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日本再生のための政治・経済・文化などの発展・再構築を目的とし、メールマガジンの配信を行う




甦れ美しい日本 第030号

発行日: 2005/9/8

□□■平河総合戦略研究所メルマガ■□□(2005年9月10日 NO.030号)

  ☆☆ 私たちは書きたいから書くのです ☆☆

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 < 目次 >
ゲストコーナー
1.別宮暖朗      民主党は狂ったか?
2.石平                9.3胡錦涛演説は果して日中関係改善のメッセージなのか
3.三村文男      少子化は亡国のきざし 

1.佐藤守コーナー    「大東亜戦争の真実を求めて」その27
2.奥山篤信コーナー  扶桑社市販本『新しい公民教科書』を読んで 
3.松永太郎コーナー  真夏の夜の悪夢
4.櫻井裕子コーナー  硫黄島で奮戦した益荒男たちに捧ぐ(4)
5.山崎行太郎コーナー 「ルーカス型総供給方程式」の意味するもの
6.有馬尉彰コーナー   抗日60周年記念日前後の中国の地方を旅して
7.花岡信昭コーナー   マスコミ予測は当たるか
8.西山弘道コーナー   「圧勝後の小泉政権は?」

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=当代超一級の政治ジャーナリスト花岡信昭が総選挙終了後、絶妙のタイミングで語る=

日時 9月17日(土曜日) 午後2時より4時まで
テーマ 衆議院選挙結果の分析と今後の政治の行方
場所 外国人特派員倶楽部メディアルーム(有楽町電気ビル北館20F)
http://www.fccj.or.jp/static/aboutus/map.php
会費 一般 3000円 学生 2000円 平河総研特別会員 1000円 
講師 花岡信昭  政治ジャーナリスト 元産経新聞論説副委員長 
サイト http://www.hanasan.net/
メルマガhttp://www.melma.com/backnumber_142868/
定員 70名 申し込み先着順(info@hirakawa-i.org 宛


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=台湾問題、中国問題といえばこの方 黄文雄先生=

日時 10月2日(日曜日)午後1時半より4時まで
テーマ 今後の日中関係について
場所 学士会館(神田錦町)
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会費 一般 3000円 学生 2000円 平河総研特別会員 1000円 
講師 黄文雄 拓殖大学客員教授 
定員 80名 申し込み先着順(info@hirakawa-i.org 宛☆

☆VOICE10月号に花岡信昭が執筆
特集・小泉純一郎の破壊力 ドキュメント自民党解体☆

☆民主党の憲法提言中間報告に「主権の委譲」なる聞き捨てならない文言がありま
す。一体民主党は日本を国連やら中国のイニシアティブによる東アジア共同体に売
ろうとしているのでしょうか?別宮暖朗氏が核心に迫ります☆

☆本メルマガに話題の中国人著作家石平氏の論文があります。9月3日の「抗日
戦争勝利60周年記念」における胡錦涛演説は反日を露にした内政干渉ともいえる
無礼極まりないものでした。大体日本は中国共産党に敗戦した事実はありません。
讀賣などマスコミがこの演説に日中関係の関係改善のメッセージなどと読み取って
いますが、一体どういう見地からそう読み取れるのでしょうか?これこそ能天気と
言えます。高笑いしているのは胡錦涛に違いありません。☆

☆西山弘道 CDブック 『スクープ音声が伝えた戦後ニッポン』新潮社 
文化放送報道部 2800円 団塊の世代にとってこれほど懐かしい音声はない!☆
  
☆人権擁護法案という、私たちの人権を危うくする法案を、成立させようという陰謀が
与党野党を問わず渦巻いています。衆議院解散に当たって、郵政民営化法案反対か賛成か
など矮小化した争点に惑わされること無く、政権をとるものがこの法案をどうするか?
選んだ議員がどうするか?熟慮に熟慮を重ね投票すべきです。
なぜならこの法案は私たちの自由な生活を脅かす、まさに暗黒国家法案であるからです。
パトリックヘンリの「自由を、しからずんば死を」を噛みしめよ。

この法案の恐ろしさは下記アニメを御覧ください
http://homepage2.nifty.com/save_our_rights/jinken001.swf  ☆


☆私達は、ブルーリボン運動を断固支持します。日本国民が一丸になっての意思表示、
行動を起こすことが大切です。北朝鮮の金正日総書記や日本政府、そして報道機関
や国外に対しての私達の願いや怒り、救出へのアピールができれば良いと思います。 
拉致被害者と御家族が苦しまれている25年間は、私達の無関心が作った悲劇なの
です。☆

☆花岡信昭のサイト http://www.hanasan.net/
メルマガ政治ジャーナリスト・花岡信昭による分析・考察
http://www.melma.com/backnumber_142868/

☆佐藤守のブログ http://d.hatena.ne.jp/satoumamoru/

☆山崎行太郎のサイト http://yamazakikoutarou.gooside.com/

☆青葉ひかるのニコニコプラン2525計画推進協議会に賛同を!
  http://www.2525plan.jp/  ☆ 

☆クライン孝子のブログ http://www2.diary.ne.jp/user/119209/ ☆

☆ウェッブサイト< http://www.hirakawa-i.org >
平河総研会員募集中です。
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ゲストコーナー (1)別宮暖朗
 民主党は狂ったか?
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民主党の『創憲に向けて、憲法提言中間報告』の中に次の一節がある。

「EUの発展過程に見られるような『主権の移譲』もしくは『主権の共有』を含め
た、よりグローバルな視点からの憲法の組み直しにもあえて挑戦する気概が必要だ
と感じている」「ヨーロッパ連合の壮大な実験のように、『国家主権の移譲』あるい
は『主権の共有』という新しい姿を提起している」

この中間報告は仙石由人なる旧社会党出身者によってまとめられた。そして、この
背後に流れる思想はかつての社会党に負けない売国社会主義である。仙石は社会党
右派に属しており、左派の村山・土井が主張した自衛隊違憲などの誤った憲法9条
解釈を踏襲していない。すなわち現行憲法が英米法にもとづくことを認めているの
である。社会党左派は、いわゆる教条左翼であり、心の奥では自分のいったことを
信じていない。それゆえ、北朝鮮に行き、「偉大なる指導者、金日成」と叫べるのだ。
ところが社会党右派は、憲法を改正し、それによって認められた軍隊を使って、反
米戦争を企てようとした。

かつての社会党右派の代表、浅沼稲次郎は「アメリカ帝国主義は日中共同の敵」と
叫んだ。注意して欲しい。これには具体性があり、本気になって実行しようとする
ところがある。すなわち浅沼は、戦前新潟の農民組合を率いて、東京まで抗議のデ
モを敢行したように、日米安保を破棄し、中国の行っていた反米戦争=ベトナム戦
争に自衛隊を参戦させようとしていたのだ。

『憲法提言中間報告』の「国家主権の委譲」は架空、抽象的なものではない。この
一節の前段には「これまでの日米関係一辺倒の外交と安全保障政策を脱して、二一
世紀の新時代にふさわしい、『アジアの中の日本』の実現に向かって歩み出すべき時
を迎えている」とある。

そして2005年衆議院選挙マニフェストでは「東アジア共同体」が出現する。す
なわち日本の主権を、「東アジア共同体」に委譲しようとしているのだ。

そして浅沼の演説が好戦的なものとするならば、仙石由人の「気概」も好戦的であ
る。「東アジア共同体」に日本が委譲すべき主権とは何か?

それは外交権と交戦権・統帥権に他ならない。これも明らかなことであって、EC
のオリジナル8のオランダ外相ボットはイラク戦争勃発時、「オランダやその他中小
国の外交権は英独仏伊の合議に委譲すべきだ」と発言した。そして、ECの大半の
国軍は、第二次大戦後、NATOのもとに統帥権を委譲しているのである。民主党
の「東アジア共同体」の主張とは、こういったECの現状をふまえている。

またかってあった属国や保護国というのは植民地の一つの形態であるが、国際法上
は一国の主権の一部を宗主国に委譲している姿である。そして第一歩は、外交権の
委譲である。身近なところでは、大韓帝国(李氏朝鮮)は、日露戦争勃発直後の1
904年2月、外交権を日本に差し出す条約(日韓議定書)を締結しており、国際
法上はそのとき、日本の植民地(保護国)になったと解すべきである。実際にもア
メリカなどの中立国は領事業務を自国民保護に縮小している。

つまり、外交権を第三国に委譲した場合、その瞬間から主権国家としては存在しな
くなる。

一方、別のところで、民主党には主権委譲という思想が前からある。小沢一郎は従
来から交戦権を国連に委譲するという思想(誰も支持しないが)を開陳してはばか
らない。すなわち国家主権の委譲という考え方は社会党右派(横路を首領)と小沢
において共通する。

