甦れ美しい日本 |
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□□■平河総合戦略研究所メルマガ■□□(2008年6月10日 NO.191号)
☆☆甦れ美しい日本☆☆
☆・・・・私たちは書きたいから書くのです・・・・
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☆文化・芸術・映画・味覚などは水曜日発信となりました。
< 目次 >
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◎奥山篤信の映画評論
1.日本映画「JOHNEN 定の愛」☆☆
◎奥山篤信のDVD映画評
1.アメリカ映画「ジャングル・フィーバー Jungle Fever」1991 ☆☆☆☆
2. アメリカ映画「ヘアスプレー Hairspray」2007 ☆
3. アルゼンチン映画「僕と未来とブエノスアイレスLOST EMBRACE」2003 ☆☆☆
4. アメリカ映画「告発 Murder in the First」1995 ☆☆☆☆
◎阿嶋彩子の料理つれづれに (41)<暑い日のビール>
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超・映画評 愛と暴力の行方 奥山篤信著 扶桑社 発売中 http://www.strategies21.org/leonessa.htm
豊かな海外経験を生かした元商社マンの映画評。対象は「夜顔」「ダ・ヴィンチ・コード」「硫黄島からの手紙」「不都合な真実」「椿三十郎」などこの2年間に日本で上映された洋・邦画117作。何げないしぐさや映像の断片に込められた意味を解き、作品の思想、背景をえぐり出す。著者の人生観や哲学を重ね合わせて論評、時には一刀両断に。特に、国際社会に生きる日本人への叱咤激励は傾聴に値する。映画評であり人間賛歌の書でもある。
ー東京新聞 6月5日今週の本棚よりー
三菱商事OBの「憂国の日本男児」奥山さんは、無類の映画好きとしても知られる。ミニシアター系からハリウッド超大作まで世界のあらゆる映画を見まくった結果の一冊。
「硫黄島からの手紙」について(家庭中心の話で、アメリカの小市民的な理想像をそのまま日本にも当てはめたみたいやな)。並の映画評論家にはこんなことは言えまい。ーWiLL 5月号 編集部の今月のこの一冊よりー
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◎奥山篤信の映画評論
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1.日本映画「JOHNEN 定の愛」☆☆
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昭和11年に起きた猟奇殺人「阿部定」事件ほど肉欲vs永遠の愛「肉体が滅びても魂は永遠で、愛は永遠に生きる」などのテーマとして文学的興味をそそる事件はない。今までこれを題材にした映画は若松孝二制作大島渚監督の決定版「愛のコリーダ」があるが望月六郎監督が果敢に挑戦した。
この映画は226事件当時の「定と吉」を過去の亡霊の様に描きながら、それを現在に置き換え二重写しにするという斬新な手法を取っている。
「花と蛇」シリーズの杉本彩が阿部定を演じる。杉本はバタ臭い顔立ちとともに日本離れした華麗なる肢体を、アルゼンチン・タンゴやソーシャル・ダンスで鍛えた躍動感ある身のこなしが「花と蛇」で際立ったが、今回阿部定はやや彼女の肢体が盛りを過ぎた点もあるが、それが阿部定の退廃の美学ともいえるイメージにマッチするのかもしれない。
強烈な赤を主体とする原色の色彩感覚と場外で話す言葉(そのまま映画で各々の役者がしゃべるのではなく)の手法が絵画的で浮世絵のようなデフォルメした現実を夢想化するのに役立っており、この点監督の独創性を認めたい。中山一也、内田裕也、高瀬春奈、江守徹など個性派俳優の演技も良かったのではないだろうか。
最後に杉本彩のインタビューでの発言が、なかなか阿部定の本質をついているので面白い。
杉本彩言語録:
頭で何かを考えて自分をコントロールしていくことができなくなるのが女の情念だと思います。理性的じゃないというか、体で考えて子宮で感じて、自分ではどうしようもないコントロール不可能なもの。それが女の情念だと思います。
彼女の愛に対する価値観や彼女が求めていた本質的なこと、彼女の考えている愛というもの、彼女が何を感じて何をしたかということをわたしが代わりに伝えることが出できるんじゃないかと思いました。それぐらい瞬間瞬間で彼女と共鳴し合えるような、そんな部分があるんです。ですから彼女を演じるという意識よりは、どちらかというと本当に彼女の代弁者になろうと思ったんです。
わたしが表現したいエロスというのは、上級で上質でないと嫌なんですよ。だって、悪質で低俗なものっていうのは世の中ゴロゴロしていますよね。そうではなくて、映画という一つの芸術を通して表現していくのだったら、やっぱり本当に高級で上質であるというのがわたしの中の絶対条件ですね。
魂は時空を超えて行ったり来たりする、永遠で不滅だということを強く感じています。
やはりひたすら愛を与え続けることじゃないでしょうか。多分、愛されることばかり考えていると、愛は終わってしまうと思うんです。愛を与え続け、相手のために何ができるか考え続け、彼のために何かしら犠牲にできるかというぐらいの覚悟を持って愛し続けることっていうのが、永遠の愛を手に入れる一番の秘けつだと思います。無条件に愛し合うって、とても難しいことだとは思うけどやっぱり無条件でなければ愛とは呼べないと思うし、条件つきの愛なんて成立しないと思います。
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◎奥山篤信のDVD映画評
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1.アメリカ映画「ジャングル・フィーバー Jungle Fever」1991 ☆☆☆☆
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僕はスパイク・リー監督の映画は「インサイド・マン」しか観ていない。この映画は娯楽作と奇想天外の発想で逸品であったが、この「ジャングル・フィーバー」はなかなか見事な社会映画である。
