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甦れ美しい日本 第018号

発行日: 2005/6/17

□□■平河総合戦略研究所メルマガ■□□(2005年6月18日 NO.018号)

  ☆☆ 私たちは書きたいから書くのです ☆☆

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 < 目次 >

☆「兵法と経営理念―中條高徳氏の講演内容を中心に」
☆ 教科書問題 塚本三郎氏の25年前の予算委員会での質問

1.佐藤守コーナー    「大東亜戦争の真実を求めて」その15
2.奥山篤信コーナー   映画『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男 』の病理
3.花岡信昭コーナー     たばこ表示が示す役人天国
4.有馬尉彰コーナー  Samuel Ullman「青春Youth」& 無線通信
5.西山弘道コーナー    「お勧め本 〜 『虜人日記』」
6.青葉ひかるコーナー 救いは小泉首相の一徹さだけ
7.山崎行太郎コーナー   数字と数式が隠蔽するルーカス革命の哲学的限界
8.山本竜隆(寄稿)  「統合医療とは?」 その2
9.遠藤のぶひこ(寄稿)郵政民営化論の本質


☆人権擁護法案という、私たちの人権を危うくする法案を、郵政民営化法案の
ドサクサに紛れて成立させようという陰謀が渦巻いています。
今、ここでストップ!!をかけないと、日本は取り返しのつかない暗黒密告社会に
成りかねません。

真の民主主義社会、言論・表現の自由を守り抜きましょう。

この法案の恐ろしさは、このアニメーションで良く理解できます。

http://homepage2.nifty.com/save_our_rights/jinken001.swf

この週末、日比谷公会堂で怒りの反対集会に参加しましょう。

「人権」という衣を着た怪物によって、この国の自由が抹殺されようとしています!

集会日時・・・6月19日(日)12:30〜16:00
(開場12:00 途中入退場可) 
集会場所・・・日比谷公会堂(日比谷公園内) 
住所 東京都千代田区日比谷公園1−3
TEL 03−3591−6388                                          ☆


☆塚本三郎元民社党委員長より昭和56年2月4日の衆議院予算委員会での教科書問題の質疑について
資料を頂きましたので要点だけを再現します。今も新鮮な思いで塚本先生の当時の活躍が甦ります☆

☆最近あるご縁から  S.T.E.P.22 http://www.step22.com/ という大学を出て間もない若人
が主宰している会との交流を始めました。趣旨は海外で活動を希望する人への奨学金を中心に
真の意味での若い国際人を育てる目的で、参加者が楽しくそして活動を楽しみ共有するというモ
ットーでの、しかも、知的にもかなりレベルの高い若者の集まりです。参加してみよう、寄付をしてみ
ようという方々はこのサイトを御覧ください。

若人がやる気を起こさねば日本国家の再生は不可能です。そこで当研究所はこの人々との協力
交流を進めたいと思っています。12日S.T.E.P.22の主宰で中條高徳アサヒビール名誉顧問より、
いわばおじいちゃんから孫世代への力強く、そして勇気付けられるお話がありました。そのお話の概
要をここに掲載します。☆ 

☆中條高徳氏より『不作為の責任』という戒めがありました。私が大学をでて入社した先の、入社
式で中興の祖と言われた社長がこの言葉を述べられたのを懐かしく思い出しました。当時この会
社は減点主義であり、社員はリスクをとって仕事をし失敗して社内評価で減点されるより、何もし
ないほうが得ということで胡坐をかいていたのです。受け止める意味は違いますが、今のおかしな日
本の現状をみて不作為であってはならない、国民一人ひとりが行動しなければ日本は沈没すると
思います。頑張ろう!☆


☆クライン孝子さまはドイツにて日本の名誉を守るべく欧州に様々な形で働きかけております。
クライン孝子さまのブログには理不尽な中国に対する憤怒の思いが篭っております。日本の情報
をリアルタイムにキャッチされ、売国奴の群れを叩き斬るご活躍には頭が下がります。
http://www2.diary.ne.jp/user/119209/

☆青葉ひかるのニコニコプラン2525計画推進協議会に賛同を!
  http://www.2525plan.jp/  ☆    

☆一般公開掲示板-BBS-
http://imbbs3.net4u.org/3/sr3_bbss.cgi?cat=10819hirakawa

☆ウェッブサイト< http://www.hirakawa-i.org >
平河総研会員募集中です。
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「兵法と経営理念―中條高徳氏の講演内容を中心に」
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 「靖国神社というだけで拒否反応が強い中で、私は靖国神社に40年間、参拝し
続けてきた」。こう語るのは、アサヒビール名誉顧問の中條高徳氏だ。
 
アサヒビールの前身である大日本麦酒がGHQの実施した過度経済力集中排除法
によって解体されて以来、戦後のアサヒビールの業績は低迷していた。しかし、中
條氏は「スーパードライ作戦」によってアサヒビールを再びトップ企業に躍進させ
た。以下、その中條氏の経営理念に関する講演内容をまとめてみたい。
 
中條氏は現在の日本を見てこう嘆く。「今の日本は不景気ですが、一方で世界一の
債権を持っている国です。実は非常に豊かな国なのです。豊かさは、全人類の目指
す課題だけれども、そこにたどり着いてしまうと、目指すエネルギーが弱くなり、
耐える力が弱くなる。」今まではキャッチアップ型の精神論があり、これが従来の日
本を支えていた。しかしそれがなくなってしまうと、夢まで喪失してしまう。それ
が年間3万人を超えるといわれる自殺者に繋がっているという。

 アサヒビールも、いつ潰れるか分からない状態が続いていた。営業に出向いても、
多くの酒屋はキリンビールと特約を結んでおり、アサヒビールを置いてくれない。
冷蔵庫を寄贈すればアサヒビールに変えてくれるという店には、部長に頼んで冷蔵
庫を寄贈した。しかし、半年後には中身が全部キリンビールに変わっていたという。
中條氏は、こうした状況下の「無念さ、苦しさ」を真剣に受け止めるかどうかが勝
敗の分かれ道だと述べる。
 
「創業100年の平成元年という大きな節を目差して戦いを始めました。アサヒビ
ールと特約を結んでよかったと酒屋さんに思わせるようにしたいという夢を我々は
持った。そこで軍隊めいておりますが、「夢を形に!」と先づ「長期五カ年計画」を
作らせました。

 この中間管理層につくらせた「経営理念」と「行動規範」を毎朝、社員に大声で
叫ばせたという。「勢いは勢いを呼び寄せる。勝ちは勝ちを呼び寄せる。これを我々
は「ニューセンチュリー運動」と名づけました。組織が大きくなればなるほど、巻
き込みが必要になってきます。つまり参加意識です。指揮官が「突撃!」と言って
も、誰もついてこないのではだめです。冷めた発言はそれが周りに感染する。ピン
チをチャンスと置き換える明るい性格でなければ指揮の座を去れと陸士で叩き込ま
れました。戦争では勝っていると思っていたらいつの間にか敵に囲まれているなん
てことはよくあることです。社員のベクトルを夢に向かって合わせることが重要で
す。」

 特にこの計画においてアサヒビールが力を入れたのは、5000人規模の消費者を集
め、徹底してその嗜好を明らかにする作業であった。その結果、85年には酎ハイブ
ームもあり、消費者の嗜好が「重くて苦い」本格ビールから「口に含んだ時の味わ
いと喉越しの快さ」に変化していたのである。その調査結果を受けて、「喉越し」と
「キレ」をテーマに新たに開発された「アサヒスーパードライ」は当時の消費者の
嗜好に見事に合致し、未曾有の大ヒット商品となった。一時は一桁に割り込んだア
サヒビールのシェアは、現在、キリンビールを超え、44%とトップの座を独走中で
ある。

 中條氏の経営理念を支えているものは、軍人としてのスピリットであった。「我々
の流した血の中から、どんなやり方をすれば勝てたのか考え出したものが兵法だ。
戦争は人類にとってあってはならないが、されど戦争から導き出した兵法は勝ちの
教えである。」

