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日本再生のための政治・経済・文化などの発展・再構築を目的とし、メールマガジンの配信を行う
- 最新号:2008-08-29
- 発行周期:週間
- 読んでる人:6177人
- 創刊日:2005-02-04
- Score!:94点
- コメント数 : 37
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甦れ美しい日本 第038号
発行日: 2005/11/4□□■平河総合戦略研究所メルマガ■□□(2005年11月5日 NO.038号)
☆☆ 私たちは書きたいから書くのです ☆☆
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< 目次 >
ゲストコーナー 1.塚本三郎 新憲法の制定
2.久保紘之 小泉純一郎の男の美学って何?
3.三村文男 女帝容認は万世一系の危機
4.松島悠佐 軍事のはなし(3)
1.佐藤守コーナー 「大東亜戦争の真実を求めて」その35
2.松永太郎コーナー 「中国がひた隠す毛沢東の真実」
3.奥山篤信コーナー 保守の喪失 日本国家なき小泉政治(1)
4.花岡信昭コーナー 「保守色」の濃い最強内閣だ
5.桜井裕子コーナー 国内に巣食う日本を売る群(3)
6.西山弘道コーナー 35年目の『憂国忌』
7.青葉ひかるコーナー「昼下がりの手紙」
8.山崎行太郎コーナー リバータリアニズムは「リベラリズム」ではない。
☆ー亡国の女系天皇論を粉砕せよー国家破壊に繋がる軽佻浮薄な安易な女系天皇論
を断じて許してはならないー
素人集団私的懇談会の暴走を絶対許してはならない。立法権まで自分たちにあるがの
ごとく振舞う傲慢なる吉川弘之座長以下古川貞二郎君、園部逸夫君の面々よ!君達を選んだのは
断じて国民ではない!君達に立法権などあるはずもない!君達の浅薄な判断で、先人の偉大な
知恵で維持してきた2600余年の皇室の男系天皇の歴史を変える権利などないのだ!
現に三笠宮寛仁さまが会長を務める福祉団体の会報の中で「女性天皇」に触れ、「歴史と伝統を
平成の御世(みよ)でいとも簡単に変更して良いのか」と、疑問を投げかけられ,皇籍を離脱
した元皇族の復帰や、元皇族を女性皇族の養子として皇位継承権を与えるなどの方法により、
男系継承を守るべきだとの考えを示されている。
小堀桂一郎先生の緊急声明をよく聴け!
素人の集団にすぎない「有識者会議」がわづか一年足らずの勉強会の挙句に、早く
も皇室典範改正の基本線についての結論を出さうとはあまりにも性急であり、文字
通りの拙速といふ他はない。民間の学識者の意見を顧みる余裕もなく、現皇族の御
意向を聴かうともせず、然るべき政治家の意見にも敢へて耳を藉さうともしない、
その頑なな姿勢を見ては、この会議にはかかる重大問題を議する資格は無いと断ぜ
ざるを得ない。
平成十七年十月二十五日 皇室典範問題研究会代表 小堀桂一郎 ☆
☆月刊『正論』12月号 桜井裕子
「猪口さん、ジェンダーフリーの旗をおろして」
猪口邦子氏はこのたび少子化・男女共同参画相に就任した。
猪口氏は、才媛の仮面を被った赤色革命の旗手だったことが、同論文で検証
されている。亡国のジェンダーフリー思想で日本全体を汚染するのか、
第3次小泉内閣・真正保守主義の閣僚の下で転向するのか見ものである。
舌鋒鋭い桜井裕子女史の論文は将に正鵠を得たものである。 ☆
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ゲストコーナー 1.塚本 三郎
新憲法の制定
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日本が新憲法の制定を急ぐのは、戦争の準備をすることでは断じてない。新しく
起こるかもしれない近隣諸国との紛争を避け、決して戦争を起させず、そして自由
で独立した豊かな国日本を護り、全世界と対等の協力を深める為に不可欠だからで
ある。日本と紛争の危険を孕んでいる国は近隣に三カ国ある、中国、ロシア、韓国
である。これら三国は
第一、日本との関係を修復し、親善、友好の外交を希望しているはずだ。
第二、世界で最も善良で、豊かな日本に対し、経済はもちろん、科学技術をはじめ、
太平洋への出口となっている日本列島を、友好のパートナーとしたいと願っ
ている。
第三、その三カ国の指導者は、自国内の支持が安定しているとは思えない。
従って、日本の支援と協力が必要であるが、日本を「支配した型」で、支援
を受けたいという野心に基づいている。つまりその本心を隠し外見を装って
いる。
第四、三カ国のうち、特に中国は、異常な軍拡と内政の無理によって、金融のバブ
ルと大衆に不満をつのらせ、危機は発火点に近づきつつある。その危機を「日
本の過去の侵略」という名目で、不満のハケ口を日本に求める、危険な外交
姿勢をとっている。
国際的な強盗団
日本はソ連と戦争をして居ない。日ソ中立条約の最中にソ連が侵略して来た。
国際法に違反して、北方領土はもちろん、全満州の財産を略奪した。
終戦によって、日本軍が武装解除した直後、六十万人の日本軍人をシベリアに抑
留し、強制労働の苦役をせしめ、約六万人を死に至らしめた。その上、日本人開拓
民二十八万人の悲惨な報道に、日本人は口惜しさに涙を流した。そのことをもう忘
れてしまったのか。
十一月二十日には、プーチン・ロシア大統領が来日する。同大統領は、来日を前
にして九月二十七日の、国営テレビで、日本の「北方四島はロシアの主権下にある。
それは第二次世界大戦の結果、国際法によって保障されたもので、この問題を討議
するつもりは一切ない」と発言した。この傲慢な態度に対して、日本政府は、何ら
抗議をしない。
今までの日本政府の対ロシア外交は、北方領土という固有の領土四島を返還する
までは、ソ連との平和条約は締結しない、と言うことであった。日本人は、ロシア
は民主化されたと思っているが、共産ロシアも、帝政ロシアも、力の政治そのもの
であって、法も正義も、問題の解決も最終的には、力による以外に、話し合いは出
来ない相手であることは、国際外交の常識となっている。
米国の反省
本年五月七日、米国のブッシュ大統領が、バルト三国の一つ、ラトビア国のリガ
で行なった勇気ある演説、つまり一九四五年の春、米・英・ソ三国が、ソ連領ヤル
タで行なったヤルタ協定に対する、批判の演説である。
その内容は、「ヤルタ協定は、ポーランドを分割した独ソ不可侵条約や、チェコ
をドイツに売り渡した、ミュンヘン協定と同じ、邪悪な協定であった」と述べた。
この演説は米国の先輩大統領ルーズベルトの失敗を、潔く訂正した発言である。
ヤルタ協定の中身の一つは、戦争中の敵国、日本の領土の一部を売り渡すことに
よって、悪の共産国家スターリン首相を、日本攻撃の為の同盟に誘い込んだ、邪悪
そのものの協定であった。それに同調しつけ入って、ソ連はヤルタ協定にもなかっ
た、日本固有の領土北方四島まで、火事場泥棒のように強奪して六十年を経過した。
それを国際法によって保障されたとプーチンは言い張って恥じない。
ソ連共産主義帝国崩壊後、ロシアがプーチン大統領の時代となって、再び傲慢な
強圧政治が台頭して来た。最近最も警戒すべき中華帝国の露骨な対外戦略と組んで、
合同演習を行なった、台湾侵略の予行であった。ラトビアでのブッシュ米大統領の
演説はそれに対する厳しい警告である。米国はしたたかに対ロシア、対中国に対す
る警戒を怠っていない。
新憲法制定の意義
前のレポートで、「大陸には魔物が棲んでいる」と私は論じた。
なぜロシアのような現在の妖怪に、日本から働きかけて来日を求めたのか。私は
来日を非難するのではないし、友好をブチ壊すのでもない、それ相応の対応を具備
することを放置して、対等の外交が成り立つと勘違いしている、政府当局者の愚か
さを警告する。
また、日本は国連中心の外交だと弁明して、怠惰な国連に逃げ込もうとしている。
日本国民は国連を聖なる神殿と誤解しているが、米国と共に国連の運営費の四割
以上を、日本は分担させられているのに、日本の発言は一切許されない。そして国
連の内実は世界各国間の不満、非難、罵倒の舞台に他ならない。それが国連の安全
保障委員会である。
日本国憲法前文にあるように、「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の
関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正
と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」
この一文は何人も非難しない。だからといって侵略者によって、第二次世界大戦
で自国を分割されたポーランド人の犠牲や、国を乗っ取られ、文化を破壊されたチ
ェコ人、そして北方領土を取られ、北海道へ追い出された日本人の運命を、誰が救
ってくれるのか。今もなお、火事場泥棒的国家は居ないと言い得るのか。政治の果
さなければならない責任を誰が果すのか。日本は最早、米国の単なる保護国でも、
傍観者でもない。
敗戦直後、一方的に押しつけられた憲法を、日本は既に、六十年近くも死守して
来た。この憲法を押しつけた当時の占領軍の心ある人々は、自分で押しつけた条文、
例えば、第九条の戦争放棄や、第二十条の信教の自由の如きは、独立国日本の実情
