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甦れ美しい日本 第188号

発行日: 2008/5/30

□□■平河総合戦略研究所メルマガ■□□(2008年5月31日 NO.188号)

  ☆☆甦れ美しい日本☆☆

☆・・・・私たちは書きたいから書くのです・・・・
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< 目次 >

◎塚本三郎の「今を斬る」  教育の強さ、恐ろしさ  

◎レギュラー執筆者 
      
1.佐藤 守      大東亜戦争の真実を求めて  167
2.松永太郎    本の紹介  「9.11委員会」The Commission: The Uncensored History of the 9.11 Investigation   Phillip Shenon     Twelve 2008

◎関西零細企業経営のオッサン 悔し涙を流すの記 (11)
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◎塚本三郎の「今を斬る」  教育の強さ、恐ろしさ   
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誰の為の救助か

 阪神淡路大震災の救助で活躍した日本の救助隊を、中国四川省の救済に派遣することを、日本政府は決定した。しかし、中国政権は、受け容れ態勢が整わない、とストップさせたが、二日後に受け容れた。その態度は、「救助を認める」との報道をみて不審に思った。

 救助のお手伝いを認めるとの態度は、常識では考えられない。自国の人民が可愛ければ、日本国の好意に対して「お願いします」と申し出でるべき筋合いではないか。

 日本は、中国の属国ではない。人道上、犠牲を覚悟で友好国ゆえの申し出である。
中国政府は、四川省の人民は俺達の国民ではなく、一時的に管理している保護国だから、
許可なくその国民へ、手を出させないとの魂胆なのか。

 現地に派遣され、活躍した隊員や国内に居る日本人には、もう少し早く要請されれば、救出された死骸は、或いは「生存者であった」のではないかとの思いが募った。

 日本隊の活躍は、その努力、能力、態度、一つ一つを現地人は敬意と感謝の念を払ってくれたと報道されている。しかし、ある週刊誌では、人民解放軍から「日本人は帰れ」との罵声を浴びたとも報じている。日本の援助隊には、被災現地へ来てもらいたくない。というのが中国側の本音だった。この地域には、核施設やミサイル発射の基地があり、それを知られたくないとの魂胆もあったようだ。

 日本人はまた、悪事を働いた張本人だからとの宣伝が、中国の人達に本気で浸透しているらしい。

 大地震のあと、余震が引き続いて起きて、復旧よりも二次災害が予測され、被災地は大変である。引き続いて警戒すべき土砂崩れはもとより、山地のダムは土砂で埋まり、河川がダムと化して、今にも崩れると下流の人達に避難の勧告で、故郷を走り去っても、帰る目途がつかない。大変な災害と思いやられる。

同胞を信じられない人民

 日本人の常識ならば、まず二次災害及び伝染病の予防に全力を、と言うべきであるが、報ぜられる大問題は、盗みなどの犯罪だと言う。

 被災地の救済を一層困難にしているのは、敵ではなく、同じ国民ということか。
外国の支援を積極的に受け容れるよう、国連事務総長は現地に赴いて、地域の責任者に説得していると報じられている。外国人の善意が信じられない中国の被災者は、同じ国民さえ、強盗として、火事場泥棒の如き犯罪が続発している。とすれば、より恐ろしい日本人が入って来たらどうなるのかと、心配になっているのかもしれない。

 被災地に送られる救援物資は膨大な量にのぼる。がそれらは肝心の被災者の手に渡る前に、次々にどこかに消えてゆく。救援ボランティアを装った窃盗団や、物資を横流しして一儲けをたくらむ輩たちのせいとも報じる。

 火事場泥棒を地でゆくボランティア窃盗団。支援物資輸送車を襲う暴力組織、倒壊家屋に忍び込んで盗んだり、無人の店を荒らす者達。悪いのは強盗のせいだけではない。救援物資を輸送する役目の軍や、政府当局者らが、まず自分の分を懐にしてから残りを配る。

