日本再生のための政治・経済・文化などの発展・再構築を目的とし、メールマガジンの配信を行う
- 最新号:2008-10-11
- 発行周期:週間
- 読んでる人:5899人
- 創刊日:2005-02-04
- Score!:95点
- コメント数 : 38
- メルマガID:133212
- バックナンバー:全て公開
- 発行者サイト:あり
- >> 月間ランキング
甦れ美しい日本 第028号
発行日: 2005/8/25□□■平河総合戦略研究所メルマガ■□□(2005年8月27日 NO.028号)
☆☆ 私たちは書きたいから書くのです ☆☆
☆・・・・───────────────────────────
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
< 目次 >
ゲストコーナー
三村文男 靖国か国益かは選択肢でない
1.佐藤守コーナー 「大東亜戦争の真実を求めて」その25
2.奥山篤信コーナー アニメ映画マダガスカルに見るアメリカの童話
3.松永太郎コーナー インドと日本
4.有馬尉彰コーナー 2011年 7月24日
5.花岡信昭コーナー 改めて「9・11総選挙」の意味合いを考える
6.青葉ひかるコーナー 「郵政民営化賛成・反対の考察」
7.西山弘道コーナー 「小泉氏の心理的分析」
☆平河総合戦略研究所講演会ご案内☆
=当代超一級の政治ジャーナリスト花岡信昭が総選挙終了後、絶妙のタイミングで語る=
日時 9月17日(土曜日) 午後2時より4時まで
テーマ 衆議院選挙結果の分析と今後の政治の行方
場所 外国人特派員倶楽部メディアルーム(有楽町電気ビル北館20F)
http://www.fccj.or.jp/static/aboutus/map.php
会費 一般 3000円 学生 2000円 平河総研特別会員 1000円
講師 花岡信昭 政治ジャーナリスト 元産経新聞論説副委員長
サイト http://www.hanasan.net/
メルマガhttp://www.melma.com/backnumber_142868/
定員 70名 申し込み先着順(info@hirakawa-i.org 宛
☆西山弘道 CDブック 『スクープ音声が伝えた戦後ニッポン』新潮社
文化放送報道部 2800円 団塊の世代にとってこれほど懐かしい音声はない!☆
☆人権擁護法案という、私たちの人権を危うくする法案を、成立させようという陰謀が
与党野党を問わず渦巻いています。衆議院解散に当たって、郵政民営化法案反対か賛成か
など矮小化した争点に惑わされること無く、政権をとるものがこの法案をどうするか?
選んだ議員がどうするか?熟慮に熟慮を重ね投票すべきです。
なぜならこの法案は私たちの自由な生活を脅かす、まさに暗黒国家法案であるからです。
パトリックヘンリの「自由を、しからずんば死を」を噛みしめよ。
この法案の恐ろしさは下記アニメを御覧ください
http://homepage2.nifty.com/save_our_rights/jinken001.swf ☆
☆私達は、ブルーリボン運動を断固支持します。日本国民が一丸になっての意思表示、
行動を起こすことが大切です。北朝鮮の金正日総書記や日本政府、そして報道機関
や国外に対しての私達の願いや怒り、救出へのアピールができれば良いと思います。
拉致被害者と御家族が苦しまれている25年間は、私達の無関心が作った悲劇なの
です。☆
☆花岡信昭のサイト http://www.hanasan.net/
メルマガ政治ジャーナリスト・花岡信昭による分析・考察
http://www.melma.com/backnumber_142868/☆
☆佐藤守のブログ http://d.hatena.ne.jp/satoumamoru/☆
☆山崎行太郎のサイト http://yamazakikoutarou.gooside.com/☆
☆青葉ひかるのニコニコプラン2525計画推進協議会に賛同を!
http://www.2525plan.jp/ ☆
☆クライン孝子のブログ http://www2.diary.ne.jp/user/119209/ ☆
☆ウェッブサイト< http://www.hirakawa-i.org >☆
平河総研会員募集中です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
──────────────────────────・・・・・☆
------------------------------------
ゲストコーナー 三村文男
靖国か国益かは選択肢でない
-------------------------------------
靖国か国益かという選択肢は、本来成り立つものでない。前者は日本国民の心の奥底
のこと、後者は政治経済の現実であるからだ。
小泉首相の靖国参拝を中韓両国が非難攻撃するので、国益が損なわれるという、中国
進出企業や経済団体の主張は、イラクで人質になつた少年の母親が街頭で「自衛隊を
撤退させてくださーい」と叫んだ声を連想させるものである。イラクも中国も自己責
任で行くべきだろう。
人件費や地価が安上がりだといつて進出するなら、それだけのリスクを考えてほし
い。社会主義市場経済は矛盾概念である。労働者の賃上げ闘争が認められるようにな
つたり、土地制度が一朝にしてかわれば、全面撤退のうき目にあうかもしれない。
A級戦犯を持ち出す相手に「不戦の誓い」と答えたのでは,全く議論がかみ合わず、