 中條氏によれば、アサヒビールの勝因は、次の四つに集約される。第一は、小さ
くても勝てる方法を模索する。特にここまで価格競争が熾烈になった今では、社員
教育が重要になってくる。第二に、局所への集中であり、得意分野にエネルギーを
集中させること。第三は個別撃破であり、かつての日露戦争において旅順港にいた
ヴラジオストック艦隊を、バルチック艦隊に先駆けて撃破したようなロシア海軍に
対する作戦のような知恵が必要である。第四は、敵の考えないことをやる。結論は、
勝敗を分けるものは知恵である。これは夢の大きさや志の高さ、これを成し遂げん
とする執念にある、というものであった。
 
「これらを用いれば、誰でも勝てる時代の到来だ。これほど有り難い時代はない。
不作為の罪というものがある。失敗、挫折はやらないとだめだ。「失敗は成功の母」
という言葉は一生、大事にすべき」と中條氏は言う。
 
ビジネス界での実務家であり成功者である中條氏の講演は集まった若者に対し
て勇気と夢を与えるものであり、私たちにとって実に得難いひと時でありました。
改めて感謝申し上げます。
 
シュムペーターの議論に基づけば、資本主義を発展させる原動力は、イノベーシ
ョンの力にほかならない。そして中條氏はその担い手であったが、その成功の裏に
は「勝つか負けるか」という元軍人としての兵法が力を発揮したのであった。

間 一根(あいだ かずね)
1981年、東京都生まれ。國學院大學法学部卒業。
同大学院法学研究科博士課程前期在学。
専攻は現代政治、政策過程論。
ブログ「間政論」http://green.ap.teacup.com/politicalscience/

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 教科書問題 塚本三郎氏の25年前の予算委員会での質問
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 今漸く教育改革の一歩が進みつつあります
 
25年前(昭和56年2月4日)、民社党書記長として私は、学校教育でつかう社
会科の教科書について、余りにも偏向している実体を、衆議院予算委員会で論及し
ました。
 
その速記録の主要部分が下記の通りです。

 出席の各大臣及び各党代表委員をご覧下さい。あれから20年余り政府は放置し
ており、日本社会は、混乱の度を加え、愛国心や、道徳心まで忘れつつあります。
世界一平和で安全な日本社会が、憂うべき不道徳な社会に堕しつつあります。
 
近年漸く、心ある有志によって、「新しい歴史教科書をつくる会」の努力が実りつ
つあります。その新しい歴史教科書に対して、中国や韓国が、歴史を歪曲するとか、
軍国主義とか、右翼だと敵視しております。その上、日本の一部にも、それに同調
する動きのあることは、憤激に堪えません。
 
国家と社会と家庭の平和があってこそ、世界の平和が実現します。
目下、各自治体で、新しい歴史教科書(扶桑社)の採択の当否が論ぜられつつあり
ます。皆様の力で各教育委員会への採択の働きかけに力を貸して下さい。

                                塚本三郎

○塚本委員 次に、教科書の問題。
 五十六年度から全国の中学校で使用されることになっている社会科の教科書は、
まず、口絵のカラー写真が、はち巻き姿のデモとか石油基地、横田米軍基地、生活
危機突破デモ、新幹線反対デモ等、権利の主張と公害反対、基地反対を示す写真で
始まっております。ここへ持ってきております。もちろん、私たちもデモを行いま
す。労働組合と一緒にいろんなことを権利主張いたします。それがすべて悪いと言
うわけじゃありませんけれども、しかし、これは一番初めのとびらからして、みん
な石油基地が悪いようなことに想定されるようになっておるのです。総理、ちょっ
とごらんください。みんなこういうことなんですよ。
 
私は、デモを悪いと言っておるわけじゃないのですよ、私たちもやっておるので
すから。しかし、再三申し上げておきますけれども、この中を読んでみますと、権
利主張だとか戦争反対、それは反対に決まっておりますけれども、いかにもそのこ
とが自衛隊反対につながるような文章にことごとくなってきておるんです。われわ
れも民主社会主義だから社会主義を非難するつもりはございませんけれども同社会
主義だけがユートピアで、資本主義が経済の罪悪のような記述、そう類推させるよ
うなことから、あるいは文部省の手の届かない指導書に至りましては、共産主義が
ユートピアとまで書いてあるのです。こういうような教科書がいわゆる市場にこれ
から出回るのです。いままででも出回っておる。これは前のですが、これからみん
な出回ってくるのですよ。権利の主張に対して、義務と責任は三十分の一から五十
分の一しかページ数で載っていないのです。全部データがあります。これが私たち
の子供たちのもとに、これから三年間はいわゆる基礎教育としてたたき込まれてま
いるのです。これが教科書の実態です。
 
 こういう教科書がどうして採択をされるのか。私も相当の時間をかけて調べてみ
ました。先生方が各区ごとに集まり、そして市ごとで採択をするのです。そのとき
に日教組の方から指令が飛ぶのです。まず第一に戦争反対、権利主張のデモ、公害
反対、福祉増進、こういうものを中心にして、何ページどの本は余分に書いてある
かということでもって優先順位を決めるのです。国家だとか責任であるとか、親に
対するいわゆる敬愛だとか、こういうようなものは悪い記事、先ほど申し上げた記
事がいい記事というふうに基準を設けて、そしてそれを研修会でもってたたき込む
のです。採択されるときにはみんなそうなってくるじゃありませんか。そういう本
が出るのです。

 そうすると、教科書会社はどういうふうになっていくかといいますと、先生方が
使ってくださるんだから、使ってくださるそういう日教組の丸の多い方に偏って、
まともと私は言いたいんですが、まともな先生方の執筆者は、みんな教科書会社か
らお払い箱なんです。そして日教組のいわゆる担当の講師方に執筆を依頼せざるを
得なくなる、こういう形で教科書が採択されてくるのですよ。こういう形で子供た
ちに行っている。

○ 塚本委員 最後に、教科書はまだ検定がありますから、類推してそうなるよう
にというふうに、またこれは検定の関門をくぐらなければなりませんが、検定と関
係のない、先生方はこう教えるんだよという指導書になりますると、もっとひどく
なってくるのです、文部省の手が届かないから。
 
読んでみましょうか。「ユートピアは政治上の民主主義、経済上の共産主義、及び
教育の門戸開放と信教の自由とを説いている。」というところから始まって、「古来
の理想社会論はすべて共産主義的経済体制に基づく「欠乏からの自由」と「平等の
権利」との要求」こういうふうにしてやっておるわけなんです。指導書で、そうい
うふうにしてこれを教えなさい、こう言っているのです。これは文部省の手の届か
ないところなんです。

 世間では言っているんですよ。教科書は共産主義の先生方がおつくりになるので
す、教えるのは社会主義の先生方が教えるのです、金を出して一生懸命に配るのは
自民党の先生方がやられるんです。私は先ほど申し上げた。やはり親に対する孝行
ということをなさる親のあるところは、子供もまた親に対して暴力はふるわないと
思うのです。そういう意味で、いわゆるじいちゃん、ばあちゃんと親と子供との三
家族が住めるような、これはわれら政治家の務めだと思う。。。。。。


これから戦後三十五年たった日本の新しい時代をつくるために考えていただきたい。
そうして学校の中の問題は文部大臣直接に手を出していただき、そうして教科書の
問題は国民の問題として私は皆様方に御一読いただいて、自分たちが自分の中学生
の子供ぐらいには公民教育ぐらい一遍教えてやろうじゃないか、国民が親の立場で
もう一遍将来の日本のために手を加えていただきたい、そういうことを提言いたし
ます。