を知らずに、威圧した誤りを恥じている。それ以上に、独立国として、未だにこの
憲法を忍受していることに、当時の連合国代表であった人達は半ばあきれ感心して
いる。
もちろん、この憲法は倫理的には非難すべき点は殆んどない。敗戦直後の日本は、
焦土とされ、住むに家なく、喰うに食なく。ひたすら占領軍の庇護の下に甘んじた
時代でもあった。当時の日本は、最強の米軍が駐留していた。
その上、日本からは奪うに値するものは何一つなかった。焼け野原に強固な防塁
を築く必要は見当たらなかった。その当時のままで良いのか。今日の日本は違う。
幸か不幸か、それゆえにこそ、「稼ぐに追い付く貧乏なし」と働き続けた日本国民。
その後の復興はめざましく、やがて隣国の韓国には八兆円、中国には七兆円の支
援を与えることによって、友好の条約をも結んだ。現代の貨幣価値にすれば三倍の
価値と計算される。日本から支援を受けた当時の責任者、韓国の朴大統領、中国の
!)小平両氏の日本への感謝は、並々ならぬものだった。
今日の中国は、日本向けには中日友好と言い、国内では口きたなく日本の非難を
繰り返す。外国に対し感謝を表明するだけの「言論の自由」が保証されない国に、
ODAなどで援助しても、外交的には効果は期待できないことを、日本政府はなぜ
悟らないのか。
例えば、中国の最大の製鉄所(宝山製鉄所)や空港が、日本の援助で建設された
ことを、自国民には知られたくない。感謝よりも、面子のほうが大切だ。
ピョンヤンの南、鎮南浦に一大化学工場を建設した(昭和十年)。この硫安工場が
北朝鮮最大の工場であることを、金日成も誇示していても、日本への感謝はない。
その上、この工場建設に奴隷の如くこき使われた、という反日記念館が工場内に造
られ、日本帝国主義の非道が強調されている。当時の工場を建設した責任者の子孫
が口惜しがっている。
破邪顕正
仏教は因果応報を説く。非道の統治、傲慢な外交に対する報いは、やがて天罰と
して下されることを私は疑わない。しかし報いが下るまで、被害者は時を待ち忍受
すべきか。非道、傲慢を承知しながら、それを放置し、見て見ぬふりを続けていて
良いのか。
問題は、強者を自負する権力者が、この因果の道理を弁えていないことである。
強権を維持するため、人民の不満の捌け口を外に仕向ける邪道、蛮行にどう備えた
ら良いのか。昔から「備え在れば憂い無し」といわれ、天災に対する生きる道とし
ての教訓であった。
全世界の国々は防衛力に対しては、国政の最優先課題として、取り組み、足らざ
る処はさらに軍事同盟を結んで備えを怠らない。
六十年前の敗戦は日本国民にとって、厳しいものと覚悟していたが、占領米軍の
統治は、意外に幸運な面が多く、民主政治の施行は、占領軍を解放軍と勘違いさせ
る面さえあった。
占領軍が国家の最大課題である防衛を一手に引き受け、さらに経済建設の要であ
る、貿易の最大の得意先として、米国が日本の発展に寄与してくれたことは、言う
までもない。
「幸運すぎた敗戦」と言い得る。これは、「安全保障と経済発展」に限ってのこ
とであるが。この幸運の巡り合わせは、他の面で余りにも高価な代償を支払わされ
た。
生きると言うことは、厳しい自然と必死に闘うことである。生きる者にとって、
闘うことを忘れ、闘い方を知らないものには亡びる運命が待っている。厳しい自然
の中で、すべての動物は死闘を重ねて生き延びている。
人間社会も例外ではない。生存競争が発展の源流である。明治以後の日本は、そ
の嵐の中を堪え抜いてきた。敗戦後の日本は前述の如く、「ゆり籠の中」で育てられ
てしまった。今日の日本は解放と呼ぶ、嵐の中に放り出されていると悟るべきだ。
新憲法創設の重要な一つは、国民に対して国家の尊厳と、日本国民に自立心の昂
揚を求めることであり、また堅固な国家としての砦を築くことによって、警戒すべ
き相手国に対して、邪心と攻撃の鋒を向けさせないためである。
闘うことを知らないし、闘うことを教えられなかった多くの若者達の姿をみるに
つけ、このようなイビツな国家にした責任は、愛の鞭を忘れた先輩に在ると自覚す
べきだ。
日本の周辺には迷惑な隣人が居る。それは迷惑なのか、それとも天の警告か。国
民は平和と、経済繁栄を謳歌しているが、若者は礼節を失い、自由奔放となりつつ
ある。
子供を産み育てる苦労と悦びさえ、面倒だと考えるわがまま。まして国家を支え、
将来を案ずることは、人生の余分の仕事と勘違いしている。その結果が少子化では
ないか。
世界一の幸運といわれる日本は、「国家の信頼と実力」を必死で支え、生きてき
た先達の血と汗の努力である。それを忘れんとしている。それに警鐘を乱打してく
れているのが、迷惑な隣人三国と受け止めよう。
(11月上旬)
塚本三郎;
愛知県名古屋市に生まれる
鉄道省名古屋鉄道局に勤務し、県立中学校(夜間)に入学
終戦とともに労働組合運動に従事
運輸省に転勤し、中央大学法学部(夜間)に入学
国鉄を退職し、中央大学法学部卒業
昭和 33年 挑戦4回目にして初当選し、昭和生まれ初の代議士
(日本社会党所属)となる(以後当選10回)
昭和 35年 民社党結党に参加
昭和 49年 民社党書記長に就任(国鉄改革・電電公社民営化に取組む)
昭和 60年 民社党中央執行委員長に就任
平成 元年 民社党常任顧問に就任
平成 9年 「勲一等旭日大綬章」を受章
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ゲストコーナー 2.久保 紘之
小泉純一郎の男の美学って何?
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小泉の愛読書のひとつに、城山三郎の『男子の本懐』があるそうだ。この本のなかに、祖父の又
次郎が登場する。確か又次郎の出番は数箇所、それも城山は狂言回しのような役割で使っている
程度である。小泉がこの本に思い入れが深いというのは、名実共に命を懸けて金解禁や緊縮財政
に取り組んだ浜口雄幸と井上準之助という二人の政治家に,例によって感動した!ということに
違いない。何事にもうわべのカッコ良さの好きな小泉の性格なら、そこで描かれた「人情大臣 又
さん」は、どうみても、浜口や井上に比べて引き立て役のマイナーな存在であり、カッコ良くな
いと感じたに違いない。だから又次郎の孫たる小泉は、浜口や井上と同じ主役になって、「男子
の本懐」を成そうと、郵政民営化に取り組んだものと思える。その過程で又次郎の本丸であった
逓信省、即ち郵政省の所管である郵政3事業を改革の本丸に位置付けたり、自ら「非情」に拘
り、それに陶酔して振舞うのは「俺は人情の又さん」ではないぞという気負いからではないかと
思われる?小泉のトラウマの原点は意外にこんなところにあるのではないかと思う。
そんな訳だから、小泉にとっては「改革に打ち込む男の美学」こそが、まずありきというか、そ
れ自体が目的化してしまっているのである。
森前首相が解散直前の「官邸前ミモレット(チーズ)事件」、即ち小泉に解散を思いとどまるよ
うに最後の説得をしたが、そのとき小泉は「殺されても、郵政民営化はやる」と言った。恋(男
の美学)に恋しているとはまさにこれで、芳賀綏東工大名誉教授の「夢中に夢を説き、空中に空
を談ずる」というものであろう。浜口や井上は文字通り命を懸けた。浜口が東京駅で凶弾に倒れ
たとき、気遣う医師にうす目を開けて「男子の本懐です」といったという。一方井上を暗殺した
テロリスト小沼正の手記「一殺多生」によれば、小沼は農村や労働者の窮状を見るにつけ「おの
れは何をすればよいのだ」と強迫観念にも似た自問自答を毎日呪文のように繰り返すのである。
その時代の緊迫感は殺す側も殺される側もあったのだ。
「命をかける」とは「死」との鬩ぎ合いのはずだ。しかし現代日本では真面目に「国家に尽くす
とか国家のために死ぬ」などということ自体が,気恥ずかしいことと感じるのが「美学」みたい
な風潮になっている。小泉の美学は一見、そうした現代の「美学」の対極にあるかのように装っ
ているが、実はそれに誤魔化されてはならないのだ。小泉のバーチャルリアリティの世界でいう
男の美学「殺されてもやる」とは「では殺してやろう」という相手が存在しなければ、実は美学
として成立しないのである。それは繁華街をうろついている鼻や耳にピアスをつけたその辺の兄
ちゃん姉ちゃんが、何の緊張もない会話の中で使う「一生懸命」と同レベルの類でしかない。
井上の身辺に危険が迫ってくるなかでの
「危うきに臨みて節を守り、心改むる無し、死を忍び生 を損て志移さず」
にみる断じて初志を貫く覚悟など何処にも見えないのである。政治は妥協の産物だ。
だからこそ森や青木からさまざまな妥協案を持ちかけられるが、「頑固」に拒絶する、
まさに手段が目的化して一人悦にいっている小泉の姿からは井上の覚悟など微塵もない。
このように観察すると、自民党が潰れようが、日本の保守政治が潰れようが、さらに日本が
崩壊しようが、「ケセラセラ Que sera sera」というのが小泉そのものの正体なのかと思わざるを得ないのだ。
総選挙が終わった直後の9月15日の民主党の反省会というべき両院議員総会で、西村真悟代議
士は小泉首相の郵政民営化を批判する中で「マネーゲームの世界に国民をなだれ込ませているの
が小泉なんです。あれは狙撃してもいい男なんです」と言い放った。この言語そのものが、現代
日本社会で聞き捨てならない表現だったかもしれない。現に西村代議士もこの舌足らずについて
直ちに訂正はしたのだが、実は西村は小泉の「殺されてもよい」の不真面目さについてちゃんと
