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甦れ美しい日本 第032号
発行日: 2005/9/23□□■平河総合戦略研究所メルマガ■□□(2005年9月24日 NO.032号)
☆☆ 私たちは書きたいから書くのです ☆☆
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< 目次 >
ゲストコーナー
塚本三郎 怨念の対決
1.佐藤守コーナー 「大東亜戦争の真実を求めて」その29
2.奥山篤信コーナー 映画『シンデレラマン』
3.松永太郎コーナー 「驕れる白人と闘うための日本近代史」
4.桜井裕子コーナー 売国の法匪・横田喜三郎
5.西山弘道コーナー 「共産中国は崩壊する?」
6.有馬尉彰コーナー 中国山東半島の旅―2 犬を食う文化
7.青葉ひかるコーナー 「お月見の茶会」での対談
8.花岡信昭コーナー テレポリティクスとネット社会
9.山崎行太郎コーナー 「ルーカス型総供給方程式」とデフレ・ギャップ否認の仮説
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日時 10月2日(日曜日)午後1時半より4時まで
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場所 学士会館(神田錦町)
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会費 一般 3000円 学生 2000円 平河総研特別会員 1000円
講師 黄文雄 拓殖大学客員教授
定員 80名 申し込み先着順(info@hirakawa-i.org 宛☆
☆人権擁護法案という、私たちの人権を危うくする法案を、成立させようという陰謀が
与党野党を問わず渦巻いています。総選挙小泉自民党圧勝の中で、しかも反小泉議員で
法案に反対する議員が無所属を余儀なくされている状況で、この法案にストップがかけ
られるのか深刻な問題である。
なぜならこの法案は私たちの自由な生活を脅かす、まさに暗黒国家法案であるからです。
パトリックヘンリの「自由を、しからずんば死を」を噛みしめよ。
この法案の恐ろしさは下記アニメを御覧ください
http://homepage2.nifty.com/save_our_rights/jinken001.swf ☆
☆私達は、ブルーリボン運動を断固支持します。日本国民が一丸になっての意思表示、
行動を起こすことが大切です。北朝鮮の金正日総書記や日本政府、そして報道機関
や国外に対しての私達の願いや怒り、救出へのアピールができれば良いと思います。
拉致被害者と御家族が苦しまれている25年間は、私達の無関心が作った悲劇なの
です。☆
☆花岡信昭のサイト http://www.hanasan.net/
メルマガ政治ジャーナリスト・花岡信昭による分析・考察
http://www.melma.com/backnumber_142868/☆
☆佐藤守のブログ http://d.hatena.ne.jp/satoumamoru/☆
☆山崎行太郎のサイト http://yamazakikoutarou.gooside.com/☆
☆青葉ひかるのニコニコプラン2525計画推進協議会に賛同を!
http://www.2525plan.jp/ ☆
☆クライン孝子のブログ http://www2.diary.ne.jp/user/119209/ ☆
☆ウェッブサイト< http://www.hirakawa-i.org >☆
平河総研会員募集中です。
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ゲストコーナー 塚本三郎
怨念の対決
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国政の重大事を論ずるのに、事態を矮小化することの、不謹慎を承知の上、書い
てみた。
小泉首相演出の劇場化は、自民党の地滑り的大勝に終った。岡田民主党は、後始
末に追われている。
終始一貫、「郵政民営化」にとりつかれた様に見えた小泉首相は、単なる演技では
なく、郵政民営化の反対者に対して、怨念をもって対決した。髪振り乱しての姿は、
一国の総理大臣としては異様であった。これは改革に対処する指導者として本物だ
と国民は受け止めた。そして改革に取り組む一途な姿は、頼もしい小泉と映った。
古い伝聞で確かではないが、小泉首相の祖父・又次郎氏は、地方において特定郵
便局の設立に努力したから、各郵便局は、代々小泉家とは身内の如く付き合って来
た。
父・純也の死後、純一郎氏は後継者として、初めて立候補した衆議院選で、悔し
くも落選を味わった。その原因の一つとして、純一郎氏の胸中に燃え盛ったのは、
郵便局に対する不信の炎であった。そう受取られても不思議ではない。それは政敵、
田川誠一氏に郵便局が味方したことによって、身内に裏切られたとの思いが純一郎
氏に宿った。
爾来、終始、郵便局に対しては、不信の底意が募っている。彼が訴える国会の場
で、郵政民営化の論は一貫してぶれない。遺恨の男は信念の男と善意に解された。
今回の選挙は小泉首相の初一念の純粋性か、はたまた怨念の単なる執念なのか。
田川誠一氏は、河野派の代表、一郎の息子・洋平氏と組んで自民党を脱党し、新自
由クラブを結成し、少数派ではあるが代表となった。
中曽根内閣が売上税で失敗し、過半数を割って、あわや政権の座が危うくなった
とき、田川氏を中心とするグループ・新自由クラブが助けに入って連立を組み、中
曽根内閣は事なきを得た。田川氏は外様ながら大臣の席を得た。元来、河野派を継
いだのは中曽根派であるから、因縁は繋がっている。
時代は流れて、小選挙区制になった時点で、中選挙区時代、福田、中曽根、小渕
の三者の対立解消の為、中曽根を「大勲位、比例永久第一位」を約したのは、竹下
元総理であった。彼はその約束を誓紙にも書いていると言われる。中曽根氏は快く
この要請を受けた。
竹下氏の没後事態は変化した。老朽自民党若返りの声は、七十二歳定年制の声に
押されて、中曽根大勲位に対する誓紙は反故とされた。党の決定に基づいて、敢え
て悪役を果たしたのは、小泉首相であった。
中曽根先生にとっては、余りにも理不尽、そして屈辱を味合わされた結末である。
二〇〇五年八月八日、郵政民営化法案が参議院で否決となった。その決定的瞬間ま
で黙して語らなかった、亀井グループの参院会長・中曽根弘文(中曽根大勲位の子
息)が直前に、仲間十名と共に、民営化反対を宣言した。参議院議員は雪崩の如く、
反対派が続出し、遂に大差をもって否決された。小泉家対、中曽根家及び、そのあ
と中曽根派を引き継いだ亀井派の怨念の対決が、このすさまじい戦となった、との
見方は注目に対する。
小泉首相の正論は、単に郵政に関する限り否定できない。しかし、それ程の決断
と実行力をもちながら彼が担う四年間の期間中、なぜもっと重要な、外交、防衛、
福祉、税財政をおろそかにして来たのか、という不平と疑念が持ち上がって来る。
日米同盟と呼称して、米国との関係強化に力を尽くし、イラクへの自衛隊の派遣
に即刻協力したのに、その他の重要政策には、余りにも不似合いな指揮は、小泉首
相らしからざる執政であった。
郵政民営化法案の成立に込められた小泉首相の執念は、異常を通り越した。
反対派への怨念として、昨日までの永年の同志であった反対派議員に、刺客まで
送り込んだ。それも例外なくであった。同じ党の仲間として、根本的には相容れな
い思想ではなかった。唯、その手段と方法の喰い違いからの反対議員も少なくなか
った。
「奇人以上の人」と呼ばれ、今回の選挙に見せた鋭さと態度は、彼の在任中四年
間には全く表わさなかった出来事であった。
小泉首相は、今回の演出を単なる「怨念及び執念」と、とられない為にも、内閣
総理大臣として、眼前の国政の滞った課題を、解決する責任がある。
理屈はあとから、かしゃ(貨車)で来る。
「泥棒にも三分の理が在る。まして理屈に生きる政治家に理屈の出来ないはずは
ない。」これは、亡き春日一幸氏の有名なセリフである。「理屈は何とでもつけられ