参考 当時首相は鈴木善幸 文部大臣は田中龍夫 その他閣僚として中曽根康弘、
宮澤喜一、塩川正十郎、中川一郎、渡邊美智雄、奥野誠亮などの顔ぶれ
出席委員では小渕恵三、海部俊樹、橋本龍太郎、河野 洋平、後藤田正晴、椎名素
夫、不破哲三、横路孝弘、小里貞利など

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1.佐藤守コーナー
 「大東亜戦争の真実を求めて」 その15
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『ソ連に対する国防の強化と、近代自立国家建設』に取り組み、満州における産
業開発を支援していたわが陸軍は、『満州はソ連の世界赤化に対する日本の防塁のみ
ならず、東亜ひいては世界の防塁であった(「大東亜戦争全史」服部卓四郎)』と認
識していた。その対ソ防共を主眼に整備されてきた『南守北進論』の陸軍が、心な
らずも南進論に転換したのは支那事変解決を焦ったからであり、支那事変が長期化
した原因は、背後で操る「コミンテルン」と、それに翻弄された無警戒な日本政府、
並びに参謀本部内の「不拡大派」と「拡大派」の対立があった。

共産党の謀略によって引き起こされた盧溝橋事件は、軍内部に『不拡大派』と『拡
大派』を生じる結果になったが、『中央部においては、特に作戦指導の中枢の中に、
拡大、不拡大の相反する思想が、対立、抗争して、一途の方針確立を不可能にした。
どちらの思想も、煎じ詰めてみると、その根本理念に透徹した不動のものがなかっ
た。(石原莞爾少将の理念ははっきりしていたと思われるが、それは認められずに終
わった)部・課長級の幕僚レベルの論争が混乱し、首脳の権威ある判決がなかったの
で、最高意思の確立しないのは当然であった。根底に幕僚統帥の弊があったのであ
る。元来、他国と戦争状態に突入する場合、拡大か不拡大かは、国政の中枢におい
て、国家の最高意思として決定されなければならない重要問題である。然るに当時
の国情はそれが出来る実情ではなかった。政府も海軍も、観念的に拡大思想であっ
たのである。民間一般もそうであった。特に経済界、産業界の対支進出意欲は強く、
それが政府並びに軍に大きく影響力を及ぼしていたのである』(「支那事変作戦日誌」
井本熊男)というから、対中貿易に熱心な現在の経済界もなんら変わりはない。

不拡大方針の流れは軍の一部に残っていて、その代表が参謀本部作戦主務系統で
あり、事変処理方針の研究結果、少なくとも昭和13年夏頃までは占領地を拡大す
ることなく、軍備の充実と国力の増進に努めるという方針が御前会議で決定された。
にもかかわらず、陸軍の大勢は中央部、現地共にこの決定に飽き足らず積極作戦を
強調、海軍の意見も積極案であり政府もそれに同調する。

そんな中昭和12年末に、駐支ドイツ大使トラウトマンを通じた和平工作が行わ
れたのだが、これは不拡大派の石原莞爾少将、多田駿参謀次長、河辺虎四郎作戦課
長ラインで、ベルリン駐在時代にトラウトマンと友人であった参謀本部員の馬奈木
敬信中佐が仲介したものであった。

しかし、昭和13年1月16日、近衛首相は陸軍統帥部の強い反対を押し切って、
有名な『国民政府を相手にせず』声明を発表してしまい、ここに事変早期解決の扉
は閉ざされてしまう。その間の事情について、『支那事変作戦日誌』は、中島鉄蔵中
将回顧録(昭和15年2月)を取り上げ、大意次のように書いている。

「我が方から出した電報に対して、蒋介石の返電が非常に失礼であったので、解
決の望みなしというので喧しく言っていたが、もう一度1月15日までに返電を求
めた。それでも返電がないので大本営・政府連絡会議で交渉打ち切りが問題化した。

多田次長は『非常に重大だから、一日二日待っても良いではないか』といい、杉
山陸軍大臣は『誠意がない。蒋介石など相手に出来ぬ。屈服するまで作戦続行』と
主張、広田外務大臣は『外交官としての経験から、このような返事をよこすのは和
平に応じる誠意がないからだと確信する』といい、多田次長に対し『参謀次長は外
務大臣(広田)を信用しないのか』とまで言う。議会(国会)開会前だったこともあ
り、近衛総理も非常に昂奮して『とにかく早く和平交渉を打ち切り、わがほうの態
度を明確にせねばならない』と言い、多田次長の『何故二、三日の余裕を与えるこ
とが出来ないのか』という質問には、明答を与えなかった。・・・しかし、ここで参謀
本部が承知しなければ近衛内閣は瓦解する。紆余曲折を経て多田次長が『この決議
には同意しかねるが、これで内閣が瓦解することは国家的に不利だから、あえて反
対しない』と意見を述べたので、交渉打ち切りに関する例の『蒋介石を対手にせず』
声明が出された。しかし一体どういう理由で近衛首相が参謀本部の意見に非常な反
対をしたのか明らかではない」。

他方、馬奈木中佐が駐支独大使トラウトマンとの会談仲介のため12月初めに在
日独大使館駐在武官のオットー大佐と同道して上海に赴く際、馬奈木中佐も懇意に
していたゾルゲがいたが、馬奈木中佐は疑うことなく同席したままで講和の依頼を
したという。リヒャルト・ゾルゲは、昭和8(1933)年9月に横浜港に上陸、表面上の
身分は通信社記者、やがてドイツ大使館員として在日独大使館で勤務していたが、
実際はコミンテルン本部員でソ連赤軍第4部の指示を受けて日本に派遣された秘密
機関の責任者であった。彼は日本国内で次々に『協力者』を獲得し、検挙されるま
での間、日独の重要な戦略情報をコミンテルンに流し続ける。その協力者の一人に、
政界の要人に食い込んで、重要な機密情報を提供する尾崎秀実がいる。

彼は大正14年東京帝大卒、大学院在学、15年5月東京朝日新聞社に入社。社会
部、学芸部記者を経て昭和2年11月大阪朝日新聞社に異動し支那部勤務、同3年
11月に希望して上海支局に勤務、3年余上海に在勤するが同7年2月大阪本社に戻
り外報部勤務。同9年10月東京朝日に異動、東亜問題調査会に勤務する。この間、
風見書記官長、牛場内閣顧問、西園寺公一など多数の政治家、外交官、学者、軍人
と交友を広げ、同13年7月近衛内閣の嘱託に就任する。近衛内閣総辞職後は満鉄
嘱託となり東京支社勤務。同16年10月15日、ゾルゲと共にスパイとして検挙さ
れるまで、国家機密情報をゾルゲに提供し続ける。            (続く)


佐藤守:
防衛大航空工学科卒(第7期生)。
航空自衛隊に入隊
戦闘機パイロット(総飛行時間3800時間).
外務省国連局軍縮室に出向。三沢・松島基地司令、
南西航空混成団司令(沖縄)を歴任.平成9年退官.
岡崎研究所特別研究員.軍事評論家.
日本文化チャンネル「桜」軍事コメンテーター.
著書に「国際軍事関係論」
ブログ;http://d.hatena.ne.jp/satoumamoru/
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2.奥山篤信コーナー
 映画『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男 』の病理
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『1974年の2月にワシントン(バルチモア国際空港)で実際に起きたハイジャ
ック未遂事件を基に、ナイーヴすぎるがゆえに人生につまずき、ついには民間機を
乗っ取りニクソン大統領の暗殺を企てるに至ったひとりの男の姿を追うドキュメン
タリータッチのヒューマン・サスペンス。リチャード・ニクソンは、ウォーターゲ
ート事件によってアメリカ史上唯一辞職に追いこまれた大統領であるが、そのニク
ソンを民間機をホワイトハウスに突っ込ませるという方法で暗殺を計画した犯人の
サム・ビック。その犯人サム・ビック役に「ミスティック・リバー」「ザ・インタ
ープリター」のオスカー俳優、ショーン・ペン。監督は本作で劇場長編デビューの
ニルス・ミュラー。製作には、レオナルド・ディカプリオ、アルフォンソ・キュア
ロンやアレクサンダー・ペインというハリウッドの大物たちが名前を連ねている。』
(goo映画)

