食品偽装に消えた年金!「人気メルマガ発行者」が鋭く斬り込むNEWS評論!【投票は28日迄】
トップ > マネー・政治・経済 > 政治・経済 > 甦れ美しい日本

甦れ美しい日本 第161号

発行日時: 2008/2/27

□□■平河総合戦略研究所メルマガ■□□(2008年2月27日 NO.161号)

  ☆☆甦れ美しい日本☆☆

☆・・・・私たちは書きたいから書くのです・・・・
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆文化・芸術・映画・味覚などは水曜日発信となりました。

< 目次 >
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
──────────────────────────・・・・・☆
◎奥山篤信の映画評論 

1.フランス映画「裏切りの闇で眠れ原題: TRUANDS/CRIME INSIDERS」 ☆
2.カナダ 映画「KAMATAKI -窯焚-  原題: KAMATAKI」☆
3.ドイツ/オーストリアドキュメンタリー映画「いのちの食べかた 原題: UNSER TAGLICH BROT/OUR DAILY BREAD」 ☆☆   

◎奥山篤信のDVD映画評論 
1.DVD映画評 将軍の娘 エリザベス・キャンベル(1999) 原題 The Genral’s Daughter ☆☆☆
2.DVD映画評 ハンテッド 原題  The Hunted ☆☆ 2003

◎興亜観音を詣でる 藤岡知夫

◎阿嶋彩子の料理つれづれに (26)<雛祭のご馳走>

◎廸薫の「タカラジェンヌが日本舞踊家になったわけ」其の十三「今更ながら日本文化・・・のお話」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
超・映画評 愛と暴力の行方」扶桑社 発売中 http://www.strategies21.org/leonessa.htm
アマゾンでお買い求めできます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
------------------------------------
◎奥山篤信の映画評論 
----------------------------------------------------------------------
1.フランス映画「裏切りの闇で眠れ原題: TRUANDS/CRIME INSIDERS」 ☆
----------------------------------------------------------------------
フランス映画のフィルム・ノワール(黒い映画)と言えばジャン・ギャバン、アラン・ドロン、リノ・バンチェラの犯罪映画である。このころのフランス犯罪映画は男の仁義やどんでん返しなど、根底には人間のモラルや男の美学が血なまぐさい犯罪の中にもキラッと輝くものとしてあった。

一昨年のフィルム・ノワールの流れをくむ「あるいは裏切りという名の犬」を見て、その復活を喜んでいた一人である。
この映画全日本で新宿の一館だけで封切られた。楽しみに行ったが、全く期待外れであった。かって「スパイ・バウンド」にてモニカ・ベルッチを起用して悪くないスパイ映画を監督したフレデリック・シェンデルフェールの監督作品である。

何がダメか!往年の美学やモラルが皆無なのである。すべて裏切りの連続、人間の信頼やマフィアの掟などといったものが全く存在しないのである。血なまぐさい殺しとリンチ、金のための裏切りだけである。それは獣に過ぎず、これでは観ていても心に訴えるところが全く皆無なのである。かってのジャン・ギャバンのあのギャングの親分の風格と美学がなつかしい。

ひとつだけ目立った男優がいた。主演の殺し屋フランクを演じるブノワ・マジメルである。長身でプーチンを洗練された顔であり、青いジーンズの上にジャケット、そして長めのカシミアのコートを粋に着こなしている。上下スーツを着てもダンディであり、そのサングラス姿が女性ファンを悩殺するのではないかと思う。アラン・ドロンが自己陶酔型ナルシストであったが、このマジメルも劇中自分の顔を眺める場面数回、殺しをここまで美しく清潔に行い、そして最後はアフリカセネガルは高跳び、全てが計算された金だけが全ての現代っ子そのものである。

最後のエンドロールで出てくる英語の唄がギャングの世界の孤独と無慈悲を歌っているが、これがなんと60年代の伝説女神そして最近では「やわらかい手」で熱演したマリアンヌ・フェイスフルであることを気づいた観客は僕以外皆無ではないだろうか。
----------------------------------------------------------------------
2.カナダ 映画「KAMATAKI -窯焚-  原題: KAMATAKI」☆
----------------------------------------------------------------------
これほど薄っぺらな日本文化への観察と侮辱映画はない。クロード・ガニオンなる監督であるが、彼の浅はかな日本知識、まさにそれはかっての芸者やハラキリに通じる世界であり、また現代日本人が自国への理解も実は残念ながらこの程度のものであることも事実だ。