説得力が無かつた。国内の有識者が正しい論理を小泉首相に教示してくれれば良かつ
たのだが、あえて火中の栗を拾う人も無く、ついにマスコミは靖国問題が「国論を二
分する」とまで放言するに至つた。戦前戦後を通じて靖国神社がこれほどまでに貶め
られるのを見たことが無い。
「一切誓うな、天を指して誓うな、神の御座なればなり」『マタイ伝)とイエスは言
つたが、キリスト者でない私でも、誓いの言葉を軽軽しく口にすべきものでないと心
得ている。小泉首相は日本が外国から攻撃された時、不戦だといつて屈服するつもり
なのか。
文化勲章受賞者の故森嶋通夫ロンドン大学教授は、昭和54年7月号「文芸春秋」
「新軍備計画論」と題した論文を次の文章でしめくくられた。ソ連来攻の危険が問題
となつていた頃のことである。「不幸にして最悪の事態が起これば、白旗と赤旗をも
つて、平静にソ連軍を迎えるより他ない。34年前に米軍を迎えたようにである。そ
してソ連の支配下でも、私たちさえしつかりしていれば、日本に適した社会主義経済
を建設することは可能である・・・・・・私達があの廃墟の中で(あやまちは二度と
繰り返しません)と死者に誓つたのは、このような絶体的無抵抗ではなかつたの
か」。小泉首相の不戦の誓いもこんなものだとしたら、英霊に対する裏切りではない
か。
A級戦犯について、「罪を憎んで人を憎まず」と弁解する。罪というからには、東京裁
判の正当性に何の疑問もお持ちでない様に思われるのが情けない。靖国神社に首相が
参拝するから、国連常任理事国入りが困難になるという非難は論外だ。靖国と国連
と、どちらが大事か。靖国は国のいのちであるが、国連は気をつけないと、国を危う
くする機構である。男女共同参画という隠れ蓑法案が通つたら、ジェンダーフリーが
教育を撤底破壊しそうな勢いだ。お次は人権擁護法案が、日本をスターリン治下のソ
連にしようとしている。すべて国連と、それにつらなる反日勢力のしわざである。小
泉首相はアフリカへのODA増額を約束して常任理事国入り支持を訴えた。それより敵
国条項の撤廃が先ではないか。国連分担金を20パーセントもだすのは、まるで戦後
賠償だ。プライドが無いから、湾岸戦争では130億ドルも国連に出しておりなが
ら、戦勝祝賀会にもクウエートの感謝状も日本は除外された。卑屈な笑顔の外交はも
ういい加減にしてくれといいたい。
三村文男:
神戸市出身 満州帝国建国大学中退 一高を経て東京帝国
大学医学部卒業
開業医の傍ら著作、評論多数 米内光政と山本五十六は愚将だった
(テーミス)神なき神風ー特攻50年目の鎮魂ー(テーミス)など
-------------------------------------
1.佐藤守コーナー
「大東亜戦争の真実を求めて」 その25
-----------------------------------
対米戦を回避せんがため、その障害になるとされた松岡外相を更迭して成立した
近衛第3次内閣は、3名を除く大部分の閣僚が前閣僚で占められていたが、その意
図は専ら対米交渉の進展を図ろうとするものであった。しかし、在米の野村大使は、
この政変を理由として、前記7月15日付我が方第2次対案を米国側に提示するこ
とを差し控えてしまったといわれている。その年の12月に真珠湾攻撃前に手渡す
べきとされた「対米覚書」が、大使館員たちの怠慢から一時間20分も遅延し、こ
れが米国民の反日感情に火をつけたことを想起させられるのだが、大使館では一体
何が起きていたのか? 又、そこには一体何が隠されているのか?
もともと日米交渉の基礎となった「日米諒解案」なるものには当初から大いに疑
問があったといわれてきた。「抹殺された大東亜戦争」(勝岡寛次著)には、この間
の経緯がこう記されている。
「・・・この年の秋、米国は日本の外交通信最高機密暗号「紫」の解読に成功し、
この『マジック』情報により、以後の日本政府の動きを逐一、手に取るように把握
していた、と言う事実である。日米交渉は、正にこのような時期に、米国側から提
唱されたものであった。それは、シナ事変の泥沼から抜け出せずにもがいていた日
本側の飛びつくところとなった。当時の首相近衛文麿は、交渉の発端についてこう
いう回想をしている。(以下〈 〉は占領軍によって全文掲載禁止にされたもの)
〈あの話の起こったのは、昭和15年の12月だったと思うが、アメリカからカソリ
ックの坊さんが二人やってきて、シナと和平をしたらどうかという話を持ってきて
からである。(中略)・・・陸軍の岩畔君がその坊さんと一緒にアメリカへ行った。そ
うしてワシントンで野村君と二人で、ルーズベルトとハルとの間で話を進めたわけ
だ。この話は非常に内密に行われ、外務省でも数人しか知っていなかった。この4
人の話し合いの結果、16年の4月18日だったと思うが、アメリカから第一回の提
案が来た。(中略)其の結果これを受諾しようということになり、回答案文を作って
すぐにもOKを出すばかりになった。〉
この文書は、事態解決に苦しんでいた我国にとっては願ってもない案だったが、
「日ソ中立条約」を電撃的に締結してモスクワから帰国した松岡外相が猛烈に反対
する。そして〈掲載禁止になった〉近衛談話は、次のように続く。
〈このアメリカの最初の提案は、割合に公正なものであった。近衛声明を容認する
といっていたし、陸海軍とも喜んでこれを飲むことに一致していたんだから、惜し
いことであった。(中略)あの時松岡君さえ同意していてくれたら何とかなっていた
ろう〉。
対米交渉の障害になっていた松岡外相外しのために近衛首相が総辞職した経緯