る、先ずは協力してくれ」これが同氏の口説き業でもあった。
言い得てむべなるかな。政治家は先ず結論を出して、その後に、言い訳の理由を
つけることは珍しくない。そんな点を勘案すると、郵政民営化をはさんで小泉対中
曽根、亀井の対決は、怨念の理由付けとしてであっても、潔く、そして今日迄の与
党自民党の欠点を充分に改めて、なお余り在る行動と評された。
結果は見事な成果を勝ち得た。この戦いが見事であればある程、今後の政局運営
に反映されなければならない。大衆が騙されたと気付くような、行動を執って欲し
くない。
選挙の結果は、小泉首相自身が驚く程の大勝利であった。それ程に過大な小泉ブ
ームを造り上げた。国民は日本の将来に対する夢を小泉首相に託した。
大衆の独り合点であったとしても、責任は内閣総理大臣である小泉純一郎にある。
過大な夢、即ち過大な責任を背負っての小泉首相の再出発は、晴れやかであると
共に、重い重い荷を背負わされたと言いたい。
教育や税制や福祉のみではない。憲法改正という、自民党立党の出発点が、漸く
現実の姿として登場する。
その時、曖昧な改正でお茶を濁し、改正など行なわないほうが良かった、と
嘆かれるような「仏作って魂入れず」の憲法改正にならぬよう願って止まない。
塚本三郎;
愛知県名古屋市に生まれる
鉄道省名古屋鉄道局に勤務し、県立中学校(夜間)に入学
終戦とともに労働組合運動に従事
運輸省に転勤し、中央大学法学部(夜間)に入学
国鉄を退職し、中央大学法学部卒業
昭和 33年 挑戦4回目にして初当選し、昭和生まれ初の代議士
(日本社会党所属)となる(以後当選10回)
昭和 35年 民社党結党に参加
昭和 49年 民社党書記長に就任(国鉄改革・電電公社民営化に取組む)
昭和 60年 民社党中央執行委員長に就任
平成 元年 民社党常任顧問に就任
平成 9年 「勲一等旭日大綬章」を受章
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1.佐藤守コーナー
「大東亜戦争の真実を求めて」 その29
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保科善四郎回想記(保科メモ)を続けよう。
「私はかねがね米国との戦争は絶対に避けるべきであると考え、岡敬純海軍省軍務
局長にしばしば進言していた。陸軍の岩畔軍事課長も私と同意見で積極的に動き、
たまたま日米間の衝突回避のために奔走していた米人宣教師の働きもあって、8月
29日、ルーズベルト大統領と近衛首相とのハワイ会談をしようとの内約が出来、随
員も海軍側は吉田(善吾)前海相に内定し、極秘裏に新田丸への乗船の準備までし
ていた。ところがこれをアメリカの新聞が書きたて、日本側にも伝わって、親枢軸
派や右翼の連中が騒ぎ出し、反米的言辞がやたらに横行してしまった。この会談が
流産した背景には、やはり対日不信感が根強かったということであるが、折角大統
領がハワイまで出かけて行ってそれが実らなければ面目丸潰れという、ハル国務長
官の思惑が直接の原因である。戦後米国の公表した文書によれば、ルーズベルト大
統領は洋上会談の時チャーチル英首相に対し、『交渉によって日本をあやなしてお
く』という態度を表明しているし、どうやら会談拒否の理由の一つが、近衛首相が
支那事変開始時の日本政府の総理であり、かつ中国との和平問題について、日本が
固執している近衛原則を宣言したその人だからということのようである。つまり、
米国は日本を全く信用しなくなっていたのである。
なお新田丸は、出師準備計画作業で特設空母に改装する事になっていたが、この
会談に備えて改装時期を延期したために、改装が遅れて開戦には間に合わなかっ
た」
秘密会談情報がメディアに流れた原因は何か? 単に「対日不信感が根強かった」
と決め付けるだけでよいのか? ハル長官の「思惑」が会談不成功の直接の原因だと
何故断定できるのか? 詭弁ではないのか? ルーズベルト大統領が、チャーチル首
相に「日本をあやなしておく」という態度を表明した原因が、近衛首相の支那事変
責任者論だけで片付けられるのか? これまた米国側の弁明ではないのか? 米国首
脳が「日本を全く信用しなくなった」原因は何だったのか?
戦後育ちの若輩が、戦後得た情報を片手に大先輩に借問する資格はないが、米政
府に接触出来る諸外国大使、例えば当時の国民党政府の在米大使はじめ、反日で有
名な宗美麗蒋介石夫人の動向などは適切に把握されていたのであろうか?
在米日本大使館の余りにも御粗末な活動振りから、概ね推測は成り立つが、結論
はこの時期の外交資料を精査するまで待つ以外にない。ただ、新田丸の特設空母へ
の改装計画が大幅にずれた事は、ルーズベルトの「あやなし作戦」が見事に図に当
たった結果であり、なんとも歯がゆい限りである。
「保科メモ」には、前述した「南北論争」に関する、大意次の様な記述がある。
「昭和4年(1929)10月24日に始まった世界恐慌を引き金に、我国も不況の波に
襲われるが、満州国が樹立された昭和7年前年末に高橋蔵相によって取られた金本
位制停止、デフレ政策によって100万人以上もの失業者が巷に溢れた。国民の困窮
振りを見た血気盛んな青年将校は、それを扇動する過激な思想家達に共鳴して決起
する」。五一五事件である。
当時、中尉で霞ヶ浦の飛行学生だった寺井中佐が「血盟団事件の人々」と題して書
き残している一文は、当時の状況を知る一助になるから引用しておこう。
「藤井中尉は大変な悲憤慷慨居士であって、いつも天下国家を論じ、世の不公平を
慷慨していた。特に弱者に対しては格別の感情があったようである。彼がある時私
に語ったところによると、彼は九州の炭鉱夫の息子で、継母に大変苦労したようだ。
それで弱い人、逆境にある人を見ると、無性に腹立たしくなる様であった。彼の下
には西田悦氏など、陸軍や民間のいわゆる“国士”が頻繁に出入りし、彼もまた日
曜日ごとに上京して右翼仲間に出入りしていたようであった。ある日彼から『大洗
の某寺の日召という住職が偉物だから行ってみないか?』と誘われたので大洗に行っ
た。そして寺に『井上日召』という住職を尋ね、庫裏(寺の台所)に入ると大勢の先
客がいたが、話をするうちに近郷の学校の先生で古内という人が、米などを持ち込
んできて食事の用意をしている。酒も出て、話は天下国家のことで、水戸は昔から
国士を生む所だと感心した。集まっている人達の中に佐古屋という人物もいたよう
な気がする。その時はそれで済んだが、後日浜口首相が東京駅で佐古屋という青年
に刺され、井上日召と日蓮宗の僧侶の一人一殺主義の仲間であったことを知って驚
いた。昭和56年、私は40数年ぶりに大洗に行き寺を訪れたが、昔の面影がそのま
まであり、堂内には当時の志士たちの写真が所狭きばかりに掲げてあり、その中に
藤井中尉の写真もあって懐かしかった。時代が変わっても、日召師に縁のある若い
住職がいて、色々と話しをしてくれた」。
昭和56年、当時百里基地の飛行隊長だった私も同行した。古いながらも良く手
入れされた堂内には、五一五事件関係者の写真が飾られ、供養が続けられていた。
寺井は海兵54期だったから、同期生や先輩の写真が数多く飾られていて、「あい
つもか!」と呟きながら感無量の面持ちだった。
寺井がこの事件に関わらなかった理由は、直後に起きた上海事変に彼自身が「陸
戦隊指揮官」として出征したからであるが、他に「志士達の酒癖?についていけ
ず、足が遠のいていたことも理由のひとつだった」と私に語った。
私は、寺の資料を見て、当時の民衆の困窮振りを何とかせねば・・・という青年士官
たちの情熱の強さを知り、政(まつりごと)の大切さを改めて思い知ったのだが、二
二六事件に決起した青年将校達の気持ちもきっとそうであったに違いない。
保科中将の回想記によると、昭和11年に起きた二二六事件では「陸軍はその善
後策に腐心していたし、海軍もまた極力その立ち直りのために協力を惜しまなか
った」が意外なことが陸軍を刺激して陸海軍が対立した、とある。 (続く)
佐藤守:
防衛大航空工学科卒(第7期生)。
航空自衛隊に入隊
戦闘機パイロット(総飛行時間3800時間).
