ぶんぶん便 No.396
発行日時: 2008/3/6
作/者/か/ら/
わたし、血液型はA型です。
性格もまんまA型で気が小さくて生真面目、ちまちま人間です。
って思ってたんですけど先日ある人に「B型気質。Aの要素無し」と
言われました。
いろいろわたしのことをご存知のひとで、聞き流せません。
「どこがBですか」「だってのんびり屋だもの」
びっくり。うれしいびっくりです。
長年B型にあこがれていたので。あこがれるとなれるものなんですね。
うっふん。
家に帰って家族に話すと「Bだよー!」と言われました。
そうなのぉ? うれしーい。
部屋が散らかってるからかもしれないけど、うれしーい。
思ってた自分と違う自分の可能性にヤッホー!
なせばなる。なさねばならぬなにごとも。
念じれば通ず。好きこそものの上手なれ。ちがうか。
こんど血液型調べ直してみようっと。
ほんとうにカラダの中からB型になってるかもしれないもん。
さていつも火曜に発行しているぶんぶん便ですが、
先日出し損なって、また今後もしばらく不定期になります。
B型だから…というわけではなくて、バリバリ仕事してるからでもなくて、
ちょっといろいろ考えています。
わたしにとって大切な「ぶん=文」との人生。
結論がでるような考えごとではないのですが、
長年のつれあい「ぶん氏」のこと、いちどじっくり考えてみたくて。
文体とか文質とか文調とか、考えることいっぱい。
で、いっぱいいっぱい。
不定期になりますが、ぶんぶん便は続けます。
映画の紹介もしたいですし。
忙しいわけではないので、もしよければお便りくださいね。
のんびりトボトボのわたしと、気長におつきあいお願いします。
─C─o─n─t─e─n─t─s─────────────────
□ 今週のコラム : お尻とお尻。
○ シネマ de ぶんぶん : 『悲しみが乾くまで』
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□ お尻とお尻。
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先日テレビで周防監督の映画『それでもボクはやってない』が
放送された。公開時劇場で観たけど、また観たの。
満員電車で女子高生がお尻をさわられて、
近くにいた男性が冤罪でつかまるお話。
観れば観るほど周防監督の「怒り」が伝わってきて圧巻。
メッセージ性の強い作品だ。
この映画を撮り始める頃、わたしが通っているシナリオの学校に
エキストラ募集があった。わたしは行かなかったけど友人が参加した。
満員電車を再現するための客。そのエキストラだ。
スクリーンで探したけど友人は映っていない。満員電車の客その1だからね。
撮影が始まるちょっと前に「周防監督が痴漢映画を撮る」という
ざっくばらんな情報が流れ、わたしは「え?」と。
あの名作『Shsll we ダンス?』の後、十年置いて撮るのが「痴漢映画?」と。
カタスカシな気がしたが、そんなわたしは馬鹿だった!
痴漢映画ではなく、
痴漢冤罪をテーマに刑事裁判の現状、矛盾と非道を訴える市民の映画なのダ!
法曹界への挑戦状なのダ!
社会派なのダ!
周防監督はこの映画公開直前にシナリオの学校で2時間強、
映画制作についてお話くださった。
そのとき心に残った言葉を紙に書いて、わたしはデスク前の壁に貼ってある。
「できないことは個性」
「個性は出すものではなく出るもの」
「型は無い」
「気の済むようにやってダメだったらあきらめる」
これは映画製作上の、特にシナリオを書く上でのアドバイスだが、
生きていく上でわたしにとり普遍的な指針となっている。
自分の努力の方向性が見えたような気がして。
くじけそうになると上記の言葉をかみしめて、がんばる。
たとえばシナリオについて。
わたしは書く努力はしてるけど売り込みなどの営業努力はしてないの。
やり方がよくわからないし、気が重いから。
できないことは個性。ってことで、やらないことを自分に許して
そのぶんよく学びよく書いて、いただいた仕事はめいっぱいがんばる。
『それでもボクはやってない』は制作当時、
法律を勉強する人が見る教育映画にしたい。みたいな狙いも
制作者側にはあったようだが、周防監督の持ち味である
「エンターテインメント性」がしっかりベースにあって
法律を知らない人間もぐいぐい引込まれる。
いやがおうにも巻き込まれてしまう。
見終わると「こんな国に住んでるんだ。怖いね〜」と思う。
そしてふつふつと「不当な権威に負けるもんか」と思えて来る。
テレビでの放送は娘と観た。娘は泣きそうだった。
この映画に限らず娘は「冤罪もののお話」が大の苦手で
「前世は冤罪で裁かれて死んだと思う」と言っている。
この映画のラストも救いがなくて。救いがないラストじゃなくちゃ
意味がない映画なんだけど、娘はぷるぷる震えていた。
「十人の真犯人を逃すともひとりの無辜(むこ)を罰するなかれ」
この映画のこの言葉、頭から離れない。
この映画を見た法曹界の人々はどう思ったんだろう。
多少は影響を受けて無罪が増えたりしたかなぁ。
裁判って、あの壇上から見える風景と裁かれる側から見える風景は
おそらく全然違う。
立ち位置の高さを同じにしたら裁判の結果も違ってくるんじゃないかな。
高すぎない? なにさま?