はこれで明白だが、其の根本になっていた「日米諒解案」なるもの自体が眉唾であ
った、として、勝岡氏は、松岡外相の側近であった杉山平助氏の「近衛公手記を糾
弾する(昭和21年)」と言う反論を引用している。これも占領軍から掲載禁止にさ
れたものである。
〈・・・米国から始め到達した試案が日本語であって、原文ではない。これは従来の外
務省の慣例には絶対にないことだ。しかもそれが・・・稚拙きわまる日本語である。松
岡がこれに不審をうって、原文を寄こすように言ってやっても、容易に到着しなか
ったと言う事実がある。
また内容から言っても、満州国承認などという件が麗麗と記されているが、・・・
米国の国務省では、アメリカは曾って、満州国承認の意図を漏らしたことなし、と
いうような声明を発表していた・・・、これらの点からしても・・・松岡の態度は当然な
のである。(中略)・・・後に松岡は私にこう語った。「(中略)あの試案は、はじめか
ら怪しいと思ったが、その後、これで話がまとまるものなら、やってみようと思い、
何も気がつかない風をして乗ってみたが、やっぱり見込みはなかった。」〉
勝岡氏は、「それも其の筈、実はこれは、日本側が狂喜したような正式の米国案
などではなく、米国のカトリック僧ドラウトが日本人二名と協力して『でっちげた』
作文に過ぎなかったのである。当時松岡の秘書官であった加瀬俊一も、『諒解案』を
『おかしいと感じた』一人であるが、次のように書いて野村大使の『不見識』に憤
慨している」として、「野村が諒解案を米国政府の正式提案だといって東京に打電し
たので、事態は紛糾し、遂に日米開戦を誘発した。岩畔は謀略を好むので陸軍内部
でも警戒されていたが、後日彼みずから『諒解案はドラウト師、井川君の3人でで
っち上げたものだ』と告白している。・・・野村は不見識にもこの謀略家に乗ぜられた
ことになる」との一文を加瀬俊一回想録から引用している。
そして「このようなボタンの掛け違いかが最初からあったのだから、交渉のまと
まろうはずもなかった。昭和16年7月、第2次近衛内閣は総辞職し、米国側が忌
避してきた松岡を外相の座から外してまでも、其の意を迎えんとしたが、それとて
も結局は同じことであった」と書いているが、対米戦を回避せんとする余り、各国の
「謀略」にまんまと嵌められていく当時の我が政府首脳の様子は、なんとも悔しい限
りである。 (続く)
佐藤守:
防衛大航空工学科卒(第7期生)。
航空自衛隊に入隊
戦闘機パイロット(総飛行時間3800時間).
外務省国連局軍縮室に出向。三沢・松島基地司令、
南西航空混成団司令(沖縄)を歴任.平成9年退官.
岡崎研究所特別研究員.軍事評論家.
日本文化チャンネル「桜」軍事コメンテーター.
著書に「国際軍事関係論」
ブログ;http://d.hatena.ne.jp/satoumamoru/
-------------------------------------
2.奥山篤信コーナー
アニメ映画マダガスカルに見るアメリカの童話
------------------------------------
『シュレック2』、『シャーク・テイル』のドリームワークス アニメーションの
最新アニメーション『マダガスカル』は全米では、5月27日に公開され、週末興収
第一位を記録したという。ニューヨークの動物園に平和に暮らす4頭の動物を、そ
の快適で安易な都会的な環境から野生のジャングルに放り込んだら一体どうなるの
か? それは彼らの友情が試されるときでもある。ファンにも親しみやすい動物園
の人気ものを主人公に、 “大都会ニューヨーク”と“野生のマダガスカル”という
両極端を舞台に繰り広げられる『動物模様』を描いている。
この映画太宗評判が良いので、子供心に還り鑑賞した。第一印象は子供のみならず
大人もそれぞれ楽しめる世界だった。僕が非常に感心したのは、こういう子供向き
の映画にもかかわらず、ちゃんと子供に分かりやすく教えようという製作者の意図
があることだ。えてして子供向きの童話の世界というのは、なにか人間の理想とか
純化したものを子供に美しく語るというのが日本の現状ではないだろうか。平和を
愛せよ、喧嘩はするなど戦後の空想平和主義に基く世界市民主義、性善説に流され
てしまうのが日本の童話の世界ではないだろうか?勿論ここでいう童話は本屋に並
べてある性の氾濫たる漫画類やジェンダーフリーの悪意ある書物は論外としている
のはいうまでもない。
僕はアメリカの偉大さをこのアニメにも痛感した。ニューヨークという近代文明の
権化たる都会の動物園で何不自由なく暮らしているライオン、キリン、縞馬、河馬
の四頭の仲良しが、ある日テロリストといえるペンギンの扇動にのって、現在の動
物園から自由を求めて脱走する。
その結果はグランドセントラル駅で惨めにも捕縛され、動物愛護協会の圧力もあり
アフリカの野生の世界に戻されることとなる。窮屈に檻に閉じ込められた輸送船か
ら脱走を試みたが、たどり着いたのはマダガスカル、まさに人間の住まない野生の
島だった。そこでの現地での、今まで遭遇したことのない野生の動物、猿、リス、
狐などとの戦いが待っている。果たして仲良し四頭は野生に戻り、いままでの平穏
な秩序が保たれるのか、友情が野生に戻ったそれぞれの獣性を克服しうるのだろう
かなど面白く描かれている。そうして、やっぱり便利な都会が良いなぁと、満を持
して帰還船に乗り込むのだが。。。。。
このような筋書きの中で、この映画は場面場面になんと盛りだくさんに、子供たち
