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甦れ美しい日本 第189号
発行日: 2008/6/4□□■平河総合戦略研究所メルマガ■□□(2008年6月4日 NO.189号)
☆☆甦れ美しい日本☆☆
☆・・・・私たちは書きたいから書くのです・・・・
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☆文化・芸術・映画・味覚などは水曜日発信となりました。
< 目次 >
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◎奥山篤信の映画評論
1.アメリカ映画「ラスベガスをぶっつぶせ 原題21」☆☆
◎奥山篤信のDVD映画評
1.フランス映画「不完全なふたり」2005 ☆
2. メキシコ映画「天国の口、終りの楽園Y tu mamá también」2001 ☆☆☆☆
3. アメリカ映画「五線譜のラブレターDe-Lovely」2004 ☆☆☆
4.英仏映画「コックと泥棒、その妻と愛人 The Cook, the Thief, His Wife & Her Lover 」1989☆☆
◎阿嶋彩子の料理つれづれに (40)<塩の魔術>
◎ 演劇公演「小部屋の中のマリー」
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超・映画評 愛と暴力の行方 奥山篤信著 扶桑社 発売中 http://www.strategies21.org/leonessa.htm
大書店・アマゾンでお買い求めできます。
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◎奥山篤信の映画評論
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1.アメリカ映画「ラスベガスをぶっつぶせ 原題21」☆☆
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均質にできたサイコロを公平に投げたとき、たとえば6が出た際次の目はどうなるか?次も6の場合その次の目は?良く間違いを発見するのだが、読者の皆様も6がでたら次は1から5までの目が出やすいと思っているのではないだろうか?これは全く間違いである。飽く迄も次の目も1から6までの目が出る確率は均等に6分の1である。6がよしんば10回続いてでてもその次6が出る確率は6分の1なのである。こんなことがわかっていない意外に多い。それが賭博に神秘性を与える結果となっている。
同様ルーレットでは(0と00があったりルールが世界で異なるのでそれがないとして)1から36までの出る確率は36分の1である。そして掛け金の期待値も確率に相当する。ところがブラックジャック21のような賭博は、親のスロットに入ったカードの数からどんどんカードが出て行く訳で、それを記憶力で観察していくと残りのカードがどれか読めてくるので、きっちりとした確率で次のカードが読める。それは記憶力と瞬時の確率計算が必要であるが、それができる天才はそのようにカウントしながら張って行くのである。その場合確率と期待値が一致する、いわば丁か半かに収束されるサイコロやルーレット賭博とは異なり、親と子の確率と期待値の歪みを利用して勝てる可能性があるのだ。
実際にMIT BLACKJACK TEAMと称するMITの学生たちがこのテクニックを利用して1979年より今世紀にわたりラスベガスなど賭場破りをした実話を基にしたのが、この映画の背景である。
MITの悪党数学教授にケヴィン・スペイシーが扮し、生徒を操って巨額の金をせしめる。目をつけられたのが真面目な天才青年。ハーヴァード大学の医科を目指して一生懸命アルバイトしながら30万ドルの学費を稼ごうと生きているときに、その悪党教授に目をつけられ、その学費を稼ぐために道をはずす話である。
いくら合法で確率論に基いているとしても、若者が濡れ手で泡の金儲け、そして若者に相応しくないラスベガスでの帝王の生活、それにはちゃんと神が罰を与えるのである。
なかなか道徳観もある面白い映画である。最後にこの映画の"always account for variable change."(場の変化に対応せねばならない)というのがサイコロやルーレット賭博と異なるブラックジャックの特質を述べているのであるが、同様この映画のストーリーにもうまくひっかけている点、やはり映画の旨さである。
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◎奥山篤信のDVD映画評
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1.フランス映画「不完全なふたり」2005 ☆
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諏訪 敦彦(すわ のぶひろ、1960年生まれ)は、あのオムニバス傑作フランス映画「パリ、ジュテーム」のパリ2区ヴィクトワール人場で、カウボイが好きだった息子を亡くし悲嘆に暮れる母親がある夜広場で馬に乗ったカウボイが息子に会いたいかと尋ねる夢の短編を作った監督である。全く荒唐無稽な話で秀逸な作品が並ぶオムニバスで一際くだらなさが光っていた。
この映画はフランス人キャスト・スタッフを作って諏訪が作った映画であるが、見ていて滑稽なのは、全くあり得ないような下らない会話が場を支配するのである。俳優の表情から、「監督さんの指示、さっぱりわからんがうるさいからやってやれ」という冷ややかな笑いがこぼれるようである。
