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- 創刊日:2005-02-04
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甦れ美しい日本 第096号
発行日: 2006/12/9□□■平河総合戦略研究所メルマガ■□□(2006年12月9日 NO.096号)
☆☆甦れ美しい日本☆☆
☆・・・・私たちは書きたいから書くのです・・・・
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< 目次 >
◎ゲスト執筆者
1.塚本三郎 公共工事と談合(なれあい)
◎レギュラー執筆者
1.佐藤 守 大東亜戦争の真実を求めて91
2.奥山篤信 英国映画「麦の穂をゆらす風」-かけがいのない自由独立への戦い-
3.松永太郎 「大日のごとく生きる」中村公隆(春秋社) をめぐって
4.西山弘道 参院選、自民党は大惨敗?
◎図書室 「スペイン内戦:1936−1939」
The Battle for Spain: The Spanish Civil War 1936-1939
By Antony Beevor Penguin Books 松永太郎評
◎図書室 ある冤罪の構図 失われた友の名誉回復を祈ります 三村文男著 テーミス 奥山篤信評
◎映画寸評 アメリカ映画「硫黄島からの手紙」☆☆☆ 奥山篤信評
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◎ゲスト執筆者
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1.塚本三郎
公共工事と談合(なれあい)
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福島、和歌山両県に続き、官製談合事件が宮崎県安藤知事の辞職となった。
官製談合については種々論議がある。だからといって福島、和歌山、宮崎の三県の知事
の談合事件を弁護するつもりはない。
談合について
国も地方も、公共工事について、自由な競争入札が基本となっている。競争入札の制度
はベターである。しかしベストとは思われない。なぜならば、自由競争ともなれば、何れ
の世界でも強い者が勝つと見るからだ。現に大きな工事は、ゼネコンと呼ばれる巨大な建
設会社が落札していることが殆どである。それでいて、その落札した会社が、工事に責任
を負っているけれども、実際の仕事は、下請子会社、または、そのまた下請の孫会社が施
工者となっている場合が多い。通俗的表現で言えば、大手ゼネコンは、建設会社であって
も釘一本、ハンマー一丁持っていないとの風評さえある。つまり、競争入札によって、強
い情報力、信用力によって、受注を得るが、実際の工事は余り行なっていない。
従って、中、小の会社はいつも、大手ゼネコンにピンハネされて、下請に甘んじさせら
れている。これが果して公平であろうか。だからといって、下請や孫請が、手抜き工事
をしていると言うつもりはないが、その心配がある。
今日の公共事業の実状からすれば、談合による裏取引から、官庁と業者間の汚職がから
むから、談合が否定されるのは当然である。
だからといって、前述の如き、自由競争入札による、強い者勝ちのわがままが当然とみ
なして良いものか。自由競争には、それなりの理が在っても、弱者救済の手法として、良
い方法がないものか、大きな検討課題である。
公共工事について、近年建設された三つの空港建設の態様を比べてみる。
成田空港
羽田空港に航空機の離発着が集中して、折角東京上空に飛来しても、着陸許可が下りな
いから、上空で滑走路の空くまで待機させられる場合が多かった。空での待機だから舞い
ながらの待機である。何機もそのように待たされるとなれば危険この上もない。
その結果、国際線を中心に、成田への建設が進められた。
成田空港建設に伴う、土地所有農民の一部がすさまじい抵抗を続けている。それに東京
近郊の左翼学生も加わり、わざわざ応援に駆け付け、建設妨害(地主擁護)が未だに続
き、一部の開港に止まっている。その結果、建設費が増大しており、従って空港の使用
料、即ち着陸料は、ジャンボ一機毎に百万円近い(空港は建設費に見合う着陸料を払う
システムだから)。米国のロス空港は一機毎に八万円である。かくして、各航空会社は、
着陸料の世界一高いと言われる成田空港への発着を避けたがる。
関西空港
この空港は、極めてスムーズに建設された。海上への埋め立て工事で、土地所有者の抵抗
が少ないから。しかし、海上埋め立てからはじめた工事を理由に、事業費は政府計画予算
を大幅に上回り、二倍の予算オーバーとなった。従って、着陸料もまた、成田ほどではな
いとしても、過大な料金を支払わされ、評判は良くない。
中部空港
この空港は、最初から、民間会社として建設が進められた。知多半島の常滑沖で、埋め
立て工事と建設である。トヨタの子会社、関東自動車の社長・平野氏が建設に携わった。
さすがはトヨタと称賛されている。結果は政府計画予算よりも、一〇%安く建設工事を行
った。そして今日までの運営と、二本目の滑走路への拡張計画を平野社長がそのまま進め
ている。
関西空港と比べて驚くべき差である。従って着陸料は、成田空港のおよそ三分の一と聞
く。中部空港が将来の発展性を望まれる原因の一つは着陸料にある。
関西空港建設に携わった土木建設業者は、オイシイ仕事だったと言い、中部空港は逆に
シブイ仕事で、儲けが殆どなくなったとボヤク。自由競争による入札制度の参考になる。