に教訓を与えていることか!僕は日本の童話が子供たちに教えているのは自虐かあ
るいは理想主義であって、現実社会のリアリズムではないと思っている。アメリカ
の凄さというかプラグマティズムとは、基本に人間の性(さが)というものがある
こと。だからこそ心してそれを正義とか公正さで自らを律することが必要だ、加え
て仲間=集団生活が人間が公に生きていく上で大切だ、といった人間社会の本質と
か規範を直視し、成長段階の子供たちにかわいらしいアニメの世界によって、楽し
みながら、その大切さを体感させようという制作者の使命感があるところではない
か。
何をこの映画は秘めているか、僕が感じただけでも下記列挙できる。
1 都会という高度の文明の落とし穴 でもその秩序を壊そうとするテロリズムは
結局その理想と裏腹に悲劇を呼ぶ
2 動物愛護などといっても結局は人間のエゴイズムに動物は振り回されているに
過ぎない。まさに人間の偽善といえる。
3 それぞれの持ち味ある仲間の友情とか集団がいかに大切か!どんなことがあっ
ても仲間を見捨ててはならない教訓 (米軍が絶対負傷兵を見捨てず、その奪還に
さらに犠牲がでても厭わないあの決意とモラル=プライベートライアンの世界)そ
して集団的自衛権までも想像が膨らむ
4 自ら守る防衛力のないものは、力のあるものを用心棒として抑止力として用い
ざるをえない。
力には力で対処せねば、結局は自らが絶滅する。現実の抑止力がいかに大切か。
5 世の中は甘くない。最後やっとニューヨークに戻れると船に乗り込んだのは良
いが、燃料がないことに気がついていない。この『落ち』など、子供たちも手放し
のハピーエンドではない点が、流石アメリカのリアリズムと感じた次第。
僕たち大人にとっては当たり前のことかもしれないが、こういう教訓を知らず知ら
ず学んでいくアメリカの子供たちを想像すると、日本の子供達がいかに能天気に育
っていかざるを得ない社会的教育的環境にあるのか痛感した。人工国家のアメリカ
の強靭さと、その価値観を絶えず維持向上していこうという文化面での努力には感
嘆するものがある。特殊な国、僕たち日本も見習うべきであろう。
奥山篤信:
昭和45年京都大学工学部建築学科卒
昭和47年東京大学経済学部卒
三菱商事本社入社
6年余にわたる米国三菱ニューヨーク本店勤務を経て
平成12年退社
コンサルタント会社ストラテジーズ設立
勉強会『平河サロン』主宰
平河総合戦略研究所代表理事
-------------------------------------
3.松永太郎コーナー
インドと日本
-------------------------------------
先日、インド大使の講話を伺う機会があり、いろいろ考えることがあった。
大使は、インドと日本の長いつながりを話された。私も最近、いろいろな本を
読めば読むほど、インドとのつながりを感じることが多いので、興味深く、う
かがうことができた。
ご自身、優れた境地に到達された鈴木大拙師は、日本の文化の核心には、禅
があると書かれている(「禅と日本文化))。茶道をはじめ、書道や剣道など、日
本の文化の特色をなす、さまざまな分野には、禅の影響があることはたしかで
ある。
しかし、禅とは何か。まずもって、それは仏教であるが、しかし一面では、
一般的に考えられている仏教を超えているとも思われるのである。たとえば大
乗仏教であるが、
それは膨大な経典とともに、竜樹(ナーガールジュナ)や無着(アサンガ)、世
親(ヴァスヴァンドウ)などのような天才たちによって、理論的に体系化され
たものである。無論、禅門においても、それらを勉強する。勉強するが、もっ
と大事なことがある。
たとえば、日本独自の仏教である浄土宗などは、キリスト教に似ているとこ
ろがある。それは信心を大切にする。ひたむきな信心を大事にし、キリスト教
のように魂の救済を願う。「南無阿弥陀仏」(「ひたすら仏に帰依する」)と唱え
れば、浄土に往生まちがいなし、というのは、「神よ、我を哀れみたまえ」と唱
えるキリスト教に似ている。神、あるいは仏の慈悲にすがれば、魂は救済され
るであろう、と。
しかし禅ではそうではない。今、ここで、救われたいとか悟りを得たいと言
っている、この「我」とはいったいなにか、ということを徹底的に疑うのであ
る。禅においてもっとも大事なことは、まず、この疑いを徹底的に推し進める
ことにある。そして、このように大疑心をふるい起こすという意味で、禅は、
通常の意味での宗教とは異なることがわかる。普通の意味の宗教は「信ずれば、
救われる」という条件付きのものである。しかし、禅はそうではない。仏が向
こうから来たら、仏を殺せ、というのである。この途方もない言葉に禅のスピ
リットが溢れている。
自分で明らかにする以外、誰の言葉も無条件で信じてはならぬ。この精神は、
科学に似ている。科学もまた、自分で実験してみるまでは、どんな偉い科学者
だろうと、その新しい理論が無条件に信じられることはない。禅の場合、その
実験室は、自分の心であり、その方法は座禅である。
さて、誰でもあのソクラテスが奉じたとされる「汝自身を知れ」というアポ
ロンの神殿にかけられた言葉を知っている。いったい自分とは何か、というこ
の問いは、実はインドの「ウパニシャッド」に発している。最近、古典学者の
マッケヴィリイ博士が、膨大な研究を元に、インド・ヴェーダンタ哲学と、ギ
リシャ哲学、とくにプラトンとの対比研究を行い、そこに、驚くべき相似を発
見した(「古代思想の形相」アルワース・プレス)。このインド・ヴェーダンタ