テレビでこの映画を観た翌日のこと。
スーパーのおさしみコーナーで商品を選んでいたら
スカートの下から「手」が侵入し、お尻をしっかり触られた。
ぎょ!
おさしみコーナーに痴漢!?
びっくりして振り向くと、ムコウはこっちよりびっくりしてた。
5歳くらいの男の子。
あわてておかあさんの元へ走り、しがみつき、
くねくねしながらずうっとわたしを見ている。
おかあさんと間違えたんだね。
おかあさんはおさしみ選びに夢中で気付かない。
男の子はその後もずうっとずうっとわたしを見ていた。
わたしがコーナーを離れ牛乳を選んだりプリンを選んだりしてても
ふと見ると男の子の視線。つよいつよい視線とくねくね。
わたしがパン買ったりチーズ買ったりしててもまだまだ見てるよ、その子。
少年よ、わたしにイイタイコトあったら言ってくれ!
「ごめん」なの?
「きもい」なの?
男の子がわたしのお尻をさわったのは事実だけど
おかあさんと間違えたんだから罪はないかんね。
おばさんは君を責めたりしないかんね。
許してるかんね。ほら、にこにこしてるでしょ?
それとも君はおばさんのお尻に怒ってるのかね?
おばさんのお尻かよー、みたいな?
ふつかにわたってお尻について考えた。
女子高生のお尻とわがお尻。
全然ベツモノ。のような気がして、心がしんとした。
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● シネマ・de・ぶんぶん 『悲しみが乾くまで』
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3月29日公開
http://www.kadokawa-pictures.co.jp/official/things_we_lost_in_the_fire/
アメリカ映画だけどフランス映画っぽいムードです。
絵に描いたような素敵な家族。
エリートで優しい夫。美しい妻。男の子と女の子。
その夫が急に死んでしまう。
その夫には親友がいた。といっても夫は人格者で友達がいっぱいいるが
ヘロイン中毒で誰もが見捨てた男(ベニチオ・デル・トロ)を
人格者の夫は周囲から反対されつつも、つきあい励ましていたのだ。
すばらしい夫を喪失した妻やその周囲のセレブな人々が
そのどうしようもない駄目男をそばに置き、
やがてその駄目男によって癒されていく…という話。
といってもこれはわたしの解釈なんだけどね。
「愛する人を失った二人が互いに寄り添って」みたいな宣伝文句なのだけど
妻が駄目男を一方的に利用しているふうにわたしには見える。
癒しに利用してる。
弱く、駄目な人間が持つ癒しのオーラってたしかにあると思う。
自分ががんばれないとき、がんばってる人といるの辛いもの。
立派な人ってなんだかけむたいもの。
駄目でだらしない人といるとほっとするもの。
でもこの映画の場合、駄目男がデル・トロさんってところがキモで
あまりに色っぽくて素敵な人だから「そばにいてほしい」っていう
周囲の気持ちがひしひしとわかる。
駄目男なんだけど、嫌な奴ではない。ってとこが中途半端な駄目さ加減だ。
こういう悲しみの描き方ってちょっと珍しい気がして
ラストもハリウッドっぽく「ちゃんちゃん!」ではなくって
うまくまとまってない感じも含蓄があって、
おずおずとオススメしたい映画です。
デル・トロさんのイカスミ顔は必見。
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