小沢の国連への交戦権委譲は、マニフェストでは「国連の要請に対しては、新たな
『国際平和協力隊(仮称)』の創設などについて検討をすすめ」と書かれており、具
体的内容が盛り込まれている。実はここに民主党の根本的な誤りがある。そもそも
国連が主権国家に武力行使を「要請」することはない。つまりECや国連は助言機
関であって、国際安全保障機関ではない。NATOや日米安全保障条約が国際安全
保障機関であって、例えば日本がアメリカに自衛戦争のため参戦を要請するのであ
る。助言機関は「要請」の権能をもつことはない。

ところが、この件については長い論争が日米において存在する。ヨーロッパ諸国は
一九世紀の「ヨーロッパ・コンサート」といわれる安全保障制度のため、この法理
がよくわかっているが、日米はそうではないためだ。

1920年、最も熾烈な論争が米国上院において、国際連盟の権能をめぐって、共
和党外交委員長ヘンリー・キャボット・ロッジと合衆国大統領ウッドロー・ウィル
ソンの間で行われた。

ウィルソンのロッジに対する反論である。

「さあそれでは憲章の心臓部分第10条に行こう。私はその他のことは第10条の
前では泡のように消え去ってしまうことに大変興味を抱いている。国際連盟に関し
て別のところで論争は生じない。承諾しようが反対しようが第10条には理解せね
ばならない何かがある。

第10条とは何か?文章について正確に繰り返すことはできないが、その意味する
ところの理解については確かである。第10条は、いかなる連盟のメンバーも、侵
略にたいして既存の領土と政治的独立を尊重し保全すると規定している。内部的混
乱に対してではない。講和会議のテーブルで自決権の神聖さについて承認しない人
間はいなかった。そして現行の政府の下で生き続けることに否定的な人間もいなか
った。憲章第11条の下で人々は現行の政府の下で生き続けるか否か問う場所が与
えれるのだ。

第10条に続くのが第11条であり、そこでは連盟のいかなるメンバーも世界平和
を乱しかねない場所や事柄についていつでも注意を喚起することができ、それが世
界平和の拠って立つ諸国間のよりよい理解をもたらすのだ。それが何を意味するの
か具体的に説明しよう。

中国の山東省でドイツが享受していた利権が日本に引き渡される条約の条項につい
て、真実もあるが虚偽も含めていろいろと聞かされていることと思う。まず第一に
ドイツは他の国が既に獲得していた以上の利権を享受していたわけではない。

こういった利権は全て私の判断、道徳的なものだが、では中国に対して不当なもの
だ。これらの利権は与えられるべきではなかったし、強要されたものに過ぎない。
それらは思慮深い、古代からの、無力な人々から強奪されたものだ。そのなかに、
正当なものなどありはしない。神よ、アメリカは何も求めもしなかったし、求める
ことを夢想だにしなかった。しかしドイツがこの利権を1898年に得たときアメ
リカ政府は何の抗議もしなかったのも事実だ。

それはアメリカ政府が高尚な精神をもつ良心的な人々の手になかったためではない。
事実はそのような人々の手にあった。マッキンレー(William McKinley)が大統領
でありヘイ(John Hay)が国務長官だった。いずれの時期と比較してもアメリカの
名誉を十分に守れた人々である。

しかし何の抗議もしなかった。なぜならば当時の国際法はアメリカの国益が影響さ
れない範囲では、それはアメリカと関係がない出来事だったからだ。アメリカの国
益に関しては、もしドイツが山東省の門戸を閉ざせばアメリカの通商に影響を与え
ることになり、唯一見解を表明することができる。

それゆえ当時のアメリカ政府は山東省で貿易活動を営むことができる約束を要求し
取り付けた。その直後、同一種類の利権がロシアに引き渡された。旅順港である。
そしてその後、アメリカ領内で、旅順港は日本に引き渡されることになった。日露
戦争の講和条約がニューハンプシャー州のポーツマスで調印されたことを忘れては
ならないだろう。

この条約について何の衒いもなくアメリカ政府は中国領内の旅順港を日本に引き渡
すことについて反対しなかった。誤解して欲しくないのだが、私はその時の政府を
批判しようとしていない。単純に国際法、憲章第10条や第11条について説明し
たいのだ。

国際法はその中に道徳を注入することによって革命的に変化する。第10条はこう
言う。すなわちいかなる国、そのうちに中国に不当な要求をした国も含まれるが、
も他のメンバー諸国の領土と独立を損なってはならない。中国は連盟のメンバーと
なるだろう。第11条はこう言う。いかなる連盟のメンバーも世界平和と諸国間の
理解を混乱に陥れる事件は注意を喚起できる。そして中国は人類史上始めて世界の
陪審員の前に立つことができるだろう。私自身に関しては中国に深い同情を寄せて
いる。そして中国の権利を擁護する世界的規模の約束がなされたことに参加したこ
とについて誇りをもっている。そのようなことで世界の雰囲気は変わるだろう。市
民諸君、世界の外交は革命的に変化しつつあるのだ。

しかしあなたはこう言うかもしれない。『第10条の後段は一体何か?これはちょっ
と混乱しているのではないか』

第10条後段は、連盟理事会はある国の領土と主権が脅かされたとき、他の国にい
かなる手段を講じるかアドバイスするとしている。アドバイスの意味はアドバイス
しか知らない。理事会はアドバイスする。それはアメリカの同意なしにはアドバイ
スしない。議会の紳士諸君はなぜアメリカ議会がしたくもないことをアドバイスさ
れることを恐れるのか?正直言って想像できない。自国の代表がアドバイスを行な
うことに参画しているのにそのアドバイスを受けることが一体できないのか?

このこと自体はあるいは国際連盟の強制力を失わせるものかもしれない。だが事実
は事実だ。我々は自分自身が可としたアドバイス以外アドバイスを採用する義務を
負わない。これは自分で行く道は決めると考えている人々にとり満足の行くものだ
ろう。誰でも自分のアドバイスがベストと信じてアドバイスを行なう。あえて言え
ば誰でも自分の利害を勘案してアドバイスを行なう。我々がそれを行なう場合賢明
にやれるかどうかは別にして、アメリカは自己の投票を引きずり込まれたくない事
業に引きずり込まれないように使うことができる。
にもかかわらず第10条は戦争の根源を断ち切ることができる。これまで帝国主義
戦争で常に追求されてきた要因そのものが全ての国によりこれからは先制されてし
まう、ということを第10条は意味している。私はパリの平和会議に着席している
とき私が自分の考えを提案していると思うとき大変恥ずかしい。信じるか信じない
かは別にして私は自分の考えなるものが相対的な大きさしかないことを知ってい
る」

このあと米国議会は大統領の批准要請を受け入れず、ついにアメリカは国際連盟に
参加しなかった。この論争は単純である。交戦権はあくまでも議会にあって、その
交戦権を脅かす国際連盟に加入してはならないという主張が通ったのだ。

同様の論争が日本でも起きた。すなわち明治憲法の起草委員でもあった伊東巳代治
は、このとき外交調査会委員であり、国際連盟設立について「天皇の大権に属する
交戦権を国際連盟に委譲することは認められない」と反対した。伊東の反論はロッ
ジの反論「議会に属する交戦権を国際連盟に委譲することは認められない」と同一
である。

そして、ウィルソンはこの問題について「国際連盟は助言(アドバイス)機関であ
る」と主張していることを忘れてはならない。結局第二次大戦後、アメリカはウィ
ルソンの主張をうけいれ国際連合に参加することになった。そして、アメリカ初代
国連大使は、ロッジの子息がつとめた。このようにして遺恨25年は解消された。

かくのごとく重大な問題を小沢一郎と社会党右派は、国連要請をうけいれるための
第二自衛隊をつくることによって簡単に乗り切ろうとするわけである。これは現行
憲法違反と解すべきだと思うがいかがだろうか?なぜかといえば、現行憲法のもと
では、交戦権は国権の最高機関である国会の手にあるとしか読みようがないのであ
る。

民主党が憲法違反事項をマニフェストにのせることの是非はともかく、憲法改正の
うえ主権を「東アジア共同体」に委譲することはどうだろうか?

