations Workshopが開催されました。
このワークショップは、NZRCを管轄するKabwe Provincial Recourse Centre (KPRC)
の理科教育コーディネーターMr. Singoyiが中心となり、企画、実施したものですが、
彼は以前、SMASSEの研修会に参加したことがあり、“ザンビア版SMASSE”にあたる
SMASTEのメンバーでもあります。
 したがって、今回のワークショップは、ASEIアプローチの紹介や、参加者による
ASEIレッスンプランの作成、実際の生徒を前にしたASEIレッスンの模擬授業や、
それに関する討論会といった内容で構成され、8月にケニアで開催された「JOCV研修」
にとてもよく似たプログラムでした。
 このコーディネーターは、私がSMASSEの「JOCV研修」に参加したことを既にご存
知で、今回のワークショップでは、ASEIアプローチの紹介役を、私に任せてくれま
した。また、レッスンプランの作成、模擬授業、討論会でも、各グループでの進行役を
任せてくださり、私としては、少し荷が重かったのですが、とても良い経験をさせても
らうことができました。

 今回のワークショップを通して、これはよかったと思った点がいくつかありました。
 一点目は、参加者であった現職教員が、実際に実験や観察といった活動を取り入れた
授業を体験できたことです。これまでいろんな学校の授業を見学してきましたが、実験
や観察といった活動を取り入れた理科の授業を見ることはほとんどありませんでした。
また、そういった活動を取り入れた数少ない授業においても、その活動を行うのは教員
で、生徒が実際に活動に取り組むことは皆無という状況でした。しかし、ASEIアプロー
チを踏まえた授業を目指しただけに、今回の模擬授業の中では生徒が実験や観察に取り
組む場面が多々ありました。もちろん、利用する道具の不足や、生徒に活動させる際の
段取りの悪さなど、まだまだ改善すべき点は多々あるのですが、これまでの、ほとんど
活動を取り入れた授業がなかったことと比べると、大きな飛躍です。

 二点目は、模擬授業とその後の討論を通して授業改善の試みがあったことでした。
 今回のワークショップでは、各グループが同じ内容の授業を、異なる教室で二度行い
ました。私が進行役として加わったグループは、第4学年に対して、光の直進の授業を
するところでした。初めの授業では、ダンボールで作った暗室内を蚊取り線香の煙で
満たし、そこを懐中電灯の光が直進する様子を観察する活動と、懐中電灯の光が、真っ
直ぐな筒の中を直進し、その底を照らす様子を観察する活動を取り入れていました。
 その後、このグループで授業に関する討論を開いたのですが、その中である参加者
が、「生徒の一人が、夜走っている車のライトと似ている、とつぶやいていた」事を
紹介したことがきっかけとなり、他にも光の直進を生徒に観察させることのできる活動
はないかという点が議論となりました。そして、自分がこれまでやったことのある実
験を紹介する参加者が現れ、次の模擬授業ではその実験も盛り込んで、よりバラエテ
ィーのある活動を通して光の直進を生徒に観察させようという取り組みが生まれました。
 教員が自分らの経験をもとにしながら授業を改善する、というASEI&PDSIの芽のよ
うなものが見られたことは、私にとって最大の収穫となりました。

 最後に、三点目は、8月の「JOCV研修」に一緒に参加した、別任地のザンビア隊員
と、そのカウンターパートが参加してくれたことです。
 彼らも近々、SMASSEの「JOCV研修」に関する報告会を開くことになっており、
その参考になればということで、今回のワークショップに参加してくれたのですが、
色んな面で助けてもらいました。うまくいかなかった実験に対して、的確なアドバイ
スをくれたり、主催側が計画していなかったPDSIに関する紹介を引き受けてくれたり
しました。このような形で、8月の「JOCV研修」に一緒にケニアへ行った仲間と引き
続き交流が持て、さらには、SMASSEの「JOCV研修」で学んだことを、協力してザ
ンビアの教育現場に還元できたということはとても嬉しく、今後も引き続き皆で協力
していけたらと思います。