この映画は孤独なテロリストという、現代において興味をそそる政治的テーマであ
り、かなり期待をもって、初日に映画館に飛びこんだのは良かったが、結論から言
えば全くの駄作であった次第。

とにかく主人公は、NEETと言うべきか、見てて腹が立つほど無能力であり、何
の哲学もなく、何の努力もせず、単に逆恨みで社会のシステムに怒り、ニクソン暗
殺を謀るという筋書きである。せめて映画にするからには、もう少しましな動機つ
けとか心理の動きを描いて欲しいのだか、極めて矮小化された単純な事柄を、大き
な社会悪に仕立てる幼児性にあふれていて、見苦しい。

テロリストでも、もうちょっとは、それなりに大義名分があるだろう。一世を風靡
したあの社会推理小説家が社会悪とか息巻くのだが、全く単純で必要悪ともいえる
社会システムを相手に大騒ぎして、そこで当然社会的制裁を受けて然るべき性格破
綻者や描くに値しない落伍者をあたかも社会の善人であり犠牲者であるかのように
語る常套手段と変らない未熟さである。

外交の手腕においてはアメリカ屈指の大統領ニクソンがウオーターゲート事件で汚
辱の中で歴史に葬られるのだが、せめてこのニクソンの負の部分とのテロリストの
絶望との心理的絡みあいとか葛藤などを丁寧に描くのであればともかく、単にニク
ソンは嘘つきの最高のセールスマンというだけで、正直者の憎しみの対象としてし
まっている。これでは映画の奥行き立体感が全く出てこない。

同じ大統領暗殺を目論む、名作タクシードライバーのロバートデニーロのあの役柄
とストーリーと比較してもお粗末な限りである。指揮者レオナード.バーンシュタ
イン宛に、その演奏を聴きながら、遺書のような手紙を書くシーンなども、何の脈
略もなく奇を衒うとしか思えない。

問題なのは監督ニルス・ミュラーであり、この性格破綻者に同情を示しているよう
にみえて、強い嫌悪感というか不快感を感じた。丁度日本の人権屋が、極悪非道の
加害者の人権擁護のみを主張する反面、被害者の人権が軽視されるという倒錯的結
果を齎すものと同じ病理が見え隠れした。


『合理的で賢く立ち回ることは常に善でなく、純粋であることもまた、常に善では
ない。社会システムに飲み込まれた人間が、知らず知らず冒されていく負の可能性
に、言い知れない恐怖を感じさせる。』(goo映画)というのは後つけの映画評論であ
り、この評論の礎となるべき、しっかりした組み立てがない以上、全く薄っぺらい
映画に過ぎないと思う。救いはいつものショーン・ペンの芸術的演技、とくに顔の
表情の変化だが、断じてこの名演技が、この映画の評価となってはならない。

奥山篤信:
昭和45年京都大学工学部建築学科卒
昭和47年東京大学経済学部卒
三菱商事本社入社
一貫して海外畑 
6年余にわたる米国三菱ニューヨーク本店勤務を経て
平成12年退社 
コンサルタント会社ストラテジーズ設立 
勉強会『平河サロン』主宰
平河総合戦略研究所代表理事

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3.花岡信昭コーナー
 たばこ表示が示す役人天国
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 30年来(高校時代から隠れて吸っていたから厳密には40年来)のヘビースモ
ーカーで、いまは「マイルドセブン6」を愛用、10箱入りのカートンを購入して
いる。いつものようにコンビニで求めたら、なんだか箱の包装が以前と違う。たば
この害を強調する文言がでかでかと掲載されているのだ。

 カートンの包装も中身の「最小容器包装」(役所用語ではこういう)も同じである。
「喫煙は、あなたにとって心筋梗塞の危険性を高めます。疫学的な推計によると、
喫煙者は心筋梗塞により死亡する危険性が非喫煙者に比べて約1・7倍高くなりま
す(詳細については厚生労働省のホームページをご参照ください、とアドレスが書
いてある)」
 さらに、「たばこの煙は、あなたの周りの人、特に乳幼児、子供、お年寄りなどの
健康に悪影響を及ぼします。喫煙の際には、周りの人の迷惑にならないように注意
しましょう」というのが、箱の別の面にある。

 いまごろなんでこんなものがと調べてみると、平成15年11月13日財務省令
第103号「たばこ事業法施行規則の一部を改正する省令」による。別表1、2に
上記のような例文が4つずつあり、これをそれぞれからひとつずつ選んで記載しな
くてはならないことになっている。今年6月30日までは従前のやり方でいいとい
う附則がついていて、この猶予期間が終わろうとしているのである。

この省令なる文面がまた、なんとも面妖である。主要な面の十分の三以上を使っ
て記載しなくてはならないとし、「大きく、明瞭に、当該包装容器を開く前及び開い
た後において読みやすいよう…」などとある。

さらには、マイルドとかライトといった表示が、消費者の誤解を招かないよう、
ほかのタバコと比べて悪影響が小さいことを意味するものではない旨の文言も記載
するよう求めている。

したがって、わが愛用の「マイルドセブン6」は、こうした文章が箱のあちこち
に載っていて、デザインを完全に壊している。

この例文をつくった役人の顔を見てみたい。こういうことは天下の財務省がやる
ような仕事ではない。百歩譲って、この種の記載が必要だとしても、業界の自主規
制に委ねればいい。

われわれはたばこの税金を払っている上に、こういう小役人の給料も負担してい
るのである。「小さな政府」を目指そうというのはお題目にすぎないのか。なんとも
不快で、たばこの本数が一段と増えた。

花岡信昭:
政治ジャーナリスト、慶應義塾大学院・国士舘大学院非常勤講師、
読売新聞監査委員会審査委員。
1969年早大政経学部政治学科卒、
産経新聞入社、政治部長、論説副委員長などを経て2002年退社、評論活動に入る。
著書に「小泉純一郎は日本を救えるか」(PHP)など

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4.有馬尉彰コーナー  
 Samuel Ullman「青春Youth」& 無線通信
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 定年、あるいは還暦のお祝いに講談社から今年3月に刊行されたサミュエル
ウルマンの詩、「青春とは」が送られることが流行っているらしい。それにふさわし
いように、カバーは、真っ赤である。この詩、「青春とは」は、誰もが必ずといって
よいほど一度ならず目にし、耳にしているといってよいであろう。

      青春とは 真の青春とは
         若き肉体の中にあるのではなく
            若き 精神のなかにこそ ある

 この詩の新しい訳者、新井満氏によればウルマンが書いたYouth と今日にいたる
まで人々に愛された「青春とは」とは、かなり似て非なるものであるということで
ある。半分以上が書き直され、言葉も削除されているというから驚くばかりである。

 しかしこの「詩」が、日本の工業社会を発展させ、その高度成長を実現した経済
人のこころを動かしてきたのはなぜであろう。松永安佐エ門、松下幸之助、伊藤忠
兵衛、石田退三、小山五郎、そして五島昇など多くのビッグネームが並ぶ。日本が
経済成長の銀色の道を疾走していたそのころ、真っ只中にいた中高年の経営者たち
を励まし勇気付けてきたということであると思う。

 改造版「青春とは」は、いわばオープンソース アーキテクチャーのOSである
と考えれば、それは世界中の人々が参加してプログラムを見直し、進化し、人々の
需要に合うよう毎日のように改良され、気がつけばウィンドウズも凌駕するコンピ
ュータソフト リナックスになっているということかもしれない。

 サミュエルウルマンの詩はその時の状況や世相に合わせて必要な言葉が加えられ
あるいは消去され、いつの間にか多くの、特に前線で活躍する将官たちのバイブル
になったのである。