最低最悪の映画である。

観てても腹が立つほどの不快な仏頂面をし続ける自殺未遂の日系カナダ人の青年が、親類の計らいで信楽にやってくる。そこには亡くなった父の兄が陶芸の窯を持っている。藤竜也扮するこの琢也というのがこの青年に優しく人生を教え、陶芸の中に日本人の心を見出すように説いていく話であるが、これがちゃんちゃらおかしいのである。

今様にセックス、レスビアン、それがもう70近い、いやに未だに性愛に未練がありげな吉行和子扮する家元のレスビアンやら青年との抱擁まで含めているのだから、日本文化はまるで性の乱舞から発展しているような誤解を与える。冗談ではない!琢也の繰り出すセックスとは真剣な色恋でもない単に銀座のママとの浮気程度のセックス遊戯に過ぎないのである。少なくとも陶芸家、それは通常変人でもあり、世を疎んじて山村に住む日本の美学を寡黙なまでに取り入れた芸術家であって欲しいものだが、そこらの俗人、サラリーマンと変わらないのでる。

青年と同様アメリカから陶芸の修行に来ている白人女性、これが日本語を話すどっかのクラブのロシア系娼婦の品のなさと爛れた裸体。この青年と窯場で痴態を繰り広げる汚らしさ。流石に師匠よりここは神聖な場などと、この言葉こそ軽薄そのものであるが、注意されたものだ。

そこのカナダ人よ!日本文化も精神もわからずに、日本映画人の軽薄低能の輩の意見を聴いてこういう映画を作ると恥をかくことを思い知れ!
----------------------------------------------------------------------
3.ドイツ/オーストリアドキュメンタリー映画「いのちの食べかた 原題: UNSER TAGLICH BROT/OUR DAILY BREAD」 ☆☆   
-------------------------------------
これがドイツ人の感覚か!鳥や豚や牛が人間の食材として育てられ加工される様子をカメラは説明もなく無言で追う。今や農業も屠殺も大規模な機械設備で行う。かっては家庭の庭で飼った鶏に卵を産ませるとかつぶすなど懐かしい。動物を人間と手で殺めるのか、機械装置にて殺めるのか、どちらが残酷なのか分からないが、あまりにも流れ作業になると動物の人格など想いを馳せてしまう。

プラント内で人間は無感覚な表情で機械ができない人間の手でないとできない作業を大型ナイフで持って行う。ある時は鳥の首を刎ねた首の回りを揃える工程、ある時は豚の足を無造作にちょん切る風景、豚や牛の内臓を機械が切った雑なところを清掃するなど、気の弱い女性や子供は卒倒するほど強烈であり灰汁が強い。鳥などひよこから雄雌を鑑定してベルトコンベヤーで分類、そして育てた上、頭をちょん切り逆さ釣りで流れ作業。豚は散々穀物を食べさせた後、片足を逆さずりにして刑場へ、そこで腹を電気メスで掻き開き胴体を二つに分けて、中の臓物を取り出す工程、作業する男性や女性たちの虚ろな眼が特徴的である。傑作なのは種牛の哀れなこと、メスに乗っかり発情し、いざ挿入というところで残念でしたとばかり、挿入どころか人間が精子を機械で吸い取って御終い、哀れで笑えない場面である。いつか自然の神は人間に天罰を与えるであろう。