 もし、私がSMASSEの「JOCV研修」に参加していなかったら、このような機会に
も恵まれなかったと思うし、これほど色んな方とのつながりも築けなかったでしょう。
想像していた以上に、SMASSEと関係のある方が、ザンビアにはいらっしゃるようで
す。今後もそういった方々と、良い関係を保ちつつ、協力してザンビアの理数科教育
の改善にお役に立てたらと思います。

(編集注)
 いただいた原稿には沢山のデジカメ写真が挿入されていて、ここでご紹介できない
のが残念です。ケニアでの経験がきっかけとなってこうした隊員活動に結びついて
いることを知り、プロジェクトとしても「やって良かった」という思いです。

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  ┛┛┛ 最近の出来事
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● 政策研究大学院(GRIPS)大学のケニア訪問(2004.8.29-9.5)
 政策研究大学院の笹岡教授率いる3名が、エチオピア、タンザニアとケニアを巡り
ながら、開発途上国における援助協調の現状やPFM(公共財政管理)の現状並びに援
助政策がいかに中央から地方行政にインパクトを与えるかを調査しました。途中、
SMASSEに立ち寄っていただき、色々とお話を伺いました。

● 「国際協力」誌取材班のケニア訪問(2004.8.29-9.3)
 JICAが発行する月刊広報誌 地球発見マガジン「国際協力」の瀧岡企画編集室長が、
ケニアにおける教育分野への協力を取材しました。ジョモケニアッタ農工大学への
長年の協力、青年海外協力隊による理数科教師派遣からSMASSEプロジェクトに至る
流れと今後の展開/夢をお話しました。

● 第2回第三国研修事前説明のためのアフリカ諸国訪問 2(2004.9.12-9.18)
 南部、西部アフリカに続き、今度はタンザニア、ウガンダ、エチオピアを訪問しました。

● ホンジュラス算数指導力向上プロジェクト関係者の来訪(2004.9.13-9.17)
 算数の成績不振による中退と留年が深刻な中米のホンジュラスで、教員用指導書と
生徒用ドリルの開発と普及により、教員指導力と生徒学力の向上を目指すPROMETAM
プロジェクト。その関係者の皆様が私達の活動の視察にいらっしゃいました。
 今後、ホンジュラスが中心となって、中米地区での理数科教育を拡大展開していき
たいとのこと。SMASSE-WECSAというアフリカ域内事業を進めているSMASSEの
経験がお役に立てばと思います。

● ナイジェリア中等理数科支援のためのワークショップ参加(2004.9.26-10.1)
ナイジェリア政府が復活させようとしている現職教員制度立て直しのため、ASEI&
PDSIに基づく理数科授業改造運動がお役に立てそうです。ケニア人3名と日本人1名
が1週間訪問しました。

● 中等理数科学習達成度調査の実施(2004.9.26-10.15)
 ケニアの中等学校を対象として、学力、思考力と教授法、意識、態度や学習との関
係について調べる調査を実施しました。(全国約3,500校から150校を抽出し、生徒6,000
名(各学校40名)、先生600名(同4名)、校長150名を目標にアンケート調査を実施)

● JICA-Netキャンペーンチームの来訪 (2004.10.13)
 遠隔講義、TV会議、マルチメディア教材の作成を通じて、より効果的なJICA事業の
実施をサポートしようというJICA-NetがJICAケニア事務所にも導入され、SMASSEで
もどのように活用しようかあれこれ検討しています。本部からJICA-Net活用の具体例
を紹介するチームがケニアを訪問し、SMASSEにも立ち寄っていただきました。
 今後、研修の事前オリエンテーションや、アフリカの周辺諸国との横の連絡を円滑
にするため、積極的に活用させていただく予定です。

● SEIA会議@オランダへの出席(2004.10.15)
 この会議で基調講演を行ったADEA事務局長Mr. Mamadou Ndoye、東京本部から
出席していた梅本職員(JICAアフリカ部)との打ち合わせを行い、ADEA内に理数科ワー
キンググループを設立する現状と今後の手続きについて確認する事が出来ました。

