トップ > コンピュータ > ソフト > 海外CAD事情

米国で発行されているCADを中心にしたe-ニュースレターの簡易翻訳版です。設計や製造に関連したCAD以外のソフトウェアの動向紹介もあり、海外での状況に関心がある方には興味を持ってもらえるのでは。




海外CAD事情 564号(2008年6月17日号)

発行日: 2008/7/2

*************************************************************************
            海外CAD事情:UPFRONT.EZINE - ISSUE #564
*************************************************************************
June 17、2008
英語版サイト    www.upfrontezine.com | http://worldcadaccess.typepad.com

今週号の内容:
* 読者の意見:Wildcat, オープンソースCAD
* 'Project:Draw' はGoogle Gearsを使用
* ブックレビュー:"3D Manufacturing Innovation"
* プレスリリースのサマリー、及び他のレギュラー項目

==========================================================================
◆◆読者の意見:Wildcat, オープンソースCAD◆◆

“CADユーザの立場ではなくなって15年が経つ。ユーザのフラストレーションは、設
計ニーズとCAD購入予算の両方を満足する‘完全無欠’なツールがないこととは無関
係と思う。CADソフトウェアの販売ビジネス側にいる私は、Autodesk、PTC、Dassault
、等々の製品供給者への支払いを避けるために多大の時間、コスト、及び努力が無駄
に費やされてきたのを見ている。
完全なCADは存在せずというのが現実である。現実を認め、ニーズに最も合うCADを決
めること、そしてあなたやあなたの会社にコミットしてくれるパートナーや販売代理
店を探し出して信頼と価値にベースを置いた関係を築き、僅かな節約を狙って何でも
自分でやろうとはしないことである。

建築家、技術者、製造業者、及び設計者としての道を究めたならば得られたであろう
多くのチャンスを、ソフトウェア開発やCAD研修講師の真似事をして、みすみす逃し
てしまった顧客を私は多数見ている。このような言い方に気を悪くする人達がいるの
は承知している。しかし詰まるところは時間と費用であり、今日では両方ともあり余
っている訳ではない。私にとって時間は価値が高いものである。40ドル出せばオイル
チェンジが10分で終わるのに、節約のために自分でやろうとして2時間を掛け、オイ
ルまみれになって何の得があろうか。
CADを所有する真のコストについて私は顧客に理解を求めている。コストとは、ソフ
トウェアやサブスクリプション(‘ハードコスト’と呼ぼう)ではなく、正規トレー
ニングの欠落、CAD標準の強制、データ変換、古いLispルーチン、古いブロックライ
ブラリ、等々のようなソフトコストこそが真のコストである。本来は多くの収入を上
げ得る貴重な時間が、そのような領域で日々無駄に失われている。

このような基本的問題がある状況を、オープンソースCADが本当に変えてくれると考
える人はいるのだろうか? フィーチャーや機能の手直しに誰もが血道を上げ、本当
の戦いの場を忘れ去るという問題をさらに悪化させるだけだと私は思う。製図板やス
ケッチのエッチング処理の頃に戻り、仕事をやり遂げることの方が、悪賢い大手CAD
ベンダーについて悩み、彼らの駆逐法を考えることに時間を費やすよりも余程ましで
ある。”
- Dan Looney
Advanced Solutions [Autodesk Authorized Value Added Reseller]
 
“Graham Hemingway氏の幸運と成功を心から願う。CAD販売ベンダーは自らの振舞い
酒に酔っ払い、異常な価格には手をつけない。オープンソースの考え方は、OSや他の
有名アプリケーションと同様に、大手業者に何ほどかのプレッシャを与えるかもしれ
ない。長い時間は掛かるが、競合機会が増えることは良いことである。”
- David Stein

“オープンソースCAD開発もさることながら、オープンGISソフトウェアの必要性も極
めて大きい。何か情報はあるだろうか? WildCATの進展に期待している。”
- FC Upland 

==========================================================================
◇◇'Project:Draw' はGoogle Gearsを使用◇◇