外務省国連局軍縮室に出向。三沢・松島基地司令、
南西航空混成団司令(沖縄)を歴任.平成9年退官.
岡崎研究所特別研究員.軍事評論家.
日本文化チャンネル「桜」軍事コメンテーター.
著書に「国際軍事関係論」
ブログ;http://d.hatena.ne.jp/satoumamoru/
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2.奥山篤信コーナー
映画『シンデレラマン』
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まるで見ている自分自身が相手のボクサーのパンチを猛烈に受け、顔面が歪み、
汗と血が飛び散り、脳細胞に激震を食らい、それとともに怒りの闘志が爆発して
相手にカウンターを食らわす。。。まさに数々のボクシング映画のなかで、これ
ほどリアルにリング上で実体験しているような錯角で画面に惹きつけられる映画
は始めてだ。
主役であるラッセル.クロウは、この役のために、徹底的な訓練を受けスパークリ
ングを重ね、18kgまで減量するまで過酷なトレーニングを受けた。それは当時
を知るモハメドアリほか超一流のボクサーを育てた伝説のトレーナー、アンジェロ
ダンディの参加をえて、このシンデレラマン、奇跡のボクサー、ジムブラドックに
なりきった。映画は実際の現役のボクサーを相手に死闘を繰り広げるシーンを危険
覚悟で撮影した。クロウ自身パンチを食らって、あわやという事態もあったらしい。
またスパークリングの最中、肩を脱臼し、手術を伴う全治7週間の大怪我をした。
まさに命がけの役柄への挑戦であった。
クロウの『演じる人物を作り上げていく過程が好きだ』というように、アメリカ俳
優の映画への取り組みはクロウに限らず、たとえば『Scent of a Woman』での盲目
の役を演じたアルパチーノは、あの芸術的な演技のために盲目の人々と生活をとも
にしたという。日本の映画の物足りなさは、最近特に言えるのだが、俳優がここま
で命がけで役柄に取り組んでいないということではないだろうか。その場の付け焼
刃的演技だと、海軍軍人もせいぜい言葉だけがやけに饒舌な商船大学学長でしかな
いのだ。アメリカ映画の凄さ、というかアメリカ人の本もののプロ意識はここにあ
るのだと思う。
さてこの映画、本年度アカデミー賞有力候補に相応しい見ごたえのある映画だ。僕
が若いころ読んだ、スタインベックの『怒りの葡萄』が描く、大恐慌のあおりで失
業者が1400万人でた1930年初頭の実話である。町には失業者が溢れ、その
日の糧を求め、我先にと職につかんとする行列、最低生活手当てをうけるべく長蛇
の行列、共産主義者扇動の暴動、1900年初頭物質文化を謳歌したアメリカとは
思えない生き地獄の時代が背景にある。
かって栄光のボクサーの地位を得たジムブラドックが事業や投機に手をだし恐慌の
ため全てを失い極貧の生活を強いられる。愛する妻(レネーゼルウイガー)と天使
のような子供たちと。その日の暮らしのために、骨折を隠してまで日銭のためボク
シングを続けるが、これが露呈してライセンスを取り上げられる。そして港湾労働
者を続けるが、金銭的に破局を迎える。神は決して見捨てなかった。家族の絆と家
庭の幸せだけ願い、必死で生き、働き続ける父親を!ある日、一日だけの代役のボ
クシング試合が回ってくる。リングに倒れたことがないブラドックがノックダウン
されるというグロテスクな思惑のもとに。そして、予想に反し奇跡が起き相手をノ
ックダウン、そして二度目の栄光の道が広がっていく。
一見ありふれたサクセスストーリーなのだが、これは従来のアメリカンドリーム的
なものでなく、ブラドックが求めたのは家族が日々の糧を得る(ミルクを飲める)
ためという目的に向かってのもので、志しからすれば平凡なcitizenの生き様であ
る点だ。別に何一つ野心もない、いわゆる英雄意識も一切ない。子供にはいくら貧
しくとも盗んではいけない、父親たる自分が生活の責任をとる、私的な借金を返し
たのち、社会保障局で怪訝そうにまだ生活保障を貰うのかと冷ややかな目をよそに
行列をつくり、今まで与えられた生活保証金を全部返済するモラルがある。アメリ
カ社会の鑑としての道徳観である。現在アメリカですら、マネーゲームとしての弱
肉強食があっても、一般的には日本に比べはるかに社会道徳、公共心があると僕は
思っているが、古き良きアメリカ人を描いている。貧困にあえぐ労働者たちは、そ
の当時貴重なラジオがある教会にブラドックの試合を聞くために集まる、そして熱
狂的な応援をする!ブラドックの一家族のために日銭を稼ぐことが、実はアメリカ
国民に勇気と希望を与えていたのだ。
国家社会の末端の単位である家族の幸せを守る父親ブラドックの存在。愛する妻が
命を賭けたチャンイオン戦マックスベアとの試合を止めるように泣きつく。勿論こ
の段階ではすでにミルクの心配はないので止めることはできたブラドック。勝利は
不可能、精々2Rにてリングに沈むだろう、それどころか殴打死をも予想された危
険なその戦いに、妻の制止を振り切り挑むブラドック、その時点で彼の世界は家族
単位よりさらに大きな社会への参加としての飛躍があったと僕は見た。ブラドック
はその時点で死んでも良い、その壮絶な死は貧困にあえぐアメリカ人の期待に答え
るものだという、私的世界から公的世界への昇華があったと思う。男の本質はやは
り戦争での兵士なのではないか?