僕たちが毎日食べている食材、それは穀物でも動物でも、今やコスト的効率を求めて大規模生産が行われる。ひな鳥や子豚がベルトコンベヤーで追いやられ、鶏が棚から頭を出して泣き叫ぶ風景、これはもう強制収容所を連想してしまった。ドイツ人ニコラウス・ゲイハルター監督の作品である。それにしてもなんと美的感覚皆無で美意識のない、見たくもない画面を汚らしくリアルに描く監督であろうか!残酷さが自嘲的でユーモアで包み込めばもっと面白い作品ができただろう。
----------------------------------------------------------------------
◎奥山篤信のDVD映画評論 
----------------------------------------------------------------------
1.DVD映画評 将軍の娘 エリザベス・キャンベル(1999) 原題 The Genral’s Daughter ☆☆☆
----------------------------------------------------------------------
アメリカの現代小説家ネルソン・デミルは僕は今完全に嵌っている。まず「ゴールド・コースト」そして「誓約」を最近読んだ。前者はロング・アイランドのWASPの最高級住宅地に突然マフィアの親分が土地を買い隣人になったことから生じる話であり、見事な構成と心理描写それにストーリーテラー性に驚愕した。そのあと後者を読んだが、これがベトナム戦争時代の米軍の残虐行為を題材に軍法会議など描いている。これもデミルの天才素質であるが、小説の多重性なのである。垂直的水平的展開を走らせながら読者を惹き込むのである。デミルはロング・アイランドの住民でありWASPでもある。かつベトナム戦争を経験しているので軍隊内部の色々な組織上の問題などに知悉している。この映画の原作もデミルであり、小説の前に映画を観ることになった。