Flex/AIR?  否 
Silverlight? 否 
Gears?  然り

Project:Drawは、AutoCADよりもVisio(Actrix?)との共通点が多いが、Autodeskの
ブラウザーベースのベクトル描画プログラムである。Autodeskのプログラマー達は
、AJAX、Flash、Silverscreen、等々の Webブラウザー用APIすべてを検討したが、結
局は自社開発することに決定した。どのブラウザーに対してもDrawが使えるように、
アブストラクション・レイヤーが作成されている。FireFox、Opera、Safariなどのブ
ラウザーではSVF、Internet Explorerの場合にはVMLを使ってグラフィックスが生成
される。

“航空機内の問題”(インターネット接続ができないケース)を解決するために、必
要なコードの90%を提供してくれるGoogle Gearsを使うことが決定された。サーバー
に頻繁にピン信号を送ることによってオフラインか否かをDraw は判断する。オフラ
インのときは、非表示となるメニューも中にはある。作画、編集、保存はオフライン
でもできる。オフラインで使用できない主なファンクションは、JPEGのようなラスタ
ーフォーマットで図面をエクスポートするに必要なラスター化機能である。

次のリリースではオフラインのストーレッジを、例えば、全ファイルを読み込む代わ
りに差分を読み込むなど、もっとエレガントに操作できる予定である。複数のストー
レッジのロケーションも区別される。Gearの‘Worker Pools’を組み込み、 
JavaScriptをバックグランドで動かすことで2種の作業を即座にブラウザーができる
ようにする予定である。

http://code.google.com/apis/gears/
http://labs.autodesk.com/technologies/draw/ 
http://www.youtube.com/watch?v=OXz3hK6FDWI

Greg Robinson 

==========================================================================
◆◆ブックレビュー:"3D Manufacturing Innovation: Revolutionary Change in
 Japanese Manufacturing in Digital Data"   著者:Hiroshi Toriya◆◆

Lattice TechnologyのCEOがトライしているのだが、CADを大きな視点でカバーする本
に巡り合うのは稀なことである。不運にも著者Hiroshi Toriyaのこの本の中味は、書
名や副題で期待されるレベルには達していない。155ページのこの本は次の2つのセ
ンテンスにまとめることができる。極めて大きな3D図面の交換やビューイングに関し
て製造業界では問題がある。解決方法はLatticeのXVLファイルフォーマットである。
(XVLとはニュートラルな3Dファイルフォーマットで、3Dファイルの転送、ビューイ
ング、ファイル変換に使用。多種のモデルを処理できるようにカスタマイズ可能、
XVLは "eXtensible Virtual world description Language" の略称。Dassault
Systemesの3DXMLフォーマットの基本部)

機械系CADに精通している人達は、この本のテーマが半分は真実でないことを知って
いる。XVLはソリューションの中の可能な一選択肢でしかないことを知っている。競
合フォーマットに関する記述が殆どないので不思議だとは思い始めるかもしれないが
、初心者はこの本を読んでもそのことには気付かないだろう。Toriya氏はVXLが他の
競合フォーマットよりも優れている理由を何も説明しないばかりか、事業所間で3D
CADファイルの差分(データ変更部分のみ)を転送するような競合テクノロジーにつ
いても議論をせず、XVLでの変換必要性の話題を避けている。

"3D Manufacturing Innovation" は2つの部分から構成されている。4章がXVLの紹介
と説明に、次の9章がXVLを使用している大手企業のケースヒストリーに割かれている
。内容には重複が多く、私には中味が薄すぎたので、1/3は読むのを飛ばした。

しかしながら、興味を引いたのはXVLの開発経緯を説明した付録 Aの部分である。
2000年台初め、Lattice Technology社は次の特徴を有するファイルフォーマットの開
発に着手している。
* CADファイルサイズの1% のサイズ
* CAD、CG (コンピュータグラフィックス)、及び3DスキャナフォーマットのXVL自動
  変換
* Web親和性

この本は元々日本語で執筆されたもので(Yukie Ito氏が英語に翻訳)、私を驚かせ
る表現が度々出てくる。

-- “出生率の低下と高齢化の進展に伴い、[日本では]熟練労働者不足が生じ... 
設計や製造部門の人々は過労気味となり始めている。”(p.1). 