 途中で中抜きされた結果、救援物資が目的地に着く頃には、最初の半分から三分の一になる。このような横流し行為を略奪だと思う人は中国にいません。これが中国の常識だと。

 到着した救援物資に、被災者たちは、役人の手に渡すな、と必死の形相でわれ先に群がるのは、中国ならではの、利権の構造と、生存意志の実体があったと伝えられる。

 もともと中国人が、そんな人でなしの人種であったのではないだろう。

 満州は、石原莞爾を中心に建設した、「王道楽土」の建設をめざして、その成果を挙げたが、敗戦のゆえに、侵略したソ連人は、畜生にも劣る残虐の限りを尽くした。

満州の人達は、命からがら逃げて来た日本人親子に、親切にもその子を預かり、暖かく育ててくれたではないか、その子たちが日本人の残留孤児として、かつて、日本の肉親、身内を訪ねて戻ってきたことは忘れられない。

中国のいまわしき報道を耳にするとき、思い起こすのは、阪神淡路大震災の時、避難所から留守にした我家に帰って来たとき、わが家の家財道具のなに一つ失っていない姿こそ、真の日本人だと世界の人々は驚いた。人は生まれながらに、仏でもなければ!)でもない。その姿を見て、教育の強さ、恐ろしさを見せ付けられる。

中国の独裁政権は、当面は国を守り、人民を平安に護る為の宣伝作戦として、嘘も方便として日本国に向け敵視政策を常用し、教育してきたことであろう。それは何時までも続けられるものではない。事実と異なる宣伝は、やがて辻褄が合わなくなる。その時、それを信じた人民は、逆に恐ろしい仇と化すのは眼に見えている。嘘を重ねて報道し、教育することで、政権の不満の眼を外にそらせる手法は、独裁国家の政治の常道である。

中国の政変が、易姓革命となって、政権が交替し、血を見ずに出来た歴史は無いようだ。

 
誰がババをつかむのか

 中国を次に襲って来るのは、金融恐慌ではなかろうか。

 ニューヨークの原油取引相場が、一バーレル一三〇ドルを超えたと伝えられる。数年前までは、永く一バーレル一〇ドルの時代が続いた。

 その後、三〇ドルから五〇ドルへと上昇して、産油国は漸く正常な価格となり、元気を取り戻した。世評では、五〇ドル前後が妥当な価格ではないかと論じている。

 平成二十年一月には、徐々に一〇〇ドルを超えて世界各国を驚かせた。

 中国と云う巨大人口の国家が、新時代の到来として、世界経済の舞台に踊り出た。人口と比例する巨大な、一大産業国家として歩みを着実に進めつつある。

その為不可欠の、エネルギーの不足は目に見えている。中国が手を出して買い漁ったとしても、米国のように産油国であり、自国の油田の空洞に、輸入原油を貯蔵するならば話は別であるが、備蓄は、日本のように、貯蔵施設を設けるだけでも大変な費用を伴う。一体、仮の需要を見越して、いつまで原油の高騰を続ける気なのか。

誰が高騰させているのか。やがて一五〇ドルと、相場を煽り立てているが、価格の崩壊は目に見えている。有名投機家ジョージ・ソロスは言う。各国政府の年金基金等の運用が、株から商品先物に移ったことが大きな原因ともみられる。

自由経済が、一面投機の要素を含んでいるとしても、原油は実体の伴わない価格だ。
 日本は産出ゼロで、かつての油断にあわてて貯蔵を増やした。一番の消費は自動車である。日本は燃費節減の為の代替エネルギーの開発に乗り出し、燃料電池の開発は大いに進み、他の文明国もこれにならって、脱石油が急増中である。

 ソーラーハウスも脱石油として各企業が研究開発している。電器メ−カーは、やがて普及の時代が来ると見込んでいる。

 巨大な建設投資に憂き身をやつす中国では、天を圧する超高層ビルは、オリンピックと上海万博に向けてと考えても、実体に合わない。豪華にして無数の空室だ。漸く崩壊の危機が見えて来た。それはオリンピックのあとか、万博のあとかと、予見する。

 上海に林立する高層建築は、日本や米国の経済人の住居を目当てとしているようだが、有り余る資金ではなく、人民の大部分が、銀行からの借金で買い入れたものと聞く。

全く同様の危険な姿を、ニューヨークの原油市場が、崩壊の時期に肩を並べつつある。

 その時、自己の力以上に注ぎ込んだマネーが、本人に逆襲することは目に見えている。

 一体誰がそのババをつかむのか、そして、その時期はいつなのか、神ならぬ身は予測出来ない。投機と呼ぶ、迷えるマネーが、チキンレースとして後押しを続けているとみる。
 投機の世界は別の世界だと言っても、単なるゲームではなく、投じた金が倍加するか、ゼロに帰るのか。それには、知性と云うブレーキが常に必要である。人間の自制心の働かせ処である。何れにしても世紀のバクチとみる、この二つのレースは、文明史上の大きな教訓となる。