現在日本は家庭の秩序が男女共同参画社会という美名のもとジェンダーフリーなる
狂気のなかで蝕まれている。この映画で描かれている、家族とは何か、夫の役割、
妻の役割とは何か、子供に対する教育とは何か、実は男女というそれぞれの役割が
まさにこの時代には生き生きと美しく輝いていたと思う。東西古今問わず、この映
画で描かれている男らしさ女らしさ,男の優しさ女の優しさに誰でも感動するはずだ。
最後にこの映画の二人の主演クロウとゼルウイガーの絶妙の演技力、それとマネー
ジャでありブラドックの永遠の友を演じたポールジアマッティの演技力には最大限
の賛辞を与えたい。
奥山篤信:
昭和45年京都大学工学部建築学科卒
昭和47年東京大学経済学部卒
三菱商事本社入社
6年余にわたる米国三菱ニューヨーク本店勤務を経て
平成12年退社
コンサルタント会社ストラテジーズ設立
勉強会『平河サロン』主宰
平河総合戦略研究所代表理事
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3.松永太郎コーナー
「驕れる白人と闘うための日本近代史」
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松原久子という人の「驕れる白人と戦うための日本近代史」を読んだ。
ここで、書かれていることは、私たちにとっては、とくに目新しいことではない。
しかし、何に感心したか、といえば、著者が、このような本を、ドイツ語で書かれ、
それをドイツにおいて出版した、という事実である(本書は、ドイツ語の原書を別
の人が翻訳したものである)。以下は、この本を読んで、そぞろに思ったことであ
る。
明治以来の日本人のある種の宿病といえば、言わずと知れた「西欧崇拝」
であった。それも、日露戦争のころまでは、そうでもなかった。バルチッ
ク艦隊を撃破したとき、牧野伸顕は、マルセイユに向かう船上にあったが、
この勝利を電報で知らされ、内心、雀躍した。しかし黙っていた。船上で
催された夜会で、この事実がキャプテンから発表されたとき、多くの西欧
人が、彼を祝福した。そして、このことを知っていたのか、と尋ねたそう
である。彼は、もちろん知っていたと答えた。「なんという人だ。こんなこ
とを知らされたら、言わずにはいられないだろう」と西欧人たちは言った
が、牧野は「私は、サムライである」(I am a Samurai)とのみ、答えたと
いう。
ここにあるのは、自尊心である。幕末から維新にかけて、日本を導いた
人々は、西欧に対して、なんら劣等感を持ってはいなかった(西欧殖民地主
すぐにわかることだが、西欧に対して警戒はしたが、ぜんぜん、劣等感を
持っていない。ただ、連中の技術だのシステムだのは、もし戦争になると
か、あるいは「世界のなかの日本」として生きていこうとすれば、それは、
ある種の利点があるとみたであろうと考えていたに過ぎない。すなわち
「魂」は日本人であるが、さまざまな技術やシステムなどの「才」は、取
り入れていこうというわけである。
ところが人間の心とは、そううまくはいかず、「技術(戦争だの、建物だの、
社会システムなの外面的なもの)」にとらわれて、劣等感を持つものが出て
きた。「舶来上等」である。
この劣等感を不思議にも一番持ったのは、技術者や科学者や企業家では
ない。もしも技術や科学がそんなにも遅れていたなら、まっさきに劣等
感を持って、差し支えないような人々ではなかった。
そうではなく、いわば「無用」(本来、素晴らしい意味を持っている言葉で
あるが、残念なことに今はその意味は失われている)、の学問や分野であ
る人文科学や文芸などにかかわる人々が持ってしまった。彼らの多くは、
「国費」(死語)で西欧に留学し、西欧に対するすさまじい劣等感(多くは、
夏目漱石のように、単に言葉ができなかったためであるが)と、ついでに
西欧中心の哲学だの歴史学だの文学だのをもって帰ってきた。そして、
さまざまな賛美歌を歌った。古典ギリシャ万歳、イタリア・ルネサンス
万歳、フランス革命万歳、ヒューマニズム万歳、個人主義万歳、イギリ
これに対抗しようとしたのは、今では、すごい悪役となっている京都学
派だけである(西欧崇拝のもう一つの理由は、もちろん、周りのアジア
が遅れすぎていたためである)。
この宿命的な病は今でも生きている。それどころか、今では、そこに敗
戦以来の「日本はとても悪い国だった!」コンプレックスが加わっている。
今までの日本のマスコミも人文学の学界も場合によっては政界も、この劣
等感の忠実な継承者によって占められてきた、といっても過言ではない。
今でも「南蛮渡来」の考え方をむやみにありがたがる人たちはいる(名前が
変わっているだけである)。フェミニズム、グローバリズム、マルチカルチ
ュアリズム以下、無限に続く。世界中、これだけ自国の文化・歴史・文明
を、悪し様に言う人の多い国も珍しい(アメリカも多少似たところがある。
別の意味で西欧コンプレックスがあるので)。
窒息させられている日本人の魂。しかし、そんなに悲観したものでもな
い、松原さんのような本を書く人もいるからである。
松永太郎;
東京都出身
翻訳家、多摩美術大学講師、レモン画翠社長
主訳書「進化の構造」「イカロスの飛行」他。
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4.桜井裕子コーナー
売国の法匪・横田喜三郎
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同胞を根拠なく裁くことを奨励した東大法学部教授
わが国は、60年前、米軍の一般国民を巻き込む物量に任せた無差別空襲によって
焦土と化し、降伏を余儀なくされました。一方で、大東亜共栄圏という後付ではあ
りましたが大東亜戦争の大義名分は見事に果されました。日本の統治下にあった台
湾・南北朝鮮とともに、英米圏から搾取に遭っていた東南アジアの国々やインドな
どは、先の大戦後、次々と独立していきます。
しかし、それが故に、英米の日本への憎悪はいや増して、極東軍事裁判(東京裁
判)がその怨念を晴らす舞台になりました。その東京裁判の違法性を、国際法の正
義と真理に則って批判したのがラダ・ビノート・パール判事でした。パール判事に
ついては、本メルマガ第22・23号で既述した通りです。
その一方で、「東京裁判は罪刑法定主義に立脚していないが、恣意に寄らない公正
な裁判なので、それは実質認められる」、「今次の戦争は日本による侵略戦争だった」
として同胞が!)根拠なく!)裁かれることを奨励、容認した日本人の国際法学者がい
ました。
その人の名は、東大法学部国際法主任教授・横田喜三郎です。
「平和に対する罪で裁いても構わない」
東京裁判が法の正義が踏みにじったものとされる最大の根拠は、罪刑法定主義に
基づかない事後法で裁いた点にあります。ここに焦点をしぼって、横田喜三郎の著
作をみてみましょう。
横田喜三郎は、著書『戦争犯罪論』(有斐閣)「第四節 罪刑法定主義」で、まず
〈罪刑法定主義は罪と刑とが前もって法によって定められていることを要するとい
う主義である〉と説明した後で、こう述べています。
〈いわゆる「平和に対する罪」については、こんどの戦争ではじめて戦争犯罪とさ
れたもので、いままでこれを犯罪とし、それを行ったものを処罰するということが
定められていなかった。すくなくとも明示的には定められていなかった。したがっ
て、これを戦争犯罪として処罰することは、罪刑法定主義に反するのではないかと
いうことが問題になる。実際において、かような反対論がある。しかし、いっそう
深く考察するときは、かならずしもそうではない。かえって、戦争犯罪として処罰
することを肯定すべきようである〉
ここで横田は、事後法の「平和に対する罪」で裁くことは罪刑法定主義に反する、
という論は、「いっそう深く考察すれば誤りだ」と言っています。そして、事後法で
裁いても問題ないどころか、「戦争犯罪として処罰していい」といっているのです。
「戦争責任者の処罰に罪刑法定主義を適用すべからず」
同書では、横田はさらにこう述べています。
〈罪刑法定主義は、フランス革命の人権宣言で採用された。これは専制君主制の下
で裁判が恣意的に行われたことに対する反動として、それを防止し、人権を保障す
るために採用されたものである。
かような恣意的な裁判が行われる可能性のないところでは、かならずしも絶対に
この主義を固執しなくてはならぬということはない。…大きな変動期には、とくに
古い秩序が破壊され、新しい秩序が建設されようとする転換期には、そうすること
(=あらかじめ罪と罰とを法によって定めること)は不可能なことがあり、望まし