まさに人種と宗教の坩堝のアメリカそれもニューヨークを描いているが、このアメリカ最大のタブーに一切の妥協や慣れ合いのないスパイク・リーの逃げない姿勢が立派である。そこには偽善や欺瞞が一切ないので、人種間の融合のハッピー・エンドも一切ないのである。普通のアメリカ映画なら、その問題を乗り越えて規範としてのハッピー・エンドが通常である。
この映画は言葉狩りも一切ない。白人や黒人が心に持つ憎悪と差別の感情をお互いにさらけ出させるのである。ある黒人の優秀な建築家のもとにイタリア系白人の秘書があてがわれる。そして「許されざる白黒」の恋愛を巡って、それを取り巻く環境の問題すなわち黒人家庭、黒人社会、イタリア人社会、宗教、麻薬などの問題をクローズアップさせ、果てしもない混乱と対立を描いて躊躇しないのである。
要するに監督自体はアメリカでの人種や宗教の融和などありえないと考えているふしがある。だがこの監督の描き方は家庭や兄弟や地域の温かさも一方で描いている点も興味深い。
恐らくこの監督は、社会や政治の偽善を馬鹿にし嘲笑しているのだと思う。
二時間超のこの映画、なかなか筋運びも娯楽映画としての軽快さもある一方、社会のタブーに真正面から挑戦する姿勢に観客は大いに考えさせられるはずである。
俳優もウェズリー・スナイプス,ジョン・タトゥーロ,アンソニー・クイン,それにいまはときめくサミュエル・L・ジャクソン、ハル・ベリーなどが出演している。
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2. アメリカ映画「ヘアスプレー Hairspray」2007 ☆
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ボルチモアを舞台に、人種差別などまだまだ残っていた1962年のテレビのダンサーに憧れる肥満体の少女の天真爛漫な物語である。2002年のミュージカル劇の映画化でなんとジョン・トラヴォルタが特殊メイクで巨漢の女性を演じている。それに「ディア・ハンター」のクリストファー・ウォーケンが少女の父親として出演している。その他ミシェル・ファイファーも露骨な差別主義者の司会者として出ている。
まだ露骨に「NEGRO DAY」などと黒人歌手の番組に名づけられていた時代。黒人差別のなかでそんなことには無頓着な少女の生きざまが、いかにもアメリカ映画の典型である。
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3. アルゼンチン映画「僕と未来とブエノスアイレスLOST EMBRACE」2003 ☆☆☆
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アルゼンチンのブエノスアイレスにあるガレリア(アーケード商店街)を舞台に、泥臭い生活の匂いがプンプンするいずこも同じ商店街下町情緒を描いている。
ユダヤ系ポーランド人としてナチスドイツの迫害を逃れてきた祖父母世代、その孫にあたる青年アリエルは、日常に追われ閉塞した商店街から抜け出るため、アルゼンチンを離れポーランドの国籍を取りヨーロッパに移住することを考える。
そんな過程で青年は周囲の人々の人情、離婚した父親の帰国と再会など感じながら、移住を思いとどまるのである。
人間の一生など家族の歴史、周りを取り巻く環境、その他年月を重ねてしがらみの中でそう簡単にはAC(ALL CLEAR)ボタンを押せるものではない。そんなユダヤ青年の心のなかでの成長を、何気なく描いていく手法はこのダニエル・ブルマン監督の並々ならぬ手法といえる。
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4. アメリカ映画「告発 Murder in the First」1995 ☆☆☆☆
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囚人虐待のアルカトラズ刑務所を閉鎖に追い込んだ実話を、その若き熱血弁護士と囚人の裁判での戦いを描いた映画である。
親なしで妹とその日暮らしをしていたケヴィン・ベーコン扮するヘンリー・ヤングは17歳の時食べるためにたった5ドルを盗んだ罪で牢獄に繋がれる。その後アルカトラズ刑務所に移送されたが脱獄を試み失敗し刑期はなんと25年となった。刑務所内はサディストであるゲイリー・オールドマン扮する副所長が牛耳りありとあらゆる暴力で囚人を凌辱していた。そして恐るべき穴倉の独房にヤングは三年にわたる長期間(規則ではMAX19日間)繋がれていた。それでもヤングは暗闇に耐え三年間を食いしばって生きてきた。ヤングは片目失明、さらに副所長に髭剃りナイフでアキレス腱を切断され、正常な歩行が不能となる。そしてやっと暗闇からだされたその日、昼食時に脱獄を垂れこんだ囚人を、周りのそそのかされスプーンで殺害してしまう。
そして第一級殺人(Murder in the First)にてガス室へ、何の議論の余地もないであろう形ばかりの簡単な裁判のため、公選弁護士として囚人と同じ年齢の、エリート家族出身でハーバード・ロースクール出身の、クリスチャン・スレイター扮する弁護士が初仕事として任命される。こんな明白な裁判はすんなりと検察や裁判所の思惑通り通り一遍の弁護で進めるのがよいという周囲の忠告を無視して、熱血弁護士はこの裁判を徹底的に闘うこととなる。
アメリカの素晴らしさは、社会の不正や不当なる暴力などに敢然と立ち向かう正義のパワーが必ずあるということである。アメリカだって日本と同じように事なかれ主義や職圧は存在する。しかしアメリカ人の偉大さは、そういう自分の目先の不利があったとしても正義感に燃えるパワーが存在するのである。そして権力と戦い、世論を味方につけて社会正義に大きな成果を齎すのである。そんな新陳代謝の健全性を僕はこの映画でも僕はいつものように感じとるのである。
これでもか、これでもかと痛めつけられる囚人に扮するケヴィン・ベーコンの迫真の演技は圧巻である。全身全霊を籠めてこの役に生活のすべてを犠牲にしたという。見事なプロ根性である。
この映画で印象的な英語の言葉下記:
They locked him up. They crushed his spirit. But they couldn't hide the truth.