まず東アジアに日本・中国・南北朝鮮を除いて有力国は存在しない。そして、中国
の人口は圧倒的であり、日本の工業力は圧倒的である。この「圧倒的」という意味
は残り世界にたいして圧倒的なのであり、そこがヨーロッパと決定的に異なってい
る。更に、東アジアにはヨーロッパのような国際法・国際会議によって、外交問題
を解決するという伝統がない。

対するヨーロッパは、戦後問題についてウェストファリア条約(1648/ドイツ3
0年戦争)以来、国際会議によって解決する習慣が定着しているのである。

更に民主主義とは「頭数多数」である。これを否定しては啓蒙主義は成立しない。
つまり、「東アジア共同体」におけるイニシアチブが中国に属することは動かない。
民主党の主権委譲とは、なんのことはない日本の外交権・軍権を中国へ委譲するこ
とに他ならない。

これはかなり奇矯であるが、「アメリカ帝国主義は日中共同の敵」という浅沼の言葉
を思い出して欲しい。社会党右派にとっては夢の実現なのである。日中「反米」共
同戦線を、「しっかり見据えて」追求したいのだ。

そして台湾問題である。東アジアにおいて最大の問題がこれである。日本の主権が
委譲されると、自衛隊は中共政府の命令のもと、台湾に尖兵として突っ込まねばな
らない。当然、これが予想されると台湾は事前に屈服することになる。これまた社
会党右派の夢の実現である。

そして世界は、中国の共産主義独裁政権に導かれた人口・工業結合という危険につ
いて、どう判断するだろうか?大東亜共栄圏は、日本をリーダーとする、東アジア
をブロック化する試みだった。「東アジア共同体」とは中国をリーダーとするその再
演であり、台湾問題を考えれば、暴力的解決を内に孕むのである。

社会党右派の好戦性についてはよく知られたところであり、かつて日米安保を破棄
したあとはワルシャワ条約機構に加入することが当然としていたのである。小沢一
郎は、「私の政策を実現するためには障害がある。それは選挙だ」といってのけた人
物である。確かに両者には「教条左翼」にはない具体性がある。そして、両者の秘
められた野望を国民に隠しながら、選挙の自動的なサイクルに期待するといった「政
治戦術」をどう考えたらよいのだろうか?

別宮暖朗 1948年生まれ。東京大学経済学部卒業。西洋経済史専攻。
その後信託銀行に入社、マクロ経済などの調査・企画を担当。
退社後ロンドンにある証券企画調査会社のパートナー。
歴史評論家。ホームページ『第一次大戦』を主宰
著作多数 『軍事のイロハ&#8212;バカな戦争をさせない88の原則』
『中国、この困った隣人』『坂の上の雲」では分からない旅順攻防戦
&#8212;乃木司令部は無能ではなかった』
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ゲストコーナー(2)  石平
9.3胡錦涛演説は果して日中関係改善のメッセージなのか
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 この9月3日、中国共産党政府は「抗日戦争勝利60周年記念」と称する一万人
も参加の大規模な式典を開き、共産党総書記の胡錦涛は一時間以上にわたる大演説
を行った。私から見れば、それはまた、「反日」を利用して国内の求心力を高めよう
とする共産党政府の一貫したやり方の繰り返しにすぎないが、どういうわけか、こ
の胡錦涛演説を聞いて喜んでいる日本人もいるようだ。

 たとえば日本の共同通信社は当日の夕方にさっそくニユースを配信し「胡錦涛主
席は対日関係改善でメッセージ」と嬉しそうに(?)伝えた。また、翌日の朝日新聞朝
刊の関連記事によると、日本外務省の幹部が「胡主席の演説に今後の日中関係に前
向きな表現もあった」として安堵の声を漏らしたという。

 中国指導者の一言二言に一喜一憂して翻弄されるというのは日本の一部マスコミ
や外務省のいつもの情けない姿ではあるが、今回の胡錦涛演説は、果たして彼らの
言うような「日中関係の改善に前向き」なものだったのだろうか。

 演説の中国語原文を確認したところ、なるほど、「日中関係の健全・安定なる発展
の推進」という文句が盛り込まれており、また、共同通信社が伝えたように、胡主
席は確かに「われわれが歴史を心に刻むことを強調するのは、恨みを引きずろうと
いうのではない」とも語った。

 しかしそれは、この数万字以上にも及ぶ長文の演説の中のただの数行の内容であ
った。こうした「前向きな表現」よりも、胡主席はむしろ数倍以上の字数を使って
「日本侵略軍の残酷さと横暴さ」を語り、さらに数倍以上の時間を使って「中国人
民の蒙った数々の苦痛と損失」を数えてみせた。演説の全体内容からみれば、それ
が果たして「前向き」な姿勢だと捉えることができるのか、甚だ疑問である。上述
の数行分の「前向きな表現」にしても、それは単に中国政府が対日関係にかんして
今まで使ってきた常套文句としての公式表現の焼き増しではないのだろうか。

 この胡錦涛演説が行われた前後における中国の政府系研究者や国有大メディアの
論調から見ても、こうした公式表現の繰り返しを額面通りに「前向き姿勢」として
捉えることができるかどうか、ますます疑問が深まる一方である。

 いつくかの例を見てみよう。さる7月5日、中国社会科学院近代史研究所の卞修
躍博士は国営新華通信社の取材に応じて、日中戦争中における「日本侵略軍の残虐
行為」にかんする所見を述べた。彼はまず、「日本侵略軍が中国人民に対して人類歴
史上もっとも残略な虐殺を行った」と断罪しうえで、その「虐殺の方法」は実は「二
百五十種類もある」という自らの「研究結果」を披露した。そして、ほとんど信じ
られないことだが、卞修躍博士はその場で、この「二百五十種類の殺人方法」は何々
であったかを、まるで料理の献立でも披露しているかのように、一つ一つ数えてい
くのである。もちろん、それはそのまま、もっとも権威のある報道機関である新華
通信社を通じて、中国全土に伝えられているはずである。

 同じ7月の15日に、南京にある「南京大虐殺研究会」の副会長を務める孟国祥
という人物は、国営中国新聞社の取材で例の「南京事件」について語った。今まで
通り、「南京事件」における「日本軍の残略な虐殺」について憤りの告発を行った後
に、彼はさらにこう宣言しているのである。「南京大虐殺の罪で数名の日本戦犯が裁
判にかけられて処刑されたが、それはけっして裁判の終結を意味するものではない。
南京大虐殺にかんする最終審判はまた終わってないのだ」と。

 この二つの例から見ても、胡錦涛主席が演説の中で語った「恨みを引きずろうと
しない」という「前向きな表現」はいかに空洞なものであるかが分かるはずであろ
う。最高指導者の胡錦涛は式典でこのような「きれいごと」を言いながらも、その
下の御用学者と国有メディアは、まさに全力を挙げて「恨み」を煽り立て、「恨み」
を永遠に引きずろうとしていないのだろうか。

 中国の国有メディアや御用学者たちによるこのような煽動は、実に見事な成果を
挙げているものだ。中国の週刊誌「中国新聞周刊」の8月15日号は、同誌が企画
したインターネットでの日中関係にかんする世論調査の結果を発表した。それによ
ると、約7万6000人の回答者のなかで、日本と聞いた際に「危険な軍国主義国
家を連想する」と答えたのは80%にも上ったという。
 戦後六十年以来、一度戦争したことなく、世界のもっとも優等生的な平和国とな
っている日本のことと聞くと、わが中国人民の8割が、何と「危険な軍国主義国家」
と連想してしまうとは、まさにとんでもないお伽話の世界であろうが、中国におい
てこのような対日認識が定着している以上、日中関係の根本的な改善は果たして望
めるのだろうか。

 胡錦涛主席は一つの演説で何を言おうと、私自身はむしろ悲観的である。

石平:
中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒業、神戸大学文化学研究
科博士課程修了。
二〇〇二年に、中国における反日感情の高まりについて先見的
な警告を発した『なぜ中国人は日本人を憎むのか』(PHP研究所)
を刊行して以来、評論家として活躍。新著に『「日中友好」は
日本を滅ぼすー歴史が教える脱・中国の法則』(講談社+α新
書)がある。
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ゲストコーナー(3) 三村文男
少子化は亡国のきざし 
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総選挙で各党のマニフエストが競い合つているが、少子化対策を第一にかかげた政
党は無かつた。歴代内閣がおろそかにして来たこの問題こそ、わが国の存亡にかか
わるものである。国民生活を維持するためには、15−64歳の労働人口が、それ
以下とそれ以上の人々を支えなければならない。高齢者が増えてゆくのに、出生率
の低下が続けば、破綻するのが当然である。小泉内閣になつてから福祉は縮小し、
年金運営が困難といわれるのもその前兆であつて、いくら構造改革といつても根源
の少子化解決をなおざりにしては、見込みは無いのだ。

平成14年の厚生労働省外国人雇用問題研究会報告書は、平成18年をピ&#8212;クに日
本の人口は減少傾向に転ずるという推計のもとに外国人の移民を一つの対策とした。
しかし移民は雇用対策にはなつても、少子化対策とはなり得ない。日本が日本でな
くなる方向をとるものだからである。

少子化対策はあくまでもその原因を追及し、そのすべてに対応する方策をたてるべ
きである。政府が怠慢でも、民間ではその努力がなされて来た。例えば故遠藤周作
氏の夫人遠藤順子氏は「文芸春秋」平成16年3月号巻頭随筆で、昭和20年から
平成12年までの日本人の妊娠中絶数は6,700万と指摘され、NPOで胎児をま
もる運動のことを紹介された。少子化対策は先ず胎児をまもり、子供を大事にする
ことから始めるべきだと私も思う。

あまり公けにされていない数字であるが、日本では10代の中絶数が、昭和30年
14、475件(全体の1・2%)だつたのが、昭和60年28・038件(5・
1%)平成13年46・511件(13・6%)となつた。性感染症患者の、女性
対男性比が、全体では1,3なのに、十代では3,4で、エイズを含めて若い女性
に性感染症の浸透が著しいと警告されている。(日本医師会雑誌平成16年5月号)。