くないことすらある。しいてそうしようとするならば、新しい秩序の建設をさまた
げ、不可能にすらするであろう。かように見てくれば、罪刑法定主義を国際裁判に
適用することは、かならずしも絶対の、無常命令的な要請ではないということにな
る。…
実際において、罪刑法的主義に反するという理由のもとに、戦争責任者の処罰を
まったく行うことができないということになるならば、こんどの戦争の世界史的な
意義が全く失われ、人類は単に比類のない惨害を蒙ったのみで、その代償となるべ
きなにものもえなかったことになる。実質的に見て、それは決して適当ではなく正
当でもない〉(同書130〜131頁)
ここでは、!)旧体制から新体制に移行する現在のような転換期には、罪刑法定主
義を適用することはよくない、!)国際裁判は恣意的には行われないから、罪刑法定
主義を適用することは必ずしも必要ではない、!)今回の世界大戦の惨禍をもたらし
た原因は日本にあるのだから、その戦争責任者たちを裁くのには罪刑法定主義を適
用すべきではない――といっています。
近代法の原則である罪刑法定主義をこれほど!)恣意的!)に解釈した国際法学者も
珍しいといえましょう。しかし、同書のどこにも、「東京裁判が恣意的ではない」と
いう根拠は示されていません。
横田喜三郎は、当時、服部ハウスで東京裁判に関連する英文の翻訳作業に携わっ
ていました。つまりパール判事の判決文の内容も趣旨も充分知る立場にありました。
それにしてこの非論理性ですから呆れるばかりです。
法の原則を無視して、何とか東京裁判に正当性を与え、日本人の戦争責任者を断
罪する道を開こうと、屁理屈で埋め尽くした書ですが、この書は当時、アメリカの
メディアに叩かれて意気消沈していたウエッブ裁判長とGHQ・マッカーサー総司
令官を大いに勇気づけたと言われます。
東京裁判は昭和23年4月16日に結審、同年11月に判決文の朗読が行われます。
同年12月には、世界人権宣言が国連で採択され、事後法による遡及適用が禁止
されることになっていました。それを知った東京裁判所は、しゃにむに結論を急ぎ
ました。何としても、「法の不遡及」の原則を枉げて、事後法で日本人の戦争責任者
たちを処断したかったのでしょう。
諸外国の学者は否定、日本の学者は肯定する東京裁判
東京裁判の不当性については、米最高裁・ウイリアム・ダグラス判事が、「国際軍
事裁判所は政治的権力の道具以外の何物でもなかった」(1949)と断罪し、イギリ
ス外交官ハンキー卿が、『戦犯裁判の錯誤』(1950)で、パール判事の判決書を百パ
ーセント支持すると表明しています。
しかし、日本では、横田喜三郎が種を蒔いた東京裁判礼賛の破綻した論理が、今
日までしぶとく生き残っています。
〈重要なのは、現実には『勝者の裁き』や事後法であったことを理由に、新しい
!)戦争犯罪!)を誤りだったとして否定的に評価するのか、あるいは、戦前・戦中の
未曾有の残虐行為を前にして登場したこれらの犯罪概念が、当時の国際社会の要求
に沿うものであり、その後定着する契機となったとして肯定的に評価するのかとい
う点である。これを戦後の国際社会の展開と法の発達の視点から見るならば、後者
の評価が妥当であると思われる〉(『戦争犯罪とは何か』藤田久一・東大法学部国際
法担当教授=当時、1995、岩波新書)
こうして東京大学を頂点として、いまだに横田理論を踏襲する法学者たちは、法
の真理を探求する学問的良心に恥じることがないのでしょうか。
反国家的な法匪を最高の栄誉に序する日本政府
事後法による戦争責任者断罪を礼賛した横田喜三郎は、その後、『天皇制』(昭和
24年、労働文化社)で天皇制の廃止を高らかに唱えます。
〈いわゆる日本の国がら(=皇室の推戴)なるものは、実は封建と専制の結果であ
り、無知と奴隷的服従が日本の人民の自然な発達を阻止したために生じた奇態状態
に過ぎない〉〈根本にさかのぼって、民主主義との関係からいえば、天皇制が本質的
にこれと一致しないものであることは、どこまでも忘れてはならないことである〉
ところが横田喜三郎は、昭和35年10月には、自ら否定した天皇陛下から最高裁
判所長官に任命され、昭和41年勲一等旭日大綬章を授与され、昭和50年には文化
功労者として顕彰され、昭和52年、旭日桐花大綬章、昭和56年、文化勲章を授与
されています。
法匪というべき反日的法学者を最高裁判所長官に据え、最大級の栄誉を与える日
本国政府も政府なら、過去の反国家的、天皇制糾弾の詭弁を弄したことは頬かむり
して、栄誉だけには浴する方も鉄面皮の恥知らずといわざるを得ません。
敗戦この方、わたくしたちは、「国のありよう」についてきちんと確認することな
く、日々の生業と雑事に時を過ごしてきました。それがこれらの反国家的言辞を許
し、そうしたものに最大の栄誉を与える愚挙を許したのではないでしょうか。
祖国の未来を見据えながら礎になった多くの命がありました。そうした命への恩
返しのためにも、戦後60年の今、われわれは、今一度、「国のありよう」について
確認して、きちんと再出発すべき秋を迎えているように思われます。(文中、敬称略)
桜井 裕子: 慶應義塾大学文学部英文科卒業。PHP研究所、PHP
エディターズグループ勤務を経て、フリーに。主に書籍のプロデュースや
執筆・制作を手がける。
最近の作品は『新・国民の油断』(PHP研究所、西尾幹二・八木秀次)、
『この国を守る決意』(扶桑社、安倍晋三・岡崎久彦)など。
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5.西山弘道コーナー
「共産中国は崩壊する?」
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先週、中国でビジネスをしている知人から興味ある話を聞いた。2010年の上
海万博終了後、中国から共産主義が無くなるというのである。知人は上海で医療ビ
ジネスに携わっているが、監督署の上海衛生局の高級幹部と仲が良く、ある日、彼
がこう話したという。「もはや、中国は統治システムとして共産主義は放棄しなけれ
ばならないところまで来ている。2010年の上海万博が終わったら共産党独裁は
放棄して、多党型の西側民主主義体制を採用するだろう。これは政府部内で公然の
秘密となっており今、その準備体制が着々と進んでいる」。これが事実だとしたら驚
くべきことである。あと5年後に、ソ連に続いて、中国からも共産主義が無くなる
のだ。その衛生局の高級幹部はこうも話したという。「現在の胡錦濤総書記こそ、
ゴルバチョフであり、彼はそろそろ、その役割を始めるであろう」と。
今や中国は「世界の工場」と呼ばれるほど目覚しい経済躍進を遂げたが、国家シ
ステムが本来閉鎖的な共産主義体制のため、その発展には限界があるといわれてい
た。すでに沿岸部と内陸部の経済格差の拡大、国営企業の赤字増大化、金融機関の
不良債権の増加など数々の矛盾が指摘され、いずれ「中国バブル」は弾けるともい
われていた。「万民平等」の共産主義と「欲望の最大追求」の市場経済という、相
容れない矛盾を解決するためにはいずれ、共産党独裁を放棄せざるを得ないだろ
うといわれていたが、こう早く「その時」が来るとは。2008年の北京オリンピ
ック、10年の上海万博を経験することで、中国人民に西側のグローバルスタンダ
ードを「学習」させ、市場経済国家移行に備えようというのか。
土台、13億もの巨大人口を抱える国家が共産主義という閉鎖体制を採用するこ
と自体が無理なのだ。マルクスが描いた共産国家は英国やドイツなど、資本主義体
制が爛熟した、ヨーロッパの中規模国家であり、ロシアや中国など後進地域の巨大
国家ではなかったのだ。従って中国は共産主義から、市場経済国家に脱皮する際に
「連邦制」を採用せざるを得なくなるだろう。それでなくとも中国は昔から、土匪
の跳梁に見られるように地方独立意識が強く、元々地方による連合国家だったのだ。
2010年以降、共産主義が放棄されるとともに、中国は東北地区、北京、上海、
広州、内モンゴル、そして西域の6つの地域から成る連邦国家に再編成されるだろ
う。
この連邦国家構想は、台湾の平和的統一という観点からも、中国にとっては有利
であろう。台湾は当然、連邦州の重要な一つとして認知されるだろうし、その時の
台湾国民の「平和的統一」に対する意識も注目される。
「共産中国」が崩壊して、「民主中国」になった時、その移行はアジアに巨大な
衝撃を与えるだろう。特に日本にとって「民主中国」の出現は、国家戦略上の緊要
な問題に直面させるだろう。しかし、その緊要な場面は「あと5年後」に起こるか
もしれないのだ!