仮想敵国のない日本

 独立国家は、自国の安全の為に、防衛力の強化を当然の任務として来た。

 軍事力は常に訓練を重ねることが必要である。それは敵と呼ぶ相手を想定しての、言わば、仮想敵国を控えての訓練となる。それ等の理由は種々あったとしても、やがて、第二次世界大戦へとのめりこんでしまったことは、人類の悲劇であった。

 その反省の上に立っても、なお、戦後の大勢は、米・ソの冷戦が永く続いた。二極対立に終止符を打って、ソ連はロシアへと大きく舵を切って世界は安堵した。

しかし、やがて対立の芽は、逆に全世界に拡大されてしまった。今日では、アジアは勿論、欧州も、南北アメリカ大陸も、そしてアフリカ大陸にまで、対立を原因に仮想敵国を造りつつある。その中にあっても、際立っているのが中国の軍事力の拡大である。

 その点、全く仮想敵国をも持たない国、否、作らない国は戦後では日本国のみである。
 これは素晴らしいことである。日本の憲法第九条は、非戦非軍事力を明記している。

日本国は、この条項を中心に、「改正」と「厳守」に分かれ、何れも平和を守ることの大切さを訴えている。自らが、戦争を挑まないことは当然である。問題は、どうすることが平和を維持出来るのか。そして近隣諸国から侵略と挑戦を許さないという体勢を作るか。
だからこそ四囲の軍事情報の把握と、国民の教育が重要である。

 近年、四囲の軍事情勢に配慮して、日本は、自衛隊の装備の充実を図っている。しかし、憲法の規定上、「独立国としての最小限の装備」と言訳して「専守防衛」を唱え、今日に至っている。しかし、軍事技術専門家の説によれば、攻撃力なき戦闘は、相手国の何倍かの武力と装備を持たなければ、防衛すら出来ないと説く。

これは全く二律背反となり、これを承知の知者は、日本の前途を迷い心配している。
 平和は日本国家の至上課題である。それは近隣諸国への友好と親善、そして穏健な外交が不可欠である。その土台の上に立ってなお、日本を攻めて得るものよりも、攻めることによって受ける損害が、大であることを知らせる為の、「堅固な防備」を怠ってはならない。 
その認識こそ、平和維持の大切な要素とみるが如何か。 

塚本三郎;                
愛知県名古屋市に生まれる 
鉄道省名古屋鉄道局に勤務し、県立中学校(夜間)に入学 
終戦とともに労働組合運動に従事 
運輸省に転勤し、中央大学法学部(夜間)に入学 
国鉄を退職し、中央大学法学部卒業 
昭和 33年 挑戦4回目にして初当選し、昭和生まれ初の代議士
(日本社会党所属)となる(以後当選10回) 
昭和 35年 民社党結党に参加 
昭和 49年 民社党書記長に就任(国鉄改革・電電公社民営化に取組む) 
昭和 60年 民社党中央執行委員長に就任 
平成 元年 民社党常任顧問に就任 
平成 9年 「勲一等旭日大綬章」を受章 
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1.佐藤 守      大東亜戦争の真実を求めて  167
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 一般的には、南部仏印への軍部主導の進駐強行が米英の態度を硬化させ、対日戦準備に入るきっかけを作った、とする論が多い。益井康一氏も、米国は「マジック」または「ブラック・チェンバー」と呼ばれる外交・軍事の秘密情報部を持っていたから、このときの日本側の動きを確実に掴んでいた、としてこう続けている。

「七月二日、日本の御前会議で決定した『情勢の推移に伴う帝国国策要綱』も、日本外務省から米、独、ソ、伊各国駐在の日本大使に『国家機密』と指定した最高度の暗号秘密電報として打電したとき、『マジック』に傍受、解読されて、七月八日までに米国政府首脳に報告されていた。そのほか、日本の重要国策は完全に米国側に筒抜けになっていたのを、日本側は知らなかった」