男女共同参画に名をかりたジエンダーフリーが、非常識な性教育の嵐となつて、教
育界を荒らしまわつている。週刊誌もとり上げて既に久しいが、人形まで使つて小
学生に性行為を具体的に教える必要が、どこにあるというのか。しかも授業内容を
親には言うなと口止めしたり、親が抗議すると教育権をふりかざしてはねつけるの
は言語道断だ。

参議院の山谷えり子氏も「月刊日本」5月号の対談で、ピルをすすめる文科省外郭
団体発行の教材が、全国中学生130万に配布されたと指摘された。これでは性感
染症に対して全く無防備ということだ。また十代の性感染症が激増して、今や欧米
の5−10倍ともいわれた。このままでは日本に未来は無いのではないかと、うす
ら寒い想いである。小泉首相はデビュー第一声で山本有三の戯曲「米百俵」に言及
されたが、今こそ教育のたてなおしに尽力していただきたいものだ。

三村文男:
神戸市出身 満州帝国建国大学中退 一高を経て東京帝国
大学医学部卒業
開業医の傍ら著作、評論多数 米内光政と山本五十六は愚将だった
(テーミス)神なき神風ー特攻50年目の鎮魂ー(テーミス)など
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1.佐藤守コーナー
 「大東亜戦争の真実を求めて」 その27
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「軍務局長の賭け(佐藤賢了の証言)」を続けよう。
「・・・18日に電報が来た以下の事情は、後年岩畔君から聞いた話である。実は岩畔
君がアメリカに行く前に、井川忠夫氏はカトリックの宣教師達と一緒にアメリカに
行って下準備をしていた。ルーズベルト大統領の選挙事務長で、郵政長官のウォー
カーなんかも一緒に参加していた。岩畔君はこれらの人と井川君の仲介で交渉をも
ち、色々話し合っていたところが、非常に向こうが乗り気で、4月2日にドラウト
がワシントンへ来たのでだんだん話を始めたというのである。
野村さんとしては外務省から「日米関係はこうなってしまえばどうにもならん。だか
ら行っても何しよう、かにしようと思わないで、6ヶ月くらいはじっとして様子を
見なさい」と言われたので、其のつもりでいた。
一方では井川、岩畔及びこのアメリカ人達が、いろいろ話し合って日米関係打開
の具体案を練ったのである。日米関係が非常に悪くて、野村さんは岩畔君より先に
アメリカに着いたけれども、ハル国務長官にはとても会えない。当時ハル国務長官
はワードマンパーク・ホテルに一人でいたそうだが、井川君の仲介によってハル長
官に会ってはどうか、ということになった」。表口からは行けない、裏口から、と言
われた野村大使は一向に構わず「いっぺん会いさえすればいい」と言って“裏口”か
ら会ったという。そしてこの会見時の話から、日米関係打開の具体案を考えること
になったのであるが、このときの大使館の主席参事官〔館務統括〕・井口〔貞男〕氏
は、そんな馬鹿なことができるもんか、と言うようなことを言い、〔戦後〕外務次官
をやった奥村〔勝蔵=当時政務担当、第14部の電報のタイプを打ったとされる本
人〕君も乗り気でないので、これらをオミットして、野村大使は陸軍の岩畔、磯田
〔三郎=少将・陸軍武官〕、海軍の横山〔一郎=大佐・海軍武官〕の3武官、大使館の
若杉〔要=公使〕氏、それに寺崎〔英成〕君などを相手にして極秘裏に案を練った
のだそうである。」(〔 〕は筆者注)
こうして4月9日に出来上がった日本側案と、アメリカ側の案とをつき合わせて
15日に「日米合同の諒解案」が出来たのだが、ハル長官は、『非常に結構なものが出
来たけれども、これをアメリカから提案しても、日本の対米世論が非常に悪化して
いる時期だから具合が悪いだろう。又日本からこれを提案されても、アメリカの事
情からいって具合が悪い。そこで君達愛国者(岩畔君以下野村さんたちを国務長官は
いつもこう呼んでいた)から、この案で日米の間に交渉を進めていいかどうか、日本
政府の諒解を取ってくれ』と言うので打電してきたわけである。」
私はこの連載の第2回目で、昭和20年11月に米国両院共同調査会でハル長官が
「日米両国の政策の背理に鑑み、日米交渉開始の当初より、これが円満妥結には百
に一つの望みも託していなかった。・・・共同交渉に応じた理由は、太平洋の事態の平
和的解決のために、藁をも掴まんとする心組み及び米国軍部の要望するところの防
衛整備のため時間的余裕を得んがためであった」と証言したことから、「米国は戦争
準備の時間稼ぎに日米交渉を利用していたのだ」と書いたが、この時のハル長官の
提案は正に「時間稼ぎのための提案」だったと思われる。日本側は、まんまと其の
策略に嵌ったのである。当時、佐藤大佐は広東から帰国したばかりで、日米交渉の
ことは全く知らなかったという。「佐藤賢了の証言」を続けよう。
「そこで武藤(章)軍務局長から、これに対する意見を求められた時に過去の経緯
をざっと聞いてから研究し、武藤さんに『この案で日米交渉を開いたら何か具合の
悪いことでもあるのですか』(と聞くと)、武藤さんは非常に渋い顔をして、『一体君、
話がうますぎやしないか。去年、枢軸同盟を結んだばかりの日本が半年もたたんう
ちに、180度向き直ってアメリカと手を握るなんて、あんまり器用すぎやしないか』
と言われる。武藤軍務局長とアメリカへ行くまで、その下で軍務課長をしていた岩
畔君とは、どうもあまり〔関係が〕よくなかったのだが、『岩畔は3国同盟を結ぶた
めに、あっちこっち太鼓を叩きまわって、漸くあれを作り上げておいてだね、今度
はくるっと向こうへ回ってこういうことをやるなんて、いかんよ、君』と言うわけ
である。しかし私は岩畔をよく知っているが、岩畔君は実に七面八臂の策に行き詰
ることのない人で、泥沼の支那事変を解決するには、この人をおいて糸口を見出す
ことは出来ないと思う旨を述べ、かつ言った。『この案で交渉を進めようじゃありま
せんか。弱音を吐くようだが、支那事変は日本の力で解決できる目途はない』」
 支那事変解決のめどが立たず、聊か自信を失った軍首脳部の空気が伝わってくる
が、そんな最中の日米交渉案だったから、陸軍が一縷の望みをかけたのも頷ける。
この頃、出先機関の日本大使館の状況はどうだったのか? 当時海軍武官補佐官で
ワシントンにいた寺井中佐は次のように書いている。
「野村大使は、如何なる妥協も日米戦争よりは勝る、と言う固い信念を有してい
たので、着任以来日米交渉の成功のために努力された。しかし、米側は9月27日、
日本が日・独・伊三国同盟に調印した後は、日本側は独・伊枢軸側で行動するものとみ
なし、頑として日本側の提案を拒み続けた。この間に、米国宣教師の私的日米交渉
の提案を土台とし、ハル国務長官やルーズベルト大統領との交渉に入ったが、日本
軍が仏領インドシナ南部に進駐するなどの事があってか、米国側の態度は硬化し、
野村大使は日本政府と米側との間で非常な苦労をされた。其の憂さ晴らしもあった
であろう、時々私たち補佐官を連れて郊外のノルマンジーファームなどでご馳走に
なった」。そして連載の!)で書いた様に、野村大使が「大使館員の勤務振りが遺憾で
ある」と愚痴をこぼしたのもこの時期のことであった。       (続く)

佐藤守:
防衛大航空工学科卒(第7期生)。
航空自衛隊に入隊
戦闘機パイロット(総飛行時間3800時間).
外務省国連局軍縮室に出向。三沢・松島基地司令、
南西航空混成団司令(沖縄)を歴任.平成9年退官.
岡崎研究所特別研究員.軍事評論家.
日本文化チャンネル「桜」軍事コメンテーター.
著書に「国際軍事関係論」
ブログ;http://d.hatena.ne.jp/satoumamoru/
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2.奥山篤信コーナー
 扶桑社市販本『新しい公民教科書』を読んで 
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戦後日本の青少年教育は戦前戦中を暗黒軍国主義時代と割り切り、自虐主義を安寧
なる精神の拠り所として、真実にに目をつぶり、ひらすら国家は悪であるという概
念の下に自己中心ともいえる反戦平和、人権至上主義教育を行ってきた。東西冷戦
終結までは、かような姿勢で経済第一義主義で経済大国を築いてくることができた。
それは何も考えずともアメリカが、自由圏vs共産圏との構図の中で日本を死守せ
んとする抑止力があったからだ。だが冷戦の終結に伴い、日本の空想平和主義は至
る所で破綻をきたしている。