哲学は、その核心は、非常にシンプルなものである(たった一言で言い表すこ
とさえできる)。
その問いは「いったいあなたとは誰か」と言うものであり、その実験的方法
は瞑想(禅定)であり、その結論はまったく驚くべきものである。そして、
やはり驚くべきことに、禅とまったく同じである。こうなると禅はいったい
仏教なのか、それともヴェーダンタなのか、まったくわからなくなるし、ど
っちでもいいとさえ言える(学者は言葉にとらわれるので、両者が違ったよ
うに見えるのである)。現在、世界、とくに欧米では、これらを非二元の哲学
とよんでいる。
到り得、帰りきたって、別事なし、盧山は煙雨、浙江は潮、という有名な言
葉が禅にはある。名所だというので、行って帰ってきたが、別にどうというこ
とはなかった。言われているように、盧山は煙雨にかすみ、浙江はみごとな潮
であったよ、というのである。
禅もヴェーダンタも、結論は驚くべきものであり、それがさらに、この言葉
に言われているように、まったくの「即今目前」へ結びついていく。
仮に、全ての西洋哲学が、ホワイトヘッドの言うように、プラトンの注釈で
あるとすれば、それは禅やヴェーダンタの到達した境地から見れば、まったく
色あせたものでしかない。インドも日本も、同じ精神的な根を持っている。つ
いでに中国も、といいたいところだが、残念なことに中国では、今、唯物論を
信奉する中国共産党政府の支配下にある。かつて、日本の知識人が漢籍を学ん
で、憧れた中国は、幻となったか、もともと幻だったのだろう。
松永太郎;
東京都出身
翻訳家、多摩美術大学講師、レモン画翠社長
主訳書「進化の構造」「イカロスの飛行」他。
-------------------------------------
4.有馬尉彰コーナー
2011年7月24日
-------------------------------------
1ヶ月ほど前になるのであろうか、主要紙に表題のような日付けが大きく書かれ
た広告が掲載された。日本政府の広報である。1950年の電波法制定によって民
間放送が始まって以来続けられ、発展してきた、放送事業が一区切りする日時であ
る。あと、約5年と11ヶ月、この日に全てのアナログ放送は終了し、放送はデジ
タル化することになる。その様に民間放送事業者が勝手に決めたのではなく、政府
が国策として決定したのである。
それに対して、最近、「新党日本」の党首として話題となっている長野県の田中康
夫知事が、昨年の8月に開催された全国知事会の席上で、重大な問題を抱えている
ので計画を見直すべき、との提言を行った。比較的デジタル化に反対する意見を集
約しているのでまとめてみたい。
1.2011年までに日本にあるテレビジョン受像機1億数千万台のデジタル
化対応については見通しが立てられない。
2.全国で、20%の世帯が公表されている計画ではデジタル放送が、カバー
されない。特に、離島、山間部という、難視聴地域を多く抱える自治体では
看過ごすことが出来ない問題である。
3.地方民間放送局では、デジタル化による広告収入は増加するとは言えず、
それに比較し、投資およびコストが拡大し、地元の放送サービスが劣化す
る恐れが強い。
4. 地方の小規模CATV,大都市部の難視聴解消対策のためのCATV、あ
るいは(集合住宅等の)共同受信テレビ設備では、デジタル化のコスト負
担が過大で、実現が難しい。
私は田中知事の脱ダム宣言等、共感するところが多いが、このデジタル化反対の
意見は、一部の不勉強なジャーナリストの意見がそのまま取り入られている感があ
り全く同感できない。デジタル化は産業革命であると考える。蒸気機関が出現した
時、多くの馬力による産業に携わっていた人々は職を失った。馬車の馬丁を残しな
がら蒸気機関車を走らせることは出来ない。産業の変革は決して穏やかではなく常
に非連続にいきなり次元を飛躍するのが過去に人類が経験した事実であると思う。
その脱皮なくして、人類の文明の進歩は望めない。そもそも、脱皮した直後の蛇は
最も危険な状態で環境に身をさらしているのである。それにもかかわらず、蛇は成
長のために脱皮を行う。
テレビのチャンネルス数を思い起こしてみよう。1、3、4、6、8、10、
12となっている。2はどうなっているのか、5は、7は、9は11はと疑問が続
く。有限な国民の経済資源としての電波(電磁スペクトラム)がしっかりと有効に
使われていないのはなぜだろうか。これは、アナログ放送の場合、隣接するチャン
ネル(帯域)との混信を避けるためにガードバンドといういわば防火帯を設ける必
要があったのである。しかし、テレビ放送が全てデジタル信号になればこの混信は
全く問題がなくなる。事実、2チャンネルでは、東京のメトロポリタンテレビが放
送されているが、MXは開局当初から、デジタルで制作されアナログとともにデジ
タルでも発信されている。
さて、放送のデジタル化については先進国で、大きな問題となっているが、米国
では、さらに問題は特殊であるといわねばならない。それは、地上波放送が既に衰
退期に入っており、ケーブルテレビによる多チャンネル化、衛星放送によるデジタ
ル化が先行しており、非効率に使われている地上波局の周波数帯域を国に返還し新
しい通信サービスに開放せよとの声が大きくなっている。(続く)
2005/08/25
有馬 尉彰;
昭和41年学習院大学経済学部卒業
東急電鉄勤務を経てi-HITS副社長など歴任
インターネットイニシアテイブ(IIJ)顧問他 政府関係委員多数
立教大学大学院講師 武蔵工業大学講師 前慶応義塾大講師など