以上、三空港の工事をみて、それぞれ立地条件が全く異なっているから、比較すること
の無理を承知しつつも、公共工事の入札制度に対する問題点を浮き彫りにしてみた。
分離発注
大手ゼネコンが大きな建設工事を受注することの独善に、真っ先に異論を出したのが電
気工事の業界であった。建築とは別の分野だと主張するこの業界は、専門的技術を要する
のに、工事の一部分だと勝手に受注して、下請に指示するのは危険だと主張した。
理由の在る処と認めて、私は電気工事業法の制定に助力したことを思い出す。
法律制定と共に、電気工事のみは、全体の事業とは別に、分離発注の慣例となっている。
この業界が中、小企業であっても、独立した資格を持ち、事業に責任と自信を持つこと
が出来ている。
一方、地方自治体の発注工事は、地元業者の入札参加が期待されている。その場合、公
平なる発注とは常に自由競争のみで良いのか。或いは順番に発注して、仕事を公平に分
け与えよとの論もある。形は自由競争になっているが、事実上、順番となっている場合
が大部分である。地方自治体の、公共事業は、最も大切で、大きな事業の一つである。
そして、建設会社は、各地方では中、小が中心である。この中へ、大手ゼネコンが割り
込むことは、事業の大小にもよるが、地元に籍を置く会社に優先させたいと思うのは行
政当局にとって、地方発展のためという理由が在る。
有力企業の少ない地方では、公共工事は大切な事業の一つである。
自由と平等は、民主政治にとっては、この分野でも永遠の課題であることを痛感する。
地方首長と地方議員
我々は、国の行政については、様々な意見や批判を持っている。とりわけマスコミは、
一定の見識の下で論評を加えているから、政府は行政の事業に関して、慎重にならざるを
得ない。常に論評と批判の対象にさらされているから。
しかも国の行政執行は、各省庁に分かれているから、監督を専門的立場から行い易い。
その上、会計検査院の検査も徹底し、さらに決算の追求も国会で重ねており、年と共に念
入りに為されつつある。その点、地方自治体はヌルマ湯の行政であり、すべての点で仲間
行政であるがゆえに、何事にも不徹底となっている。
各地方の知事や市長のポストが、激しく争われた自治体は別にして、大部分の地方自治
体の議会が、総与党体制となっているため、それ等の県や市に、問題が残されている。
府県の知事や市長は、国と異なって、その行政範囲は限定されていても、その地域内に
於ける行政の権限は絶大で、大統領制となっている。ゆえに、統治の権能が広く各部局
に亘るが為に、首長の眼が届かず、従って地方議員との情実による運営となり勝ちであ
る。
地方議員は議員としての範囲を超えて、与党の行政執行者の如く、知事や市長の下に在
る部局長へと手をのばし、行政権を共に行使する傾向が強い。
地方自治体の首長選挙が、各党の相乗り選挙となり、与党化している点に原因がある。
地方議員は、与党議員として、地方行政の行政官の如く、首長と一体の如く振舞い、首
長もまた、それが自らの便宜的方向と勘違いしている傾向に在る。
地方行政が総与党体制となっている根本には、首長選挙に勝つ為の各党議員の相乗りの
結果、与党としての行政権への関与、悪く言えば、利権という甘味が、「行政への癒着」と
なっている。議員は立法権の保持者であると共に、行政執行に対する、厳しい観察者、監
督者でなければならないはずであるのに。
次々と談合による汚職が暴露され、「天の声」とヤユされる県知事の疑惑は、検察によっ
て明白に露呈されることであろう。
知事逮捕の報告が伝えられる度に、被疑者となった知事は、こんなことは俺ばかりでは
ないぞ、他の県でもやっていることではないか、と心中怒りに燃えていはしないか。
率直に言って、検察が乗り出す前に、地方議員が実体を一番よく知っているはずだ。
なぜ君達がその前に堂々と注意しなかったのかと言いたい。
汚職に繋がるが如き天の声は、監督者であるべき地方議員の重大な権限であり、責任で
あるはずだ。知事の重大な事件に、県会議員も責任を感じるべきだと思う。
総与党体制が必ずしも誤りであると断定するものではない。しかし、地方議員の総与党
体制が、県民、市民の代表としての主たる任務よりも、行政官と一体となった「馴れ合
いの政治」となって、首長と一体化しつつある地方が多いことは、本末の転倒である。
各地方住民の中に、オンブズマンが組織化され、疑惑や不審の事実を、裁判の俎上に乗
せることも屡々ある。行政の任と、立法の任と、監督の任務が、混同された結果、地方財
政の無駄遣いを指摘している点、理由無しとしない。
談合(なれあい)は公共工事に限らない
最近の著しい傾向は、地方議員が議員としての活動の範囲を超えて、超党派で視察や勉
強の目的で、各地方への公費出張が目立つ。さらに外国への視察にまで拡大され、その
行動が、定期的化されて来て、遊山旅行として、マスコミの批判の対象とされつつある。
そのことがまた、地方首長にとっては、議会対策の安易な方法とされていはしないか。
各地方議会は、姉妹都市の提携を、各国の都市と結んで、友好を重ねることが盛んであ
る。
その行動は、地方自治体に対して、公費の無駄遣いと非難の的とされている。とりわけ
海外視察の結果、眼に見える成果が挙ったと、市民に抱かせる成果が在ったか疑問であ
る。
議員間、政党各会派のなれあいとして、公費の効率化、節税よりも、逆に無駄遣いの談
合、と化している点もまたなしとしない。
官製談合は自由経済を窒息させる。顧みれば、二十世紀は計画経済の実験室であった。