 この様な情報漏洩はほぼ事実だったことが確認されているが、如何に当時の我が国外交担当者、軍関係者が「情報」の重要性を軽視していたか実に情けなくなる。例えば益井氏は、次のような実例を挙げている。

「昭和一六年七月十四日、広東総領事の高津富雄が、うかつにも松岡外相あて『現地の日本軍関係者からの聞き込み』として、手柄顔に次の報告電報を打った。
『仏印進駐の目的は第一にわが諸目的を達成し、第二には仏印を基地として行動を開始する。仏印占領後の計画は蘭印である。シンガポール占領は海軍が主要な役割を演じる。陸軍兵力はシンガポール占領に一個師団、蘭印占領には二個師団必要である。主として航空部隊と潜水艦隊を以って英米軍を粉砕する。南部仏印に進駐するのは第二十五軍で、近く当方面から進発する』

 無知で軽率な利敵行為のこの電報も、マジックの好餌となって傍受、解読されて、七月十九日、米国関係当局に配布された。このとき、石油の対日輸出を禁止する意見が出たが、スターク海軍作戦部長と、マーシャル陸軍参謀総長は、対日戦備未完成を理由に、日本との戦争を直ちに招く石油禁輸に反対した。そして、日本がシベリアでソ連を攻撃するときまで、対日戦争を延期すべきだと主張した」

 既に述べた様にこの頃わが陸軍は「関特演」を発動し、対ソ戦準備のため、在満州陸軍を35万から85万に増強、ソ満国境に集中するため大動員中であったから、スターク作戦部長などが、そう考えていたとしてもおかしくはない。

 それにしても、益井氏が書いた高津広東総領事の松岡外相宛の電報は理解に苦しむ。現地日本軍関係者の談話をなぜ本国に打電しなければならなかったのか?

 “状況に入っていない!”とはこのことをいうのであって、益井氏が書いたようにこれは利敵行為以外の何物でもない。「手柄顔に」「無知で軽率」と益井氏が書いたのは総領事の出世欲ということだろうが、私にはゾルゲ事件並みに映る。

 しかし忘れてはならないのは、ルーズベルト米大統領は7月23日付で米中間の軍事協力をより強化する方針を固め、シェノートが計画している大陸からの日本爆撃計画を承認していたことである。シェノートは「11月までに実施したい」という計画を提出していたのであったが、ルーズベルトはそれを承認していた。だが、この計画は種々の事情で実施されないまま真珠湾攻撃を向かえた。

更にルーズベルトは、7月25日に在米日本資産の凍結を公布、翌26日には、フィリピン軍を在フィリピンの米陸海軍の指揮下に編入し、マニラに極東軍司令部を開設して、最高司令官に当時フィリピン政府軍事顧問であったダグラス・マッカーサーを任命し、戦時体制を強化していたのである。

 英国政府もこれに合わせて7月26日に在英日本資産を凍結し、日英、日印、日ビルマの各通商航海条約を破棄した。この間のことを益井氏はこう書く。
「蘭印も同月二十八日、日本資産の凍結を発表し、日本との石油協定を停止した。続いて八月一日、ルーズベルトは石油の対日輸出を禁止すれば、戦争になることを十二分に知りながら、ついに石油の対日輸出を禁止した。

 これに力を得た重慶政府は、八月八日、米、英、ソ、中の連合戦線結成を声明した。日本政府は『米国は日本が南部仏印進駐にとどめる限り、石油の全面禁輸はしないだろう』と判断していた。だが、それはあまりにも楽観的過ぎた。

 これについて近衛首相は、昭和十六年八月三日、元外相の有田八郎に送った書簡の中で、『蘭印なればとにかく、仏印進駐なれば大した故障なしとの陸海軍の見解であったが、この見通しが過まり、今回の米国の石油全面輸出禁止という危険を生んだのは遺憾』と、南部仏印進駐が、アメリカのこれほど重大な報復を受けるとは、予想もしなかった事情を説明している」