● TSCハイレベル職員の本邦研修(教員研修政策)参加(2004.10.16-11.3)
 教員雇用委員会(TSC: Teachers Service Commission)とは、ケニアの公教育機関の
人事管理を司る中央政府機関であり、ケニア全国の教員(初等、中等)約24万人の採用、
配置、人事を一手に引き受けています。SMASSEにとっても力強いサポーターです。
 その大組織で教員人事(Staffing)を担当する部局の責任者Ms. Margaret Njeri MBAEが、
日本での2週間の研修コースに参加中です。埼玉県立総合教育センター、東京都教職員
研修センター、東京近郊の小・中学校、高校、教育委員会などを見学し、効果的な教員
研修や学校管理の実践例に触れながら関係者との意見交換を行う予定。その経験をケ
ニアの教員研修政策に生かしてもらえるよう、期待しています。

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┛┛┛ SMASSEの今後の予定
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● 内山葉月専門家(理科教育)の赴任(2004.10.22から2年間)
 昨年8月まで、JOCVシニア隊員(理数科教師)としてケニア・マクエニ地区でJOCV
理数科教師のグループ活動のリーダー役を担っていた内山さんが、SMASSEの一員と
してケニアに戻ってきます。

● 第2回第三国研修の実施(2004.11.8-12.10、16ヶ国、定員88名)
 今年1月から2月にかけて4週間実施した第1回第三国研修(7ヶ国から42名が参加)に
引き続き、第2回第三国研修を実施します。前回の経験を踏まえ、研修内容を改善し、
定員を倍増し、期間も延長させる予定です。

● ADEA運営委員会への出席(2004.11.15-19)
 今年4月のジュネーブでの運営委員会出席に続き、ルワンダの首都キガリでの運営
委員会に出席し、SMASSE-WECSAによる理数科ワーキンググループの設立にこぎ着
けたいと考えています。

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  ┛┛┛ ケニアの教育情報 ● 卒業資格試験(KCSE, KCPE) 今日から開始
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◎ 今年は22万5千人が中等学校卒業試験を受験
 ケニアの教育制度は初等8年、中等4年、大学4年の8-4-4制。学期は1月から始まる
3学期制(1学期: 1-3月、2学期: 5-7月、3学期: 9-11月)です。そして3学期は卒業試験の
季節。最終学年にあたる初等学校8年生と中等学校4年生は、それぞれKCPE(Kenya
Certificate of Primary Education), KCSE(Kenya Certificate of Secondary 
Education)
と呼ばれる卒業資格試験を受験することになります。日本では高校や大学に入る際、
学校ごとに異なる入学試験を受験しますが、ここケニアでは卒業試験の結果がすべて。
全国各地で同じ時間に同じ科目の試験を一斉に実施するという意味では日本の共通一
次試験/センター試験を想像いただければ良いのですが、ジャカランダの紫色が目に
鮮やかなこの時期、ナイロビの教育省も、地方の教育事務所も、学校も、親も子も
みんな注目する全国的な恒例行事になっています。
 10月12日の新聞報道によれば、65万7千人の初等学校8年生がKCPEを受験する予定
であり、これは昨年の受験者数に比べて約7万人増加とのこと。一方、22 万5千人の
中等学校4年生がKCSEを受験する予定です。

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  ┛┛┛ ケニアの生活情報
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◎ 気候
 ナイロビではいつもの年より少し早め、9月下旬に雨期が始まった様子。10月半ば
になって、ほぼ毎日雨が降る。朝は雨が降るか曇っていることが多く肌寒いが、昼前、
雨が上がれば強烈な日差しが肌を刺し、気温も上がる。ジャカランダの紫色の花が一
斉に咲き出しました。
 今年の日本は台風の当たり年。10月20日には10個目の台風が上陸したとのこと。
各地で大きな被害が出ているとケニアの新聞の国際面にも伝えられるほどです。台風
も地震もない、一年中、穏やかなケニアの気候に感謝。
 10月18日の最高気温23度 / 最低気温9度