著書に「マルチメデイアオムニバス」(東洋経済新報社)他
------------------------------------
5.花岡信昭コーナー
改めて「9・11総選挙」の意味合いを考える
-------------------------------------
「9・11総選挙」の公示(30日)まで、あと数日。改めて、この総選挙の意味合
いをまとめておきたい。選挙戦にはいると、公平な論評という側面から、書きにく
いことも出てくるからである。
郵政民営化への賛否を問う選挙だ、とされている。この言い方は一面では当たっ
ていても、政治の実態からすると違う。自民党内で郵政民営化「法案」に反対した
議員を蹴落とし、小泉首相の政権維持戦略が成功するかどうかが試される選挙であ
る。そう形容したほうが正確なのではないか。
まずは自民党内の権力闘争という意味合いが前面にある。民主党は自民分裂選挙
に乗じて政権獲得を狙い、政権選択選挙だと位置づけている。民主党に迫力がもう
ひとつ欠けているように感じられるのは、その位置づけが「第2段階」だからだ。
つまり、まずは自民党内で小泉首相が延命をはかるのかどうか、それとも、退陣
に追い込まれて後継者が自民党から出てくるのか、という次元があって、その次に
民主党政権が誕生するのかどうか、という話になるのである。
もっと具体的にいうと、こうなる。自公与党で過半数を楽々と獲得したら小泉政
権は安泰だ。これが過半数にちょっと足りず、反対派(当然、復党するケースが多
いはずだ)を引き込んでかろうじて多数を制することができるという状況になった
場合、小泉首相は退陣、しかし自公政権は続く、ということになる。
自公で過半数を大きく割り込み、民主党が堂々の過半数超えをした場合に、はじ
めて岡田政権誕生となる。そのあたり、単純な図式ではない。
郵政民営化は構造改革の重要な柱、これなくして年金も財政も改革できるか、と
いった言い方も確かに通用する。JR、NTTに見られる通り、民営化したほう
がはるかに効率的で活力を生む。時代はまさに民営化を求めているといっていい。
だが、この選挙は、繰り返していうが、郵政民営化をめぐる是非が争点なのでは
なくて、先の国会に出された民営化「法案」への賛否が衆院解散のきっかけとな
って行われるものだ。法案に反対した37人の中には、民営化そのものの必要性
は理解していても、法案内容に疑念があったり、小泉首相の政治姿勢に問題あり、
とする向きが少なからず存在した。
反対派の大半は、法案の廃案が衆院解散に結びつくとは考えていなかったのであ
る。ここで揺さぶって、小泉首相を政権の座から引きずりおろす抗争のスタート
にしたかったのではないか。
だから、小泉首相は徹底した「刺客作戦」に出たのである。権力闘争の非情さが
そこにある。やらなければやられたのである。継続審議で妥協したりしていたら、
政権の求心力は見る間にダウンし、いまごろはレイムダック化していたかもしれな
い。
政治の世界の判断の恐ろしさがそこにある。天国と地獄は紙一重なのである。局
面は一瞬にしてがらりと転換するのだ。
「刺客」をぶつけられた反対派は二つの新党をつくった。なんといわれようとも、
生き残りのためにはなりふりかまってはいられない。その立場も分かる。
だが、あえて無所属でたんたんと選挙区まわりをして支持をあおぐ候補の中に、
きちんとした国家観、国家像を持った政治家が少なからず存在するということも指
摘しておきたい。
結論。「9・11総選挙」は小泉首相の政権維持戦略の重要な舞台であり、非情な権
力闘争の一環である。郵政民営化はそのための「材料」に使われている。
民営化に意味がないとはいわない。むしろその方向を支持したい。だが、以上の
政治的意味合いを踏まえないと、この総選挙の実相は見えてこない。
花岡信昭:
政治ジャーナリスト、慶應義塾大学院・国士舘大学院非常勤講師、
読売新聞監査委員会審査委員。
1969年早大政経学部政治学科卒、
産経新聞入社、政治部長、論説副委員長などを経て2002年退社、評論活動に入る。
著書に「小泉純一郎は日本を救えるか」(PHP)など
サイト:http://www.hanasan.net/
-------------------------------------
6.青葉ひかるコーナー
「郵政民営化賛成・反対の考察」
-------------------------------------
本当におかしな光景である。郵政民営化を試金石として政界を再編する事態のこと
である。
政界を再編せねばならないことは、常日頃の政界を見るに誰もが痛感していること
であるし、自民党にしても民主党にしても余りにも異なる思想の政治家の寄り合い
所帯として成立していることからも、必要なことであるが、再編するためのその「し
きり」が郵政民営化になり、郵政民営化で選別するということに違和感を感じるの
は私だけではあるまい。
「憲法改正」や「教育基本法改正」や「人権擁護法案」などの類の法案が政治家の
踏絵であるのであれば、こういう機会は歓迎されるであろうが、「郵政民営化」」の
旗印で分ける今回のやり方は、「賛成」であろうが「反対」であろうが、政治家自身
も納得できないであろうことは想像に難くないし、マスコミもまた国民も何かすっ
きりしない心情であることは事実であろう。であるから、国民の理解も今ひとつし
っくりしないのが今回の選挙である。
要するに、反対のための反対の政党は別として、自民党内の「賛成派」と「反対派」