新しい教科書は日教組や赤色官僚が支配する文部省に果敢立ち向かうことで、漸く
日の目を見ることになったのは、この作る会のひたむきな使命感と全国運動に盛り
上げたその組織力の賜物である。本メルマガのレギュラー執筆者櫻井裕子女史がこ
の公民教科書の執筆、編集に携わっている。
 
前置きはさておいて、僕は最近市販された公民教科書を読んでみた。勿論僕は他の
教科書を分析したわけではないし、前回の教科書を知悉しているわけでもない。た
だ単に教科書を読んだ感想を述べさせていただくこととした。

平和、人権(自由平等)、環境、民主主義の大切さを青少年に教え込むことは大切
であり、この点についてこの教科書が強調していることは全く異論はない。一番大
切なのはかかる権利に対して、権利を主張するだけでは社会は存在しないというこ
とで、各人の公への義務、使命などを鼓舞することが戦後日本の教育から欠落して
きた。この点をこの教科書は盛り沢山に織り込んでいる。
 
何よりも冒頭グラビア3,4ページに領土たる四島、尖閣諸島、竹島などの写真、
工作船への威嚇射撃、拉致家族帰国者の飛行機のタラップを降りる写真など、日本人
が戦後失った最も大切な国家主権意識の覚醒のファンファーレ効果で僕は思わず歓
喜した次第だ。
 
!)第3章 現代の民主主義とこれからの社会
25&26 平和主義にて自衛隊の活躍を国際貢献を含め写真つきで紹介している。
第9条の論議やPKOや周辺事態法にも触れている。
28 死刑廃止に関する是非に関して両意見をコラムに書いている。
33 拉致問題の新聞記事を国際的な人権尊重の広がりにかけて掲載している。
40 児島惟謙の司法権の独立の話がコラムにある。民族の誇り
42 ケネディの『国が何をしてくれるかではなく、自分は国に対して何ができる
かを考えるべきだ』の言葉の掲載。これは権利だけを求める国民を諌め、国
民としての国に対する義務奉仕を謳っているものだが(公の大切さ)、やや
教科書の注釈はピントはずれだが良しとしよう。
42 社説の研究に外国人への参政権についての両論を併記している。その他PKO
法案、少年法改正、通信傍受法、国旗国歌法での両論併記で青少年が教師の
サヨク独断と偏見に惑わされないような配慮。
!)第4章 世界平和と人類の福祉の増大
44 主権国家 もっとも重要な項目主権国家のための領土と国旗国歌を明記して
いるのは画期的ではないか?さらに2ページに亘り国旗国歌に対する意識
と態度においてアメリカの星条旗に対する直立不動の忠誠、サッカー選手の
ラモスの思い、中谷巌のコラムなど掲載すばらしいものがある。
46 国連の話のなかで旧敵国条項にも触れている。それでいて国連予算の19.5
%との異常さの表示。
47 わが国の防衛での活動 あのグロテスクな工作船の写真掲示 集団的自衛権
の議論
48 課題学習に主権の侵害について中国原潜の侵海事件、拉致問題、不審船問題
など視覚的に訴えている
52 ディベートをやってみよう シャイな日本人が国際的に通用するための必須
教育であり、大いにやってもらいたい。 
 
以上の優れた点が目に付いたものだが、近隣諸国条項により、中国や韓国の言い分
はそのまま大いに載せたらよいと言いながら、主権侵害で中国での瀋陽日本領事館
への立ち入り侵犯について外務省から抗議があり載せられなかったという。一体
この国は誰の国なのか?文部官僚その他官僚がどこの国籍かと疑いたくなる思いだ。

奥山篤信:
昭和45年京都大学工学部建築学科卒
昭和47年東京大学経済学部卒
三菱商事本社入社
6年余にわたる米国三菱ニューヨーク本店勤務を経て
平成12年退社 
コンサルタント会社ストラテジーズ設立 
勉強会『平河サロン』主宰
平河総合戦略研究所代表理事
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3.松永太郎コーナー
  真夏の夜の悪夢
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 真夏の夜、酔眼朦朧としつつ、TVのチャンネルを回していると、頭をきちんと
七三に分け、背広を着て、ネクタイを締めた若い男性が、眉間にしわを寄せつつ、
話しているので、しばらく聞いてみた。 最初は唖然呆然とし、次に爆笑し、最後
に背筋が寒くなった。酔いもさめてしまった。

 この大学の先生は、だいたい、次のように言っていた。「日本の社会には、隠れた
プログラムがある」(わざわざ「隠れたプログラム」という日本語の下に英語が書か
れたプロップが添えてある)。「それはジェンダーを固定化しようとするもので、メ
ディア、職場、学校、家庭などで、無意識的に働いているである」。

 ジェンダーってなんですか。それは「男女の社会的な区別」だそうです。そうい
うものは「あってはいけない」ので、まず、この「隠れたプログラムをチェックし、
なくしていかなければならない」のだそうです。

 台所で、女性らしく夕飯を作っていた奥さんにも聞こえたらしい。「そいつ、スカ
ートはいてんのか」と聞くので、「いいえ、ネクタイを締めておられます」と僕は答
えました(多少、話をおもしろくしてある−筆者)。

 「背広にネクタイ」というのは、もちろん「社会的に一定の職業についている男
性」を示す文化的なシンボルである。またさまざまな集まりにおいて「男性」であ
ることを示す「正装」でもある。すなわち、この先生の言う「隠れたプログラム」
の具体的な表れである。この先生は、「隠れたプログラム」を、おんみずから実践し
ておられるのである。早速チェックさせていただきました。

 この先生のお話が終ると、別の、これもネクタイに背広の中年がでてきて「あえ
て、問題となるかもしれないような質問をさせていただきますと、男女の区別の押
し付けはいけない、ということですと、それ自体、そういう考えの押し付けにはな
らないのでしょうか」だって。よほど「押し付け」というのがタブーになっている
のだろう。これに対して、最初のネクタイ先生は「いいえ、女性が自由に社会進出
をするためには、それを妨げる、そういう区別はあってはいけない」と答えている。
ふつうの質問を、自分でわざわざ「問題になるかもしれない」などと言っていると
ころ、そらおそろしい社会になったものだという感を深くする。どういうところで
「問題」になるのだろう。

 文化的な行為に関して、法の執行官でもないものが、それをチェックし、なくし
ていこうというなどというのは、思想統制そのものであり、全体主義的な発想であ
る。しかも、それを法律だのなんだの(男女共同参画法)で「推進」しようという
のは、全体主義以外のなにものでもない。次は必ず強制収容所である。この先生は
ネクタイをしめているので、まっさきに収容所行きである。私が思想統制官だった
ら、そうする。スカートをはいて、強制労働三十年の刑に処する(冗談だからね)。

 日本は未来永劫、アジア(ったって、中国と朝鮮だけ)に頭をたれ続けなければ
ならない(高橋哲哉東大教授)、とか「隠れたプログラム」を見つけ出してチェック
しようとか、「人権」を相互に監視させようとか、やたらにどこかの全体主義国家ふ
うの「原理主義」が横行している。そういう国に占領されたときの下準備をしてい
るのだろう。

松永太郎;
東京都出身 
翻訳家、多摩美術大学講師、レモン画翠社長
主訳書「進化の構造」「イカロスの飛行」他。
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4.桜井裕子コーナー  
  硫黄島で奮戦した益荒男たちに捧ぐ!)
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市丸利之助少将「ルーズベルトに与ふる書」(下)

〈『与ふる書』の英訳は日系2世が担当〉
昭和20年2月16日、米軍が、硫黄島への上陸を前にして、日本軍に対して激し
い爆撃と艦砲射撃を加えている時のことです。日本軍は3日間、地下壕にこもって
米軍の上陸に備えていました。
市丸利之助少将は、硫黄のガスの吹き出る地下壕のなかで、吹き出る汗を首にタ
オルを巻いて抑えながら、ロウソクの薄明かりを頼りに筆で文章をしたためます。
これが『ルーズベルトに与ふる書』でした。
この時、松本巌上等兵と三上弘文二等兵曹が、村上治重通信参謀の指示で市丸司
令官の部屋に出頭します。そこで松本上等兵は、市丸司令官の文章を2通清書する
ようにいわれ、三上は間瀬参謀、岡崎参謀の助言を得て英文に訳すように指示を受
けます。

三上弘文は、ハワイ生れの学業優秀な日系二世でした。しかし三上の父親は、息
子の中に次第に日本人らしさが薄れていくことを危惧して、三上が中学生の時に故
郷の広島に送ります。ところが弘文が中学を卒業する前に日米開戦となり、二重国
籍であった弘文のもとにも召集令状が届きます。
日本人から見れば、ハワイ生まれで毛色の変わっていた三上は、周囲からは奇異
に映ったのでしょう、入営してからは、「お前は大和魂がないのか」といじめられる
こともしばしばでした。しかし、市丸司令官はそんな三上に何かにつけて声をかけ、
疑問があれば理路整然と説いてくれる父親のような存在でした。