見抜いていたのだ。
つまり「殺されてもよい」というからには「殺してもいい」ということがあってこそ「殺されて
もよい」といえる「資格」があることを、西村は指摘したかったのだろう。現代日本の政界では、
稀有の見識と教養を持つ西村は、ヴァルター・ベンヤミン(1940没 ドイツの文藝評論家)が
「ある法的制度のなかに暴力が潜在していることの意識が失われれば、その制度はかえって没落
してしまう。」という、政治に携わる者としての緊張感である「暴力と法および正義」という本
質を語ったのだ。
(註)本稿は、平河総研代表理事奥山篤信が久保紘之氏にインタビューを行ったものをもとに作成し、
久保氏の了解と校閲を得て掲載したものです。
久保紘之(くぼ こうし):
1940年生まれ。中央大学法学部卒 産経新聞に入社 政治部記者として「角福戦争」
「40日抗争」「55年体制崩壊」などを第一線で取材する。実体験に基いたユニーク
な政治論評で知られ、「天下不穏」は連載当初から永田町に大きな話題を提供し、議
論を巻き起こすこともしばしばだった。著書に「田中角栄とその弟子たちー日本権
力構造の悲劇」(文藝春秋)「軸なき国家は滅ぶ 天下不穏」(産経新聞社)がある。
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ゲストコーナー 3.三村 文男
女帝容認は万世一系の危機
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昨年末に政府が設置を決定し、本年1月25日から月1回のぺ−スで開催されている、小泉首相
の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」に、胡散臭いものを感じたので、私はメルマガ
NO17(05,6、11、)で「遺伝学が証明する男系天皇の万世一系」を発表した。その時の危惧が
ますますあらわになつて来たので、「万世一系かジエンダーフリーか」と題する一文を草し、掲
載のため推敲を重ねていたところ、10月26日読売朝刊一面に大見出しで「女性女系天皇を容
認」とある記事を見て、新しく稿を起こさねばならなくなつた。皇室典範第一条は「皇位は皇統
では、これを改定して、女帝と女帝の子孫の即位を容認する条文にすることで、全員(10名)
が一致したという。予想されない事ではなかつたが、その性急さに驚くと共に、一人の反対も無
かつたという発表に、唖然とするばかりであつた。
前にも述べたように、性染色体は男系XY,女系XXであつて、Yの遺伝子DNAは男性の子孫の
みに伝えられるのである。旧憲法第一条「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇コレヲ統治ス」の万世一
系皇位と共に、神話時代の神武天皇からYのDNAが男系天皇によつて継承されて来たのであ
る。古代人の英知がはからずもそういう伝統をうみ、歴史をつくつて、近代遺伝学が身体的にそ
れを裏付けた。これは世界の奇蹟である。皇統を軌範とした将軍家でも男系継承が行われ、足利、
徳川両氏とも15代を数えた。
外国では男系の継承は減少するのみで、最後にスエ−デン、ノル
ウエー、ベルギーが残つたが、1979年スエ−デンで女性の継承が議会で可決されて以来、消
滅した。女帝の出現があれば、母方のX染色体DNAは存続できるが、125代続いたY染色
体DNAは永久に断絶してしまうのである。そうなれば万世一系は名目上の皇統賭しては成り立
つが、身体的には永久に消滅し、西欧の王国なみになつてしまうのだ。
敗戦前後の日本は、外圧による国体の危機に直面し、かろうじて回避された。その後平和な60
年を経て、あるいは平和な60年の故に、内部から万世一系の危機を生じてしまつた。日本人の
誇りを取り去ろうとする占領軍の教育方針の傷痕を残す世代が、今や日本を動かす時代である。
ポピュリズム選挙の結果、近衛首相が大政翼賛会をつくつた時のような政治状況が出来ている。
哲学なき小泉首相が暴走すれば、すぐにでも皇室典範が改定されそうな気配である。昭和53年
10月17日福田内閣は閣議で元号の法制化を決定し、翌年6月12日太平内閣が元号法を公布
して施行となつた。その間昭和の次の元号を作るか、元号を廃止して西暦を採用するかで論争が
続けられた。これを憂えた大東塾の影山正治塾長は自害された。憤死である。だが二千年来の男
系皇統が断絶するか否かの危機は、元号存続の時とは比較にならない。若し影山氏がご存命であ
られたら、やはり憤死されたであろうと思うと、焦燥の念に駆られるのである。
三村文男:
神戸市出身 満州帝国建国大学中退 一高を経て東京帝国大学医学部卒業
開業医の傍ら著作、評論多数 米内光政と山本五十六は愚将だった
(テーミス)神なき神風ー特攻50年目の鎮魂ー(テーミス)など
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ゲストコーナー 4.松島 悠佐
軍事のはなし(3)
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「文明の衝突をどのようにして避けるのか」
戦争の悲惨さは誰もが知っています。だから、皆が避けたいと思っているのに、毎日世界のど
こかで戦いが繰り返され一向になくなりません。何故なのでしょうか。
サミュエル・ハンチントン博士はその著「文明の衝突」の中で、キリスト教圏やイスラム圏、
仏教圏など、文化・宗教の違いからくる衝突は、なかなか避けられないことを指摘しています。
今最も激しい衝突の構図となっているのは、キリスト教圏とイスラム圏でしょう。どちらも一神
教で、キリストの教えと唯一絶対の神アッラーの教えに妥協点を見つけるのは不可能です。イラ
ク・アフガン・パレスチナやイスラム過激派のテロなどの問題解決は至難の業です。
私事ですが、機会を与えられて1976〜77年、西ドイツ連邦軍に留学研修しました。その
後、防衛駐在官としてボンの大使館で勤務したのが1981〜84年、丁度東西の対立がピーク
に達していた時代でした。
研修時には、イスラム諸国から派遣された将校たちとも一緒で、アジアからはインドネシアと
パキスタン、中東のイラン、アフリカのスーダンやカメルーンからも将校が参加していました。
彼らはラマダンの月になると、夜明け前の3時ごろに起き出して、シャワーを浴びて身を清め、
聖地に向って礼拝をし、日中は何も口にせず礼拝を繰返し、日が沈んでから食事をとります。研
修先の西ドイツ軍の日課時限とは無関係に行動するので、イスラム教以外の我々にとっては、
少々迷惑なことでしたが、宗教だから仕方がないと思ってドイツ軍の将校はじめ皆が我慢してい
ました。
ラマダンの時期に限らず、西ドイツ軍では研修に来ていたイスラム教徒とヒンズー教徒のため
に食事の提供には気を遣い、豚肉・牛肉料理の時には、かならずセカンドメニューとして鶏肉料
理を提供し、ハムやソーセージなど豚肉や牛肉が混入していると思われる食品の代わりには卵料
理を提供するなどの配慮をしていました。
日本にいるとあまり感じないことですが、規律や習慣を重んじる軍隊生活の中でも、宗教上の
生活習慣の違いはそれ以前の問題だと理解して対応していました。宗教の違う国家同士には、理
屈ではどうにもならない違いのあるのが現実です。
当時の西ドイツは、北大西洋条約機構(NATO)とワルシャワ条約機構(WP)の接する最前
線であり、60カ国から合計120人の武官が集まっていました。武官団の活動は活発で、西ド
イツ連邦軍の訓練やNATO演習の研修などをとおして、色々な国の軍人と接触する機会が多く、
人種・宗教の違いは勿論、国柄によっても物の考え方の違いやお互いの確執など、その一端を垣
間見ることが出来ました。
東西の陣営相互の間には、政治・社会制度や経済機構の違いがあり、対立点・相違点があるの
は当然ですが、西欧諸国の間にも根の深い確執があります。例えば、ドイツとフランスは今でこ
そ同盟国ですが、普仏戦争から、第1次・第2次世界大戦など、互いに多くの戦争を繰り返して
きた間であり、お互いに天敵だと思っているようです。
当時西ドイツ領内には、西ドイツ連邦軍50万をはじめ、アメリカ軍20万、イギリス軍4万、
その他オランダ・ベルギー・カナダなど合わせて数万、合計で約80万のNATO軍が展開して、
最前線である西ドイツ防衛の任務に就いていました。しかし、フランスだけは西ドイツ領内に布
陣せず、ドイツ・フランス国境で自国の領土を守る体制を採っていました。
同盟国なのに、西ドイツを守ることはフランスを守ることになるのに、と思いながら、私は何
度かドイツ人にもフランス人にも尋ねてみました。フランス人にとってドイツは、ビスマルク・
ウィルヘルム2世・ヒットラーの野望の度に戦争を仕掛けてきた野蛮な国であり、その度に迷惑
を被ってきたという意識があります。ドイツ人もそのことはよく理解しており、フランスが西ド
イツ防衛には加担しないことについても、特に違和感もなく、「フランスとはそういう国だよ」
との認識でした。
イギリスとフランスの確執も結構根深いものがあります。両国の間には、14〜15世紀にか
けていわゆる百年戦争が続き、17世紀末には植民地戦争が始まり、18世紀の間もそれが断続
的に続き、19世紀のはじめにナポレオン戦争が終わるまで延々と戦争状態が続いていました。
最後にはイギリス軍がワーテルローでナポレオン軍を破り、パリまで軍を進めました。イギリス