冒頭ホテルの部屋についた二人が(離婚間際の冷えた夫婦が友人の結婚式のためにパリに来たとの設定)補助ベッド作りの場面でどっちに寝るか、あっちに寝るかという他愛もない会話、いったいこれって何なの?って感じがある。
とにかく会話がくだらない、幼稚である。ぐじぐじした、日本の精神構造をそのままフランス人に持って来たようなもので、見苦しいのである。「戦争では自分の恐れを取り除くために、敵を殺して安堵する。同じように夫婦の間でもそうではないだろうか?」など全く意味不明のひとりよがりである。なんの教養もないパリに憧れた一日本人が、思わせぶりでわかったような、わからない映画を自己満足に作った映画、これを西欧人が誤解して東洋の哲学がなどと、こんな作品に第58回ロカルノ国際映画祭の国際コンペティション部門で準グランプリにあたる審査員特別賞を与えたに違いないのである。ヨーロッパの映画祭はいつもわけのわからない作品が受賞する。
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2. メキシコ映画「天国の口、終りの楽園Y tu mamá también」2001 ☆☆☆☆
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メキシコの巨匠アルフォンソ・キュアロン監督の映画で原題はスペイン語で「君のママも一緒に」
メキシコの監督だけあって、やはりタッチが民族色あふれていて面白い。この映画は映画の会話の外でナレーションがあり、補足説明するのであるが、この間あいが見事である。フランスの巨匠ジャン=リュック・ゴダールの「Bande a part」の手法を真似たという。
フリオとテノッチは高校卒業したての17歳の餓鬼。テノッチは有力政治家の息子で、金に任せて2人はガールフレンドと遊び暮らしていた。そんな夏のある日、2人は結婚パーティで、テノッチの従兄弟の妻であるペイン人の女性ルイサに出会う。夢のような海岸「天国の口(Boca del cielo)」があるとでまかせに言いルイサを誘ったところ、意外にも夫の浮気を告白されドッチラケのルイサはヤケクソ気味に二人の餓鬼を連れて「天国の口」へ車で向かうことになる。ルイサの愛の手ほどきを受けながら、即物的セックスしかしなかった二人の餓鬼が自己発見していく旅となる。まさにメキシコ版ロードムーヴィである。メキシコの太陽と貧しい漁村などを背景に実に泥臭さが光っている。
休みが終わり二人はガールフレンドとも別れ、二人もお互いに分かれ成長していく。ある時ばったり道であった二人であるが、フリオはテノッチよりあれからすぐにルイサが癌で亡くなったこと、そしてその死期を彼女は知っていたことを知る。
この映画は筋はそれほど複雑ではないのであるが、いやにほろ苦さがある印象深い映画で心から離れない魅力がある。アルフォンソ・キュアロン監督の腕前であろうか!
第58回(2001年)ヴェネチア国際映画祭 にて最優秀脚本賞 を受賞した。
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3. アメリカ映画「五線譜のラブレターDe-Lovely」2004 ☆☆☆
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コール・ポーターはイェール大学卒業後、ハーバード大学にも在籍したインテリ音楽作曲家である。
同性愛者であり、むしろ現実ではbi-sexual よりもmore homo-sexualといわれるほど多くの男性と関係を持った。ブロードウェイ・ミュージカルデ挫折し、その後パリに渡り1918年、リンダ・リー・トーマスと出会う。リンダはまさにトーマスの一生を左右するほどの女性であり、賢母人であった。コールが同性愛者であることも認識していた。
この美しい夫婦愛を描いて、そして音楽を結構楽しめる娯楽映画である。
監督 はアーウィン・ウィンクラー 、ケヴィン・クラインが コール・ポーター に
アシュレイ・ジャッド が愛妻 リンダ・ポーター に扮する。
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4. 英仏映画「コックと泥棒、その妻と愛人 The Cook, the Thief, His Wife & Her Lover 」1989☆☆
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白人の脂ぎった獰猛さはとても日本人の感覚とは異なる。野蛮人ともいえるマイケル・ガンボン扮する泥棒でレストランの経営者はヘレン・ミレン扮する妻など御供を従えて毎晩フレンチ・レストラン"ル・オランデーズ"(Le Hollandais)にて、味も分からないのに乱痴気騒ぎそして周りかまわず暴力的にふるまっている。妻はDVの犠牲者。そしてその妻の愛人を巡っての殺人事件。吐き気を催すようなドギツさはかなりのものであるが、意外に面白いのはそれぞれ赤と青と白を主体にした食堂、厨房、トイレが舞台となり強烈な色彩で圧倒するのだが、これが実に戯曲のようなメリハリがある。あの「クイーン」でアカデミー賞主演女優賞に輝いたヘレン・ミレンが出ていて時の流れを痛感する。
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◎阿嶋彩子の料理つれづれに (40)<塩の魔術>