 これが、近衛書簡に代表される「日本が見通しを誤って強大な米国という『虎の尾』を踏んだ」とされる「南部仏印進駐」開戦原因論だが、果たしてそうか?
 前述したように、ルーズベルトは7月23日の時点で、既に大陸で中国空軍の一員として活動していたシェノートの“日本爆撃計画”にゴーサインを出していたし、フィリピンの戦時体制も強化している。しかも、まるで英・蘭と図ったかのように対日資産凍結を実施している。つまりこれら一連のルーズベルトの行動は、対日戦が既に彼の頭の中では「織り込み済み」だったことを意味しているのではないか? 
                      (続く)
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2.松永太郎 
  本の紹介  「9.11委員会」The Commission: The Uncensored History of the 9.11 Investigation   Phillip Shenon     Twelve 2008
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  この欄で、ご紹介した「カーブ・ボール」が、その後、翻訳され、立花隆氏の推奨もあって売れているようで、ご同慶のいたりである。今後も、いち早く、面白い本をご紹介していきたい。

本書は、9.11事件の真相を解明するために設置された「9.11委員会」のプロセスをニューヨークタイムズの若手記者が書いた本であるが、これまた抜群に面白い本である

真珠湾やケネディ大統領暗殺のような歴史的な大事件が起こると、アメリカでは、必ず「真相究明」ためと称して「委員会」が設置される。9.11の場合、ブッシュ政権は、この委員会の設置には反対していたが、世界貿易センターで夫や家族をなくした遺族からの強い要望で、結局、設置された。
このような委員会は、ご想像のように、「御用委員会」になりやすい。なんといっても、追及されるのは、時の政府である。そして、その最終責任者は、大統領である。その大統領が諮問するのであるから、自分たちに都合のいい人物を委員長に選ぼうとするのは、当然で、この「9.11委員会」の場合、ブッシュ大統領は、こともあろうに、ヘンリー・キッシンジャーを委員長に選ぼうとした。未亡人(有名な「ニュー・ジャージーの妻たち」)は、猛烈に怒り、キッシンジャーのオフィスに押しかけて「あなたが顧問契約をしているサウジの人間の名前を教えなさい」と迫った。
この場面は、本書に描かれているが、いきなり、そう聞かれたキッシンジャーがコーヒーにむせて、ソファにひっくり返る場面は、まるで映画のようである。言うまでもなく、旅客機をハイジャックして貿易センターに突っ込んだテロリストの中では、サウジの人間が一番多いし、第一、首謀者とされるオサマ・ビン・ラディンは、サウジ第一の富豪の息子である。本来、アメリカが報復すべきなのは、サウジであろうが、映画「シリアナ」の原作者で元CIA工作員のロバート・ベアが言うように、ワシントンは上から下まで「ペトロダラーの還流」で汚染されているので、そうもいかない。

この場面に限らず、本書は映画化すれば、おもしろいだろう。クリントン大統領の安全保障補佐官だったサンディ・バーガーは、自分の時の機密文書を閲覧しながら、まずいところを破いてポケットに突っ込んでしまう。まるでTVドラマ「24」そのものである。
ブッシュ政権で格下げされたカウンター・テロリズム主任のリチャード・クラークは、公開の委員会で「われわれは、任務に失敗した。お詫びする」と遺族に詫び、遺族は泣いて許す。こんなのも、映画ならクライマックス・シーンであろう。

しかし、何といっても本書の主役(悪役)として際立つのは、委員会を実質的に牛耳った調査主任フィリップ・セリコウと、それを影から操る大統領補佐官コンドリーサ・ライス、そして「ダースベイダー」とまで言われたホワイトハウス政治顧問カール・ローヴである。ゼリコウは、絵に描いたような出世主義者の気取った国際政治専門の大学教授で、ライス補佐官の子分、委員会のスタッフから蛇蝎のように嫌悪されている。
ライス補佐官は、ご承知のとおり国務長官にまでのぼりつめ、今やアメリカの外交を握っている。本書によれば、ライス補佐官は、あまり言葉に巧みでないブッシュ大統領の意のあるところをたちまち華麗な修辞を用いて表現する特殊な才能がある、というから、ほとんど魔女である。黒人女優のハル・ベリーに老け役をさせればどうだろうか。
カール・ローヴは天才とまで言われた政治戦略家で、パパ・ブッシュに依頼され、息子が大学生のときから面倒を見ている。政敵を倒すには、どんな手もいとわない。映画であれば、ローヴは、体形から何から、フィリップ・シーモア・ホフマンがぴったりである。