かつてソ連の産業国有化や、中国の農業集団化などは、マルクス・レーニン主義者の憧
れの的であった。英国でも産業の一部は国有化された。
しかし、それらはすべて失敗に終わった。ソ連は崩壊し、中国の集団農場も見る影もな
い。政治も、経済も、自由に勝るものはない。その裏をくぐらんとしている官製談合は、
民の仕事を官僚式に戻そうとする一歩となるから、眼をそらすべきではない。
一方、自由経済は弱肉強食という、重大な欠陥を蔵していることも事実である。しかし、
その欠陥を、様々の手法で治癒していくことが、今日的な課題である。
平成十八年十二月上旬
塚本三郎;
愛知県名古屋市に生まれる
鉄道省名古屋鉄道局に勤務し、県立中学校(夜間)に入学
終戦とともに労働組合運動に従事
運輸省に転勤し、中央大学法学部(夜間)に入学
国鉄を退職し、中央大学法学部卒業
昭和 33年 挑戦4回目にして初当選し、昭和生まれ初の代議士
(日本社会党所属)となる(以後当選10回)
昭和 35年 民社党結党に参加
昭和 49年 民社党書記長に就任(国鉄改革・電電公社民営化に取組む)
昭和 60年 民社党中央執行委員長に就任
平成 元年 民社党常任顧問に就任
平成 9年 「勲一等旭日大綬章」を受章
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◎レギュラー執筆者
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1.佐藤守
大東亜戦争の真実を求めて91
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少々本題を外れるが、12月8日の開戦記念日を迎えて、産経新聞が「真珠湾への
道・日米開戦65年」という7回連続の「正論」を掲載した。
第1回は京大教授の中西寛氏が「4つの『跳躍』が導いた戦い」と題して書き、
第2回は岡崎久彦元タイ大使が「非凡な2人が切った片道切符」、第3回は佐瀬昌盛
元防大教授が「三国同盟の熱狂と罪」、第4回は帝塚山大名誉教授の伊原吉之助氏が
「衝突不可避へ7つの契機」、第5回は防大校長の五百旗頭真氏が「色眼鏡越しの冷
たい眼差し」、第6回は評論家鳥居民氏の「開戦に踏み切らせた小さな意思」、最終
回の第7回目はノンフィクション作家の上坂冬子氏が「時代の趨勢と全体主義の“快
感”」との題でそれぞれの立場から書いている。
中でも面白かったのは鳥居氏の論文で、「戦争回避の道筋」「永野修身の本心」「近
衛文麿の悩み」「木戸幸一の私心」と本文を4つに分けて論じているが、とりわけ最
後の木戸幸一の私心の部分は、それなりに説得力があった。
「日本が敗北する恐れのある軍事的冒険を絶対に避けることを第一に考えるのが責
務」であった木戸は、「閣内不統一に直面した近衛の求めに応じ、天皇に向かって、
中国からの撤兵はいまや不可避でありますと奏上し、陸軍大臣に中国撤兵反対をや
めよとの御錠をいただきたいと言上しなければならなかった」が、それが出来なか
ったのは「木戸幸一の小さな私心にあった」というのである。
その私心とは、「中国からの撤兵となれば、その戦いを拡大してしまった陸軍首
脳の責任が追及されよう。彼らは昭和11年におきた二・二六事件後の粛軍の実行
者でもあった。彼らが行った粛軍の基本方針を定めたのが、当時の内大臣秘書官長、
木戸だった。彼は、その責めを追及されるのを恐れて、中国撤兵の決意が出来なか
った。そこで、のちの多くの研究者が永野修身の真意と誤解するようになる彼の『主
戦論』を、木戸も信じようとしたのである」というのである。おそらくその推測は
的確なのだろうと思われる。
私はこのメルマガで、「真実」を求めて手元の資料を“乱読”しつつ、大東亜戦争
開戦の決め手となった『日米開戦を誰が仕掛けたのか?』を追求しているのだが、
未だに決定的な資料に出会わない。
しかし、日米を戦わせることによって「漁夫の利」を得るのは誰か?と考えたと
き、やはり「コミンテルンの罠」を無視することは出来ない。日米共にまんまとそ
の手に引っかかったように思われてならないのである。
その証拠として、この大戦で日米共に深手を負ったが、深手を負いつつも戦後大
きく伸張した国がある。つまり「ソ連」と「共産中国」である。私はこの現実を避
けては通れないと思っている。
日本国内に限っていえば、当時の政界も軍部も、共に「諜報宣伝戦」に疎く、尾
崎秀美・ゾルゲ事件を待つまでもなく、絶対に避けなければならない「日本が敗北
する恐れのある軍事的冒険」に否応なしに突き進んでいった。その裏には、鳥居氏
が言うような木戸幸一の『小さな私心』もあっただろうが、それをはるかに上回る
国際的な大陰謀が、日米首脳の周辺で見事な連係プレイをしていたと感じている。
今本稿では、日本の対戦相手であった蒋介石の動きから、当時のシナとソ連(コ
ミンテルン)との何らかのつながりが伺えないものか?とその資料を紐解いている
のだが、あれほど反共的であった蒋介石自身が、共産主義国家成立直後のソ連邦の
首都・モスクワを訪問して、密接な関係を結んでいたのである。
「敵の敵は味方」とは!)小平の有名な言葉だが、蒋介石自身も、強大な日本軍と戦
うためには、米国はさておき、思想信条が異なるソ連の力も活用しようと考えてい
たとしてもおかしくはない。彼がソ連の何を見て強い印象を受けたのか? 次回は、
再び蒋介石秘録から、そのあたりを分析していくことにしたい。 (続く)
佐藤守:
防衛大航空工学科卒(第7期生)。
航空自衛隊に入隊
戦闘機パイロット(総飛行時間3800時間).