は切り口が違っているだけで、あとは政権抗争であろうということは、以前にも述
べた。
小泉首相に対する倒閣運動にも似た動向を察知した首相が、必死で攻防したのが今
回の解散劇であろう。
賛成派と反対派両者の主張は、それぞれある意味で正しく、両者とも一理あること
からもすぱっと郵便局を民営化してしまうことが、絶対に正しいあるべき姿である
かといえば、多くの国民がある種の疑問や不安が残るのも事実であろう。
その!)「なぜ今郵政民営化なのか」「国民のためだからである」
1980年代からはじまった「官営サービスの民営化」は世界経済全体においても
トレンドである。代表的なのは、規制緩和と民営化による経済活性化を目指した英
国のサッチャー改革、米国におけるレーガン改革であろう。
おびただしい数の公益法人、特殊法人をはじめ、現在は廃墟に等しいグリーン ピ
アのような無駄な施設に流れている膨大な資金、官僚がまるで自分の財布のように
ふんだんに使っている。
これを正し、徹底的に見直すことに、国民も政治家も誰しも異存はない。
であるから、これを切り口とする「郵政民営化」は100%必要であるから、多く
の国民も「民営化賛成」となり、小泉首相の主張が正しいということになる。支持
率が高い所以である。
この意味での民営化は「国民のため」である。
その!)「なぜ今郵政民営化反対なのか」「国民のために良くないからである」
それは、350兆円の資金の行方である。
本当に清く正しく国民のためにつかわれるのであれば、国営銀行としての現在の郵
貯、簡保のままで良いというのも正論であろう。
民営化になるということは、多くの人が危惧しているように、外資の恰好の餌食に
なってしまうということもあり得ることである。それに民営化すれば清く正しく運
営されるかといえば、とんでもないことで、現在の民間の保険会社ひとつとりあげ
たとしても、問題ありの企業は多いわけだから、決して美しいあるべき姿といえる
わけではない。
確かに、日本であろうが外資であろうが、より安全に、より有利に運用してくれる
ところに、国民は自らの金融資産を預ければ良いという考え方も一理はある。
また、現在、競争力のある優秀な金融マンが外資に厚遇で迎えられるゆえ、外資へ
流れているという現実の状況の方が問題であり、このこと自体、日本の損失である。
貴重な優秀な人材が日本の金融機関へ戻ってきて、日本人の威力を発揮すべきこと
こそあるべき姿ではないかという面もある意味で正しいかも知れない。
しかし、外国金融資本に巨大なチャンスを与えるであろうし、国家レベルでの金融
乗っ取りともいうべき危機に遭遇することも無きにしもあらずであろう。
しかも、日本という国がある限り安心だった郵貯と違って、預けてあった銀行があ
る日突然外資に買収されるなどということも、ありえるのは大問題である。
勤勉な日本人がコツコツ働き、少しづつ郵便局に貯金をするという日本の文化を壊
すことなく知恵をだすべきである.
この一面から見れば、「郵政民営化」慎重論があったとしても当然であり、慎重論イ
コール反対論にしてしまった小泉首相の手法にまんまとのってしまった反対派は舌
たらずであった。「慎重派」というレッテルであれば、もう少し多くの賛同を得られ
たであろう。「反対派」のレッテルを張られてしまったのが、弱味である。言葉とイ
メージは恐い。
自民党内反対者や民主党が「民営化に必ずしも反対ではない」という言い方に変節
していることからも、戦略不足であった感は否めない。
つまり、「民営化賛成」も「民営化反対」も異なる側面から述べており、考察する側
面によって、どちらも正しく間違っていない。
無駄を廃止し、国民のお金をガラス張りにし、強い国家経済のために郵貯・簡保の
出口をチェックする機能が必要であるということが何より重要なことであるから、
その改革のために風穴を開けるという一点で、今回の郵政改革は意義のあることで
あろう。
「慎重派」も多分同意していることであろうに。
レッテルで負けてしまった。
いずれにしても、「郵政民営化」の内側で渦巻いているのは、政治家の怨念と抗争で
ありそれがエンジンとなっている。「小泉倒閣運動」に断固として復讐するというこ
とであろう。
いつの世も政治とは権力闘争である。 05・08・25
青葉ひかる;
三重県出身
早稲田大学卒
元日本航空(株)勤務
評論家
2525計画推進協議会(2525プラン)会長
http://www.2525plan.jp/
ラジオ日本(1422kHz)
「青葉ひかるのガンバレ日本」
毎週(土)16:50〜17:00放送
-------------------------------------
7.西山弘道コーナー
「小泉氏の心理的分析」
-------------------------------------
そもそも綿貫氏や亀井氏ら反小泉勢力は、郵政民営化法案が参議院で否決されて
も、首相がまさか本当に衆議院を解散するとは思わなかったのではないか。今まで
の自民党の派閥力学からみれば、この時点で解散など出きるはずはないというのが
常識だった。ところが小泉氏にはこの自民党の常識は通用しなかった・・・。
今、改めて小泉氏の解散までに至る心理分析が注目されている。天下をひっくり
返すほどの威力を持った“解散”という政治行為をどの時点で決断したのか。自分
一人で考えたのか、あるいは他からのプレッシャーがあったのか。小泉純一郎とい
う類稀な政治家を考える上でも興味ある分析となろう。
22日に小泉側近の国対委員長、中川秀直がTBSの番組で明らかにしたところ