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塩はあまりにも当たり前に身近に存在しているものであるが、人間が生きる為に欠く事が出来ないものであり、又料理に於いても最後の塩加減が一番の決め手とも言われている。野菜に塩をすると、あっという間にその野菜がしんなりとするし、ダイコンの千切りやカブ、胡瓜など塩もみをするとアクが抜ける事は当たり前のように思っているが、考えてみると不思議な位に塩の優れた能力を感じる。又茹で野菜の場合でも塩を一つまみ入れて茹でると緑色が鮮やかになり味もよくなる。料理には一番といっても良い位に塩は必需品である。そして日常にかく汗からも塩分は排出するのであるから補わなければならないし、又採りすぎは病の元ともなり、体調を大きく動かす塩分は人間にとって重要な存在である事が覗える。
保存食品も塩を切り離しては考えられない。モスクワのような寒い長い冬の地域では畑仕事や狩猟が出来ず、冷蔵技術がない時代の習わしで今でも塩付けの肉やサーモンなどが多く、日本人はその塩辛さには馴染めないと聞く。しかし防腐効果がある塩のお陰で人間は保存食品を作る事が出来、どんなにか助かった事であろう。日本でも寒冷地では野菜のつけ物が多く、東北地方ではお茶請けにも昔は使っていたらしい。
私は冬には『ハナシンハクサイ』という種のハクサイを求めて、ハクサイの塩つけを造るのが習慣である。このハクサイは水分をたくさん含んでいるので、少し天日干しをしてから天塩を入れて重しをすると、数日で水が上がってきてこの種のハクサイ独特のウマミが出る。後は少し塩出しをしてから昆布をしいて柚子を入れてしばらく置き、食するのである。冬は比較的コッテリとしたものを頂くのでこの漬物は我が家では気に入られている。
魚も塩焼きにすると塩がその魚の持つ良い油っこさを引き出して味わいが深くなる。酢鯵や白身の酢締めを作る時も最初に塩でしめてから昆布をひいて二杯酢につける。この時の塩の役割は身を締めてじわりとその魚の味を引き出すことにあると思う。海魚は塩水の中で育っているのであるから、塩に馴染み易いということは考えてみると当たり前かもしれない。
オープンキッチンのイタリアンで食事はしていた折、パスタに仕上げの一つまみの塩をシェフが丁寧に高い位置からフライパンの中に万遍なくかけていた姿を思いだす。私も家で日々料理をしている時に調味料の中で扱いに一番気を使うのが塩味である。時には辛すぎたと思う時があるが、これは本当に厄介で少しダシを足して薄めてもなかなか上手く調整がつくものではない。料理の先生方もよく言われる事であるが、塩だけは初めは少なめに入れるようにして丁寧に加減をみなければならない。そうしないと折角の食材や丁寧に作った品が最後に残念な結果になってしまう。塩そのものの味も色々あり、最近ではコダワリの塩も多く売られている。私も大きく分けてサラダや洋物に使う時はフランス産のものを、そして和物の時には天塩を使っている。
料理の観点から塩というものを考えてみると、塩に始まり塩に終わると言っても過言ではない。塩は実に重要な物であると改めて思う。この塩分を料理に於いて上手に使用し、塩の魔術を引き出したいものである。
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◎ 演劇公演「小部屋の中のマリー」
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◆演劇公演 DULL-COLORED POP #6
『小部屋の中のマリー』
‐サディスティック演劇的思考実験による人間模様白黒はっきり劇‐
【設問】
マリーは聡明な人文科学者であるが、何らかの事情により、うまれてからずっと白黒の部屋から白黒のテレビ画面を通してのみ世界を調査させられている。彼女は本や映像を通じて、世界中のあらゆる事象に精通している。(中略)さて、彼女が白黒の部屋から解放されたり、テレビがカラーになったとき、何が起こるだろうか。彼女は何を学ぶだろうか?
人の心は何故歪んでしまうのか、という青臭いテーマを、主題的に恥ずかしくもなく、表現的には思いっきり照れながら舞台化する、DULL‐COLORED POP の暗くて元気なおとぎ話。舞台上で次々と表情を変える「ライブペインティング美術」にもご期待下さい。
*作・演出 谷賢一
出演 ・清水那保 堀奈津美(以上DULL‐COLORED POP)
小櫃川桃郎太(小櫃川桃郎太一座)、菅野貴夫、久保亜津子(向陽舎)、小林タクシー(ZOKKY)、滝井麻美、田中のり子、千葉淳
*タイムテーブル
2008年6月
4日(水)14:00、19:30
5日(木)14:00、19:30
6日(金)19:30、*25:00
7日(土)15:00、19:30
8日(日)15:00、19:30
9日(月)14:00、18:00
***6日夜中25時からレイトショーを開催致します。当然終電はありませんのでご注意下さい。
*場所・新宿タイニイアリス 地図http://www.tinyalice.net/map/map_main.html
(JR新宿駅より徒歩10分、都営新宿線・新宿三丁目駅より徒歩3分)
*チケット
前売一般:2500円
大学生:2000円
高校生以下:1500円
※当日料金は+300円です
*ご予約方法
お電話&FAX 03−5727−1657(向陽舎)
またはこちら↓のURLの申し込みフォームのご利用がお手軽です。
http://ticket.corich.jp/apply/7082/007/
*劇団サイトhttp://www.dcpop.org/
久保亜津子:
早稲田大学日本文学科卒。1996年より演劇ユニット・向陽舎主宰。主に三島由紀夫作品の演出を手がけ、自らも出演。主な公演「近代能楽集」全作品。「サド侯爵夫人」など。
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次回の配信は6月7日(土)を予定しております。どうぞお楽しみに!
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