 新井満氏による原典には消されてしまった意味のある言葉がいくつかある。その
なかで2つの言葉を考えたい。 Wireless station  そして aerials である。前者
は、無線の基地、後者は大気いわばアンテナということである。

 青春とは何か・・・・・ウルマンが考える、若い精神、豊かな想像力、燃え上が
る情熱、焦げるような恋、そして無線基地、アンテナ・・となると、誰しもが、改
変したくなるということであろうか。なぜ、ウルマンはこれらの言葉を持ち出した
のであろうか。ウルマンより後世の人々はもちろんいぶかしく思い、当惑し、改変
してしまったのである。

 無線を初めて実験、実現したイタリア人マルコーニは1937年没でありウルマン
とは同時代を生きてきた。マルコーニが無線を具体化したのは、1895年、そして、
大西洋横断の実験に成功したのは、1901年であった。そのとき、世界の人々は
無線通信の本当の力を知る由もなかった。

 1912年4月14日夜、ニューヨークのワーナー無線局にかすかなSOSの信号が
飛び込んできた。2400キロかなたの洋上にあるタイタニックからの救助信号であっ
た。まだ、出力の低い微弱電波を聞くために米国大統領は他の無線信号の発信を一
切止め、「頑張れ、希望を失うな」と信号を送り続けたという。そしてその結果700
人近い人々が生き残ることが出来た。そのとき、ウルマンは72歳、さらに6年後
に無線基地に勇気を託し、アンテナに青春を託す詩を書いたのである。

 さて、1895年のマルコーニの無線の2年後、ロンドンの新聞に掲載されたマル
コーニの実験成功の記事を僅かな手がかりに、日本の逓信省電気試験所、技師、
松代松之助は無線通信の実験に成功した。彼はその後海軍省に移り、34式無線機を
開発した。1903年のことであった。そして、1905年5月27日の対馬海戦(日本
海戦)にこの無線の技術が、ロシアバルテイック艦隊を破る影の大いなる力となっ
たのである。
いま、横須賀の戦艦三笠には、この34式無線機が復元され展示されている。し
かし、ロシアに先駆け、多くの主要国に先駆けて無線の技術を開発した松代の名前
はどこにも記録されていない。

 今日、新しい無線の技術がまた新しい世界を切り開く力となりつつある。アンワ
イヤードに明日を託す時が来たのである。          2005/06/16
 
有馬 尉彰;
昭和41年学習院大学経済学部卒業 
東急電鉄勤務を経てi-HITS副社長など歴任 
インターネットイニシアテイブ(IIJ)顧問他 政府関係委員多数 
立教大学大学院講師 武蔵工業大学講師 前慶応義塾大講師など 
著書に「マルチメデイアオムニバス」(東洋経済新報社)他  
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5.西山 弘道
「お勧め本 〜 『虜人日記』」
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 ミンダナオ島の元日本兵発見のニュースはサンケイ新聞の早とちりで結局、「幻
の日本兵」騒ぎで終わったが、この騒動で私はある本を思い出し、再読した。それ
は昨年、ちくま学芸文庫から出版された「虜人日記」だ。著者は無名だった小松真
一氏という軍属だった人物。小松氏はフィリピン・ネグロス島で米軍の捕虜となり
、レイテの収容所で捕虜生活を送ったが、その間の体験を日誌でつづったのがこの
「虜人日記」だ。ネグロス島といえば、先日の元日本兵騒ぎがあったミンダナオ島
のすぐ近く、北にある島だ。本では、米軍に投降するのを良とせず、ジャングル奥
深く抗戦を続ける部隊の様子が出てくる。先日の元日本兵がこうした残留兵士の一
部だとしたら戦後60年の今驚くべきことである。

 さて「虜人日記」だが、著者の小松氏は東京農大出身。醸造化学の技師としてフ
ィリピンに軍属として徴用され、マニラなどで酒精工場をつくった。その後、ネグ
ロス島で部隊とともに敗戦を迎え、米軍に投降、レイテの収容所に送られる。小松
氏はその間の出来事を克明に日記に綴り、さらに達者なスケッチの絵を添えてユニ
ークな日記を残した。帰国後も日記を持ち帰り秘蔵していたが、昭和48年死去し
た後、遺族がみつけ、私家版として関係者に配った。その一部が作家の山本七平氏
にわたり、その貴重な内容に山本氏が絶賛、筑摩書房から出版される運びになった。

 小松氏は化学者、また軍属という第三者的立場から日本軍の生態を客観的且つ冷
静にみつめ、さらに日本の敗因まで分析している。日本の軍隊組織の欠陥として科
学的なものより、精神主義一辺倒だったこと、また特に兵より将校の質が極端に劣
っていたことを指摘する。これは、優秀な将校が日支事変、上海事変など初期の戦
闘で大部分が失われ、戦争末期には速成栽培で質が劣る将校しか配属されなかった
ことなどが原因と断定している。そして小松氏は日本の敗因として次の21カ条を
挙げる。
1、 精兵主義の軍隊に精兵がいなかった事。然るに作戦その他で兵に要求される事
は、総て精兵でなければできない仕事ばかりだった。武器も与えずに。米国は
物量に物言わせ、未訓練兵でもできる作戦をやってきた。
2、 物量、物資、総て米国に比べ問題にならなかった。
3、 日本の不合理性、米国の合理性。
4、 将兵の素質低下(精兵は満州、シナ事変と緒戦で大部分は死んでしまった)
5、 精神的に弱かった(一枚看板の大和魂も戦いに不利となるとさっぱり威力なし)
6、 日本の学問は実用化せず、米国の学問は実用化する。
7、 基礎科学の研究をしなかった事。
8、  電波兵器の劣等(物理学貧弱)。
9、  克己心の欠如。
10、反省力なき事。
11、個人としての修養をしていない事。
12、陸海軍の不協力。
13、一人よがりで同情心が無い事。
14、兵器の劣悪を自覚し、負け癖がついた事。
15、バアーシー海峡の損害と、戦意喪失。
16、思想的に徹底したものがなかった事。
17、国民が戦いに厭きていた。
18、日本文化の確立なき為。
19、日本は人命を粗末にし、米国は大切にした。
20、日本文化に普遍性なき為。
21、指導者に生物学的常識がなかった事。

以上、日本人には大東亜を治める力も文化もなかった事に結論する。

 この「敗因21カ条」は今でもわが日本にあてはまるだろう。日本はこの60
年間、進歩していないのではないか。戦艦大和で玉砕したあの臼淵磐大尉がなく
であろう。
 
西山弘道:
昭和44年早稲田大学政治経済学部卒業後、
文化放送入社以来、放送記者として30余年、
ニュースの現場を踏む。
平成5年報道部長。兼ニュースキャスターとして
「西山弘道の世の中朝一番」なfどの番組で活躍。
また政治記者として、田中内閣以降の「永田町戦国史」
をウォッチ。
現在、文化放送編成局次長。

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6.青葉ひかるコーナー  
 救いは小泉首相の一徹さだけ
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もし小泉首相が頑固でなければ、日本は中国の奴隷になるのですね。連日の「靖国
神社参拝反対」の大合唱には、もううんざりです。テレビをひねれば、したり顔の
マスコミ人が、「靖国参拝反対論」を得意げに、恥かしげもなく論じ、親中派、眉中
派の永田町の先生方は無知と軽薄さを露にし、救いようがありません。あげくの果
ては中国詣で大好き先生方のご登場ですから、処置はございませんね。

日本のために戦った方々は当然のこと、敵国の兵士までも祀っている靖国神社。
わたくし達の先人たちがそれぞれの時代に英断し、歴史の情勢に培われて存在して
いる日本独自の神社。日本人は古代からそれぞれの故郷の鎮守の森に、誰が祀られ
ていようと、心しずかに、祈りを奉げる心をもってきました。唱歌にもありました
よね。「村の鎮守の神様の〜・・・・・」と。靖国神社はその大型版で、日本という
国の大きな「鎮守の森」です。