には、ナポレオンを征服したという自負心があります。
今世界中でメートルやグラムの十進法を使わずに、ヤード・ポンド法を使っている国はアメリ
カとイギリス、即ちアングロ・サクソンの国です。
メートルはもともとフランスが使用していた単位であり、ナポレオンは征服した国々にメート
ル法を普及させ、計測の統一規格を作っていきました。見方を変えれば、メートル法を採用して
いる国は、ナポレオンに征服された証しとなっています。従って、イギリスはメートルを使わな
いのでしょう。メートル法に統一すれば経済・社会の便利性は増しますが、そのことよりもナポ
レオンの征服を阻止したというプライドの方が数十倍、数百倍の重さがあると思っているのでし
ょう。
今年の7月に、2012年オリンピックの開催地をめぐってパリとロンドンが最後まで争って
いました。結局本命といわれていたパリを僅少差で押さえてロンドンに決まりましたが、その祝
勝会場になったのがロンドンの「トラファルガー広場」でした。丁度200年前の1805年10
月、ネルソン提督率いるイギリス艦隊が地中海の出口トラファルガーでナポレオン艦隊を破った
ことを記念して作られた広場です。
このトラファルガー海戦によって、イギリスはヨーロッパ沿岸の制海権を得て、それを基盤と
してインドへの進出航路を確保し、アジアへの進出を確実なものとしました。言わばイギリスに
とってはフランスを制圧した歴史的な海戦です。
さほど広くもないこのトラファルガー広場をわざわざ祝勝会場に選ぶところに、フランスに対
するイギリスの国民感情が伺われます。また、これに対してフランスのシラク大統領が、オリン
ピック開催地決定を前にして、「イギリスの料理は不味いから信頼できない」などと、中傷的な発
言まで飛び出して、かまびすしく報道されていました。
イギリスもフランスもドイツも現在では共にヨーロッパのリーダーたる主要国であり、かつ同
じキリスト教国ですが、その間でも、形而下にあるお互いの確執は計り知れないものがあります。
まして、民俗・宗教・文化の違う文明圏相互の衝突はなくならないのが実態でしょう。このよう
な文明圏の確執を前提としたどのように戦争を防ぐのか、人類永遠の課題です。
政治制度や信条が違い、宗教上の教義に妥協点がなくても、相互共存のためにはどこかに妥協
点を見出さなければなりません。ハンチントン博士によれば、日本は「キリスト教圏」「仏教圏」
とは違う「日本圏」という独特の文化圏として認識されています。この「日本圏」が周囲の文明
圏とどのように折り合いをつけて妥協の実をあげるのか、今再び問われています。日清・日露戦
争、大東亜戦争など日本の衝突と和解の歴史を見つめ直して、道を誤らないようにしなければな
りません。
(05・11・03記)
松島悠佐(まつしま ゆうすけ);
元陸上自衛隊中部方面総監
防衛大学卒業後、自衛隊入隊陸上幕僚監部・防衛部長、第8師団長(熊本)
等の要職を経る。
平成7年阪神大震災時、中部方面総監として活躍。
同年中部方面総監で退官。著書に「阪神大震災・自衛隊かく戦えり」(時事通信社刊)
がある。 現在、危機管理などの講演を精力的に行う。
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1.佐藤守コーナー
「大東亜戦争の真実を求めて」 その35
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東條陸軍大臣は、1941(昭和16)年5月に、米陸軍のクラケット准将一行が、援蒋
のために重慶に到着した、と記述しているが、1932年7月には上海にジュエット
米陸軍退役大佐率いる9人の米陸軍予備役パイロットを含む極秘の軍事使節団が到
着して中央空軍の本格的な育成にとりかかっていたし、1937年5月1日には米陸
軍航空隊を退役して中国空軍顧問となったシェンノートも日本経由で大陸に渡って
いたから、米国は将来予測される日本との開戦に備えて、日本本土空襲のための「前
進基地」建設を中国大陸に計画していたのである。事実、開戦後は大陸から台湾と北
九州地方を空襲している。サイパン島が陥落した以降は、太平洋方面からの空襲が
主力となったので、大陸の「前進基地」はさほど効果を発揮しなくなったが、昭和17
年4月の「ドーリットル本土空襲」時には、空母・ホーネットを発進したB-25は、
攻撃後は大陸の航空基地に帰還したから、重要な役割を果たしている。
東條供述書には、「米・英・蘭の南方における戦備強化について当時私は次の報道を
得ておりました」として、
1)米国は1940年7月より1941年5月までの間に330億ドル以上の巨額の軍
備拡張。
2)米英蘭の一般戦備並びに南方地方地域における連携の緊密化。1940年8月
にアラスカ第13海軍区に新根拠地建設を公表。
3)同9月、太平洋における米国属領軍事施設の工事費800万ドルの内訳公表。
4)同11月、汎米航空路マニラ・シンガポール間開設許可。
5)同12月、51箇所の新飛行場建設及び改善費4000万ドルの支出を決定。
その他、ノックス海軍長官の「三国同盟の挑発に応ずる用意あり」との演説、イー
デン英外相の下院における「対日非協力」演説、5月27日のルーズベルトによる「無
制限非常事態宣言」、又1940年10月8日の「東亜在住米国婦女子の引き上げ勧告」、
上海在住米国婦女子140名の本国帰還、国務省の「米国人の極東向け旅券発給停止」、
同年10月19日に名古屋の「米国領事館閉鎖」など、刻々と対日包囲網が狭められ、
対日参戦機運が高まってきた状況を詳細に記述しているが、この時点では、東條陸
相といえども、ルーズベルト側近に潜伏している「コミンテルン協力者達」の活動に
ついて全く気がついていなかったように思われる。
「偶然に勃発した」全く乗り気ではなかった支那事変から手を引こうとして苦慮
していた我国は、米国などによる援蒋作戦を止めさせる必要があるため何とか米国
に支援中止を働きかけていたのであったが、全く無視されるどころか逆に対日軍備
強化というあからさまな挑戦を受けているのであるから、如何に米国との開戦を避
けようと誠意ある外交交渉を継続しても開戦は不可避だったといえる。
他方、「対日強行発言」をする米国首脳陣の周辺にも、我国が「大陸での泥沼」に嵌
って難渋していたのと同じ「謀略」の魔手が張り巡らされていたのであったが、双
方共にそれに気がついた節が見られないのが不思議でならない。
東條供述書には、以下、供述項目番号45から47まで、米英側の対日離反策動や、
敵性行為について縷々記述されているが、我が陸軍が長らく「脅威」として位置づけ
てきた「ソ連」に関する分析が全くといっていいほど書かれていないのは、明らかに
「コミンテルンの謀略」が見事に潜行していたことを示すものだが、それは前述のよ
うに、同時に米国側にも言えることであった。
さて、独ソ開戦という予想外の事態に直面したわが政府は、独ソの思惑を測りか
ねていたというよりも我国に都合がいい「希望的観測」をしていたように思われる。
同供述書48以降は「政府は独ソ開戦を如何に判断したか」という項立てになって
いるが、独ソ開戦についての大島大使とヒトラーとの会見電報を見て開かれた政府
連絡会議に関して、次のような記述がある。
「49 (前略)当時の統帥部の判断も、最近に欧州より帰ってきた松岡外相の報告
も、独ソの開戦を信ぜず、独ソ両国関係がそうまで急迫しているものとは見なかっ
たのであります。モスコー駐在建川大使よりの報道も独ソの関係は相当急迫はして
いるが開戦までには至らざるべしとのことでありました。日本としては初めよりソ
連を三国側に同調せしめんとし、独ソ開戦を希望しないのでありますから、したが
って自然といわゆる希望的判断に陥り、独逸側の言い分は英国本土上陸を偽装する
一つの手段なるべしと見たのであります。したがってこの事態に対する政策を決定
せず『成行を注意』するという事に推移して来ました。6月12日ごろ、たまたま日
ソ通商仮協定調印が成立し、又その頃ノモンハン境界画定の手続きも好都合に進行
しつつありました。即ちこれらソ連の態度の軟化には幾分の疑惑を持たぬではあり
ませんでした。しかし、これは日ソ中立条約の結果なりと考え、これを独ソ開戦に
結び付けて深く考えませんでした。6月16日頃に駐独陸海武官よりの電報にて独ソ
開戦の企図ありと報じて来ましたが、ただし開戦の期日は判明しませぬ。6月19
日頃のルーター電報は独逸がソ連に進撃せりと報じました。20日頃には独ソ開戦説
は一般を風靡したのであります。前記のごとく6月22日の大島大使の電報によっ
てこれを知るまでは確定的にこのことを知りませんでした」
つまり、ソ連が何故ノモンハン国境画定や日ソ通商協定で「色よい」態度を取っ
たのか? ソ連が敵・独逸に向かうためには「背後の敵・日本」を懐柔する必要がある
という、基本的戦略要求に基づいたものではないのか?
前記「謀略」についても同様、軍事的想像力が機能していたとは思われない。それ
が何故陸軍大学を出た当時の優秀な軍人達の頭に閃かなかったのか?というのが私
には疑問に思えてならないのである。 (続く)
佐藤守:
防衛大航空工学科卒(第7期生)。
航空自衛隊に入隊
戦闘機パイロット(総飛行時間3800時間).
外務省国連局軍縮室に出向。三沢・松島基地司令、
南西航空混成団司令(沖縄)を歴任.平成9年退官.
岡崎研究所特別研究員.軍事評論家.
日本文化チャンネル「桜」軍事コメンテーター.