によると、小泉が解散をやると中川に打ち明けたのは去年の9月だったという。2
004年9月といえば、郵政民営化の基本方針が閣議決定された時だ。基本方針を
受けてこれ以降法案化の作業が始まるわけだが、この時点ですでに小泉は反対派の
出方によっては解散も考えていたわけだ。中川には「誰にも言うなよ」と念を押し
たというが、反対派の選挙区に対立候補をぶつける「刺客戦術」も考えていたのだ
ろうか。一年も前、法案が成立しないことは想定できても、“刺客”という具体的
な選挙戦術まで考えていたとは想像しにくい。やはり“刺客戦術”は37人の青票
組が出た今年7月の衆議院採決直後、小泉の“怨念”が然らしめたものだろう。
小泉の祖父、小泉又次郎は「いれずみ大臣」として有名だったことは知られてい
る。戦前、民政党内閣で逓信大臣を2度もやり、衆議院副議長まで努めた。一方で
横須賀の鳶の大親分としても知られ、「飲む,打つ,買う」の極道を極めたとも伝え
られている。小泉はその祖父、又次郎からは政治の極意などは教わらず、ただ一つ
「花札」だけを教わったと言っている。つまり「博才」を教授されたわけだ。そう
いえば小泉のこれまでの政治行動に投機的な、一か八かの側面を持ったものが多い
ことに気付く。2度にわたる北朝鮮訪問はその最たるものだった。そして今度の解
散・・・。まさに“勝負師”小泉にとっては大博打だろう。小泉が好きだという、
信長も戦機をつかむのが天才的だったといわれているが、桶狭間の戦いは信長にと
ってはまさに一か八かの大博打だった。
本来“女好き”の小泉は、玄人衆の女性から好かれるという。それは女系家族で
育った彼の“フェミニズム”によるところがあるかも知れない。3人の姉(長女・
道子、次女・隆子、3女・信子)に庇護されて育った小泉の“シスターコンプレッ
クス”は相当なものだった。特に4才年上の3女・信子の存在は有名で小泉事務所
を束ねる「奥の院」として、小泉の政治行動にも影響を与えているという。今回、
小泉が“刺客”として女性候補を重視、比例上位に女性を持ってくるという戦略も
信子秘書が絡んではいないか?信子氏は歌舞伎・オペラが大好きで、年に数回、ヨ
ーロッパに出かけ、グルメショッピングを楽しんでいるという。今回、自民空白区
の愛知4区から出馬する料理研究家、藤野真紀子氏は信子氏のグルメ旅行の“お仲
間”だ。
横須賀市小川町にある小泉家は、港町の繁華街に近く、戦後しばらくは弦歌さん
ざめく芸者街だったという。祖父から受け継いだばくち打ちの血、女系家族の“シ
スコン”、実家近くから湧き出る“淫蕩”な風、こういったものが小泉氏を形作っ
たのだ。小泉氏は若手代議士の時、自己紹介をするのに「純潔の純、イッパツの
一、女郎の郎」と冗談交じりにきわどい言い方をしていた時があった。造語の“天
才”、田中真紀子氏はかつて小泉氏を「変人」と呼んだが、今回は何と言っている
か。それは「横須賀のアンちゃん」。またまた言い得て妙である。
西山弘道:
昭和44年早稲田大学政治経済学部卒業後、
文化放送入社以来、放送記者として30余年、
ニュースの現場を踏む。
平成5年報道部長。兼ニュースキャスターとして
「西山弘道の世の中朝一番」なfどの番組で活躍。
また政治記者として、田中内閣以降の「永田町戦国史」
をウォッチ。
現在、文化放送編成局次長。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
次回の配信は、9月2日(金)を予定しております。どうぞお楽しみに!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
登録内容(メールアドレス等)の変更、メールニュース配信の停止は、
こちらからお願いします。
<http://www.melma.com/backnumber_133212/>
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
有限責任中間法人 平河総合戦略研究所< http://www.hirakawa-i.org >
発信元:< info@hirakawa-i.org >
掲載された記事を許可無く転載することを禁じます
Copyright(c)2005 Hirakawa Institute
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
このメルマガを読んでいる人はこんなメルマガも読んでいます
- Japan on the Globe 国際派日本人養成講座
- 日本に元気と良識を。歴史・文化・政治・外交など、多方面の教養を毎週一話完結型でお届けします。3万4千部突破!
- 週刊アカシックレコード
- 02年W杯サッカー韓国戦の「誤審」を世界で唯一「前日」に誌上予測し、誤審報道を「常識化」した推理作家(金正日の「遺書」で始まる「中朝戦争」後の北朝鮮...
- 宮崎正弘の国際ニュース・早読み
- 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析
- 頂門の一針
- 急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。
- 花岡信昭メールマガジン
- 政治ジャーナリスト・花岡信昭が独自の視点で激動の政治を分析・考察します。ときにあちこち飛びます。
![メルマガスタンド[メルマ!]](/img/common/backnumber_article/melma_logo.gif)