-- “デジタル製造技術の中核となる3D CADデータはネットワーク技術の恩恵をあま
り受けていない。3D CADはデータサイズの膨大さと複雑な構成を持つ特徴があり、ネ
ットワーク上の他の関連データとの統合も難しい。”(p.11)

-- “...自動車のデータサイズは20GB、航空機の場合は5TBと言われている ... XVL
を使えば10GBを越えるCADデータも表示できる。” (p.14).

デジタルデータによって、製造業における革命的な変革が世界的なレベルで起きてい
る。その革命の一翼をXVLが担っている。

この本に興味ある人のために前もって警告しておくが、価格は119ドルである。下記
のリンクに示すAmazon.comを利用すれば、それよりも安い価格で入手できる場合もあ
る。http://www.amazon.com/gp/search?ie=UTF8&keywords=978-1848000377&tag=woa
-20&index=books&linkCode=ur2&camp=1789&creative=9325

http://www.lattice3d.com/

==========================================================================
◇◇プレスリリースのサマリー◇◇

Graphisoftは7月中旬にWindows対応とMacintosh対応のArchiCAD 12をリリースする計
画。
-- マルチコアのサポート
-- 部分構造表示
-- 3Dドキュメンテーション、等々
http://www.graphisoft.com

Right HemisphereはDeep Exploration v5.5 CAD Edition ($1,995) 、Standard
Edition ($595)、及び無料の2D/3DグラフィックスビューアDeep View v5.5を出荷開
始。トライアル版のダウンロードは次のサイトからできる。
http://www.righthemisphere.com/support/downloads/download.php

BlueCielo ECM SolutionsはCADプロジェクト管理用のInnoCielo Meridian Enterprise
2008とInnoCielo TeamWork 2008をリリース。http://www.bluecieloecm.com

FrameCAD Solutionsは冷間加工鋼材設計用のFrameCAD Architectソフトウェアに
Envisioneerの設計プラットフォームを使用。http://www.framecad.com

3Dconnexionの3DマウスはVectorWorks 2008系列の設計ソフトウェアで使用可能。
http://www.3dconnexion.com/solutions/cad/all_sup_app.php

Altima Softwareは、セントラルサーバーへのファイルのアップロードをせずにネッ
トワーク上でAutoCADファイルを共有するためのデータ管理ソフトウェアEverest 2009
Team Editionをリリース。http://www.altimasoftware.com

SolidWorksは教育関連マーケット向けのソフトウェアSolidWorks Education Edition
2008-2009 を出荷。SolidWorks 2008 Office Premiumと解析ソフトウェア、及びカリ
キュラムを合わせたもの。http://www.solidworks.com/education

- - -
我々のブログ<http://worldcadaccess.typepad.com>に掲載された最近の記事。
* Waddington's EULA Showdown
* ADSK Owns MFLO
* Folini Reporting: Interview with Evan Yares
* Randall Reporting: Google Basecamp

==========================================================================
◆◆一見の価値あるWebサイト◆◆

"The Kozinski Mess"
執筆者:Lawrence Lessig
http://lessig.org/blog/2008/06/the_kozinski_mess.html

"Get Ready For A New Platform War:Google Gears Drives Straight At Microsoft's
Profits"
執筆者:Nik Cubrilovic
http://www.techcrunch.com/2008/06/13/google-drives-towards-microsoft-and
-adobe-with-gears/

==========================================================================
◇◇読者からのレター◇◇