著書に「国際軍事関係論」
ブログ;http://d.hatena.ne.jp/satoumamoru/
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2.松永太郎コーナー
「中国がひた隠す毛沢東の真実」
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だから私は言うのだ。わが中国政府高官はときとして、日本政府は歴史の教訓
を忘れるな、と言う。だが、見なさい。「日本政府は歴史の教訓を忘れている」と批
判するときでも、われらが高官の声は力がなく言葉には真剣さがない。これは当然
すぎることなのだ。
われわれ中国民衆は、心のなかでは別のことを考えている。役人たちはつねに、
日本政府に向かって歴史の教訓をくみとれとか、歴史を鑑にせよと言っている。そ
れなら党自身はなぜ歴史を鑑にしないのか。きみたち中共は、あの凄まじい数の自
分たちの「偉業」を風化させ、集団忘却しようとして、手をかえ品をかえ、苦心惨
憺しているではないか。
少なくともここ15年来、党中央、国務院の肝いりで作成された各種の輝かし
い文献、テレビドラマ、映画、史書などは、1955年の反胡風運動、1957年
の反右派闘争、1958年の大躍進運動、1959年の反右傾運動、1960年か
ら61年にかけて何千万もの人間を無残にも餓死させた大飢饉、そして1966年
から76年までに政治的迫害による2千万の死を引き起こした文化大革命の10年
間に犯した数々の誤りを取り繕い、ひた隠しにするだけでなく、おくびにも出さず
にいる。あたかも新中国には悪いことやひどいことなど金輪際起きなかった、共産
党の56年間の指導は英明偉大で、光栄に満ち、かつ正しいものであったかのごと
くである。
しかし党中央が、20数年に及んだ空前絶後の歴史の大災難を民衆に忘れさせ
ようとしても忘れられるものではない。田舎でも都会でもいい。年配の人に聞くが
いい。あなた方のおじいさん、お父さんはどのようにして死んだのか、と。その半
数はきっとこう答える。「爺さんは3年間もつらい日々を送った挙句に死んだ。父さ
んは10年の大動乱で死んだ」と。
われわれ民衆から見ると、まったく反省することなく、自らの醜い歴史を美化
し、ひたすら、歴史教科書を改ざんすることに長けているのは、ほかならぬ中国の
執政者であり中国共産党である。
上記の文章は、北海閑人著「中国がひた隠す毛沢東の真実」(草思社)からの抜粋
である。
私は、この文章を、朝日新聞はじめ「媚中派」のマスコミ、政治家、学者などに熟
読玩味してもらいたいと思う。われわれ日本人は「未来永劫、アジアに頭を下げ続
けなければいけない」といった高橋哲也東大教授、「中国の気持ちを傷つけるから靖
国参拝はすべきでない」と主張する朝日新聞や岩波の「世界」などの雑誌、「従軍慰
安婦問題」なる架空の問題を言い立てる上野千鶴子のような「フェミニスト学者」、
新しい歴史教科書は「歴史を改ざんしている」と言い立てる「プロ市民」たちは、よく
よく、この文章を読んでもらいたい。上記の文章は、北京に住んでいる元中国共産
党の幹部が書いたものである。君たちよりよほど現代中国のことを知っているのだ。
もう言うまでもないが、中国共産党が、「反日」を宣伝する狙いは3つである。
1.自分たちのやったことを他人に転嫁すること。
20世紀において、中国民衆に対する最大の加害者は「ほかならぬ中国共産党」で
ある。彼らの責任による中国人の死者は、上記の文章の数を合計しただけでも最低
4千万である。現在、中国政府や、高橋哲也のような日本内部の政治工作員まがい
たちは、日中戦争で日本軍が殺害した中国人の数は「3千万」といっている。どこ
からそんな途方もない数が出てくるか、もはや明らかであろう。
2.自分たちのやらなかったことを自分たちの功績にすること
中国共産党は、自分たちの軍隊こそ、日本軍を追い払ったのだ、日中戦争の勝利者
なのだ、と宣伝している。日本軍と戦ったのは、国民党軍であり、その国民党軍で
すら、日本軍には勝利していないのである。八路軍が日本軍と戦ったなどと大々的
に宣伝するのは、中国では共産党、日本では天児慧早稲田大学教授のように、向こ
うの宣伝をそのまま書く「現代中国学者」だけであるが、彼らでさえ「百団大戦」ぐら
いしか宣伝できる歴史的な事実がない。何しろ毛沢東は、日本軍と戦うのを禁じて
いたからだ! そして、この「百団大戦」(なんという大げさな名前か!) を指揮し
た彭徳懐元帥が文革で無残な死を遂げたこと以上に、中国共産党の政治的な体質を
表す出来事はないだろう。
3.以上2つをもって中国共産党はその政治的正統性を主張するとともに、民衆の
失政への反感をすべて日本に向けさせようとする。すべてウソの上に成り立ってい
るのである。そして、そのお先棒を担いでいるのは、今や中国政府の最大の宣伝機
関となった朝日新聞であり、工作員的な学者たちである。「朝日」に書くような中国
の学者は一切信用できないだろう。かれらは個人ファイルによって当局から監視さ
れているからである。
朝日新聞は「静かなのを甘く見るな」と27日の社説に書いている。小泉総理の
靖国参拝に対する、中国や韓国など親分たちの反応が思いのほか静かだったのにい
らだっての「社説」(!)である。「親分が静かにしているからって、甘く見るんじゃ
ねえぞ」という三下のセリフである。人間、ここまで落ちたらお終いであろうとの感
を深くする。
松永太郎;
東京都出身
翻訳家、多摩美術大学講師、レモン画翠社長
主訳書「進化の構造」「イカロスの飛行」他。
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3.奥山篤信コーナー
保守の喪失 日本国家なき小泉政治 (1)
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「われわれは日本を打ち破った国である。その後食糧を配り、憲法を起草し、労
働組合を奨励し、女性に参政権を与えた。日本人が受け取ったものは報復でなく慈
悲だった。」これは2001年1月大統領選挙の冒頭にブッシュが行った外交演説の
結び部分である。僕は このブッシュの失礼極まりない演説について怒りをもってい
たものだ。日本には大正時代から堂々たる民主主義があったのだ。岡崎久彦元タイ
大使の言を借りれば、占領下の日本民主化の淵源は、日本が受諾した降伏条件であ
るポツダム宣言の第十項、「日本国政府は、国民の間の民主主義的傾向の復活強化
に対する一切の障害を除去すべし」を日本政府が遵守したことにある。つまり、日
本の戦後の民主主義は満州事変(1931年)の直前までの大正デモクラシーの復
活強化にすぎないことをブッシュは理解していない。
なによりも、僕が最近知って驚愕したのは、なんと2002年6月訪米時、日本国
首相たる小泉がブッシュに対して「戦争に負けたとき、日本人は奴隷になるかと思
った。だがアメリカは寛大に接し、食料も提供してくれた。アメリカが日本を旧日
本軍から解放してくれたという気持ちが強い。」と上記を上塗りするゴマをすった
のである。さらにブレア首相が来日したときに「あなたはブッシュのプードル犬と
いわれているけど、私は『ブッシュの前にでると、千切れるくらい尻尾を振る』と
いわれている」とまでいったとの当時の報道もある。これだけでも小泉が一国の首
相としての名誉も恥も持ち合わせない失格者であるだけでなく、歴史的教養も一切
皆無の幇間レベルであることを物語っている。普通の国ならばこの事実だけで、
首相は辞任に追いやられるはずだ。
そういえば、小泉は自民党の新憲法草案での、中曽根や安倍が推してきた「序文
にわが国の歴史や文化、伝統の認識と後世への継承を盛り込む」記述の削除を指示
した由、本来の保守たるべき条項を薄めてしまったことにも、憲法改正の意味付け
が日本の保守としての最も大切な部分を放棄したということで、もはや小泉自民党
は保守の名前に値しない政党として、保守の終焉のはじまりということを意味する。
10月30日付けの初版発行の藤原肇著『小泉純一郎と日本の病理』(光文社)を
読んだ。著者は欧米で活躍した理学博士であり、石油開発会社をカンサス、テキサ
スで経営し、現在はジャーナリズム、コメンテーターで活躍している国際経験知識
豊かな在米フリーランサーである。ただし氏の思想背景は大東亜戦争を日本の侵略
戦争と一方的に断罪し、南京虐殺その他日本の冤罪を鵜呑みにし、特攻を自爆テロ
と位置つけ靖国神社参拝を否定する自虐史観の権化といえる。在日カナダ人ジャー
ナリストのフルフォードなどと同じ観点で、その基本的歴史観は僕には100%
受け入れられないものだ。にも拘らずこの本は、小泉批判に関しては一読に値する
内容があり、小泉政治を終焉させるために、あの立花隆の田中角栄研究のようなき
っかけになるかもしれないのだ。特に小泉の影の部分である『隠された過去』を存
分に暴露している。ここでは僕はあえてそこには触れない。
僕が同感であったのは、小泉という男の本質、あの狂気のような解散、圧勝につ
いての氏の分析にある。一例としてあの選挙を911以前には無かった絶対権力を
取ったという意味で、憲法違反の小泉クーデターと位置付けている。僕自身も同様
な考えを今までメルマガで何度か説いてきたが、
「小泉純一郎の政治手法は幼年期の独裁者の手口に似ており、絶対やれないことを
やると断言して人気を集め、それがやれなくなると装飾のために、丸投げして責任
逃れを試みようとする。これは、小皇帝と呼ばれたナポレオン3世と同じで、出た
とこ勝負の「後は野となれ山となれ」方式だから、約束は結果的に踏みにじられて
しまうことになる。
しかも、約束違反で国民の怒りが自分に向きそうになると、今度は次々にテーマ
をすり替える。要するに、問題の先送りと責任逃れである。これがくり返されると、