外務省国連局軍縮室に出向。三沢・松島基地司令、
南西航空混成団司令(沖縄)を歴任.平成9年退官.
岡崎研究所特別研究員.軍事評論家.
日本文化チャンネル「桜」軍事コメンテーター.
著書に「国際軍事関係論」
ブログ;http://d.hatena.ne.jp/satoumamoru/
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2.奥山篤信
英国映画「麦の穂をゆらす風(The wind that shakes the barley)」-かけがいのない自由独
立への戦い-
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今年のカンヌ映画祭でパルムドール賞を受賞した。5月18日カンヌ映画祭での初上映でス
タンディングオーベイションが10分続き、審査員全員一致の文句なしの受賞だったという。
アメリカ映画の娯楽性と比べ矢張りヨーロッパ映画の娯楽を度外視した真摯な取り組みを
感じる感動的な映画であり、ケンローチ監督に僕もスタンディングオーベイションで拍手
したい気持ちだ。
サヨクやイラク戦争反対の陣営は例によってこの映画を帝国主義との戦いとかいかに戦争
や暴力が人間社会に狂気を齎すかなどとありふれた朝日新聞的なキャッチコピーで論評し
ているのだと思う、そんな捉えかたで映画を見て欲しくない。
何よりもこの映画1920年当時のアイルランドの時代考証がしっかりしており、美しいアイ
ルランドの田園風景を、貧しいが品格溢れるアイルランド人の気概を美しく描いているの
である。しかもあまり日本でみかけない俳優のキャスティングであり、戦うアイルランド
人の涙と汗が却ってリアルに迫ってくるのである。ごく平凡なアイルランド家庭と仲間た
ちが反英武力闘争の運命に立ち向かっていく勇気の記録である。祖国や同志への愛と友情
と使命、その一方での家族や恋人への愛との葛藤を木目細やかに描いているのである。マ
イケルローチ監督は英国人でありながら何故かくも残酷な帝国主義の英国を描くのかとの
批判があったらしい。極めて英国とアイルランド関係という矮小化された、政治的色眼鏡
で捉えた批判に過ぎないと思う。ローチが描きたかったのは、もっと大きな民族の独立や
自由の尊さの課題であり、それを得るためには自らの命を犠牲にすることも厭わない人間
の勇気とその美しさへの賛歌である。そして大義のためには時には組織防衛のため泣いて
馬謖(ばしょく)を切ることもあることを苦悩の中に描いている。
この映画の背景は700年にもわたる英国の支配下のアイルランドの1918年の総選挙でシ
ン・フェイン党が勝利し、1919年にアイルランド独立戦争が起り、そして1921年、英国
とアイルランドは条約を結び、南部26州はイギリス国王を国家元首に戴くアイルランド自
由国として一応の独立を獲得したころの物語である。この1921年の英国の実に狡猾な自治
権授与は、実はアイルランド内部での紛争を齎し、同じ民族同志の戦いを行わしめたので
ある。英国の陰険で、頭脳的な帝国の間接統治方法の極みである。冒頭のシーンが英国治
安部隊の残虐なアイルランド農家への仕打ちから始まり、その英国人が1921年以降には同
じアイルランド人が自由軍として入れ替わりその農家への攻撃を行うのである。英国治安
部隊が町から消えても、かっての友や兄弟が敵同士になり骨肉の内乱となる。なんという
運命の皮肉であろうか!なんという悲劇であろうか!
この映画を見て思うのは、あの中共政府によるチベットやウイグルへの弾圧政策である。
英国よりも悪質というか粗野な中共のやりくちは、民族浄化大量虐殺であり、中国人によ
るチベット民族との置き換えである。かってスターリンのやり方と同じように。英国人は
頭脳的であり同じ民族による統治を試みたのである。
さて明治維新により、欧米の帝国主義支配を経験することのなかった独立国日本にとって、
このようなアイルランド人の英国への戦いというものが逆に身についておらず、もし今後
かかる事態に陥ったときに(中共に侵略支配された日本)どうするのか平和念仏を唱えて
平和が来ると信じる日本人が、果たして断固命がけでテロも辞せず侵略者を粉砕する強い
意思があるのか!いや、その意思も力もない宦官のような国家ではないかと危惧するので
ある。あの広島、長崎の原水爆投下や東京大空襲のジェノサイドを忘れて、マッカーサー
様と総国民が感謝した日本を思うとき、この映画の教えるところは大きい。国家にとって
民族の独立と自由が何よりも尊いものであり、それを守るためには、いかなる妥協や宥和
主義はありえないということを日本人は何時になったら分かるのだろうか?