ジョージア州陸軍マッカラム基地での基地内での「猟奇殺人事件」のごとく全裸体で発見された女性大尉エリザベス・キャンベルの事件をたたき上げの陸軍CID(犯罪捜査部)のポール(ジョン・トラヴォルタ)が追う。マデリーン・ストウ、ジェームズ・ウッズなど御馴染の俳優が出てくる。意外な展開は流石原作のデミルならではといえる。
---------------------------------------------------------------------
2.DVD映画評 ハンテッド 原題  The Hunted ☆☆ 2003
----------------------------------------------------------------------
かって特殊部隊教官であったL.T.(トミー・リー・ジョーンズ)のところへ連続殺人事件の捜査依頼がくる。それはかっての教え子ベニチオ・デル・トロの手口であった。
コニー・ニールセンが女刑事として出ており、結構アクションものとして面白い。「フレンチ・コネクション」の監督ウィリアム・フリードキンの手法が小粒にしてもこの映画にも伺える。
------------------------------------
◎興亜観音を詣でる 藤岡知夫
------------------------------------
南京大虐殺などという事件をでっち上げられ、それをネタに、支那事件の最高責任者であるという理由でA級戦犯として処刑された、松井石根大将の人格と行動を文献について調べ、更に未だ公開はされていないけれども、最近完成した「南京の真実」という映画の試写会を観て、松井大将に対する尊敬の念が深まった。
支那事変は蒋介石の軍隊の中に秘密で隠れていた共産党分子、具体的には劉少奇等が蒋介石と日本を戦わせようとして行った陰謀であることも明らかになっているが、関東軍の一部将校など若干例外はあったが、日本全体としては早く支那との戦争を止めたかったのに、その都度共産党のスパイに邪魔をされ、挑発され、戦線は拡大して行ってしまった。そして南京を陥落させるまで、日本でも23,104人、支那でも恐らくそれ以上の数の兵士が戦死したことを、松井大将が悲しみ、支那での最大の激戦地、南京近くの大場鎮の粘土を10樽日本に送らせ、その土と日本の土とを混ぜ合わせ、戦死者を悼むと同時に永遠の平安を願い、観音像を焼いて作らせた。それを興亜観音と名付け、熱海の伊豆山の山中に置いてあると聞き、2月16日に観に行ってきた。
熱海駅に10時半頃に着き、レンタカーで、地図で調べた海岸沿いに車を走らすと、5分余りで国道に「興亜観音前」というバス停がある。その横に車が一台やっと通れるほどの道の急坂をどんどん上がって1000mほど行くと車止めがあり、コンクリートで舗装はされているが、細い山道となる。入口に興亜観音と書いてあるが、掃除道具などが置いてあり、道は美しく清掃されている。途中に東屋もあり、小高い山上から見る熱海の海が誠に美しい九十九曲折れの道を10分ほど登ると、崖を背に3mほど石積みをして、その上に3mほどの像高の赤茶色の聖観音がすっくと立って居られた。
これが興亜観音である。当時の第一流の陶芸家柴山清風の製作で、顔立ちは白鳳時代、薬師寺の聖観音や法隆寺の夢殿観音、或いは新薬師寺夢違観音や鶴林寺聖観音などに似て、キリッと引き締まりながら、口元に微かな笑みを浮かべ所謂アルカイックスマイルの顔立ちである。そして手を合わせて拝んでいる目線の先は、激戦が行われた支那の南京の方向を向いているのだそうである。
興亜観音の数米先に二つの大きな碑があり、一つは興亜観音のいわれを書いたもの。もう一つの大きな碑は七士之碑で、七士とは東京裁判でA級戦犯として処刑された東条英機等7人のことだそうで、吉田茂の揮毫である。そしてこの碑は横に三つに割れていて、それをコンクリートでつなぎ合わせてある。
これは赤軍派華やかなりし頃、彼等によって爆破され、割れたのでつなぎ合わせたのだそうである。赤軍派は現在は消滅してしまっているようであるが、アルカイーダの前身ともいうべき連中が日本から発生したことを心から恥じたい。
興亜観音は日本人だけでなく、敵であった支那人の戦士も同時に祀ってあるという点が、日本人と支那人との精神の高潔さの基本的な差である。
A級戦犯7人に死刑の判決を下した昭和23年12月23日は、殊更に皇太子の誕生日が選ばれた。そしてその遺体は日本に返すことはなく、通告もせずに、その日のうちに保土ヶ谷の焼却場で焼却してしまったのである。
大天才モーツアルトもその死は悲惨であった。妻のコンスタンツェが遊んでいる間に死体は共同墓地に持って行かれて、多数の他の死体と一緒に埋められてしまい、モーツアルトの墓地は世界のどこにもない。
しかし七士の場合はその時の当事者が日本らしい素晴らしい行動をとってくれた。七士の弁護人であった三文字正平氏等が焼却場の場長に連絡を取り(勿論当時の占領軍の支配下にあった焼却場なので、日本人は誰も関与することが出来なかった)、焼却された七人の遺骨は占領軍がごちゃ混ぜにして箱に入れて持って行ってしまったが、若干の骨が箱に入り切れず、それを袋に入れてコンクリートの穴に捨てていったことを確認し、三文字氏等は全身真っ黒なオーバーを被ってその火葬場に忍び込み、教えられた場所の骨を拾い取って骨壺一つ分持ち帰った。そしてその七士の遺骨は碑の下に眠っている。
それにしても戦争犯罪人として勝手な法律を作って、勝手な判決を出して、自分達の非業は棚に上げ、日本人を処刑してその遺体も返さずに勝手に焼却して捨ててしまうとは、アメリカ人とは何と酷い連中であろう。
日本人なら絶対に出来ない事だ。そしてこの酷いアメリカを指揮した大将ウォーカー中将は、2年後朝鮮戦争に於いて、七士が処刑された丁度2年後の昭和25年12月23日、朝鮮戦争の指揮をしていて、自動車事故で死んでしまう。正に同じ日で、さすがアメリカ人も気味悪がったのであろう。ウォーカーの副官が、その後熱海に来て、この興亜観音と七氏の墓を詣でたそうである。それからがまた日本人だ。
興亜観音の横には松井石根大将がお堂を建てて、新潟県十日町から日蓮宗の僧侶伊丹忍礼士が来て住まい、毎日供養していたのだが、誰でも死ねば仏である。七士を死刑にした敵国人であるとは言えども、朝鮮戦争で死んだのであれば、これは仏であると言って、卆塔婆を建てて供養をした。その卆塔婆は昨年まで残っていたのだが、残念なことに大雨で壊れてしまって、現在はないが、七士を処刑した米軍のウォーカーも一緒に祀られていることには変わりはない。
ところで私がここに詣でようとしたら、小柄な老婆がやって来て、色々説明をしてくれた。松井大将が連れてきた伊丹士の娘さん、妙浄尼であった。
興亜観音の上手に小さなお堂が建っていて、そこには松井石根大将の写真や生前の軍服、外套などの他に、阿弥陀如来と1mほどの興亜観音と同じ姿のミニチュア判の仏像、大東亜の八興一宇を願った油絵であるとか、色々なものが並べてあり、なかなかの見物である。そして興亜観音の下手にも小さな庵があり、前の住職が寝起きに使っていた場所で、現在はこの妙浄尼が使っているのであろう。そしてこの老尼は毎日、興亜観音の周辺及びその参道などを掃き清め、お守りをして居られる。
誠に美しい話であると思いませんか。心ある方は是非興亜観音を詣でて下さい。心が洗われます。