西山弘道:
昭和44年早稲田大学政治経済学部卒業後、
文化放送入社以来、放送記者として30余年、
ニュースの現場を踏む。
平成5年報道部長。兼ニュースキャスターとして
「西山弘道の世の中朝一番」なfどの番組で活躍。
また政治記者として、田中内閣以降の「永田町戦国史」
をウォッチ。
現在、文化放送編成局次長
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6.有馬尉彰コーナー
中国山東半島の旅―2 犬を食う文化
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中国山東半島を占める山東省はかつて日本がプレゼンスを持ち、利権を主張して
きたわりには、今日ほとんど日本に知られていない。なぜなのであろうかと思うほ
どである。東アジアの地図を見れば、主要都市である青島(青島が都市の名前であ
ることすら知られていない)は黄海をはさんで朝鮮半島のソウルに極めて近く、朝
鮮半島とその文化はほとんど一体なのではないかと感じた。
100M道路が行き交う緑化されたLAのウィルシャーブルバードを思い起こす
ような都市の横道を入ると舗装されていない土の道であり、そこは様々な露店で
にぎわっていた。雷魚、ナマズ、はもとより、ザリガニなど、様々な食材の店に
混じって、犬の姿焼きとも言うべきものがあった。朝鮮半島は犬を食するとは聞
いていたが、その源流はこの山東半島にあるのではないのか。道をクルマで走る
とかごに生きた犬を何匹も詰め込んだ荷を満載したトラックをかなり見かけた
ものである。
それなりのレストランでも生のにんにくが供される。これも朝鮮半島と同じ、そ
れに、山東半島の済寧は孔子の故郷であり、山東省全体に様々な孔子の遺産が残
されている。孔子の直系は、現在台湾にいるとのことであるが、朝鮮半島にも主
要な一族が現存するとの事である。
筆者が子供のころ、NHKのラジオドラマで三太物語というのが放送されていた。
私自身は、この放送ドラマを聞いた記憶はないがその後、映画化されたものを見
たことがある。小学校の教室で校長以下先生方が宴会を開き、犬の肉ですき焼き
を食べ、子供の三太が愛犬の肉が食べられたと思い、土煙の運動場から、教室の
窓によじ登って、もう食ってしまったかというシーンが鮮明に記憶されている。
その意味では、日本も朝鮮半島と同じ様に犬を食するところがあったことは否定
できないであろう。
今日、日本人は豚肉、牛肉、そして鶏肉を何のためらいも、少しのおぞましさも
感ずることなく日常のように食している。その一方で、鯨はもとよりイルカは、
知的生物として食べることが問題になっている。アメリカの最近のヒット作アニ
メ、マダカスカルは、ニューヨーカーである、ライオンやシマウマ、キリンなど
が、NYを脱出することに成功し、思いもかけず大自然のあふれるマダカスカル
に漂着して、まさに自然そのものの中に投げ出される。そして、ニューヨークで
何不自由なく、クーラーとステーキに恵まれて生活していたライオンも、思わず
空腹のあまり、親友のシマウマの豊かな尻に喰らいついてしまうという話である。
結果は、鮨を供され、ねこ科のライオンは十分、魚に満足するという話である。
愛犬家である筆者には、犬を食べるというのはとても耐えられないことである。
だが、これも、狩猟を主体とした、欧米の文化と稲作を主体とするアジアの文化
の違いということであろう。これだけ、韓国や、中国の経済のプレゼンスが現実
的になってきた以上、彼ら、われらの生活文化をまともに考えなければならない
であろう。そして、日本は、韓国や、中国などのアジア諸国の発展をいつか遠い
未来として願い考えてきたことを思い起こさねばならない。今、その時が来てい
るのである。
日本はアジアの主要国として、彼らとの付き合いを冷静に、戦略的に考えなけれ
ばならない。願いは日本の文化的持続と、もちろん、経済的発展である。
山東半島には、いたるところに済の国しるしが残っていた。済とは、かつて秦に
よって滅ぼされた国である。首都済南を始めいたるところに「済」が残っている。
この、ローカリズムが近未来に中華人民共和国を分裂させる力となるのではない
であろうか。 2005/09/21
有馬 尉彰;
昭和41年学習院大学経済学部卒業
東急電鉄勤務を経てi-HITS副社長など歴任
インターネットイニシアテイブ(IIJ)顧問他 政府関係委員多数
立教大学大学院講師 武蔵工業大学講師 前慶応義塾大講師など
著書に「マルチメデイアオムニバス」(東洋経済新報社)他
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7.青葉ひかるコーナー
「お月見の茶会」での対談
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2005年9月16日
於 京王プラザホテル
[ゲスト] 米澤喜美子先生
茶道裏千家正教授 茶美の会主宰
日本橋三越カルチャーサロン、Q.E.D茶友倶楽部、企業などで茶道指導に携わる
茶道を通じて国際親善・日本文化の紹介
茶の湯コーデイネーター
[聞き手] 青葉ひかる
(青葉)美しい四季に恵まれた日本。今日は仲秋の名月を楽しむ“お月見の茶会”
ですが、その折々の季節の移ろいをこよなく味わい、愛でる日本人であることを改
めて幸せに思います。自然を愛でるという茶道は日本人の美意識の原点でもありま
すね。
(米澤)“雪月花”と言う言葉がありますように、四季をこんなにも美しい響きの言
葉で表すことができることも日本人の感性と日本語の素晴らしさがあるからだと思
います。しかし、日に日に季節感が薄れているのが現代ですし、気ぜわしい日常生
活の中ではいつのまにか木や花や吹きゆく風にもの想うという感覚は失われてしま
ったようです。
(青葉)日本人の心から消えゆく“雪月花”の世界ですが、そんな時代だからこそ、
それを茶道で体験できるということは、現代人に残されたチャンスともいえるので
はないでしょうか。米澤先生は、「男の茶会」を催されたり、忙しいビジネスマンに
も茶道の心を広めていらっしゃいますが、受難の時代を生き抜くビジネスマンにと
ってなぜ茶道が必要なのか、そのあたりを・・。
(米澤)現代人、とりわけ男性にもぜひ“茶の湯”の神髄なるものを知っていただ
きたいものです。茶道は元来、禅宗を背景として成立し、作法や道具よりも精神世
界が重んじられてきました。
それを総合芸術にまで高め、ひとつの文化として開花させたのが皆様よくご存知の
千利休です。
血で血を洗う戦国武将らにとって、茶室のみが唯一、気を緩めることができる「癒
しの空間」であったことでしょう。
これは、厳しい現代の企業戦士にもあてはまることではないでしょうか。
(青葉)ゴルフ、カラオケ、高級クラブ、料亭通い、バブルがはじけると今度は居
酒屋でクダを巻く。決して悪いことではないし、理解はできますが、日本男児の悲
哀を感じますね。
(米澤)“お茶の心”は一口でいいますと、非日常の世界に入り、風雅の世界に遊ぶ
ことなのです。
茶の湯は忙しく悩み多い日々の生活から、タイムスリップして豊かで懐の深い、風
雅な日本文化にどっぷりと浸らせてくれます。時空間を超越して移動し、遠い「心
の旅路」に入るのです。日常から脱却し、心を別の次元に置く。本来の意味での「癒
し」となり、新しい意欲も湧いてきます。非常に厳しい状況にある現代人にこそお
勧めしたいものです。
(青葉)揺らぐ心をしっかりと包み込み、自分自身に立ち返る場としても茶道の世
界が必要な時代かもしれませんね。
(米澤)「日本的な美」日本人の美意識とでもいいましょうか。風土に根ざした四季