奥山篤信:
京都大学工学部建築学科卒
東京大学経済学部卒
三菱商事本社入社
6年余にわたる米国三菱ニューヨーク本店勤務を経て
平成12年退社
平河総合戦略研究所代表理事
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3.松永太郎
「大日のごとく生きる」中村公隆(春秋社) をめぐって
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この本は、現在、高野山の大阿闍梨である中村公隆師のお話をまとめたものである。弘
法大師の「十住心論」を、わかりやすく話されている。
「十住心論」は、言うまでもなく仏心に目覚めた人の心の深まりを階梯的に説かれたも
のである。最初は、羊が垣根に頭を突っ込んだように、わけがわからずにもがいている状
態から始まる。現在の日本人というのは、もちろん私も含めてだが、だいたいがこんな状
態である。いわゆる貪・贐・痴の三毒に身を任せているのだが、時々、何のために生きて
いるのか、あるいは生きていてなんでこんなに苦しいのか、何の意味があるのか、なぜ人
間は互いにこんな悲惨なことを行うのか、などと思うこともある。それゆえ、弘法大師は、
次のような有名な言葉を残されている。
生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに冥く、死に死に死に死んで死の終わりに冥し
いわゆる輪廻転生を繰り返し、何度、生まれ変わっても、なぜ自分が生まれてきたのか、
あるいはいつ自分というものが生まれたのか、わからない。一方、何度も生まれ変わって
もかならず死ぬ。死ぬときは、ちり紙一枚持っていけない。しかも、そのとき、いつ死ん
だのかもわからず、どこへ行くのかもわからない、ということであろう。実は、これは否
定的な意味だけではない。それゆえ、なんとかしてこの生死の意味を自分の人生において
明らかにしたいという気持ちを持つ動機になるのである。では、どうすればよいのか。弘
法大師は明快に答えている。
無辺の生死、いかんがよく断つ。
ただ禅那と正思惟のみをもってす。
ただ禅定(瞑想)と正しい思惟によってのみ、この生死という問いを断つことができる、と
いうのである。
ここまでを読んでも、弘法大師が今の人にむかって話しているような感じをおぼえる。
もちろん中村公隆阿闍梨も、そのように説いておられるのである。
ここで突然、別の話になるが、日本の今の教育は、子供に生きる力を与えていない。そ
れは教育の基礎となる人間観がまったく欠如しているからである。「詰め込み」がいけない
から「ゆとり」だ、だのの論争がその例である。子供がいじめを始めたら、どうしたらい
いのかわからない。ただの表層を上滑りする議論をしているだけなのである。
現代教育の基礎は、西欧から出発している近代的合理主義、科学主義であるが、そこで
は人間とねずみにたいして差はない。哲学者のホワイトヘッドが言うように、ただかさこ
そとねずみが表面をうろつきまわるだけなのである。
それゆえにカルトがはびこる。学校でも社会も家庭でもまったく教わったことのない「人
生の意味」らしきことをカルトは教える。初めて聞くので、なるほどと思い、そのまま催
眠状態に入って、人生はおしまいである。
日本の仏教は、しばしば葬式仏教であるとか、祇園で遊んでいるのは坊さんだけだとか
悪口を言われる。しかし、この中村阿闍梨のお話を聞くと、仏教の法燈はとだえていない。
このような宝をいかさないのは、あまりにももったいないと思う。
松永太郎;
東京都出身
翻訳家、多摩美術大学講師、レモン画翠社長
主訳書「進化の構造」「イカロスの飛行」他。
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4.西山弘道
参院選、自民党は大惨敗?
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郵政造反組の復党問題で、予想通り自民党はダメージを負い、安倍内閣の支持率も
急落した。FNN産経新聞の調査では、平沼赳夫氏を除く11人の復党に反対が67%、
内閣支持率は前回63%あったのが、47%にも落ち込んだ。
小泉前首相以上に世論を気にする安倍首相が焦りまくったのも当然である。造反組
復党の翌日に、ブチ上げたのが道路特定財源の一般財源化だった。これはすでに小泉
前内閣の時に方針が決まっていたが、不評を何とか挽回しょうとして安倍首相は、
「揮発油税の特定財源化見直しを!」と突然、打ち上げた。一般財源化は前内閣の時
に08年度に特例法を改正して見直す、と決定されていたが、安倍首相はそれを前倒し
し、しかも「揮発油税」という3兆円に及ぶ税目の固有名詞を出したからたまらない、
党内から一斉に反発の声が起こり、参院選を控えて地方の道路設備拡充を重要な選挙
対策と考えていた参議院の青木議員会長ら実力者からも「総理は何を考えているのだ」
と批判を浴びせられた。
まさに「殿、ご乱心を」だが、党内の批判は「殿」にこうした振り付けをした中川
秀直幹事長に集中している。特に選挙を控えている参議院幹部の幹事長に対する不満
は強く、「このままだったら、来年の参院選はボロ負けだ。早く幹事長を交代させろ!