だからこそ、市丸司令官から同書の英訳を任された三上は、その意味するところ
を参謀や、直接、市丸司令官に問いながら、一心不乱に英文に訳していきました。
英文『ルーズベルトに与ふる書』は、三上弘文の人生のすべてをかけて英訳したと
いっても過言ではないでしょう。
市丸利之助少将は、3月17日、最後の突撃を前に訓示します。そこで、部下将兵
があらゆる苦難に耐えて戦ってきたことに感謝するとともに、「七生報国、100年後
の日本民族のために殉ずることを切望する。如何に生きて敵を倒すかが大切である」
と述べた後で、『ルーズベルトに与ふる書』を読み上げます。

〈30年後に長男が父の腹に巻いた書と対面〉
こうした思いのこもった『ルーズベルトに与ふる書』ですが、日英各一通は壕に
置いて、もう一通ずつを腹に巻いて、村上参謀が出撃します。
3月26日、栗林忠道中将が指揮する早朝の最後の突撃で、村上参謀の遺体から腹
に巻いた手紙が発見され、従軍記者エメット・クロージャーが本国に向けて打電し
ます。
市丸司令官と間瀬・岡崎両参謀は、衛生隊の壕にいて孤立してたため、栗林中将
の最後の突撃には合流できず、3月27日夜11時ごろ、機関銃で撃たれて戦死しま
す。
『与ふる書』とその発見を知らせる電報は米国海軍当局が差し止めていたために、
米国本国で同書のことが報道されたのは、同年7月11日付「ニューヨーク・ヘラ
ルド・トリビューン」が最初でした。このため、4月12日に急逝したルーズベルト
大統領の目に触れることはありませんでした。

 それからちょうど30年後、在米日本大使館の一等書記官として通産省から出向
していた村上健一氏は、アナポリスに赴いて、米国海軍兵学校記念館で、この市丸
利之助少将による『ルーズベルトに与ふる書』を間近に見て、コピーを入手します。
この村上健一氏こそ、硫黄島攻防戦における最後の突撃で、その書を腹に巻いて突
撃し戦死した村上治重参謀の長男でした。

〈100年後の日本人のために楯になった英霊たち〉
 以下、市丸利之助少将の『ルーズベルトに与ふる書』を掲載いたします。
これほど世界情勢に通暁し、大東亜戦争の本質を踏まえて、ルーズベルトとチャ
ーチルの政治姿勢の不合理さを見抜いていた日本の軍人がいたことに深く敬意を表
するものです。
ここに、100年後の日本民族の繁栄に思いをはせながら、祖国のために楯になっ
て亡くなられた将兵の一人一人に、ここに心からの感謝と鎮魂の祈りを捧げます。

『ルーズベルトに与ふる書』
 日本海軍市丸海軍少将書を「フランクリン ルーズベルト」君に致す。我今我が
戦ひを終るに当り一言貴下に告ぐる所あらんとす。

 日本が「ペルリー」提督の下田入港を機とし広く世界と国交を結ぶに至りしより
約百年此の間日本は国歩艱難を極め自ら欲せざるに拘らず、日清、日露、第1次欧
州大戦、満州事変、支那事変を経て不幸貴国と干戈を交ふるに至れり。之を以て日
本を目するに或は好戦国民を以てし或は黄禍を以て讒誣し或は以て軍閥の専断とな
す。思わざるの甚きものと言はざるべからず。

 貴下は真珠湾の不意打を以て対日戦争唯一宣伝資料となすと雖も日本をして其の
自滅より免るるため此の挙に出づる外なき窮地に迄追ひ詰めたる諸種の情勢は貴下
の最もよく熟知しある所と思考す。

 畏くも日本天皇は皇祖皇宗建国の大詔に明なる如く養正(正義)重暉(明智)積
慶(仁慈)を三綱とする八紘一宇の文字により表現せらるる皇謨に基き地球上のあ
らゆる人類は其の分に従ひ其の郷土に於てその生を享有せしめ以て恒久的世界平和
の確立を唯一念願とせらるるに外ならず、之曾(かつ)ては

四方の海 皆はらからと思ふ世に
  など波風の 立ちさわぐらむ
なる明治天皇の御製(日露戦争中御製)は貴下の叔父「テオドル・ルーズベルト」
閣下の感嘆を惹きたる所にして貴下も亦熟知の事実なるべし。

 我等日本人は各階級あり各種の職業に従事すと雖も畢竟其の職業を通じこの皇謨
即ち天業を翼賛せんとするに外ならず。我等軍人亦干戈を以て天業恢弘(かいこう)
を奉承するに外ならず。

 我等今物量を恃(たの)める貴下空軍の爆撃及艦砲射撃の下外形的には退嬰の已
むなきに至れるも精神的には弥(いよいよ)豊富にして心地益(ますます)明朗に
覚え歓喜を禁ずる能はざるものあり。之天業翼賛の信念に燃ゆる日本臣民の共通の
心理なるも貴下及「チャーチル」君等の理解に苦しむ所ならん。今茲(ここ)に卿
等の精神的貧弱を憐み以下一言以て少く誨(おし)ゆる所あらんとす。

 卿等のなす所を以て見れば白人殊に「アングロ・サクソン」を以て世界の利益を
壟断せんとし有色人種を以て其の野望の前に奴隷化せんとするに外ならず。之が為
奸策を以て有色人種を瞞着し、所謂悪意の善政を以て彼等を喪心無力化せしめんと
す。
 近世に至り日本が卿等の野望に抗し有色人種殊に東洋民族をして卿等の束縛より
解放せんと試みるや卿等は亳も日本の真意を理解せんと努むることなく只管(ひた
すら)卿等の為の有毒なる存在となし曾ての友邦を目するに仇敵野蛮人を以てし
公々然として日本人種の絶滅を呼号するに至る。之豈神意に叶ふものならんや。

 大東亜戦争に依り所謂大東亜共栄圏の成るや所在各民族は我が善政を謳歌し卿等
が今之を破壊することなくんば全世界に亘る恒久的平和の招来決して遠きに非ず。
 卿等は既に充分なる繁栄にも満足することなく数百年来の卿等の搾取より免れん
とする是等憐むべき人類の希望の芽を何が故に嫩葉(わかば)に於て摘み取らんと
するや。只東洋の物を東洋に帰すに過ぎざるに非ずや。卿等何すれど斯くの如き貪
慾にして且つ狭量なる。

 大東亜共栄圏の存在は亳も卿等の存在を脅威せず却つて世界平和の一翼として世
界人類の安寧幸福を保障するものにして日本天皇の真意全く此の外に出づるなきを
理解するの雅量あらんことを希望して止まざるものなり。

 翻つて欧州の事情を観察するも又相互無理解に基く人類闘争の如何に悲惨なるか
を痛嘆せざるを得ず。今「ヒットラー」相当の行動の是非を云為(うんゐ)するを
慎むも彼の第二次欧州大戦開戦の原因が第一次大戦終結に際しその開戦の責任の一
切を敗戦国独逸に帰しその正当なる存在を極度に圧迫せんとしたる卿等先輩の処置
に対する反発に他ならざりしを看過せざるを要す。

 卿等の善戦により克く「ヒットラー」総統を仆(たお)すを得るとするも如何に
して「スターリン」を首領とする「ソビエットロシヤ」と協調せんとするや。凡そ
世界を以て強者の独専となさんとせば永久に闘争を繰り返し遂に世界人類に安寧幸
福の日なからん。

 卿等今世界制覇の野望一応将に成らんとす。卿等の得意思ふべし。然れども君が
先輩「ウイルソン」大統領は其の得意の絶頂に於て失脚せり。願くば本職言外の意
を汲んで其の轍を踏む勿れ。

                           市丸海軍少将

桜井 裕子: 慶應義塾大学文学部英文科卒業。PHP研究所、PHP
エディターズグループ勤務を経て、フリーに。主に書籍のプロデュースや
執筆・制作を手がける。
最近の作品は『新・国民の油断』(PHP研究所、西尾幹二・八木秀次)、
『この国を守る決意』(扶桑社、安倍晋三・岡崎久彦)など。
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5.山崎行太郎コーナー 
「ルーカス型総供給方程式」の意味するもの  
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さて、前回からの続きで繰り返しになって恐縮だが、以下が「ルーカス型総供給
方程式」である。

  (現実の生産水準)ー(自然失業率に対応した生産水準)=a・(《実際の物価水
準》ー《期待【予測】物価水準》)          註・・・・・aは正値の
係数。

 この方程式が意味するものは何か。丹羽博士によると、この方程式が意味する
ものは、社会構成員(国民?)の「期待予測物価水準」を「実際の物価水準」が上
回った場合にのみ、「現実の生産水準」は「自然失業率に対応した生産水準」を
上回りうるにすぎない、ということである。

 つまり、これは、誤解を恐れずに私なりに要約すれば、「物価が国民の予想以
上に高くなった場合にのみ、企業資本設備投資が活発になり、生産や雇用が拡大
・増大し、経済成長が起こる…」、ということだ。言い換えれば、それ以外の場
合は、経済成長は起きない、ということだ。これがルーカスの総供給方程式の中
心的な意味である。