藤岡知夫(ふじおか ともお);
昭和35年慶應義塾大学工学部電気工学科卒
昭和40年同大学院工学科博士課程終了 工博
昭和54年同大学教授に就任
平成2年東海大学開発技術研究所教授に就任
平成6年東海大学理学部物理学科教授に就任
平成12年財団法人応用光学研究所理事長に就任
専攻 レーザー工学 レーザー物理学
著書に
「レ−ザ−がひらく21世紀」(三田出版会、1990年)
「光・量子エレクトロニクス」(オ−ム社、1991年)
「オプティカルパワ−」(裳華房、1994年)
趣味の蝶関係では「日本産蝶類大図鑑」(講談社、1976年)
「蝶の紋」(河出書房新社、1973年)
「日本産蝶類及び世界近縁種大図鑑」(出版芸術社、1997年)など13冊。
------------------------------------
◎阿嶋彩子の料理つれづれに (26)<雛祭のご馳走>
------------------------------------
お雛祭の日にはお雛道具にあるように、足付膳に五つの器を載せて、其々の器にしきたりの種類の品を入れてお雛様にお供えをして、お雛飾りのある部屋で楽しい食事をする。桃の花や菜の花も飾り雛あられや菱餅も供えて、華やいだ雰囲気になる。足付膳は子供のお食べ初めの時に使うお道具としてこの形式が今日でも残っている。

幼い頃は広い和室に赤い毛氈(もうせん)が敷かれ、足付膳が個々の人の前におかれてお椀の中にはハマグリのお汁、フタ物には春野菜の炊き合せ、平椀には鯛の焼き物、菜の花の胡麻和えや桃の花の綺麗な模様付きのかまぼこ、そして散らし寿司があり、嬉しい一時であった。

ハマグリを使うのはこの貝の持つ特徴にある。この貝殻は元の上下二枚の貝以外の貝とは組み合わされない事から、良い伴侶にめぐり合えるようにとの願いが込められていると聞く。このような理由から「貝合わせ」という遊びで、上下の二枚の貝の夫々に綺麗な絵が描かれている貝を合わせる優雅な遊びもあり、平安時代から始まった雛祭の優美が偲ばれる。

ハマグリは洋風にはクラムチャウダー、和風にはお汁、和え物、鍋物、佃煮などに使い、なかなか風味豊かな食材である。私はお鮨やで食べる煮濱が好物でいつも注文するが、この味はお鮨の中でも格別に日本的だと何時も思いながら食している。佃煮もまたハマグリの味わいが一層凝縮された感がして、暖かい御飯や日本酒との相性は抜群である。

春野菜は心浮き立つ思いがする。中でも菜の花は春の象徴のような気がして、雛祭メニューには欠かせない一品である。年中手に入る根菜類でも春のものは柔らかく甘みがあり、少々アクが強いものがあったりして若者のような旬を感じる。

散らし寿司は特に決りはなく家によってはナマのお刺身を入れ、又乾物のみを混ぜてから上に金糸卵とさやえんどうを飾り紅しょうが添えをする家もある。
私は焼きアナゴを細かく切って山椒の実とレンコンを刻んで酢飯に混ぜ、上にエビと鯛の昆布締めと三つ葉、金糸卵やいくらをのせるのが好みである。見た目にも華やかで桃の節句という雰囲気である。

お雛様にはお白酒であるが、このお白酒は蒸した餅米と味醂又は米麹と焼酎を加えて数週間おき、それを臼で挽いたものらしい。特に美味しいとは思わないが、江戸時代頃から雛祭のお供えに使ったと聞く。