」との声が強くなっている。中川幹事長の手腕に対する批判は、復党問題での采配の
失敗から衆議院側にも急速に高まっており、場合によっては更迭もあり得る事態とな
ってきた。何しろ中川氏は森内閣の時にも官房長官を、自らのスキャンダルから2ヶ
月でクビになるという「前科」があるのだ。
官邸周辺のあるベテラン官僚はこう警鐘を鳴らす。「橋本内閣は96年の総選挙で
小沢新進党に勝って順調だったのに、97年秋の内閣改造でロッキード事件有罪の佐藤
孝行を総務庁長官で入閣させた途端に支持率が急落して行き詰った。蟻の一穴という
こともあるから、復党問題を甘く見ない方がよい」。
全くその通りだと思う。安倍政権にとって復党問題はまさに「蟻の一穴」となりつ
つあり、何とか全面崩壊を食い止めているのは、小沢民主党の混迷という敵失だ。
「選挙に強い」という小沢神話は、自公が勝った沖縄知事選でさらに失墜し、小沢氏
の求心力はますます無くなってきている。
小沢民主党が弱いのだから、参院選は与党が圧勝だろうと誰しも思うだろうが、
そうはいかないのが選挙だ。自民党選対は、適宜、独自で注目区の選挙情勢調査
を行っているが、復党問題の後の調査で愕然とした結果が判明した。
来年7月の参院選の焦点は29ある1人区の勝敗といわれているが、自民選対の
調査では、このうち当確なのは3つしかなかったという。つまり、首相の地元山口
の林芳正、愛媛のベテラン関谷勝嗣、そして広報担当の首相補佐官として今をとき
めく和歌山の世耕弘成の3人だけが当選確実といえるが、あとの26選挙区は当確
が出せないという。参議院自民党幹事長の大物、岡山の片山虎之助氏でさえ、同じ
岡山3区選出の平沼赳夫氏の復党が決まらなかったこともあって、現時点では当確
は出せないという。
この自民党の独自調査では、小泉改革で自民に集まっていた無党派層の支持が、
復党問題でいっぺんに逃げたことが大きいという。こうした中で、政府・与党は
来年の参院選の投票日を3連休の中日に当たる7月15日と決めた。2000年の衆院
選の際、当時の森首相は「無党派は寝ていてくれればよい」と言って物議を醸した
が、あえて連休中日に投票日を設定したというのは、無党派層をオミットした、低
投票率覚悟の組織票だけで勝負しようとする自公の戦術がミエミエだ。こんな姑息
なことをやっていると「蟻の一穴」はますます大きくなっていくかも知れない。
西山弘道;
ジャーナリスト。早稲田大学政経学部卒業後、文化放送で30数年、放送記者として
活躍。政治担当として、三角大福中、安竹宮の「永田町戦国史」を取材。
2005年10月、文化放送を退社、以後フリーのジャーナリストとなる。
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◎図書室 「スペイン内戦:1936−1939」
The Battle for Spain: The Spanish Civil War 1936-1939
By Antony Beevor Penguin Books 松永太郎
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午後の5時だった
午後のちょうど五時だった
少年は持ってきた 白い敷布を
午後の5時
一籠の石灰で、用意はもうすんだ。
午後の5時
残るのは死、死だけだった
これは、詩人フェデリーコ・ガルシア・ロルカの「午後5時」という詩の冒頭である。闘
牛士が牛の角に突き刺されて、死ぬ様子をうたっているが、予感に満ちたものである。
ロルカは、スペイン内戦のはじめ、1936年の8月にグラナダで処刑されている。
「傷口の最後の詩の赤いインクで、歌え フェデリーコ」とジャン・コクトーは書いている。
スペイン内戦のもっとも有名な犠牲者の一人であった。
今度、再刊されたアントニー・ビーヴァーの「スペイン内戦」は、この悲惨な内戦を扱っ
た歴史書の白眉である。日本では、ヒュー・トマスの「スペイン市民戦争」が有名だが、第
一に訳がひどすぎ、第二に、詳細に過ぎてポイントがわからないので、通読が困難な本だ
った。アントニー・ビーヴァーは、すでに「スターリングラード」「ベルリン最後の戦い」な
どで、その明快な文章、語り口には定評がある(いずれも邦訳されている)。今度の本は、
1982年にすでに出版されていたものを、スペインの歴史家や資料収集家、出版社など
の全面的な協力を得て、書き直されたものである。誰よりもスペインの歴史家が熱烈な賛
辞を寄せている。
日本の戦後のサヨク進歩派史観では、長い間、政府側が善玉で、フランコの反乱側が悪
玉という「常識」になっていたが、この内戦が西欧知識人、とくに左翼側の知識人に与えた
衝撃とともに、この善玉・悪玉史観を突き崩したのは、清水幾太郎氏({現代思想})である。