折々の中にある美しいものを愛し、共有しようとする、心のありかたそのものです。
ビジネスは単なる経済行為だけではないはずです。美意識を持って仕事をするとき、
多くのヒントを与えてくれます。
また、よく言われます「一期一会」というお茶の言葉は、人様との出会いを、人生
のこの今の瞬間を大切にしましょうという教えです。
(青葉)例えば「エコロジー」などと声高にいわれたり、「もったいない」などいう
言葉をしたり顔で語られる時代ですが、日本人は幾世紀も前から自然そのものを神
として、旬のものを食し、季節に寄り添った生活を守り続けてきました。ですから、
逆輸入的にこのような言葉を耳にするとき、「何を今さら」という思いです。経済を
神とする時代だからこそ、茶の湯の中に答えを見い出すことができるような気もい
たします。
(米澤)仕事でもなんでも、組織が潤ったときにはじめて、個人も豊かになれます。
個人が組織に参加し、そこへ加わった時、各々が幸せになれるものでなければ、恒
常的な発展はありません。
「共通した志向を持つ個人の、集合体としての組織」であるために、清涼剤として
の一服のお茶。このお茶を飲むことが至福にいたるプロセスを楽しむことになるの
ではないでしょうか。
(青葉)日本社会全体にも、それぞれの組織にもあてはまりますね。
(米澤)それに、約800年前に、栄西禅師が「喫茶養生紀」の中で、「お茶は養生
の仙薬なり、延齢の妙術なり」と記しています。
美容と健康にも大変素晴らしい効果があるのですよ。
(青葉)お茶を飲むことにかこつけ、しあわせの時間を共有するために、自然とと
もに生きることを旨とする茶道の観点からも、個人と組織の間でサロン的役割があ
るお茶会をまた楽しませていただきたいと思います。
有難うございました。
青葉ひかる;
三重県出身
早稲田大学卒
元日本航空(株)勤務
評論家
2525計画推進協議会(2525プラン)会長
http://www.2525plan.jp/
ラジオ日本(1422kHz)
「青葉ひかるのガンバレ日本」
毎週(土)16:50〜17:00放送
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8.花岡信昭コーナー
テレポリティクスとネット社会
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自民圧勝を導いた一大政治ドラマ「小泉劇場」の興奮がまだ残る中、第163特
別国会が21日、召集された。全閣僚を再任してとりあえず第3次小泉内閣が発足、
郵政民営化法案を成立させる。
召集日にはさすがにクールビズは見られず、小泉首相も久々のスーツにネクタイ
姿となった。このメルマガ前号で西山氏が指摘したように、小泉自民圧勝をもたら
した大きな要因が、クールビズであった。それはテレビを通じて国民の目に焼きつ
くことになる。テレビが政治を変える―テレポリティクスがこれほど機能した選挙
はあっただろうか。
クールビズは、筆者も実践してみた。あれは普通のワイシャツからネクタイを外
しただけではだめだ。エリ元がぐちゃぐちゃになってしまう。クールビズ専門のシ
ャツがあるということを初めて知った。エリが立つかたちになっていないとだめな
のだ。洋服の安売りチェーンでクールビズ・シャツが大量に売られていたので、色
変わりのをいくつか求め、この夏はほとんどこれで通した。
スーツにネクタイというのが現役記者時代の当たり前の服装であった。首相から
ヤクザの親分にまで会わなくてはならない仕事なのだから、どんな場面でも通用す
るスタイルとなると、これしかない。だが、ネクタイを外してみて、いわゆる「裃
(かみしも)を脱ぐ」のはどういうことか、よくわかった。肩肘はらないで、普通
の言葉で話しても、相手には失礼とは映らないのだ。
小泉首相のクールビズが成功したのは、ここである。ネクタイにスーツでは堅苦
しいものの言い方になるが、クールビズだと、普段の言葉遣いで通ってしまう。見
るほうは、われわれと同じ目線に立っているという気にさせる。庶民の気持ちが分
かる首相なんだ、といった錯覚に陥らせることができる。これがクールビズの効用
なのではないか。それをテレビは見事に伝えてくれたのだ。
テレポリティクスに、ネット社会がオーバーラップする。読売新聞20日付4面
に「ネットモニター調査」が掲載されている。インターネット利用者1000人に
モニターになってもらい、これが第3回調査結果である。見出しは「TV好きほど
自民に投票」。これで合点がいった。おもしろいデータだと思うので、その部分を紹
介したい。
《平日1日あたりのテレビ視聴時間が長い層ほど、おおむね自民党や小泉首相を
支持する割合が高いことが分かった。
先の衆院選では、自民党が、郵政民営化法案に反対票を投じた候補者に対立候補
を擁立したことがメディアで注目を集め、「劇場型選挙」とも呼ばれた。テレビの
長時間視聴層の多くが実際に自民党を支持していたことが、裏付けられた。
衆院選比例選で投票した政党は、全体では、自民党53%、民主党24%、公明
党8%、共産党、社民党が各4%、新党日本2%、国民新党1%の順だった。平日
1日あたりのテレビ視聴時間別(視聴時間は衆院解散直後の第1回調査で質問)に
見ると、30分未満の層では自民党に投票したのは40%だったが、3時間以上の
層では57%に達した。
来年9月で自民党総裁の任期を迎える小泉首相については、全体では、「任期で
辞める方がよい」が54%、「引き続き担当する方がよい」46%。テレビ視聴が
30分未満の層では、「任期で辞める」67%、「引き続き担当」33%で任期い
っぱい退陣論が主流だった。しかし、3時間以上の層では「引き続き担当」が53%
に上り、「任期で辞める」は48%にとどまった。》
テレビを3時間以上見るというのは、当然、ワイドショーを含んでいるものと思
える。ワイドショーは「小泉劇場」を連日にぎやかに報じた。読売の調査結果は、
テレビが自民圧勝を導いたことを証明する貴重なデータである。
活字メディアで生きてきた者からすれば、どう考えていいのか悩ましいところだ
が、民主党には格好の教訓となるはずだ。テレビを制するものが政治の世界も制す
るのである。その「是非」はこのさい脇におくとして、これが現実なのだ。
もうひとつ。ネット社会が完全に定着し、メルマガ、ブログが急激に伸びている。
この選挙期間中、筆者も連日、ネット検索を試みた。通常は経済もの中心のブログ
なども競って選挙を扱っている。メルマガやブログはトラックバックといった機能
で相互交流が盛んだ。その総体は、すさまじい量になるのではないか。
テレポリティクスとネット社会。これが政治を読み解く大きなカギとなるのは間
違いない。ロートル政治ジャーナリストとしては、かつてなかった新タイプの政治
分析を迫られ、往生するばかりだ。
花岡信昭:
政治ジャーナリスト、慶應義塾大学院・国士舘大学院非常勤講師、
読売新聞監査委員会審査委員。
1969年早大政経学部政治学科卒、
産経新聞入社、政治部長、論説副委員長などを経て2002年退社、評論活動に入る。
著書に「小泉純一郎は日本を救えるか」(PHP)など
サイト:http://www.hanasan.net/
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9.山崎行太郎コーナー
「ルーカス型総供給方程式」とデフレ・ギャップ否認の仮説
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「ルーカス型総供給方程式」は、「生産設備にまだ余裕がある・・・」という、い