お雛祭りの食事は昔から特に決まり事はないらしく、夫々の家で伝わるお雛様を囲み、可愛い女の子の無事と成長を願って、優雅な気持ちで楽しんだ家行事だった。主婦が働いていたりする今日ではこのような年中行事は中々用意が大変であろうが、出来る範囲でお雛祭も行って欲しい。日本に伝わる情緒文化だと私は思っている。
------------------------------------
◎廸薫の「タカラジェンヌが日本舞踊家になったわけ」其の十三「今更ながら日本文化・・・のお話」
------------------------------------
ここ2,3日吹き荒れている風も、何処と無く春の気配を感じる柔らかな風になって参りました。
以前、調度今の時期に山間で、うぐいすが啼く練習をしているのに偶然居合わせた事がありました。うぐいすは最初から「ホーホケキョ」と普通に啼くと思っていたので、最初耳に飛び込んできた「ホケ・・、ホケ・・」と苦しげに啼いている鳥がうぐいすだとは全く気が付きませんでした。ところが暫く耳を傾けていると「ホケ・・・、ホケ・・、ホケキョ・・・」と進化しだしたので、あ〜、うぐいすなんだと気が付き、その「あれっ、上手くなけないなぁ。どうだっけ?よ〜し!もう一回」とでも言ってそうなその滑稽な愛らしさに思わず微笑んでしまいました。それから何とかうぐいすらしく啼けるのには暫くの時間を要しましたが、最後に「ホー、ホケッキヨウゥゥゥッ!!!」と叫びに近い啼き方をしたのには大爆笑でした。「やった!!」といわんばかりの、どんなにか誇らしげな顔をしているかと思うと笑いが後を引いて、何年も経った今でも思い出し笑いをしてしまいます。
生物学的に言うと「ホーホケキョ」が接近する他の鳥に対する縄張り宣言、「ケキョケキョケキョ」が侵入した者への威嚇であるとされているそうです。と言うことは、うぐいすの啼き声を通訳すると「こらこら、そこの侵入者、ここを何処だと思ってるんだ!オイラの縄張りに入るな!!」・・と云ってるわけですね・・・・・。何だかロマンチックじゃないですね〜。矢張り真実というものは、時と場合に寄っては覆い隠されていた方が良い時も有るのかも・・・です。

ところで先日踊り初めが有り、その「うぐいす」・・・春まだ浅い今の季節にぴったりの清元「うぐいす」(作詞 池田!)子/作曲 清元寿兵衛)を踊って参りました。

うぐいすの 笹鳴き初めし軒の梅 
囲いの内は松風の たぎる思いをしっとりと
袱紗捌きに紛らせて 濡るる柄杓の湯加減も 
ほんに嬉しい人来鳥

たったこれだけの短い歌詞、踊りにして8分程の演目の中に、恋を知り始めた一人の乙女が、お茶室に篭りお茶を点てて心を落ち着かせようとする様子、乙女の恋心が巧みに詠み込まれており、恋の予感に心をときめかせる主人公を早春の肌寒い季節や、硬い蕾の梅の花、うぐいすの「ささ鳴き」に擬えたりしています。つまり、乙女は硬い蕾の梅であり、覚束ない啼き声のうぐいすであり、早春の季節そのものなのです。唄の最後に出てくる「人来鳥」(ひとくどり)はうぐいすの別称で、「人来鳥」に象徴された「まだ見ぬ愛しい人」が来る、現れる事を、心待ちにする乙女の初々しい姿で幕が閉じます。歌詞には「松風」や「袱紗捌き」「柄杓」等、茶の湯の言葉が多く使われていますが、ただ言葉として使われているだけでなく、その歌詞の複線に読み込まれている乙女の情感を、どう表現するかが踊り手としても面白いところなのです。
その全ての要素は、着物の色や模様、帯とのバランス、帯の結び方、扇子の模様等、身につける衣裳や小道具を選ぶ時にも大切な要因となり、選びながら舞台は本当に和文化の総合芸術だなと実感させられるのです。今回私は、早春をイメージするうすい黄緑色地一面に枝垂れ梅の描いてある着物に、すっきりと金地の織帯を一文字に結び、帯揚げ帯締めを白で統一し品格のある雰囲気を出し、梅の花の描いてある金の扇子を持って踊りました。