「A級戦犯」がいるからなどと、他国なんぞに言われる筋合いはありません。
そもそもアメリカのマッカーサーが「東京裁判」直後に「あの戦争は日本の自衛戦
争であった」と言ったことを噛み締めようではありませんか。
東京裁判で、戦犯といわれた方々が数年後に赦免や減刑もされ、日本政府は、関係
諸国の承諾を得て、その方々の御霊を靖国神社に合祀したのです。
ですから、戦犯などという言葉も存在しないのです。それにも関わらず戦犯という
言葉を一人歩きさせてしまいました。そしてその言葉を他国に利用され、しかも欺
瞞に満ちた国から言われたからといって、どうして弱腰にならなければいけないの
でしょうか。日本人の主権や誇りはいったいどこへいってしまったのでしょうか。
日本は日本人の考えでやってきたのです。欧米の南下政策やロシアの侵攻から、日
本人がアジアを守ったことにももっと誇りをもちましょう。

中国は自国の歴史教科書を、嘘で捏造し、日本人を悪者扱いし、反日教育をしてい
ます。共産国家のそんな国の要求をなぜ受け入れなければならないのでしょうか。
中国に何もいえない政治家の先生が、(いえ、ご存知ないのでしょうから、言えませ
んけど)「中国が反対するから靖国に行くべきではない」ともっともらしく薀蓄を傾
けている姿は、なんと情けないことでしょうか。反対理由はほとんど「中国が望ま
ないから」とか「中国に妥協すべし」とか「近隣諸国へ配慮すべし」とか唯々諾々
と中国様に従うことなのですから、お話になりません。政治家をお辞めになるだけ
ではなく、ぜひ日本人をおやめください。謝罪と土下座外交大好きな方は中国人に
おなりになると良いでしょう。いえ、相手国に気を遣う心優しき人々は中国人失格
ですから、向こうからお断りですね。中国はそういう人物を日本人だからこそ使え
る人材ということで使っているのですから。

日本に対して「靖国参拝しなくとも、国連常任理事国入り阻止」とぬけぬけと言わ
れ、それでも「配慮配慮」がお好きな先生方。それに、財界の意向を反映して、靖
国神社とは、別の慰霊施設を作るという話も消えてもまたぞろ出だす始末ですから。

勿論、郵政民営化をはじめ、さまざまな政治対立、財界と政界の暗闘が絡み合い、
かけひきが蔓延しているわけですから、政局に腐心するゆえかもしれませんけれど。
戦争被害者すべての方々に、哀悼の意を示すのが、人間の真摯な姿ですのに、「A級
戦犯」がどうのこうのと中国人になり切っている配慮好きな懲りない面々ですね。

単なる外交問題ではなく、日本人の文化や歴史や伝統に関わる複雑な課題なのです。
ここで中国に屈して「靖国参拝中止」となれば、もう日本の存在は消されたのと同
じですよね。中国が日本国そのものを隷属させるための手段だということに気付く
べきでしょう。日本の政治家が一致団結しないで、靖国で分裂しているのを見てい
る中国はさぞかし笑いが止まらないことでしょうね。ですから、反小泉派が小泉政
権打倒にかまける余り、中国に妥協をすることこそ、政治家廃業の道を歩むことに
なるでしょう。隷属国家になることは、まさに自分で自分の首を締める愚か者に成
り下がることを証明していることになります。

中国が「行くな」と命令しているのだから、「参拝を決行する」ことこそ、自立国家
の証明なのですよね。いったい、中国が日本に配慮などしたことが、あるのでしょ
うか。日本からの援助は取る、感謝などせず、日本を陥れることのみに奔走。国連
常任理事国入りは阻止なのですから、靖国へ行ったところで日本が金品を失うこと
には変わりはありません。すでに日本は中国にインフラも含め、莫大な血税を遣い
何もかも差し上げ、領土もエネルギーもとられ、犯罪も輸出されて被害を被ってい
るだけですから。「靖国参拝中止」こそ、日本人の魂までとられることに等しいでし
ょう。靖国を潰しにかかっていることに抵抗することこそ、隷属国家返上の第一歩
なのです。相手は外交という戦争を巧みに戦略的に仕掛けているのですから、これ
を譲るべきではありません。

この上、日本国の領土と日本人の魂まで取られないようにいたしましょう。
「A級戦犯は戦争犯罪人である」と思慮に欠ける見解を軽々と発してしまう小泉総
理ではありますが、ことこの件に関しては頑固に頑張り抜いてください。小泉首相
の風当りが強いゆえの、頑なさは良識ある国民には救いにみえます。
だから、支持率はさがりません。
「これこそ、小泉首相の唯一のとりえ」なのですから。  
(05・06・16)

青葉ひかる;
三重県出身
早稲田大学卒 
元日本航空(株)勤務
評論家 
2525計画推進協議会(2525プラン)会長
http://www.2525plan.jp/ 
ラジオ日本(1422kHz)
「青葉ひかるのガンバレ日本」
毎週(土)16:50〜17:00放送

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7.山崎行太郎コーナー  
  数字と数式が隠蔽するルーカス革命の哲学的限界
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30年前のルーカス批判(革命)は未だに有効なのか。某経済学者によると、アメ
リカの大学院教育やアカデミズムではいまだに圧倒的に有効らしい。

≪アメリカのアカデミズムにおいて主流の立場にある新古典派マクロ経済理論は、
基本的に完全雇用状態を前提としているため、著者が問題とするような失業や企業
の倒産を扱えないからである。このようなマクロ経済学が主流になったのは、ケイ
ンズ理論における「ミクロ的基礎」の欠如のためである。政策上の効果についても
ケインズ派は、およそ30年も前の「ルーカス批判」を覆すことができずにいる。
そうしたわけで、アメリカの大学院教育では、ケインズ理論は過去の遺物として扱
われがちになっているし、教えられない場合すらもある。≫


おそらくその原因は、ルーカス批判、ないしはルーカス革命の経済学が、アメリカ
という風土に合った経済哲学であり、科学主義的な方法論だからである。

私の考えでは、ルーカス批判がアカデミズムを制覇した理由は、必ずしもその理論
の正当性ではなく、様々な高等数学を援用して数式や数字を駆使するその技法にあ
る。科学主義や数学主義とも言うべきその悪しきスタイルはしばしば学問や科学の
名のもとに人間の頭脳を一時的に幻惑する。一種のモダニズムである。

たとえば、20世紀の哲学界を一時的に席巻した科学哲学や論理実証主義の台頭の
場合にも、「科学」「記号論理学」「数学」を武器に、「ヘーゲル哲学の迷妄」が
批判され、罵倒され、嘲笑された。数字や記号を使わない哲学は「過去の遺物」だ
というわけである。しかし言うまでもなく、哲学は、数学や科学の「基礎」や「前
提」を問う学問である。数学や科学を道具として使えば、簡単に批判できるという
のは大きな錯覚である。たとえば、近代哲学の父と言われるデカルトはそもそも数
学者であったし、カント哲学はニュートン物理学の哲学的基礎付けである。

経済学の世界でも、数字や数式の前に哲学や形而上学が忘れられ、隠蔽される。ル
ーカス批判の哲学的基礎、ないしは哲学的背景(あるいは人間存在論…)という問題
である。彼等の議論は、数字や数式を多用するので、門外漢の素人には理解できな
いかのような錯覚を与える。むろん、錯覚である。そのような場合、多用される数
字や数式はしばしば幼稚な哲学や形而上学を隠蔽する小道具にすぎない。

その数式や数字を取り去れば意外に単純素朴な哲学的ドグマが露呈してくるはずで
ある。したがって、数学や数式の世界に引き摺りこまれたらおしまいである。無用
な数字と数式に幻惑されて、失業と雇用という経済学にとっての根本的な問題は雲
散霧消する。それがルーカス経済学であり、アメリカ経済学の主流派である。