わゆるデフレ・ギャップの存在を認めない。つまり、これは、需要不足による「生
産設備の稼動率」の低下を認めないということである。言い換えれば、需要が増大
した場合も、生産設備の稼動率の急速な上昇はないということである。つまり企業
資本生産設備の稼動率は需要の増減に関係なく常に一定であるということである。
こういう暗黙の前提を仮定する限り、すでに何回も繰り返し述べたように、総需要
増大による生産の増大、失業率の低化・・・というような現象は起きないというこ
とになる。つまり、需要が増大した場合でも、企業は生産設備の稼動率を引き上げ
て増産する・・・というような現実を認めないという仮説である。
したがってこういう前提に立てば、生産の増大、雇用の拡大、景気の回復は、サプ
ライサイドの技術革新、リストラによる経営効率化などによるしかない、という小
泉・竹中一派が絶対的真理のごとく盲信する「構造改革論」が説得力を持つことに
なる。要するに小泉・竹中一派もまた、デフレ・ギャップの存在を認めていないと
いうことになる。
言い換えれば、逆に、わが国の「平成不況」(小泉・竹中不況?)下において、デ
フレ・ギャップの存在を認めるならば、生産設備の技術革新や効率化、あるいは人
員削減(リストラ)や賃金カットというような「構造改革」よりも、遊休設備化し
ている生産設備をフル回転させるべき「需要喚起政策」こそ必要だということにな
る。技術革新や効率化とうような、いわゆる「構造改革」は、生産設備の稼動率が
上昇していく過程で行えばいいということになる。
しかし、デフレ・ギャップを認めないか、デフレ・ギャップを認めたとしてもごく
小幅なものでしかないという前提的な仮説と認識が、わが国の場合にも、政府発表
の「稼動率指数」等となって現れている。要するに自民党小泉一派は、日本国内に
おける巨大なデフレ・ギャップの指数を(巨大な損失…)、様々な方法を使っ
て隠蔽しつづけている。
今回の衆議院名選挙用の自民党マニフェストを読むと、経済政策に関するかぎり
完全に「反ケインズ主義」で理論武装していることがわかる。小泉自民党執行部は
、自民党公認の立候補者たちに、選挙用のワンパターンの演説指導だけではなく、
立会い演説やテレビ出演用の演技指導までしていたようである。したがって全国で
、同じような内容の演説が何回も何回も繰り返されたことであろう。「郵政民営化
は改革の本丸」「官から民へ」「小さな政府」・・・というような。
むろん、立候補者たちの多くは、わが国の経済に巨大なデフレ・ギャップが存
在し、構造改革など不用であるという経済学的現実を知っているはずはない。ただ、
ロボット化されたサルのように口をパクパクさせていただけであろう。「改革を…」
「改革を…」と。言うまでもなく、まず改革さるべきは、思考停止した彼らの脳細
胞の方である。
冗談はさておき、丹羽教授はこう言っている。
《新古典派の最も指導的な地位にある米人経済学者ルーカス教授は、「デフレ・ギ
ャップの概念を、完全雇用・完全操業の「実質GDP潜在値」と現実の「実質GD
P実際値」との差という正統派的な正しい意味のものから、年々の実質GDP実際
値の「平均的な趨勢線」からの偏差というミス・リーディングかつワイ小化された
意味しか持たないものにすり替え、そのようなトリックによって、マクロ的な総需
要政策は、しょせん、年々の偏差のスムージングといった瑣末・姑息な意義しか持
たないと言いたててきた。まさに、このようなルーカス的な主張が、新古典派によ
る「マクロ的総需要政策の封じ込め」という反ケインズ主義的な思想謀略をグロー
バルに展開するうえでの、重要な武器となってきたのである。》
いずれにしろ、われわれは、小泉や竹中の「経済学的無知と錯覚」を批判しても仕
方がない。彼らの無知と錯覚の根っこにあるものを摘出し、それを批判しなければ
ならない。小泉や竹中もまた、口をパクパクさせているだけの「ロボット」に過ぎ
ないからだ。小泉・竹中一派の経済政策やその理論が、終始一貫し(笑)、頑迷・強
固なのは、思考停止した経済学的なロボットだからである。
(「マルクスとケインズの差異性と同一性」続く。)
山崎行太郎;
文藝評論家
昭和47年慶応義塾大学大学院(哲学専攻)修了
東京工業大学講師を経て現在、埼玉大学講師、
日大芸術学部講師。
著書『小林秀雄とベルグソン』(彩流社)『小説三島由紀夫事件』(四谷ラウンド)
その他。
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この記事へのコメント
全3件表示近代天皇制は海賊某の孫大室寅之祐を明治天皇にすり替えた大陰謀で成立した
−大室寅之祐の弟の玄孫地家[Jike]やすまさ氏が証言した!
現代天皇家も虚構である
昭和天皇裕仁は大室寅之祐の息子、大正天皇はリベラリスト大隈重信の息子だった
天皇家の血統は久しい以前に途絶えている
天皇は保守と革新の対立で国民統合の象徴ではない
現行憲法第1条も自民党改憲案第1条も虚偽、虚構である
天皇家は全員カトリック信者で、心はアメリカ人だと米国では見られている
宇宙管理界の1981年決定で 天皇家は民間人化する運命にある
天皇制廃止。
「先制核ハルマゲドン」の米世界戦略に日本を組み込む売国的な自民党改憲案をまかり通すな
必見: http://gold.ap.teacup.com/tatsmaki/24.html
前田 進 jcfkp201@ybb.ne.jp
大室寅之祐=明治天皇の弟の玄孫地家[ジケ]やすまさ氏の証言の一部を要約すると:
昭和天皇裕仁は大正天皇の息子ではなくて、海賊某の息子地家作蔵の息子大室寅之祐(すり替え東京明治天皇)の息子である。
現天皇明仁は裕仁の息子ではなくて、徳川斉昭の息子中川宮朝彦の息子東久邇稔彦の息子三笠宮崇仁の息子である。
皇太子浩宮は天皇明仁と美智子の息子ではなくて、前記大室寅之祐(すり替え東京明治天皇)の弟大室庄吉の息子大室儀作の息子大室近祐の息子徳川恒孝の息子である。
敬宮愛子は、橋本龍太郎の第二夫人の娘和子の娘で、皇太子浩宮と雅子の内密の養子である(雅子の鬱病はそのせい)。
橋龍は橋本卯太郎と前記大室庄吉の娘大室ヨネとの息子橋本龍伍の長男である。
日時:2005年11月30日
出版社の社員電車男{100万部突破}・嫌韓流{30万部突破}につづけ!
2ちゃんねるは金のなる木 −出版社談− 「ビラのHP」「人権擁護法案反対同盟」「韓国製品不買運動」「パクリ大国南朝鮮」「オウム事件の本番」「新興宗教を考察する」
のサイトを見せよう!学校で、会社で、無職の方はご近所でチラシ制作&ポスティング! ネットも活用 ※すでにご存知と思いますが空港などで空騒ぎしている多数は在日韓国人。
{偽名を使い、和服まで着て日本人を装い捏造する} 核・拉致問題、全国民が在日テロ支援企業・団体100を不買運動するほうが効果大 賛同者を集めてデモを起しましょう。
スローガン:「テロリスト・暴力団 支援企業・団体撲滅運動展開中!」「犯流ストップ! テロリストの資金源を断て!」「テロリスト・スパイ参政権反対!」
社会的認知度が向上し、アイデアしだいでサイドビジネスのチャンス!※上記文章の保存を忘れないようお願いします日時:2005年9月23日
ペコちゃん塚本翁、分かりやすいッ!佐藤、奥山、松永、桜井、青葉…もいいですね。でも、有馬さん、何ですか?支那と朝鮮はもともと一体というか、上下というか、でしょう?日本は別。やめて!捕鯨問題は、アメリカの日本叩きのための道具ですよ。チャンと調べてから書いてくださいな。お願いします。日時:2005年9月23日
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