肝心な問題は忘れられてしまうので、一種の手品のようなものである。」と分析は
冴え、さらに
「ヒトラーやムッソリーニの生態は、すこぶる興味深いものだが、それに比べると
小泉純一郎はいかにも矮小な感じがする。せいぜい「猿まね男」の仲間であり、中
央アフリカ共和国の独裁者ボカサのレベル程度に思えてならない。 相手が強いと卑
屈なまでにへりくだって従属するが、弱いと見ると居丈高になってイジメ抜く性格
はそっくりで、小皇帝を気取る2人は同じ血液型か、生まれた日の星回りが似ている
のではないかと思いたくなる。」とまで罵倒している。
さらに氏は「創価学会という劇薬を飲んだ小泉」ということで論議を展開してい
る。そもそも創価学会とは1996年パリの行政裁判所が「宗教の仮面を被った全体
主義」としてカルト集団に指定されている。判決理由は「創価学会は雑誌、本、ア
クセサリー、集会などとの営利活動を通じて、収入の大半を収益率50%のビジネ
スを行なっており、公権力への浸透を目指す」というものだ。「反社会的な教義と
行動、公共秩序の撹乱と破壊、多くの裁判沙汰を起こす体質」これらがフランス社
会からカルトと認定される基準だという。まさに大宅壮一が予言した「法華経を唱
えるヒトラー」の総体革命が小泉改革に取り代わって独裁主義と全体主義に導く危
険性が現実化してきたというものだ。あの茶番としての党紀委員会の決定や人権擁
護法案推進の動きをみるとその恐れは杞憂ではなさそうである。
いまあの選挙で熱病のように小泉自民党に投票した国民が、小泉の国民を愚弄し
た言葉の手口、空虚な語法すなわち「簡潔」「断定」「すり替え」「繰り返し」(高
村薫)にいつ目覚めるのであろうか?暗黒時代の足音が忍び寄ってきているという
のも、あながち誇張ではなさそうだ。
(断続的に続く)
奥山篤信:
昭和45年京都大学工学部建築学科卒
昭和47年東京大学経済学部卒
三菱商事本社入社
6年余にわたる米国三菱ニューヨーク本店勤務を経て
平成12年退社
平河総合戦略研究所代表理事
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4.花岡信昭コーナー
「保守色」の濃い最強内閣だ
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第3次小泉改造内閣がスタートした。この首相得意のサプライズはなかったが、
日程を繰り上げたのが唯一のサプライズか。
とはいえ、できあがった人事は、党、内閣ともなかなかの布陣である。「人事の小
泉」の面目躍如たるところがある。世論の受け止めもおおむね好評だ。朝日の世論
調査によれば、小泉首相のもとで自民党が変わったと思う人は70%に達した。小
泉首相のイメージ転換戦略は見事といわなくてはならない。
各メディアの内閣支持率はこうなっている。
朝日 55%(不支持29%)
毎日 56%(不支持31%)
読売 62・5%(不支持20・4%)
日経 56%(不支持30%)
共同 60・1%(不支持28・7%)
政権発足から4年半の時点で、これだけの高い支持を得ているというのは驚異的
といっていい。「ポピュリズム」「ワイドショー政治」「国家観が希薄」などの批判は
ついてまわるが、ともあれ、小泉首相が「時代をつかんだ」ことは確実である。
それにつけても、改めて感じ入るのは、郵政民営化法案をテコとした衆院解散、
総選挙圧勝、そして今回の人事にいたる小泉首相の政権維持戦略のすさまじさであ
る。すべて思い通りに当たっている。政治は結果がすべてだ。解散に至る過程が強
引だとか憲法違反の疑いがあるだとか、その手の議論は選挙結果によってすべて吹
き飛ばされた。国民の審判は何者よりも強いのである。
来年9月に退陣すると明言している小泉首相だが、このままいけば、いかに巨大
与党を築いたとはいえ、政権の求心力は減衰し、レイムダック化が始まる。任期の
限られている首相よりも、「次」の方が一般の政治家にとっては大切になってくるか
らだ。
今回の人事の特徴のひとつは、そういうレイムダック化への流れを遮断しようと
したところにある。安倍晋三官房長官、麻生太郎外相、谷垣禎一財務相、さらには
竹中平蔵総務相と、「ポスト小泉」候補をすべて重要閣僚に登用した。これだけ「取
り込んで」おけば、後継候補たちは手足を縛られてしまって、何か仕掛けようとし
てもできなくなる。
もうひとつの側面。福田康夫、山崎拓両氏が外された。山崎派は閣僚も副大臣も
ゼロだ。福田氏は後継候補を競わせるという手法に不快感を抱き、入閣要請があっ
ても断ると漏らしていたという。盟友・山崎氏は副総理格での入閣ぐらいあっても
よさそうなのだが、非情にも切り捨てた。この両氏の扱いには、何があったのか。
福田氏は周知の通り親中派である。中国、韓国との関係悪化を修復するためとし
て、外相就任もうわさされていた。山崎氏は人事の直前に訪韓し、帰国して直ちに
靖国神社に代わる代替施設建設推進の議員連盟設立を打ち出した。
小泉首相はこうしたリベラル的な動きを嫌ったのではないか。そのあたりの政治
的カンは冴えている首相だ。いま、中国や韓国の機嫌を取るようなタイプを閣内に
入れるのは好ましくない、せっかくの国民的支持を失うことになる、と判断したの
ではないか。
つまり、「保守色」の濃い顔ぶれを意識的に集めたのである。この調子だと、来年
8月15日に小泉首相、安倍官房長官、麻生外相の3人が揃って靖国神社を参拝し
てもおかしくはない。安倍、麻生両氏、そして額賀福志郎防衛庁長官という外交・
安保トリオは、きわめて頼もしく映る。これに小池百合子環境相(沖縄北方担当)
を加えて、沖縄米軍基地問題に取り組んでいくことになる。
閣僚の中には政治家としての手腕はまったく未知数の1年生女性学者や死刑執行
書にサインしないと述べた法相など、首を傾げたくなる部分もないわけではない。
だが、すべて100%を望んでも、これは無理だ。全体の仕上がり具合を重視した
い。
花岡信昭:
政治ジャーナリスト、慶應義塾大学院・国士舘大学院非常勤講師、
読売新聞監査委員会審査委員。
1969年早大政経学部政治学科卒、
産経新聞入社、政治部長、論説副委員長などを経て2002年退社、評論活動に入る。
著書に「小泉純一郎は日本を救えるか」(PHP)など
サイト:http://www.hanasan.net/
メルマガ http://www.melma.com/backnumber_142868/
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5.桜井裕子コーナー
国内に巣食う日本を売る群(3)
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教育は、きわめて主権にかかわる問題です。
表向き、日本の教科書は、文部科学省が法的拘束力をもつ「学習指導要領」に準
拠して、教育的配慮に基づいて検定を行い、その内容を精査した教職員や教育委員
会が採択するシステムになっています。
しかし、実際には、戦後、教科書は、わが国の教育界を支配してきたまったく別
の勢力によって執筆され、検定を通過し、採択されてきました。
〈日教組が裏検定の最初〉
今を遡ること半世紀前の昭和30(1955)年、日教組は教科書の採択基準を全国
に指示しました。その一部は、以下のようなものです。
・神話が、超国家主義に結びつくような形で取り扱われていないか(神話は取り上
げないほうが望ましい)
・一揆についての史実が取り上げられているか。
・明治維新を王政復古としたり、尊皇攘夷を賛美したりする一方、それによって日
本の近代化が十分に果されなかった事情をおろそかにするような説明がなされてい
ないか。
・大陸に対する侵略について、軍国主義時代の考え方が反映されているか。
・武士道の道徳(質実・質素・献身・忠誠などの道徳)が近代的に装飾されて出さ
れているようなことはないか。
・家族主義の道徳が、伝統的な美風として書かれたり、それを社会道徳にまで拡大
して強調したりしていないか。
これは、日教組がもっとも強かった時代のことです。しかし、今日の教科書の採
択基準は、当時とそう変わっていないようです。
〈共産党が作って、日教組が売り歩く教科書〉
それから四半世紀後の昭和56(1981)年2月4日、民社党・塚本三郎書記長(当
時)が衆院予算委員会で、自民党調査局政治資料研究会議の発行した「憂うべき教
科書の問題」から引用して、こう述べました。
「共産党がせっせと教科書を作り、これを社会党、つまり日教組が注文をとって売
り歩き、自民党と政府が金を払っている」
これは、問題の本質と実態を、ほぼ正確につかんだ言葉といえましょう。
〈裏検定の中心は大同協〉
そして、時が移って、現代の教科書採択事情はどうなっているのでしょうか。
今、「裏検定」でわが国の教科書採択に隠然たる力を及ぼしていると言っても過言
ではないのが、大阪市同和教育研究協議会と大阪府同和教育研究協議会(大同協)
です。
教科書が文部科学省の検定を通過すると、いち早く彼らなりの基準でその内容を
分析し、「成績表」をつけます。これを各学校の現場教師が目を通して、採択の「参
考」にするという具合です。
大同協の基準の一部を以下にご紹介します。
・農耕生活が始まると、階級分化が起こり、支配—被支配の関係が形成され、国家
が誕生していく過程が論理的に記述されているか。
・大和朝廷の大王の位置づけが、皇室の祖先として強調されて記述されていないか。
・奈良時代の農民の生活や労働と抵抗のようすが述べられているか。
・中世農民のたちあがりに関して、土一揆や一向一揆などの民衆の生きるための団
結した戦いとして記述されているか。
・被差別部落大衆の抵抗や闘いが、分断支配の強化の中で強まったことが、具体的
事例をあげて明記されているか。(渋染一揆や竹皮値下げの闘い)