もちろんフランコ体制を、もう過去のものにした現代スペインでは、こんな善玉・悪玉史
観はとおっていない。残るのは、誰のせいにもできない人間の悪夢の記憶のみである。
ビーヴァーは簡潔に記している。「スペイン内戦のさまざまな出来事の因果の鎖をたどる
ことは、どんな歴史家の力も超えている」。ビーヴァーによれば、ここに働いている歴史的
な力は、すでに15.6世紀には開始されているのである。すなわち農民から土地を奪っ
て、メリノ・ウールをとる牧場にした貴族たちによる苛酷な封建制。これによって、スペ
インの人口は半分になったという。こんなことは、日本の大名はやらなかった。もって封
建制という言葉がいかに間違ったイメージを持つかわかる。次に異端審問の恐怖で民衆を
支配した教会と、それと結びついた貴族が支配する軍隊、そしてマドリッドの中央集権に
反対する地方自治の反抗。そして、もちろん外国勢力の干渉。
このダイナミズムの上に、アルフォンソ王家に忠実な王党派、ブルボン王家に忠実なカ
ルロス派、ファランヘ党(ファシスト・タイプ)、カソリック党派、共和派、アナーキスト、
アナルコ・サンディカリスト、ボリシェヴィーキ、そしてバスク自治派など、右から左ま
での政治的スペクトルがずらりと並ぶのである。
まるでなにもかもとりそろえた火薬庫か花火倉庫のようなものであり、いったん火がつ
けば、すべてが爆発するまでやむことはなかったのも、当然である。
こうして虐殺につぐ虐殺が繰り返される。19世紀から20世紀において、多くの国が
内戦を経験した。アメリカの南北戦争からロシアの内戦、チャイナの内戦、これらの内戦
は、互いに妥協を許さないため、悲惨きわまるものになる。ビーヴァーは、スペイン内戦
でのそれを精密に記述する。今まで隣で暮らしていた人間を殺す。教師や神父を殺す。商
店主を殺す。町の有力者を殺す。映画館を満杯の留置場にして、一晩で殺してしまう。が
けからトラックごと人間を放り投げる。女性はモロッコから来たムーアの軍隊によって、
少女から老婆まで暴行される(そのあと、殺される)。
こうした悲惨な内戦を日本は経験していない。先祖の英知に感謝する思いだが、一方で
は限りなく平和ボケに近い、偽善的なお人よしの国になったことも事実である。それでい
いのかもしれないが、次第に日本人も変質しつつあるので、こうした内戦をこれからも経
験しない、という保証はないだろう。
松永太郎
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◎図書室 ある冤罪の構図 失われた友の名誉回復を祈ります 三村文男著 テーミス 奥山篤信評
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三村文男氏は1920年生まれ86歳の現役の開業医である。僕が尊敬している国士でもある。
その著書には「米内光政と山本五十六は愚将だった」「神なき神風」など戦後海軍善玉論
の虚構を暴いているユニークな書がある。氏に流れる強いテーマは尊い人間の存在への尊
厳と愛情である。その見地から人間の生命を道具のように使った大西瀧次郎の大罪を糾弾
している。それは特攻として国のために散っていった学友たちへの、生き残ったものとし
ての鎮魂でもある。誤解してはいけない。氏が決して薄っぺらいサヨク反戦主義者ではな
い、本当の意味での保守主義者なのである。
その氏が東大医学部の学友の冤罪事件を取り上げ小冊子を出版した。芯から真面目な学級
肌の教授がある日、突然冤罪事件での犠牲者となり、人格高潔だけに裁判の過程で弁護士
を信じ、人間の善意を信頼しすぎたために、反論がおろそかになり、最高裁で実刑判決が
確定してしまう。三村氏は再審請求を渋る友人のためにこの書を神の法廷に捧げた。暖か
い友情溢れる三村氏の無罪証明への記録である。
現在でも冤罪事件が数多くある、権力がいったんある人間を有罪にしようとした場合の恐
ろしさは村上正邦事件など枚挙に暇がない。糾弾する側すなわち検察や裁判官の人間性の
ひずみなど、司法を実践するもののサディズムともいえる変態、狂気ほど恐ろしいものは
ない。
三村氏の社会正義の戦いの舞台は今度は親友の医師の名誉回復に向けられた。
奥山篤信
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◎映画寸評 アメリカ映画「硫黄島からの手紙」☆☆☆ 奥山篤信評
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関西人:団塊世代の元サラリーマン 現在濡れ落ち葉
女子大生:フルブライト留学経験した親米保守
関西人:なんかアメリカに日本が51州目で併合されたらできるような映画やったな。まる
でアメリカ映画そのもので日本人を白人に変えても通用せいへんか?