(いくら彼を閉じ込めても、彼の精神を打ち砕いても、真実を隠すことはできかった。)
One was condemned. The other was determined. Two men whose friendship gave them the will to take on the system.
(一人は宣告されている。もうひとりは不退転の決意である。そしてその二人の友情が悪のシステムを覆したのである)
"I was a weapon, but I ain't no killer."
(僕は道具であって殺人者ではない)
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◎阿嶋彩子の料理つれづれに (41)<暑い日のビール>
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暑い日に一仕事を終えて 夕食時にグイッと飲むビールの一口目は言いようがない程美味しい。喉の渇きが癒され、気持ちの乾きも癒されるようである。ビールの味も色々あるが、アメリカのバドワイザーのように飲み物としてのビールは比較的甘い味で、これだけで立派な飲み物の味であり、ベルギーのビールは多種であるが、私がある日飲んだビールはワインに近いような風合いであった。私達が飲んでいる日本のビールは総じてオカズにもあうような味だと思うのは私だけではないと思う。私は食事に行くと最初にビールを飲み、ほっと一息ついてから、その日の料理に合うお酒を、という順序になる事が多い。
ビールを飲みたくて出かける日や我が家の夕食での折に飲むビールの時はビールにあう軽いタッチの料理が好ましい。例えば、ご馳走サラダと称して、ナマ野菜の上にスモークドサーモンや色々な種類の刺身、そしてナッツやクルトンをかけて、更にドレッシングをかけてたくさん頂き、又豆腐サラダやポテトサラダも美味しい。又スパイスの効いたトリの唐揚げや薩摩揚げのような揚げ物もビールによくあい、軽やかな気分で楽しむ。
明治記念館の中に鶺鴒という名のビヤガーデンがあり、6月頃にその看板が目に入るとビールの季節がきたような感がして、出かけたくなる。広い緑の芝生がライトアップされ、涼しい風が吹きぬけて、皆が気楽に楽しんでいる。料理のメニューはたいしたものではなく、ガーリックトースト、シュウマイ、さつま揚げ、ソーセージなど ごく普通の簡単なツマミである。
ビールを飲む店としてはオープンカフェのように、又建物の中の店でもガラス張りで外からみえたりして、皆がガヤガヤ騒ぎながら飲んだり喋ったりの楽しい雰囲気が溢れているようなお店が好みである。店の持つ明るい元気な雰囲気とビールの組み合わせは夏という開放感そのもののように感じる。
随分前の事、建物がステキだと雑誌に出ていたので、古い建物の銀座ライオンにビールを飲みかたがた行ってみた。天井が高く、レトロな丸い電灯が高いところから釣り下がっており、古き良き時代を感じた。そこでも 大きなジョッキーを片手に軽い料理を注文したが、そこに来ている人達は年齢も巾が広く其々の楽しみ方ではあるが、皆が一様に心底楽しそうなのだ。堅苦しさはなく、ビールの持つ軽やかは性質の雰囲気は皆を陽気にさせるのだと改めて感じた。
食する事が好きな私であるが、一番のご馳走はやはり一緒に食べる人と楽しい気分で食事をすることにあり、その時の料理が簡単であるか上等であるかという事よりも、自分の体調がよく、楽しい気分になれる事が一番のご馳走だと思う。このように考えると、人と食事をする時は相手が気持ちよく食事の時間を過ごせる為の会話や食事の頂き方、立ち振る舞いなど、心しなければならない事が多くあることに気付く。
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次回の配信は6月14日(土)を予定しております。どうぞお楽しみに!
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