・日本の資本主義と大陸進出の項で日露戦争下における庶民の困窮化と反戦の動き
にふれている記述があるか。
・韓国併合が朝鮮の植民地化を意味し、それに対する朝鮮半島での反対運動につい
て記述されているか。
・日本の朝鮮侵略政策の流れが、途切れなく記述されているか。(強制連行まで)
・朝鮮人民の抵抗・独立運動がそのつど記述されているか。
・朝鮮人に対する日本人の差別意識について触れているか。
・日本人による反戦、厭戦運動について記述があるか。
(以上、「反差別・人権の視点を教科書に—1997年度用中学校教科書検討資料(社
会科)」より抜粋)
こうして、歴史教科書を裏検定する観点を一部、列挙してみただけでも、教科書
が支配・被支配の共産主義に基づく階級闘争で貫かれ、また朝鮮半島に必要以上に
神経を使った教科書が執筆されてきた事情が分かります。
なぜこうなるのかといえば、教科書会社としては、採択を支配する「裏検定」に
沿うように書くのが、教科書のシェア拡大、教科書会社生き残りには不可欠だから
です。
かてて加えて、わが国の教科書検定には、本連載初回に触れた誤報に基づいて加
えられた近隣諸国条項があります。こうした状況を見てくると、わが国でこの四半
世紀、中韓両国におもねらない教科書はうまれにくい状況におかれていることがわ
かってきます。
やっとのことで誕生した「つくる会」の教科書も、検定を合格しても採択される
ことは困難を極めています。
自国の青少年に、教科書を通して「誇りある歴史」を伝えることは、大変に難し
い状況にあるといえましょう。
(参考資料・『教科書採択の真相』藤岡信勝著、PHP研究所)
桜井 裕子: 慶應義塾大学文学部英文科卒業。PHP研究所、PHP
エディターズグループ勤務を経て、フリーに。主に書籍のプロデュースや
執筆・制作を手がける。
最近の作品は『新・国民の油断』(PHP研究所、西尾幹二・八木秀次)、
『この国を守る決意』(扶桑社、安倍晋三・岡崎久彦)など。
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6.西山弘道コーナー
35年目の『憂国忌』
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11月25日は、三島由紀夫没後35年目となる。45才で自決した三島は、
生きていれば今年丁度80才を迎える。私は三島と2度、接点がある。1度目
は昭和42年の大学2年の時、東京・銀座の洋服店で見かけた。シャツでも
買おうと、店に入ったところ目の前に、黒ずくめの男に出会った。よく見ると、
雑誌で見かけていた三島由紀夫だった。1m67cmの私より背が低い、60
cm位の三島がそこにいた。しかし、体はその頃からボデイビルで鍛えた筋骨
隆々で、目はらんらんと鋭く、圧倒的な存在感はあるが、自己顕示欲の強烈な
人物だな、と思った。
2度目は、そう、事件の時である。ラジオの報道部の記者になっていた私は、
昭和47年の11月25日は、公休日であった。昼ごろ、自宅にいた私に会社
から電話があった。「小説家の三島由紀夫が、自衛隊に乱入した。すぐ出社して
くれ」。おっとり刀で出社した私は、三島が割腹自殺したことを知らされ、周辺
取材として、南馬込にある三島の自宅取材に走らされた。プール付の白亜の豪
邸だった、三島の自宅に夜まで張り付いたが、夫人の瑤子さんは一度も姿を現
さず、取材は空振りに終わった。
あれから35年。その後、私は主に政治記者としてジャーナリスト人生を
歩んだが、三島事件は今でも、鮮烈に思い出す。絶対に単純な人質監禁事件
でないことは言うまでもない。「思想と行動」、「憂国の志と、憂世のギャップ」、
「決起を促した自衛隊員の嘲笑」・・・。色々なことが言われるが、私は事件の
総括で、その人の人生の全体が了解できる、それだけの重い意味を持った思想
的大事件だと今でも思っている。
三島事件で、私の勤務していた文化放送は、最後の三島のバルコニーでの
演説を完全収録するというスクープを放った。今年になって、私は再度、その
演説のテープを聴いた。正味7分35秒。バルコニー下に集まった自衛隊員の
三島に対する野次と怒号は、はっきり録音されていた。聞くに堪えない悪罵も
あった。「引っ込め」、「バカヤロー」、「死ね!」・・・。何でこんなに嘲笑され
なければならないのか。自衛隊友の会ともいうべき「楯の会」を結成したいわ
ば身内の人間なのに、と思ったが、やはり東部方面総監部に不法に乱入した、
犯罪行為と明白に思ったからなのだろうか。現場にいた自衛隊員に当時の心中を
聞いてみたい。
三島を介錯した森田必勝は、顔は知らなかったが、私と大学同窓生だった。
実は、森田は介錯の時、2度、三島に斬りつけたが、2度とも失敗し、刀を
曲げてしまったため、有段者だった古賀浩靖が交代して介錯したという。その
古賀氏は服役後、生長の家の幹部になっているという。また自決した森田氏は
その立派な記念の胸像が、故郷の三重県四日市市にあるという。
三島は死の直前の、70年7月7日付の産経新聞のインタビューで次のように
述べた。
「私はこれからの日本に大して希望をつなぐことができない。このまま
いったら『日本』はなくなってしまうのではないかという感を日増しに深くする。
日本がなくなっていくのに代わり、無機質な、空っぽな、ニュートラルな、
中間色の、富裕な、抜け目のない、ある経済大国が極東の一角に残るであろう。
それでもいいと思っている人達と、私は口をきく気にもなれなくなっている
のである」。
自民党がやっと憲法改正の草案をつくったのはいいが、そのトップの幹事長が、
「日本には天皇制はいらない。大統領の共和制でいいではないか」と公言する
IT企業の社長を持ち上げる姿を見て、三島はどう思うか。
彰武院文鑑公威居士・・・・没後35年である。
西山弘道:
昭和44年早稲田大学政治経済学部卒業後、
文化放送入社以来、放送記者として30余年、
ニュースの現場を踏む。
平成5年報道部長。兼ニュースキャスターとして
「西山弘道の世の中朝一番」なfどの番組で活躍。
また政治記者として、田中内閣以降の「永田町戦国史」
をウォッチ。
現在、文化放送編成局次長
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7.青葉ひかるコーナー
「昼下がりの手紙」
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拝啓 猪口邦子大臣殿
時下、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。私は市井の一主婦でございま
して、日の本花子と申します。突然にこのような不躾なお便りを差し上げます失礼
をどうぞお許しくださいませ。
何はともあれ、この度の少子化担当大臣ご就任心よりお祝い申し上げます。
才媛の誉れ高く、大学教授、国際政治学者という私共主婦といたしまして、目もく
らむような肩書をお持ちでいらっしゃいまして、いわゆる才色兼備とは先生のよう
な方にこそ相応しい言葉でございましょう。数多いる他のフェミニズム学者とは一
線をおいてらっしゃるような美しいお姿は、華やかさもおそなえになり、女性のリ
ーダーとして私共といたしましても、とにかくエールをお送りしなければなりませ
ん。
しかも、つい最近までは「軍縮会議政府代表部特命全権大使」なる舌を噛みそうな
ものものしい肩書きもお持ちでいらっしゃいました。
以前、東京プリンスホテルの会場で先生のご講演を拝聴させていただく機会がござ
いました。私共主婦仲間には大変難しいお話で、正直申しまして、チンプンカンプ
ンでございまして、浅学非才を恥じた次第でございます。
確か「軍縮をすれば、世界が平和になる」という内容で熱弁を奮われたように記憶
いたしております。私共凡人にとりましては、大変難解でございました。
と申しますのも昨今の国際情勢といいますか、私共はテレビでの知識だけでござい
ますが、「軍縮をしない国」があるため、世界が困っているように思えるわけでござ
いますから、なかなか先生のお話が解からなかったわけでございます。
毎日、家事、雑事に追われております私共にとりましては、難しいお話はわかりま
せんが,いずれにいたしましても、世界が軍縮をすれば素晴らしいことでございま
しょうから、やはり、そう祈らざるを得ません。
さて、この度ご担当の「少子化」は、子供や孫の世代を考えますに、やはり喫緊の
課題でございまして、専任大臣を置かれましたことは小泉首相の意識の表れでござ
いましょう。
先生は、今まで、確かポマードでピカピカの総理大臣や歴代の官房長官らに折衝な
さり、誰しも反対しづらい「男女共同参画基本法」の制定に奔走され、大変ご尽力
なさった方だそうでございますね。
「女性が外で働くことが善である」というお考えでらしてご自身が何より体現なさ
り、大変ご立派でらっしゃいまして、私共もご尊敬申しあげております。
しかし、この法律が基幹となり、母親代行業とハコモノでの「乳幼児保育支援」な
どという社会政策を進めることは少子化の歯止めになることは決してありませんし、
私共一般大衆のニーズではありませんということだけはご理解くださいますでしょ
うか。
それに、家庭の主婦や母親の価値が完全に否定されてしまったこの法律は私共日々
子育てや家族のために働いている女性にとりましては、まるで「悪魔の法律」と言
っても過言ではないように思います。
それを象徴するような施策のひとつとして、昨今では「外で働かない女性」には税
制でも締め付けが起きようとしております。
この法律は、「家事・育児」も日本の将来を担う子供のためには大事であるという視
点は全くなく、国全体が間違った方向へ行くものであるような気がいたしておりま
すが、「主婦の戯言」なのでしょうか。
家庭が健全で、国家が健全であるのではないでしょうか。
細かいことは勿論ご承知でいらっしゃいますでしょうから申しませんが、あの