では、ルーカス革命の実態は如何なるものなのか。その核心にある哲学とは何か。
たとえば、ルーカス批判の理論の一つは、「経済学者たちの代替的政策提案に対す
る評価は、人々の適応的期待とその影響による行動を考える必要がある」という理
論である。要約すれば、ルーカス批判のポイントは、「ケインズ的な従来の経済政
策においては標準的なマクロ経済モデルに依存するだけで、人々の適応的期待とそ
の影響による行動を考慮していない」ということになる。

では、「適応的期待とその影響」とは何か。例えば,「近々インフレが起きる」とい
う期待が形成されると仮定しみる。すると,労働者は、賃金交渉の場で、「少なく
ともインフレの分だけ給料を上げてくれ」という要求が出すだろう。次に、経営者
側は、賃金の上昇は企業にとってはコストの増加につながるから,企業は製品価格
を上げようとする。その結果,いろいろな製品の価格が上昇して実際にインフレが
生じることになる。このように,期待形成はいろいろな経路を通って実現すること
が多い。したがって、「政府は、このような期待の効果を十分に考慮した上で政策
を行う必要がある」というわけだ。しかし、ケインズ経済学では、この「期待形成
とその影響」が無視されている。これが「ルーカス批判」の核心命題である。 

むろん、ケインズ経済学でも、「期待」という問題を完全に無視しているわけでは
ない。しかしケインズ経済学が想定している「期待」は、過去の値を予測値として
使う「静学的期待」であるのに対して、ルーカスの「期待」は、現在入手できるあ
らゆる情報を使って予測を行う「合理的期待」である。「ケインズ的静態的期待」
と「ルーカス的合理的期待」を区別するところにルーカス批判の核心がある。
(『マルクスとケインズの同一性と差異性』 続く)
 
山崎行太郎;
文藝評論家
昭和47年慶応義塾大学大学院(哲学専攻)修了
東京工業大学講師を経て現在、埼玉大学講師、
日大芸術学部講師。
著書『小林秀雄とベルグソン』(彩流社)『小説三島由紀夫事件』(四谷ラウンド)
その他。
http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/
http://yamazakikoutarou.gooside.com/
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8.山本竜隆(寄稿)
  「統合医療とは?」 その2
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代替医療・統合医療の利用状況

本邦での代替医療の利用率は高く2000年から2001年にかけて聖マリアンナ医科
大学病院入院患者約300人に行った代替医療利用状況調査では72.4%が代替医療
を利用し、しかもそのうちの64.9%が満足しているという結果でありました。筑
波医療短期大学の山下らが行った2001年の電話調査でも76%の日本人が過去1
年間に何らかのCAMを利用し、その傾向はCAMの種類にもよるが高学歴・高収入
者に高いという結果となっています。これらのことは、欧米と比べても本邦におけ
る民間でのCAM利用が普及していることを意味していますが、「統合医療」という概
念や認識に関しては依然低いという結果でありました。

昨年開設された統合医療施設、統合医療ビレッジにおける受診者の動向・目的に
ついての調査結果では、来院者の女性の割合が70%以上と大きな性差が認められ、
年齢層では30代が23%の割合と最多であるものの、20代から60代がほぼ同等の分
布で、幅広い年代層の来院が認められていました。受診形態は保険診療のみを希望
するものは僅か8%と少なく、保険診療と自由診療の併用を希望された患者が最多
で50%以上でした。受診目的は固有の療法ではなく、検査や治療方法などを幅広く
希望する統合医療的診療の希望の割合が最多であり、この結果からは「統合医療」
という概念や認識を有していることが予想され、米国における調査と同様に、現代
医学も含めた幅広い医療への期待があることが示唆されました。また従来の予想に
反して自由診療も含めた医療を希望される割合が高く、このような傾向は、都市部
と農村部で同様ではないものの、欧米のように有知識、高所得層を中心に統合医療
への理解が進んでいるという理由があるようでした。

本邦における統合医療の発展と問題点

本邦における問題点としてまず上げられるのが、制度上の問題です。本邦には
1961年に国民皆保険が確立され、それ以降は大部分の国民が等しくその恩恵を受け
ることができるようになりました。しかし国民医療費の高騰に伴う医療財源の悪化
や、1984年の健康保険法改正に伴う事実上の「混合診療」の実施困難などが問題と
して挙げられます。特に「一疾患に対する一連の診療行為において保険診療と自由
診療を併用すること」という混合診療禁止の制度内においては十分な統合医療が実
践できない状況があります。

さらに統合医療では治療方針に関する患者自身の積極的関与や自立を尊重する
のですが、本邦では、前述の各患者の診療差別化防止を目的とする混合診療禁止に
よって、国民の医療に対する受動的意識が定着してしまっています。統合医療では
患者それぞれの健康観や経済的背景に基づく積極的な医療手段選択やセルフケアの
意識が求められるため、統合医療の普及にはさらなる国民の意識改革や教育活動も
進めていく必要があるのです。

次に教育の問題です。従来、医学部では、科学的根拠を基盤とする現代西洋医学
を中心に教育してきたましが、文部科学省は医学教育モデル・コア・カリキュラム・
教育内容ガイドラインに「和漢薬教育」を掲載、到達目標として「和漢薬を概説で
きる」が公表され、漢方医学の卒前教育が80のすべての医学部において実施されま
した。さらに代替医療・統合医療に関する教育や実習も一部で始まっていますが、
統合医療の教育プログラムや実践の現場が不十分であること、またこの分野の指導
者不足などが大きな障壁となっています。

特に現場では統合医療をめざす各分野の医療従事者が集う必要があります。代替
医療と統合医療は似て非なるものであり、特に統合医療における医療従事者は“A 
wise man never knows all, only fools know everything.”のように、一個人です
べての医療を網羅することが困難であることを認識しなければなりません。協調性
ある人材でチームを作って対応しなければならないのです。現在このような医療機
関の整備や人材育成のための教育システムの構築が望まれていますが、この教育に
おいて最も重要と思われる点の一つが、統合医療の基本的理念や医療哲学の共有化
であります。統合医療とは単なる知識や人材の寄せ集めではなく、価値観や思想が
異なるさまざまな医療体系や手技を個々の症例に合わせて最適にコーディネイトす
る必要があります。この概念の異なる医療体系すべてを従来の科学的根拠に基づい
て統括することは極めて困難であり、ここに統合医療の大きな特徴と難しさがあり
ます。単なる知識や技術の積み重ねだけでは統合医療は実践できないのです。

今後、統合医療の実践機関としては、?家庭医・プライマリーケア医が行う統合
医療施設と、癌やアレルギー、糖尿病など、専門性の高い統合医療施設の二つの方
向性があると考えられます。またこれらが共通の理念に基づき地域性と反映させな
がらグループ化することも期待されています。すでに欧米ではIHN:Integrated 
Healthcare Network 広域医療介護圏ネットワークが広まりつつありますが、これは
従来の家庭医から病院へ紹介がある単なる病診連携ではなく、多数の異種医療サー
ビス供給機関が共通の経営理念・戦略の下で行動するもので、IHNの最優先すべき
ミッションは健康生活者・患者の健康維持・向上とされています。よって家庭医部
門は構造赤字なのですが、ここがミッションを達成するための重要なインフラであ
り、現在もIHNの中で家庭医のネットワーク放棄を考えているところは一つもない
ようです。

最後に
 
医学においては安全性が最優先です。特に有効性と同様に安全性の面で科学的根
拠が求められることは言うまでもありません。しかし学術的な医学が常に現場での
医療として反映されるとは限りません。ここに医学と医療の違いがあるように思い
ます。医療には個別性や地域性なども含まれ、本邦には本邦に相応しい統合医療が
構築されるべきです。幸い本邦は東洋の文化に加えて、洗練された独自の文化や歴
史を有する一方で、現代西洋医学もある一定レベルに達しています。これら両者が
存在する環境にあって、日本人は3人集まれば文殊の知恵というように“衆知を集
める”能力に長けている民族であると思っています。その環境さえ与えられれば、
世界に誇る高いレベルの統合医療構築が可能であるのではないでしょうか。
 