このように日本舞踊の歌詞の中には、例外なく必ず季節や和の文化のキーワードが入っており、その言葉を聞いた途端その季節や場所の空気感や温度感が、それぞれの経験の中から蘇って来る、本来そういったもののはずなのです。が、世界に誇る美しい文化や四季を宝の持ち腐れにしている今現在の日本には、その経験や感性の部分を持つ人が少なくなって来ています。茶の湯の経験の無い人や「梅にうぐいす」のようなお決まりのような物さえピンと来ない人には、この歌詞の世界の情景を想像することは不可能でしょうし、説明しても落語の落ちを説明するのと同じ位、面白みの無いものになってしまう事は否めません。和の文化に関する阿吽の呼吸、暗黙の内の了解等と言う類の物は、何処かの年齢層で完全に断絶しているように思えてなりません。
現代の生活からは掛け離れてしまった、失くしてしまうには余りにも勿体無い日本の文化を守り、伝えていくためには、美しい物を美しいと思える感性から育てていかなくてはならない所まで来てしまったのかと思うと、もう手遅れなのかなあ・・・、と正直な所、余りにも非力な自分に暗澹たる気持ちになる事も・・・・。
願わくば日本人としてのDNAがまだ死に絶えずに残っていて、どこかでその感性の琴線に触れることの出来る物や、出来事にであって欲しいと心から思います。形、色、音、匂い、味、動き・・・。それが何であるか、個人に寄ってきっかけになる物は違って当然ですが、日本人である以上何かきっとあるはずなのです。
「欧米か!!」ではないですが、欧米という異文化の色の下にすっかり塗り込められて、今息を潜めてしまっているとしても、私は本来有るべき日本の色が日本人の心のどこかにある限り、いつかきっと蘇ると信じでいます。だから私は日本の色に身を包み、日本の音に突き動かされて、日本の踊りを踊り続けたいと思うのです。

<参 考> 
●「笹鳴き」 冬にうぐいすが舌鼓を打つようにチチと鳴くこと。[季]冬。 
●「軒の梅」 軒端に咲く梅の花のことで、部屋の中に漂う仄かな梅の香りを初々しい乙女の心に喩えている。
●「囲い」  〔広い部屋の一部を囲って茶席としたことから〕茶室。
●「松風」  茶の湯で、釜の湯の煮え立つ音。
●「袱紗」  (「帛紗」と書く)茶の湯で、道具をぬぐったり盆・茶托の代用として器物の下に敷いたりする絹布。
●「濡るる」 濡れると言えば例外なく恋愛、または情交の世界のこと。
●「湯加減」 湯の熱さの具合。ここでは乙女の熱い思い。
●「人来鳥」 うぐいすのこと。ほかに春告鳥、匂鳥、黄粉鳥、花見鳥、経読鳥などと異名が多い。


★ ニュース 開店「さくら文庫」 ★

   日本伝統文化・芸能関連書籍を集めました。
   ご来店は下記アドレスから。

「さくら文庫」 http://astore.amazon.co.jp/odorimangekyo-22 

目指せ平成見返り美人!!
★ 美しい所作と着付けのコツ講座 ★

着付け教室では学べない!!美しい立ち振る舞い=所作(しょさ)のコツ
入学式、結婚式、同窓会など・・・  今ならまだ間に合う!

着物を着慣れている人って、どうして素敵に見えるのでしょうか?それは、着物を着た時の美しい立ち振る舞い=所作(しょさ)のコツを知っているからなのです。
洋服の時と同じ歩き方や立ち方をしていても、着物が奇麗に見えないのは何故?着崩れしたらどうして直すの?苦しくない着方って有るの?・・・等々、あなたの疑問にもお答えします。さあ今年こそ、あなたも平成見返り美人を目指して、本当に美しい着物姿を身に着けませんか?

1) 着崩れが無く苦しくない着物の着付けが自分で出来る様になります。
2) 実生活の中で、着物姿がより美しく優雅に見える立ち振舞い(所作/しょさ)のコツをご指導いたします。
3) TPOに合わせた組み合わせや種類など、着物の基礎知識も学べます。
4) 受講回数は自由です。ご自分が納得出来るまで、いつ、何回参加して頂いても結構です。
カップル、ご夫婦、親子での参加も大歓迎。
5) 手持ちの着物、着たい着物をご持参下さい。(浴衣でも結構です。)
6)月曜日〜金曜日の19:00〜の講座を希望される方はお問い合わせ下さい。
7)受講をご希望の方は下記事務局までご連絡下さい。 