 これを、もっとわかりやすく言い換えると、こういうことだ。実際の物価上昇
が、国民の期待・予想レベルであれば、生産も雇用も増大せず、自然失業率のレ
ベルのままであり、経済成長も起こらない、と言うことである。つまり、実際の
物価水準と国民の期待・予測物価とが一致していれば、労働市場においては労働
の需給バランスが均衡状態(自然失業率)のままにとどまり、それ以上に雇用が
増えることも、そして当然のごとく生産の拡大も起こりえない。

 さて、このルーカスのこの「総供給方程式」の結論がケインズ経済学とどう関
係するのか。むろん、ここに「ルーカス批判」とか「ルーカス革命」と言われる
経済学上の大問題がある。この「ルーカス型総供給方程式」こそ、ケインズ経済
学の中心理論「有効需要拡大論」を否定するものだからだ。

 ケインズは、単純化して言えば、不況の原因を需要不足と見なした。需要不足
が、生産過剰、物価下落、生産設備の縮小、失業の増大、さらなる需要の減少、
さらなる不況へ…、というわけだ。したがって、ケインズは、「有効需要を拡大
しさえすれば、雇用も生産も拡大し、それが累積効果をともなって景気回復から
経済成長につながる…」と考えた。「ルーカス型総供給方程式」の結論は、この
ケインズの「総需要拡大政策論」を全面否定するものである。

 先日のテレビ党首討論の席で、小泉総理は、綿貫・国民新党党首の「財政健全
化はまず景気回復から…」という発言に対して、すかさず、断定的な口調で、こ
う言い放った。「今は、公共事業で景気回復するような時代じゃないよ。」

 綿貫も、他の党首他たちもこの小泉発言に対しては一言も反論しなかった。お
そらく反論できなかったのだろう。小泉総理が、この確信に満ちた断定的な言葉
で、議論そのものを拒絶するような強い口調で、意味しようとしたものは何か。
小泉総理が否定し批判したものは、言うまでもなく、ケインズ経済学的な「総需
要拡大政策論」のことであり、それが、今は無効だ、と言いたかったのである。

 私は、小泉総理個人がどういう経済思想や経済理論を、信念として持とうと勝
手だと思う。しかし、小泉総理に、そう言わせた理論的な根拠は、どこにあるの
か。所詮は、竹中平蔵あたりに洗脳されているだけだろう。が、しかし、世界第
二の経済大国の総理総裁の頭脳が、いとも簡単に、頭の悪い「一介の御用学者」
に洗脳され、他の識者たちの意見に聞く耳を持たない状態になるということは、
問題であろう。

 小泉・竹中改革と言われる緊縮財政主体の構造改革路線は、様々な歴史的、理
論的な背景から出てきていることは言うまでもないが、究極的には、この「ルー
カス型総供給方程式」によるケインズ経済学批判、いわゆるルーカス批判である
ことは、明らかだ。

  では、どれだけ有効需要が拡大しても、雇用も生産も増加しない…、むろん経
済成長も起こらない…、と言う「ルーカス批判」の経済理論に問題はないのか。
なぜ、こういう奇妙奇天烈な経済学が、アメリカを中心にして広範に蔓延するこ
とになったのか。そして、なぜ、小泉政権はその奇妙奇天烈な経済学に洗脳され、
思考停止状態に追いこまれているのか…。(「マルクスとケインズの共通性
と差異性」&#8212;続くー)

山崎行太郎;
文藝評論家
昭和47年慶応義塾大学大学院(哲学専攻)修了
東京工業大学講師を経て現在、埼玉大学講師、
日大芸術学部講師。
著書『小林秀雄とベルグソン』(彩流社)『小説三島由紀夫事件』(四谷ラウンド)
その他。
http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/
http://yamazakikoutarou.gooside.com/
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6.有馬尉彰コーナー  
  抗日60周年記念日前後の中国の地方を旅して
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 抗日記念日を前後して中国の地方都市を旅してきた。朝鮮半島を挟んで日本の本
州から最も近い位置にある山東半島の山東省である。成田からは飛び立てば3時間
で青島国際空港に着く。今回の訪問地は、青島、臨斤、棗荘、曲阜、泰安、済南、
臨糸、維坊といった都市で、青島を除けば現代の日本人にほとんどなじみのない都
市である。山東省は、面積的には日本の5分の4もあり相当広い。今回の主たる目
的は、棗荘を訪ねることであった。

 棗荘は良質の石炭を産出する炭鉱の街であった。あったというのは4年前に採掘
し尽し炭鉱は閉山したのである。かつて日本は資源としての石炭の確保を目的とし
てこの街に山東省の領事館のあった済南の出張所を置いていた。その公館は今も残
されていて人民委員会が入っていた。石つくりの壮大なもので、もともとは、山東
省を租借していたドイツ(中国では徳州と書くらしい)が建築したものであるとの
ことであった。日本の炭鉱で栄えた地域がほとんど衰退したと同じように棗荘も今
や衰退の一途をたどっており、かつての日本人の居住区はほとんど残されていなか
った。

 我々のグループに(とはいってもたった男女6人であったが)曹洞宗の僧侶がお
り、この地でなくなった日本人や、日本の軍人のために読経して、線香を手向け供
養をしたいと案内の中国人ガイドに申し出た。ガイドの李さんは宗教行事はタブー
である上、日本人が珍しく、街中が注目しているのでそれは思い留まってほしいと
の事であった。しかし、我々は、人民委員会の高官に交渉しその了解を得た。その
高官は二十代半ばのすらりとした長身の女性であって、我々が他意はなくこの地に
眠る同胞の慰霊をしたいとの気持ちをすんなり理解しすぐに許可をしてくれた。し
かし、この都市に入って以来、身近に制服を着た警官が張り付いていたことも事実
である。

 山東省に来てわかったことの一つに我々現代日本人の知っている中国は河南とい
われる地方でけして河北ではないということであった。たとえば中国の醤油は魚醤
が主で、大豆を原料とする日本の醤油とは味も風味も異なると思ってきたがこの地
の醤油はまさに大豆を原料とする日本と同じ醤油であった。我々の親しんでいる中
国は、香港、上海、広州、福州など南の地方でありそれが中国であるかの錯覚にと
らわれていたと思う。山東省で食べた麺はまさに日本ののびたうどんそのものであ
った。河北には、我々の知っている中華麺はない。ガイドの李さんも日本に出張し
た時は大阪でうどんを食べるのが楽しみであるとのことであった。

 青島、このビールで有名な都市は北京オリンピックのヨットの競技場として今全
速力で準備をしている。青島は、まさに海洋性リゾートの地として極めて優れてい
ると思う。まるで沖縄の海のように青い海に面して白砂のビーチが限りなく続く。
夏の気温は、25度から30度で、湿気も少なく夏は快適らしい。筆者の訪れた時
も涼やかであった。青島は山東省第2の都市として、新しい高層ビルが林立してい
るが、驚くべきは、海岸線に面して立つ豪壮な邸宅群である。南欧風ともいうべき
か、無国籍の邸宅が沢山立ち並んでいる。ほとんどの家が1千万円以上であるとの
ことであった。しかし、物価も安く、魚貝類も新鮮で設備も良好なこの地は日本人
にとって夏のリゾートとしてお薦めかと思う。あえて比較すれば米国のサンデイエ
ゴに良く似ている。この両都市はともに軍港としての役目も大きい。

 さて、抗日祈念であるが、地方である山東省には、抗日記念館なるものは一つも
なかった。いわれているほど抗日記念館は作られていないのかもしれない。今回訪
れた都市には100万以上の人口を持つ都市が、青島、済南を始めとして幾つかあ
ったがそのどれにも抗日記念館はなかった。ただ、主要都市の人民委員会の建物で
は抗日祈念展なるものが開かれている看板が掲げられていた。筆者は、山東省の省
都、済南の山東省博物館で、抗日祈念展なるものを見たが、その中身はとても抗日、
反日といえるほどの内容ではなかった。当時の写真を展示しているわけではなく昔
の抗日の戦士だったとする人々の今日の穏やかなプロフィールの展示や、抗日を主
題とする大人や小中学生の書道展などであった。そして館内には我々以外には人影
はなかった。

 筆者の手もとに中国で発刊された抗日に関する二冊の本がある。題して、「血祭太
陽旗」これは日章旗のことであるらしい。血祭りという言葉が中国で使われるとは
思っても見なかった。もう一冊は「日本戦犯軍判見証1945」ともに中国の本屋
で購入してきた。それぞれ、23元(320円)と10元(140円)であった。
この二冊は写真を多用しており、現地ではけして価格も安くないと思われる。街の
大きな書店に入ってすぐに目立つ棚におかれていたが、手に取るひとは誰もおらず
私だけがページをくっていた。