「ジェンダーフリー」とかいう普通の人の生活実感を否定する思想・政策も子供達を
蝕む元凶のような気がいたします。
この法律が出来て以来、何か変な風潮が巷に溢れていることは、現在の青少年やさ
らに、小学校の低学年にまでおよんでいるさまざまな状況や事件などをみましても、
明らかでございます。
教育現場が病んでいることは今さら申し上げるまでもございませんが、例えば子供
達の性病蔓延が他の先進国の10倍とは、何と恐ろしいことでございましょう。
略して「男女共産法」いえ「男女共参法」という看板を前に堂々と家庭破壊、国家
破壊の思想が行き渡り、滅茶苦茶なお考えの教師によって、ますます子供や青少年
が汚染されていることは、私共は家庭でも見過ごすわけにはまいりません。
諸悪の根源はこの「男女共産法」いえ「男女共参法」のように感じる昨今でござい
ますが、このあたり先生はいかがお考えでらっしゃいましょうか。
いえ、これは愚問でございますね。
先生は、この法律を率先なさってらした方でございますもの。
「政・官・学会」を巻き込んでご活躍の先生でらっしゃいますから、この流れを加
速なさることはあっても、お止めになることはございませんですものね。
内閣府に「男女共産局」いえ「男女共参局」を設置なさり、ここが司令塔になり、
我国の防衛費の倍である9兆9000億円のコストをかけ、日本全国津々浦々にご
自身の夢をかなえられました。この法律の導くところのものは地方自治体にも完全
に浸透いたしました。この堅固な体制は微塵も揺らぐことはないかもしれません。
先生のご要望どおり、全国に365ケ所の女性センターなる施設もできました。
その施設などでは、かって全共闘であった大学教授や弁護士や団体役員の方々を講
師としてお迎えし、私共主婦をはじめ、全国のさまざまな分野の女性の前で巡回講
演会を実施しています。
日本の将来を危うくするために莫大な税金を使っているわけでございます。
関係者の方々は、猪口先生の多大なご尽力に大変感謝なさっているようでございま
す。
毎日黙々と仕事をしている多くの国民が知らぬ間に、声の大きい方々、しかも「日
本悪しかれ」と願っている人々によって、なんだかおかしなおかしな方向へ向かっ
ているように感じるわけでございます。
よもや先生はそのような方々とは別格でらっしゃるとご自身もお考えでらっしゃる
と考えたく存じますが、路線というものはそうそう簡単には変わらないものかも知
れません。
このような思想がますます蔓延るならば、日本は外敵によって滅びるのではなく「内
から滅ぶ」ような気がいたします。
なんだか生意気なことを申し上げたようでございますがお許しくださいませ。
「民主主義国は互いに戦争をいたしません。だから、民主主義を世界に広めましょ
う。」と仰る先生のお説も、凡人にはやはりなかなか難解でございまして、これは先
生のご愛嬌とでも理解させていただきたく存じます。
私は、先生のこの愛くるしさ、無邪気さが、そして女性らしいファッションが大好
きでございます。本当にファンでございます。今後も、チャーミングな愛らしい美
しいお姿で私共の目をぜひ楽しませてくださいませ。
最後になりましたが、先生は今までもうご立派にご活躍なさいました。
猪口先生、本当にご苦労さまでございました。
大臣になられました先生、もうこれ以上のご活躍はお疲れになられますから、必要
ございません。
今後は何もなさらないで、どうぞごゆっくりとご静養なさり、お静かにのどかにお
過ごしくださいますよう心よりお祈り申し上げます。
敬具
平成17年11月4日
日の本花子
青葉ひかる;
三重県出身
早稲田大学卒
元日本航空(株)勤務
評論家
2525計画推進協議会(2525プラン)会長
http://www.2525plan.jp/
ラジオ日本(1422kHz)
「青葉ひかるのガンバレ日本」
毎週(土)16:50〜17:00放送
-------------------------------------
8.山崎行太郎コーナー
リバータリアニズムは「リベラリズム」ではない。
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新総務大臣・竹中平蔵は、記者会見で、さっそく自分の担当は「小さな政府」担
当大臣だと思っていると、いつものように、例によって「百回繰り返せば嘘も真
実になる」とでも言うかのように宣言した。竹中がいかにこの言葉に固執してい
るかを示すセリフだと言っていい。しかし言うまでもなく、竹中は、このセリフ
が持つ真の意味については多くを語っていない。と言うより真の意味を知らない
か、あるいは知っていてそれを徹底的に隠蔽し、多くの政治家や国民を騙そうと
しているというのが現実だろう。
竹中を筆頭に、自民党の政治家達がテープレコーダーのように繰り返す「小さな
政府」論とは、「小さな政府」で無駄な出費を減らし、肥大化した財政赤字を減
らし、財政を健全化させていく…というものだが、この程度の安っぽいステレオ
タイプな子供だましの議論にコロリと騙される政治家や国民も情けないが、それ
よりもこのセリフを意識的か無意識的かはともかくとして、無責任に乱用する竹
中の衒学趣味こそ犯罪的である。
小さな政府論の源流思想の一つであるリバータリアニズムは、いわゆる「リベラ
ル」、あるいは「リベラリズム」の思想ではない。自由主義と言えば、口当たり
のいい「リベラル」、あるいは「リベラリズム」という言葉があるにもかかわら
ず、敢えて「リバータリアニズム」という言葉が使われるようになったのは、新
自由主義者(リバータリアン)たちが古典的自由主義と新しい自由主義と区別す
るためであった。つまり、リバータリアニズムは「リベラリズム」ではないので
ある。
では、リベラリズムとリバータリアリズムとはどこがどう違うのか。そもそも自
由主義(Liberalism)は、1688年の名誉革命後のイギリスにおい
て成立した思想だが、しかし19世紀に入り、自由主義という言葉の意味が大き
く変化する。J・S・ミルら、いわゆる社会民主主義者たちと呼ばれる人々が登
場し、自分たちの思想を「自由主義(Liberalism)」と呼ぶようにな
ったからだ。彼等は、「大きな政府」論を支持し、自由市場への制限を求め、福
祉主義国家論を展開する。日本やアメリカにおける「リベラリズム」の意味は、
この「自由市場への制限を求め、福祉主義国家論を展開する」思想であると言っ
てほぼ間違いない。
そこで、社会民主主義者たちと自分たちを区別するために、本来の自由主義者た
ちは、古典的自由主義(Classical Liberalism)、あるい
は保守主義(Conservative)という語を使用するようになった。そ
れが、リバータリアリズムの源流になる。つまりリバータリアリズムは、リベラ
リズムを標榜する社会民主主義者たちの推進する、「大きな政府に向けての改革
(革命)」に反対し、対抗するものだった。
リバータリアリズムがアメリカという土地で開花するのはなぜか。それは、19
20年代のニューディール政策、そして太平洋戦争下での集産主義的政策に原因
がある。二十世紀前半のニューディール政策や戦時下の集産主義的な政策、ある
いは、いわゆる「赤狩り」であった「マッカーシズム旋風」という反共運動…。
その結果がもたらした財政赤字、増税、国家の思想統制などに対するアメリカ国
民の怒りが、政府の干渉や増税を嫌う反国家主義的な孤立主義、超個人主義とし
てのリバータリアリズムへと導いたと思われる。
リバータリアリズムの思想信条は、独立自営の商店主の生活実感を反映している。
たとえば、個人生活に国家が干渉することを極度に嫌う。国家は個人の生活に干
渉すべきでなく、勝手に課税することも許さないというのだ。国に税金を納めた
くない独立自営のリバータリアリアンは、したがって、従業員のための健康保険
掛け金まで雇用者である自分たちが払う健康保険法にも反対する。反軍拡で、軍
備の拡張には反対。国際的には不干渉主義・孤立主義のために軍備の海外派遣駐
留に反対。孤立主義的な単独主義である。 (参考→古村治彦『リバータリアニ
ズムに関する一考察』)
山崎行太郎;
文藝評論家
昭和47年慶応義塾大学大学院(哲学専攻)修了
東京工業大学講師を経て現在、埼玉大学講師、
日大芸術学部講師。
著書『小林秀雄とベルグソン』(彩流社)『小説三島由紀夫事件』(四谷ラウンド)
その他。
http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/
http://yamazakikoutarou.gooside.com/
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☆平河総合戦略研究所講演会ご案内☆
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テーマ 石油戦争の舞台裏ー石油暴騰の元凶は中国のパラノイア的資源戦略—
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定員 80名 申し込み先着順(info@hirakawa-i.org 宛)
尚3時終了後同じ会場で宮崎氏を囲み4時までティータイムの
懇談会を開きます。お一人一律1000円を追加でいただきます。
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メルマガ政治ジャーナリスト・花岡信昭による分析・考察
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次回の配信は、11月11日(金)を予定しております。どうぞお楽しみに!
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