3月・4月講座開講日のお知らせ
日 程 
3月8日(土)  /  16日(日)
4月5日(土)  /  13日(日)
時 間  !)13:00 〜 15:00 !)16:00 〜 18:00
場 所  〒102-0073東京都千代田区九段北4-3-6
(JR中央線、新宿線、有楽町線、南北線市ヶ谷下車徒歩約5分)
受講料   正 会 員   1回 ¥2,000
賛 助 会 員  1回 ¥2,500
一   般  1回 ¥3,000

お申込/お問い合わせ 
NPO法人日本人のアイデンティティを育む会紫(し)薫(くん)子(し)の会(かい)事務局
〒100-0014 東京都千代田区永田町2-9-8パレロワイヤル永田町203
TEL 03−3500−2533 FAX 03−3500−2206
E-MAIL  shikunshi21@dream.com

花柳廸薫(はなやぎ みちかおる);
NPO法人日本人のアイデンティティを育む会・紫薫子の会 代表理事 
社団法人日本舞踊協会正会員。
兵庫県神戸市出身。三歳より花柳流日本舞踊の手ほどきを受ける。宝塚音楽学校首席入学。宝塚歌劇団退団後、花柳流師範資格を取得。歴史街道推進協議会、関西フォーラムに参加したことを機に、アメリカ(ワシントン、ミネアポリス、ニューヨーク)東南アジア(インドネシア、シンガポール)にて舞踊公演を行うなど、ワークショップや文化交流、結婚式、祝賀会、レセプション等の舞踊活動を中心に、古典に基づく独自の舞踊活動を国内外で行う。平成十七年NPO法人日本人のアイデンティティを育む会・紫薫子の会(しくんしのかい)を設立。日本舞踊のみならず、日常生活から消え行こうとしている日本伝統文化に警鐘を鳴らし、啓蒙普及活動をライフワークとして本格的な取組みを始動。                                        
ご意見箱アドレス; michikaoru@hotmail.com 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
次回の配信は3月1日(土)を予定しております。どうぞお楽しみに!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
登録内容(メールアドレス等)の変更、メールニュース配信の停止は、
こちらからお願いします。
<http://www.melma.com/backnumber_133212/>
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
有限責任中間法人 平河総合戦略研究所< http://www.hirakawa-i.org >
発信元:< info@hirakawa-i.org >
掲載された記事を許可無く転載することを禁じます
Copyright(c)2005 Hirakawa Institute

 
このメルマガの読者になる
規約 
>> メルマ!の会報誌もお届けします
ブックマーク: はてなブックマークに追加del.icio.usに追加Buzzurlにブックマークニフティクリップに追加ライブドアクリップに追加Yahoo!ブックマークに登録My Yahoo!に追加Add to GoogleRSS

このメルマガを読んでいる人はこんなメルマガも読んでいます

Japan on the Globe 国際派日本人養成講座
日本に元気と良識を。歴史・文化・政治・外交など、多方面の教養を毎週一話完結型でお届けします。3万4千部突破!
週刊アカシックレコード
02年W杯サッカー韓国戦の「誤審」を世界で唯一「前日」に誌上予測し、誤審報道を「常識化」した推理作家(金正日の「遺書」で始まる「中朝戦争」後の北朝鮮...
宮崎正弘の国際ニュース・早読み
 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析
頂門の一針
急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。
花岡信昭メールマガジン
政治ジャーナリスト・花岡信昭が独自の視点で激動の政治を分析・考察します。ときにあちこち飛びます。


おすすめキャンペーン

おすすめカードローン!
オリックスVIPローンカードなら

<<年率5.9%〜15.0%、利用可能枠最高500万円>>
ゆとりのカードローンです。
お申込みはこちら⇒

はじめようメルマガ生活
メルマガを読むには
メルマガを出すには
約64000誌から検索

メルマガデータ

  • メルマガID : 133212
  • 創刊日 : 2005-02-04
  • 最新号 : 2008-07-22
  • 発行周期 : 週間
  • バックナンバー: 全て公開
  • 発行者サイト: あり
  • 読んでる人 : 6144人
  • コメント数 : 37
  • Score! : 94点
  • >> 月間ランキング

発行者プロフィール

ペンネーム :


このメルマガの読者になる

規約に同意する



このメルマガの最近の記事


このメルマガの最近のコメント


このメルマガのバックナンバー


注目情報


新着記事トピックス