参考資料
山本竜隆:治す力を呼びさます統合医療のすすめ、東京堂出版、東京、2004
山本竜隆:統合医療運営マニュアル、現代企画、東京、2004
山本竜隆:統合医療の現状報告―国内情勢、統合医学学会誌Vol.1.No1;p2004
山本竜隆、吉田勝美:代替医療・統合医学・ホリスティック医学分野の最近の動向、
聖マリアンナ医科大学雑誌、Vol.27 p555-567、1999
山本竜隆:相補・代替医療の活用事例、病院(医学書院)、Vol.63.No5;p397-399、
2004
山下仁、津嘉山洋:日本における相補代替医療の普及状況、医道の日本、Vol.710;
p151-157,2003
山本竜隆:統合医療の現状報告―国内情勢、統合医学学会誌Vol.1.No1;p2004
Thomas S. Kuhn:The Structure of Scientific Revolutions、The Univ. of Chicago 
Press、Chicago、1996
山本竜隆、吉田勝美:代替医療・統合医学・ホリスティック医学分野の最近の動向、
聖マリアンナ医科大学雑誌、Vol.27 p555-567、1999
柏倉康夫:エリートのつくり方 グランド・ゼコールの社会学、ちくま書店、東京、1999
Integrative Medical education: Development and Implementation of a 
Comprehensive Curriculum at the University of Arizona:Victoria Maizes, Craig 
Schneider et al:Academic Medicine Vol77 No.9 p851-860;2002
Integrative Medicine and Systemic Outcomes Research:Iris R.B., Opher Caspi 
et al:Arch Intern Med Vol.162 p133-140;2002

山本竜隆;
医師・医学博士 
1966年9月1日 神奈川県生まれ
中伊豆温泉病院内科医長・統合医療ビレッジグループ総院長兼任
昭和大学医学部非常勤講師 聖マリアンナ医科大学非常勤講師
【専門分野】:統合医療、予防医学、東洋医学
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9.遠藤のぶひこ(寄稿)
 郵政民営化論の本質
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郵政法案もいよいよ佳境に入ってきた。小泉首相の「初恋」が実るかといったとこ
ろである。郵政民営化論は実はその本質に様々な側面を有している。以下簡単では
あるがその本質の一端を述べてみたい。

第一に政治的側面。私自身は平成12年まで郵政省に在職していたが、今でも小泉
郵政大臣の郵政官僚との確執を鮮明に覚えている。平成4年当時は金丸逮捕を受け、
竹下派全盛から経世会が分裂含みになっていった時代である。その時期を逃さずし
て任命された小泉郵政大臣は宮沢総理の経世会に対するあてつけ人事ともいわれた。
小泉大臣は依然露骨に竹下派べったりの郵政省に疎外された。私の元上司が秘書官
で苦労したことをよく話してくれた。現在巷間言われているように、小泉首相が師
と仰いでいた福田赳夫の政敵であった旧田中派の牙城である郵政省に切り込むとい
う側面は当時から容易に看て取ることができた。道路問題にしても郵政問題にして
も旧経世会の基盤を攻めるという政治的側面があることは否定できないだろう。

第二に経済的な側面。私は当時入省5年目、係長2年目でちょうど長野の現場の郵
便局長に赴任する1年前の時期であったが、正直言って限度額をアップさせるべき
でないという「当時の」小泉氏の主張は一部もっともな部分も含まれると感じてい
た。限度額の引き上げによって郵貯はますます大量の国債引受機関と化して一種の
クラウディングアウト(資金が国債に吸収され市中に資金が回らなくなる現象)を
生じさせ、それが民営化論の根拠とされる可能性があったし、肥大化はリテール分
野に進出していた民間金融機関との対立を決定的に深めるだろうと考えていた。し
たがって、むしろ段階的に規模をなだらかに縮小するのが賢明な選択であると私自
身は思っていた。郵貯を守るのならばむしろ肥大化を避けるべきだったのである。

1992年当時バブルが崩壊した後とはいえまだまだ日本経済は勢いがあった。大
蔵省は税収のアップを受けて平成2年度は念願の赤字国債発行ゼロを達成、財政当
局は財政の健全化にまだ意気込みを持っていた時期である。しかし同時に、バブル
崩壊後の経済対策・日米構造協議を受けての内需拡大が叫ばれた時期でもあった。

それらの要請の中で、隠れた予算である財投や税制への依存も高まった。郵貯の規
模を拡大していくことは財政規模拡大という族議員の思惑と大蔵省に対する郵政省
の発言力確保という思惑を満たすものだった。景気が減速する中で財政支出拡大と
なれば国債発行が増大するのは自明の理で、その引き受け先として郵貯は重要な役
割を果たすようになっていく。国債引受機関として完全に不可欠な存在へと変貌し
ていってしまう。その後に成立した橋本内閣が行財政改革を行ったとき、様々なパ
ンドラの小箱を開けられたが、手をつけられない状況に近づいていた。

私自身の持論は郵便と郵便局ネットワークは国営または公営とし、郵貯・簡保に関
しては緩やかな縮小を図った上で、日本経済の体力が回復した時点でその規模を見
ながら、そのとき初めて民営化を議論すべきだと考えている。

私自身は郵政省に何も義理はないし、これからも世話になるつもりはないが、国家
や社会の観点から現在性急な民営化を行うことは極めて危ういと感じている。

以下にその理由を述べたい。

まず第一に、これから世界に類を見ない速度で高齢化社会が到来することから、い
わば高齢者のためのインフラとしての郵便局は大局的な観点から維持すべきである
ということ。郵貯簡保の規模縮小と併せて郵便局ネットワークは維持することの方
が、将来的に高齢化社会に必要とされるコストは安く済むはずである。2007年
から団塊の世代は大量退職の時代に突入する。

第二に、外資の存在である。日債銀や長銀に莫大な公的資金を投入した挙句、外資
に二束三文で売り渡した例を挙げるまでもなく、「国富」流出の危険が現在極めて
高い。郵貯資金や簡保資金が国内に循環するあるいは還元される見通しがない現在、
「国有財産の対外払い下げ」的な方向に向かう可能性が高い。仮に民営化されても、
国内企業に資金が向かうような状況、すなわち体力が回復した時期でなければ、外
資の思う壺であろう。

第三に、現在拡大しつつある所得格差、地位格差を最小限に食い止めるためには、
個人レベルでのセーフティーネットを維持しておくことが必要である。基本的にほ
ぼ単一民族である日本は、元々の階級社会である英国や様々な人種を抱える米国の
ように、露骨な格差を許容するような気質は乏しい上、ある種の総中流意識とそれ
に伴う上昇の機会が与えられていたことが日本の社会の発展を支えてきたことを考
えると、今一度本質を見据えた冷静な議論が必要なのではないだろうか。

遠藤宣彦(のぶひこ);
昭和63年 東京大学法学部卒業 同年郵政省入省
電気通信局・官房人事部・通信政策局などを経て
平成9年官房財務部課長補佐
この間豪州大学院・長野県野沢郵便局長・横浜市高度情報化推進課長
郵政研究所主任研究官等を経験
平成5年より各種政策研究会を主催 継続的に政策を調査研究
平成12年2月  現状への危機感と役所の構造的な限界を感じ
霞ヶ関を脱藩 平成12年6月連立離脱直後東京5区より
自由党公認で衆議院選挙に臨む 善戦するも落選
平成13年小泉ブームの中東京地方区より参院選出馬 次点
平成15年 自由党と民主党の合併に理念の違いから参加せず
現在保守系無所属として目黒・世田谷区において活動中

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