 今回見た山東省という中国の地方都市の経済的活力にも目を見張ったが、抗日は
けして庶民の関心の的にはなっていないということもよくわかった。かれらが今、
関心があるのは、一刻も早い豊かな生活の実現であるということである。彼ら中国
の民と如何に付き合うかを冷静に考えるべき時期に来たと思う。
                       2005/09/08
                    
有馬 尉彰;
昭和41年学習院大学経済学部卒業 
東急電鉄勤務を経てi-HITS副社長など歴任 
インターネットイニシアテイブ(IIJ)顧問他 政府関係委員多数 
立教大学大学院講師 武蔵工業大学講師 前慶応義塾大講師など 
著書に「マルチメデイアオムニバス」(東洋経済新報社)他 
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7.花岡信昭コーナー
 マスコミ予測は当たるか
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 「9・11総選挙」は大詰め。自民党が圧倒的に優勢であるように伝えられてい
るが、果たしてどうか。どうも最後の1週間でなにやら違う雰囲気が出てきたよう
にも思える。

 テレビ関係者によれば、あの(特定候補の名前を出すと選挙期間中はまずいらし
いので)1T社長登場以後、ワイドショーでは選挙ものの視聴率が思うように伸び
ない現象が出たらしい。そこまでやるか、というシラケが生じたのではないか。女
性「刺客」の不倫騒ぎだの、よけいなものも重なり合った。

たしかに世論調査では、すさまじい数字が出ているらしい。しかし、高い支持率
と実際の投票行動との間に相当の乖離が生じるのではないかという見方も出てきた。
そうなれば、この選挙は政治メディア論の格好の検証材料となる。

それにしても不可解なのは、主要各紙が4日の日曜付朝刊で予測記事を横並びで
出したことだ。日曜朝刊に出すということは、世論調査はおそらく土曜の午後まで
である。集計、記事執筆、イラスト類の作成といった作業時間を考えれば、ぎりぎ
りがんばっても夕方までの調査だろう。

ということは何を意味するか。電話調査だから、平日の昼間は専業主婦とお年寄
りが圧倒的に多い。つまり、日常的に昼間のワイドショーを見ている層だ。サラリ
ーマンやOLなど、勤労者層は調査対象にならない。だから、土日の調査が重要に
なる。

それをいくら週休2日制が徹底しているからといって、日曜を外してしまってい
いものかどうか。日本の企業社会を支えている最も肝心な(という言い方は怒られ
るかもしれないが)勤労者層が極端に薄い調査になってしまったのではないか。

つまり、調査時点では、いわゆる「小泉劇場」のドラマチックな展開に酔った人
たちの感覚がそのまま反映され、その後のやや冷静な反応が含まれていないのでは
ないかと危惧する。だから、自民党に過剰な数字が出ることになる。

朝日は自民党の獲得予測議席が234−255−276である。これだけ幅があ
ったら、予測といえるのかどうか。毎日も248−294と50議席近い幅がある。
それほど読みにくい選挙ということか。

この選挙の構図は、おそらくこういうことだろう。公明30前後、社民と共産で
10数議席、郵政民営化法案に反対した無所属や新党などで30程度。これを合わ
せると80議席ぐらいになる。

総定数が480だから、ここから80を引くと400。これを自民と民主が争う
というのが極端に単純化させた構図である。80が70になったら、両党で410
を争うということになる。

「自公与党で過半数」が小泉首相の掲げた勝敗ラインである。過半数241を割
ったら退陣するという。公明が30前後取るのはほぼ確実だから、自民は210台
でもこのラインに達することになる。法案反対組を除いた公示前議席は212であ
った。現状維持で十分なのだ。

そう考えると、小泉首相にとっては難しい選挙ではないということになる。しか
し、おそらくはもっと高い狙いがあるのであろう。自民で単独過半数、さらには自
公で安定多数(17常任委員長を独占できるラインで252)、あるいは絶対安定多
数(委員数でも野党を上回り国会運営を思うままにやれる。これが269)までい
けば、小泉首相の任期延長論が確実なものとなる。

小泉首相の自民党総裁としての任期は来年9月までだが、再来年には統一地方選
挙と参院選がある。今回、大勝利をおさめれば、再来年の政治決戦も「小泉のカオ」
で戦うのが得策、ということになる。

自公で過半数ラインを達成するのはたやすいと思われるのだが、それ以上に、自
民党の獲得議席によっては、その後の政局に多大な影響を及ぼすのである。「小泉劇
場」のラストシーンはどうなるか。いずれにしろ、近年にない緊迫ドラマであるこ
とだけは間違いない。

花岡信昭:
政治ジャーナリスト、慶應義塾大学院・国士舘大学院非常勤講師、
読売新聞監査委員会審査委員。
1969年早大政経学部政治学科卒、
産経新聞入社、政治部長、論説副委員長などを経て2002年退社、評論活動に入る。
著書に「小泉純一郎は日本を救えるか」(PHP)など
サイト:http://www.hanasan.net/
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8.西山弘道コーナー  
 「圧勝後の小泉政権は?」
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 先週末に出た各紙の調査結果は「自公で過半数突破」、或いは「自民、単独過半数
の勢い」というものだった。実際にこの通りになるのか、神のみぞ知るだが、仮に
予測通り与党が勝利して、小泉政権が継続するとしよう。その際の小泉第3次内閣
はどうなるのか、大胆に予測してみよう。勝ち方にもよるが、ここでは各紙の予測
通り、小泉自民党が圧勝したと仮定する。
 まず、総選挙後の特別国会は9月22日召集となるだろう。その日の午後、首班
指名が行われ、小泉氏は総理大臣に指名される。内閣改造、自民党役員人事は行わ
れず、現体制が留任する。特別国会の会期は、通常だと首班指名だけ行うのだから
1週間程度だが、今回は参議院で否決された曰く付きの郵政民営化法案を再度、国
会に提出するため、2ヶ月間程度の会期となろう。従って、11月末までの特別国
会となる。法案は先の通常国会で廃案という形となったため、再度、衆参両院に提
出される必要があり、両院の審議に各1週間かかるとして、10月末ころには成立
する見通しだ。勿論、この場合、問題の参議院では反対派だった自民党議員が、「自
民圧勝」の民意を前に、賛成派に“転向”することが前提だ。
 郵政民営化法案が成立した後、小泉首相はいよいよ、本格的な内閣改造、党役員
人事に乗り出す。小泉自民党が圧勝する、ということは約3分の1の自民党議員が
公募にせよ、“刺客”にせよ、旧派閥とは全く関係のない、小泉“直系”議員となる
。いわば“小泉私党”が一気に増えるわけで、その拡大した政治力をバックに、小
泉氏は縦横無尽に人事を行うだろう。週刊誌的には早くも「官房長官に小池百合子、
外相に猪口邦子か?」とかの噂が流れているが、選挙での女性優遇で話題を呼んだ
小泉官邸が、組閣に当たってもサプライズ人事としてこのあたりのことは考えてい
るかも知れない。組閣で今回目玉となりそうなのは、外相だろう。12月の自衛隊
イラク派遣期限延長や、在日米軍基地再編問題など日米関係の重要な問題を抱える
。小泉氏が今の町村外相の不人気に不満を持っていることは確かであり、交代は必
至だろう。もっとも開票と同時に当確の猪口氏はすでに外相気分だとか・・・。党
人事の目玉は、武部幹事長、二階総務局長の処遇であろう。選挙で“奮闘”した2
人に論功行賞の人事をするとなると、幹事長留任かさらなる大物役職への就任であ
ろう。
 組閣・党人事で政治力を再生させた小泉氏の次なる“野望”は、来年9月の自民
党総裁任期延長だろう。すでに森前首相や、公明党の神埼党首から総裁任期1年延
長の話が出ているが、特に神埼氏の話は“説得力”を持つ。仮に特別国会で自民党
反対派が“転向”せず、参議院で郵政法案を再び葬ろうとした場合、結局は参議院
の院の構成を変えるしかない。つまり、再来年7月の参議院選挙を待って反対派を
ふるい落とすしかない。当然、その際の政権リーダーは小泉氏でなければならない
・・・というのが神埼氏の意見である。となると、小泉氏は任期を1年延長して
堂々と再来年の参議院選挙の指揮をとることになる。任期1年延長で小泉首相の在
任期間は通算6年5ヶ月となり、中曽根首相の5年を抜いて佐藤栄作、吉田茂両首
相の7年に次ぐ堂々戦後3番目の長期政権となる。 

西山弘道:
昭和44年早稲田大学政治経済学部卒業後、
文化放送入社以来、放送記者として30余年、
ニュースの現場を踏む。
平成5年報道部長。兼ニュースキャスターとして
「西山弘道の世の中朝一番」なfどの番組で活躍。
また政治記者として、田中内閣以降の「永田町戦国史」
をウォッチ。
現在、文化放送編成局次長。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
次回の配信は、9月16日(金)を予定しております。どうぞお楽しみに!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
登録内容(メールアドレス等)の変更、メールニュース配信の停止は、
こちらからお願いします。
<http://www.melma.com/backnumber_133212/>
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発信元:< info@hirakawa-i.org >
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