“現在CAD/CAMパッケージとしてVX cadcamを使用している。VXを使える人を探してい
るが該当者が見つからない。どうしたらいいのだろう?
VXはかなり優れていて、価格に比べ価値が高いが、板金やパーツライブラリなどの機
械系CADとして必須となる機能に欠けている。CAMは良いのだがミーリング加工に限定
される。必要なときに熟練者を雇えることができるCADとしては何がいいのかを決め
るにはどうしたらいいか、というのが私の悩みである。将来私が自分の会社を畳んだ
ときでも、仕事を得ることができるCADでもある。
CADメーカーの将来方向に関してどのような考えをお持ちか? Solid Edgeの新しいシ
ンクロナス機能は好きだが、マーケットシェアには疑問が残る。SolidWorksのデモに
最近参加してみたが、私が出したテストパーツに苦闘する様を見てしまった。CAM
 Planは見たことがないので、何も分らない。Inventorに対してはその気になれない。
あなたが私の立場にあるとして、限定された予算内という前提で、どのCADがいいか
アドバイスを頂ければと思う。”
- Dave Ault 

エディタのコメント:“一つのソリューションは、例えばCADtalent.comなどで、あ
なたの地域を対象にした募集広告をチェックすることである。特定CADユーザに対す
る需要の一指標となり得る。私があなたの地域での情報をチェックした結果は次の通
り。
Solid Edge = 10(求人数)
SolidWorks = 25(求人数)
Inventor = 35(求人数)”

==========================================================================
Entire contents copyright (c)2007 by upFront.eZine Publishing, Ltd. All 
rights reserved worldwide. Article reprint fee: $250 and up. All trademarks 
belong to their respective holders. "upFront.eZine," "The Business of CAD," 
and "On your desktop every Tuesday morning" are trademarks of upFront.eZine 
Publishing, Ltd. Letters to the editor may be edited for clarity and brevity
. Translations and opinions expressed are not necessarily shared by upFront.
eZine Publishing, Ltd.

 
このメルマガの読者になる
規約 
>> メルマ!の会報誌もお届けします

ブックマーク: はてなブックマークに追加del.icio.usに追加Buzzurlにブックマークニフティクリップに追加ライブドアクリップに追加Yahoo!ブックマークに登録My Yahoo!に追加Add to GoogleRSS

このメルマガを読んでいる人はこんなメルマガも読んでいます

使わなきゃ損!便利なフリーソフト!
まぐまぐ大賞2007コンピューター部門 第1位のあなたのパソコン生活を変えるフリーソフト専門情報誌!高性能フリーソフトから、かゆいところに手が届く孫...
すべてのクリエイターのために【日刊デジタルクリエイターズ】
デジタルメディアで活躍する現役クリエイターたちのコラムで構成されている本格派。総発行部数約16000! 真のクリエイターを目指している方からデジタル...
週刊アカシックレコード
02年W杯サッカー韓国戦の「誤審」を世界で唯一「前日」に誌上予測し、誤審報道を「常識化」した推理作家(金正日の「遺書」で始まる「中朝戦争」後の北朝鮮...
@(あっと)驚く!エクセル好きルアップ  
エクセル(Excel)の基礎から裏ワザまで... D-UP発行のマガジンは、1問1答の形式、詳細な解説付きで配信。さらに連動した懸賞サービスもあり、...
全部フリーソフト!!
ネット上にはこんなに便利なフリーソフトがいっぱい。お金なんか使わなくても、あると絶対にお得で楽しいソフトを1つずつご紹介します。


この記事へのコメント

全2件表示
コメントを書く
いつまでもお願いします。日時:2008年7月3日

なかなかいいぞ !日時:2008年7月2日


おすすめキャンペーン

三井住友銀行カードローン
金利 年6.0%〜12.0%。最高500万円までお借入可能。
最短30分審査、即日カード発行可能。
お申込はこちら⇒

melma!協賛企業

アルバイトならen|

発行者プロフィール

ペンネーム : RRC


このメルマガの読者になる

規約に同意する



このメルマガの最近の記事


このメルマガの最近のコメント


注目情報


新着記事トピックス