女子大生:でも「SAYURI」と同じで、このごろの下手くそな日本人監督が作るより世界に
通用する意味で良かったと思うわよ。
関西人:なんか家庭中心の話でアメリカの小市民的な理想像をそのまま日本にも当てはめ
たみたいやな!なんか想像していた栗林中将の堂々たる威厳がなくて、家で皿洗いを手伝
うアメリカの亭主みたいな物分りのよさがあったな。渡邊さんも二枚目役のほうが似合うわな。
女子大生:そうかもしれないわね。昔の、戦前の日本男性ってやはり見かけが堂々として
にこりともしない。それでいて言葉に出ない優しさがあったと思うの。ここのところがク
リントイーストウッドは確かに描ききれて居ないわね。
関西人:一番ムカッときたのは!)憲兵隊が一般家庭に入り込んでほえる犬を殺す場面。(白
人国は犬というものが人権より上のところがあるからな(笑い)。これは犬を虐待する野蛮
人という意味があるのかな。それと!)馬鹿みたいな演技過剰の大根の中村獅童が演じる玉
砕主義のコリコリの士官が一人地雷を抱えてアメリカ人の死骸に紛れ込み、アメリカ戦車
が地雷ともども踏んでくれることを期待する。アメリカ軍が同胞の死体を戦車で踏みつけ
ることなどあらへん。逆に言えば日本人は平気でそういうことをすると取れてしまう。!)
硫黄島に脱走兵でアメリカ軍に投降した例あったんかいな?ほんなものあらへんかったんと
ちゃうんか?そのほか軍隊組織の非道などはある程度事実だから目をつぶらんとしゃあない
かな?
女子大生:獅童さんが映画にでるといつもワンパターン、今回も演技とともに役柄が滑稽
で見てて馬鹿にしたくなるほどだったわね。
ムカッとしたといういのもわかるけれど、アメリカの兵隊も日本人捕虜をめんどくさいと
射殺する場面もあり、どっこいどっこい引き分けと違うのかな。
関西人:意外に二宮和也の道化役の演技が良かったで。まさにこの映画の一本の流れをこ
なさねばならない重要な役目でようやっとったわ。
女子大生:そうでしたね。バロン西が良い役柄してますね。やっぱりアメリカ人に受ける
のはアメリカ留学したとかカナダ駐在武官をしていたアメリカ通の栗林中将やロス五輪で
金メダルとったバロン西が好感もたれるのよね。バロン西なんかはアメリカ兵捕虜
を貴重なモルヒネで丁重に治療しそして英語で優しく話しかけ相手を信頼させ故郷を話さ
せるいかにもアメリカ映画の善意の典型場面に使われていて日本人として嬉しかったわよ。
それに、最後は堂々と自決する場面の男らしさ、バロン西をキレイに描いていたわよね。
関西人:栗林中将の武人として精神論的な玉砕よりも常に祖国のために持久戦という合理
性を求めたところに、敵ながら天晴れとアメリカ人がのもっとも偉大な指揮官として評価
しているんやけど。それに皿洗い亭主の感じがまさにアメリカの小市民的男性像とぴった
りしててるんやろな。
女子大生:私はこの映画は安っぽい反日では決してないと思う。それどころかに栗林さんや
バロン西の高潔な武人を世界中に称えてくれていて日本のイメージはアップすると思うの。
その意味でクリントイーストウッドさんに有難うと言いたいわ。勿論根底には東京裁判史
観があって戦争を仕掛けた軍部や憲兵隊を悪としているけれど、日本人全体を決して馬鹿
にしていないと思うの。どう?
関西人:うんそうかな?硫黄島でトンネルを高温多湿の下で硫黄ガスと渇きとの戦いの場面
がなかったね。トンネル堀での逸話も入れてほしかった気持ちはあるね。でも流石ハリ
ウッド映画であり少戦闘場面の迫力やら筋回しなど日本の映画監督では不可能で垢抜けし
とったな!!こんな日本の誇るべきテーマを日本人自身が映画化でけへん、やってもあの駄作の大和みたいになってしまう実に情けないのう!
注 6月15日付のメルマガ70号http://www.melma.com/backnumber_133212_3235173/
の「硫黄島の壮絶な戦い-日本人の叙事詩として永遠に」再度お読みください。そして
栗林中将以下の壮烈な戦いこそが僕たち日本人の民族の誇りであり、永遠に語り続けて
いかなければならないと思っています。その意味でこの映画がいかに描くか非常に
懸念していましたが、上記の通りで完全とは言わないまでも硫黄島で戦った日本人への
敬意の気持ちがあり安堵しました。
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◎写真展覧会 球体写真二元論:細江英公の世界
12月9日(土)-1月28日(日)
■会 期:2006年12月9日(土)→2007年1月28日(日) ※年末年始休館:12月29日-1月1日
■休館日:毎週月曜日(休館日が祝日・振替休日の場合はその翌日)
■会 場:東京都写真美術館2階展示室
■料 金:一般 500(400)円/学生 400(320)円/中高生・65歳以上 250(200)円
( )は20名以上の団体および上記カード会員割引
※小学生以下および障害者手帳をお持ちの方とその介護者は無料
※東京都写真美術館友の会会員は無料 ※第3水曜日は65歳以上無料
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◎情報感度を研ぎ澄ます!ビジネス情報誌「エルネオス」
編集長・市村直幸
〒105−0003
東京都港区西新橋1−22−7 丸万7号館4階
電話:03−3507−0306
Fax:03−3507−0393
e‐mail:ichimura@elneos.co.jp
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次回の配信は12月18日(月)を予定しております。どうぞお楽しみに!
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