この連中が、影から「委員会」を操り、ブッシュ政権にマイナスの材料は一切出さないようにする。それでも、委員会の調査スタッフたち、そして「貴族的」で「アメリカの保守の良心」といわれるような元知事の委員長のトム・キーンらは、抵抗する。本書のスターで、善玉は彼らである。トム・キーン委員長は、「シリアナ」のクリストファー・プラマーがぴったりである。

この委員会が調査している間、ブッシュ政権はイラク戦争に踏みきる。ゼリコウは、ホワイトハウスの意を受けて、なんとかイラクとアルカイダのつながりを報告書に記載しようとするが、ないものはないのは、有名な「WDM」(大量破壊兵器)と同じである。お詫びのしるしにゼリコウは、イラク戦争を正当化するペイパーをライス補佐官に依頼されて書き、ブッシュ大統領の演説に使われる。

それでも「9.11委員会」の「報告書」は、マスコミを始め、各方面の絶賛を浴びた。特に絶賛したのは、サウジ大使館だったらしい。

本書が出版されると、悪口から何からみんな書かれてしまった委員会のスタッフや、悪役にされたゼリコウ(その後、ライスの引きで国務省顧問に出世した)は、抗議し、ワシントンではちょっとした騒ぎになったそうである。アメリカの記者の取材力は、桁が違いすぎる。
ゼリコウ役は思いつかないが、この本は映画化してもらいたいものである。脚本は、ポール・ハギスか、「トラフィック」のスティーヴ・シャガンがいいと思う(と勝手なことを言ってみたくなる)。
の仕方が、教育その他さまざまな分野で取り入れられるようになるだろう、と思っている。そのとき、ある種の革新が起こるだろう。

松永太郎;
東京都出身 
翻訳家、多摩美術大学講師、レモン画翠社長
主訳書「進化の構造」「イカロスの飛行」他。
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◎関西零細企業経営のオッサン 悔し涙を流すの記 (11)      
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2008.05.30
Gエイトサミットの露払いの一つ環境相会議が5月24日から26日まで神戸で開かれた。
人類の環境破壊は今後ますます進み、何れ人間の住環境としての地球は破滅するのだろうがどうも僕の存命中はそこまで行きそうには思えないし、仮にそうなったとしても僕だけじゃない、ゴキブリ以外地球上の生きとし生けるもの全てが一緒に破滅するのだから、それ程怖いとも感じない。
と言うわけで環境会議は度を重ねても実際の効果はさっぱりで、環境ビジネスなるもののみが周りで盛んに踊っているのが現実だ。
つい最近アルバニヤの出張から帰ってきた友人の話では、自由化後も依然として貧しい首都ティラナの街は道路も一部が舗装されている程度であるにも拘らず街路添いは連なって車が駐車されていて、その殆どがベンツなのには驚いたとの事。
調べてみるとEUで排気ガス規制が厳しくなりドイツなどの車のオーナーが新車種に買い替えざるを得なくなった結果、安い中古のベンツがどっとアルバニヤに雪崩れ込んだということらしい。
何の事はない、排ガス規制強化が車の数を増やす結果になっているだけだ。
会議期間中神戸では環境団体の抗議テロでも警戒したのか夥しい数の警官を配置して警備を敷いていた。そうとは知らない僕は其の週末オンボロではあるが20年の風格をもつヨットで息子や友人達と4人でクルージングを楽しんでいた。無駄な空港の代表格とも云える神戸空港島周辺に差し掛かった途端、五隻のコーストガード艇に取り囲まれてしまい、停船を命じられ2名の水上警察官が乗り込んできた。当方4人の内1人が白人だったので遠くから望遠鏡で見れば格好の国際テロリスト工作船に見えたのだろう。降り出した雨に濡れながら其れから何と5時間沖合いを漂いながら入れ替わり立ち代りの事情聴取が続き、漸くテロリストとは何の関係も無い事を納得したのか、最終的には艇長たる僕の無免許クルージング(ヨットに船舶免許など全くナンセンスで、僕の免許は8年前に期限切れのまま放っていた)に対する行政処分で後日出頭すべしとの御命令を頂く結果になっただけである。
何れにせよはた迷惑な環境会議と過剰警備のパーフォーマンスである。一体全体、地球環境改善にこれ等パーフォーマンスをどうやって結びつける事が出来るのか、恨みを持って注視したい。了
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次回の配信は6月4日(水)を予定しております。どうぞお楽しみに!
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