◎ 通貨 ケニアシリング ($1 = Ksh 80-82, Ksh1 = 1.5円, ケニアシル安傾向)

◎ ガソリン Ksh 72-73 / L (1リットルの無鉛ガソリン105円程度、急騰中)
 世界的な原油価格の高騰は、ここケニアにも影響しています。
 ケニアの街で見かけるガソリンスタンドはShell, Mobil, BPあたりが主流。コンビニ
エンスストアやファーストフードレストラン、銀行のATMが付属していることも多い。

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  ┛┛┛ ● 第2回第三国研修、参加割り当て国と参加者の内定
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◎ 日程と場所 
 ナイロビ郊外のCentre for Mathematics, Science & Technology Education in Africa
(略称: CEMASTEA)にて実施予定でしたが、改修工事の遅れのため、急遽会場変更を
アレンジ中です。期間は予定通り、2004年11月8日から12月10日まで5週間開催。

◎ コース概要
 中等(あるいは初等)理数科教員養成・再研修に携わる講師・指導員を対象に、ASEI
&PDSIアプローチという授業改革運動をベースとした理数科教員研修を実施します。
研修員には、各国に戻って、右アプローチに基づいた理数科教員養成あるいは現職
教員研修を実践することを期待しています。使用言語は英語。

◎ 受け入れが内定した国と研修参加者数
 受入れ対象国政府から、所定の手続きを経てケニアに送られてきた応募書類を取り
まとめ、ケニア教育省とCEMASTEAにて選考を行った結果、下記の国々から合計88名
を受け入れることとなりました(若干の変更があるかもしれません)。受け入れが決まっ
た方にはケニア教育省から各国政府経由で正式な通知が届きます。
  マラウイ 9名
  ニジェール、ブルンディ、ボツワナ、タンザニア、スワジランド 各8名
  セイシェル、ナイジェリア、エチオピア、ウガンダ 各 6名
  モーリシャス 5名
  セネガル、マダガスカル 各4名
  ルワンダ 2名

◎ 特記事項
 日本側からもケニア側からも、本研修参加者への日当支給はありませんが(参加国
政府からの支給は構わない)、研修に必要な食事、教材、交通、宿泊は提供されます。

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┛┛┛ お知らせ ● JOCV理数科を対象とした研修(12月予定分)のキャンセル
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 今年の8月(8/2-8/13)と12月(12/6-12/17)、SMASSEではアフリカのJOCV理数科
教師隊員とその同僚(中等学校の理科か数学の教員)を対象とした研修コース(2週間)
を開設する予定です。
 ・・・と本メルマガ第8号でもお知らせしましたが、諸般の事情により実施できなく
なりました。8月に参加した同僚隊員の話を聞くなどして、楽しみにしていた隊員や
カウンターパートもいらっしゃったに違いありませんし、本号のザンビアJOCV木根
さんからの寄稿記事にもあったように、この研修の経験をきっかけにした隊員活動が
芽生えていることを考えると大変に残念です。また、アフリカ各国の関係者の皆様に
大変なご迷惑をおかけしたかもしれません。お詫びいたします。
 なお、次回、いつ実施できるのかについても未定ですが、是非SMASSEプロジェク
トの年間行事として年に1-2回は実施できるよう、体制を整えたいと思っています。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┛┛┛ 編集後記 ● 賞を授ける理由
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ケニアの環境運動家マータイ ワンガリさん(Prof. Wangari Maathai、ケニア環境・
天然資源副大臣)が10月8日、ノルウェー政府からノーベル平和賞受賞の知らせを受け
ました。受賞理由は「環境、持続可能な発展、民主主義、平和に対する貢献」。ケニ
ア人としても、アフリカ人女性としても、初のノーベル賞受賞ですし、平和賞が環境
問題を対象にするのも、初めてのことです。

 その日、出張先のケニア山の麓で在ケニアノルウェー大使から受賞の連絡を受けた
彼女は、すぐにキバキ大統領への報告を行い、ちょうどケニア来訪中のノルウェー首
相と面会し、国内外のマスコミにも大きく取り上げられ、一躍、有名人となりました。
ケニアの新聞では毎日のようにマータイさんの話題が掲載されています。これまでの
業績、賞金の額、他にもこんな賞をもらっている、かつて反政府的な運動を嫌われて
何度も逮捕/投獄されている云々・・・とケニア中の井戸端会議に話題を提供してい
ます。昨年、ノーベル化学賞を受賞した田中さんの素朴な振る舞いや受け答えがマス
コミ受けして、日本中で話題になっていたことを思い出します。新聞紙面に見付けた
マータイさんの数ある発言の中で「ノーベル賞を貰うには、最高(Best)になるか、最初
(First)になるか、異色(Different)になるかしかないのよ。」という言葉が印象的でした。

 そこで素朴な疑問、なぜノーベル賞はこれほど世界的に有名で権威があるのでしょう?
ダイナマイトの発明で莫大な財産を築いた実業家が基金を設立し、その利子を、人類の
ために最も貢献した人に与えることにした、というのがノーベル賞設立のお話。人間、
金銭的に満たされれば権力や名誉が欲しくなり、その名を歴史に残したくなるもの。
ノーベルさんの場合、財産を築いた後、金銭と名誉を与える側に廻ったのが功を奏し、
歴史に名を残すことに成功したわけです。利子だけで毎年10億円もの賞金を賄える財産
(一体どれほど膨大な財産なのでしょう!)をなしたノーベルさんの科学者としての才能と
事業家としての手腕はうらやましい限りですが、その財産と遺志をこういう形で後世に
残した彼の才覚そのものがノーベル賞に値しそうです。

 その設立の志に人々が共感し、世界中で輝かしい実績を残した人が受賞者に選ばれ、
その授賞理由に高い見識が感じられる・・・その長年の実績が世界的な権威として認
められている理由なのでしょう。その「権威」を保つためには、評価されるべき人材を
世界中から発掘する広い視野と、世界の科学技術の最先端を評価する能力と、その時代
の世界情勢を敏感に読み取り、世界的世論を望ましい方向に導こうとする意志、そして
多額の運営資金が必要です。逆に言えば、賞を授与する側がそこまで努力して、世界に
向けてアピールしたいメッセージを持ち続けなければその賞は長続きせず、権威の域に
は達しません。

 さて、このたび創設されたJICA賞。「JICAが実施する事業のうち、特に優秀な成果
を収めた案件・事業に対する表彰制度」ですから、SMASSEとしては最高の栄誉です。
が、同時に大きなプレッシャーも感じます。他のJICA関係者から「なんでSMASSEな
んかが受賞するんだ?どこが優秀なんだ?何の成果があるんだ?おかしいぞ!」と疑問に
思われてしまうようでは、授賞責任者であるJICA理事長のお顔に泥を塗ることになっ
てしまいます。JICA賞という制度の中に込められた、JICAから世界に向けて発信する
メッセージを、途上国の現場で目に見える形として具体化するためにも、今後、最高
(Best)で最初(First)で異色(Different)のプロジェクト活動を心がけていきたいと思います。

━━━━━━━━━━………‥‥‥・・・・・・‥‥‥………━━━━━━━━━━
 発行:独立行政法人国際協力機構(JICA)ケニア中等理数科教育強化計画フェーズ2
 Strengthening of Mathematics and Science in Secondary Education Project
  編集長:チーフアドバイザー 杉山 隆彦
  編集 :業務調整員     長沼 啓一
   Web: http://www.smasse.org    プロジェクトの各種活動の様子はこちらへ。
   Email: news@smasse.org        ご意見、ご感想のメールはこちらへどうぞ。
   掲載内容の「無断 or 一部を取り出して or 改変して」の転載・再配布を禁じます。
━━━━━━━━━━………‥‥‥・・・・・・‥‥‥………━━━━━━━━━━

 
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