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ぶんぶん便 No.377
発行日時: 2007/10/16 bunbun-bin ha tanosiina kyoumogenkini bunbunikou sore!
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■■■ 「ぶんぶん便」 2007/10/16 No.377
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作/者/か/ら/
わがやの猫いなもとは最近夜遊びがはげしくて
人間が寝ると高いところにのぼり、ものを落として人間を起こします。
留守中はものを落としません。
人間の気をひくためにわざとやるのです。
こちとら睡眠不足でふ〜らふらです。
そこで睡眠を確保しようと家族で話し合った結果、
夜中だけ一カ所ドアを閉めて、寝室や居間に入れないようにしました。
しめだしの刑です。
かわいそう? いえいえ。
いなもとはわがやの約2分の1の居住面積を独り占めしています。
トイレを移動し、水を確保し、いなもとに不自由ない空間をつくりました。
言ってみればわれわれ人間が猫シェルターに肩を寄せ合って
寝ているわけです。
広い空間で夜中の6時間いなもとはいっぴきぽっち。
「夜だけ別居」を始めたら、いなもとに変化がみられました。
すなおで前よりひとなつこくなってます。
朝ドアを開けると「おはようっ」と言い出しかねないくらいの
友好的態度で寄って来ます。
なかよくやっていくコツが「なるべく一緒にいないこと」とはねぇ。
なんかこう、悲しい。
こころざしが現実に負けた。みたいな気がします。
夫婦や親子の関係はどうなんでしょう?
一緒にいればいるほどあったかくなる。
そんなおふとんみたいな関係が理想なんですけれども。
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□ あしたのしつもん
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質問。言い換えればお尋ねごとである。
なにかわからないことがあり、
そのなにかを知る必要があるときに発生する。
たとえば八百屋さんに行って
「このにんじんおいくら?」
これこそが質問である。
金額がわからないと財布からいくら出せばいいかわからない。
必要があって発せられた切なる「問いかけ」である。
こういった由緒正しい質問には
「200円です」とか「300円です」と答えて欲しい。
「そこに書いてあるでしょっ、見えないのかいっ」
なんて答えは悲しいし、書いてあったって目に入らなきゃ
「わからないこと」には違いないし、汚い字なら少しは反省してほしい。
そしてできることなら「100円です」とかさ、喜びを伴う答えを期待する。
由緒正しい質問があれば、由緒正しくない質問もある。
国会とか、ナントカ委員会、カンタラ理事会とかで多用される。
質問の仮面をかぶった「意見」であり「批判」であり
「自己PR」だったりする。
「どなたか質問がありますか」と言われて
手を挙げて自分を語り出す人がいる。
「わたしはその昔、◯×に勤めておりまして」から始まって
延々自分史を語った挙げ句、いっちばん最後に
「で、そのへんどうお考えですか」と質問形式で終わる。
すると質問形式を受けた人は他人の自分史なんか聞いてなかったりして
いきなりの「ですか」にしどろもどろになるんだけど
一応答えるようなふりをして全然違うことを話し出す。
これもまた自己PRだったりする。
けど、質問した人は知りたいことなんかないのだから満足し
「ご回答ありがとうございます」なんて言うのだ。
わたしはこういうやりとりの最中、「質問」をつかもうとして
頭をフル回転して分析するんだけど質問はどこにも存在しない。
自分の耳や頭がオカシクなってしまったような気がしておっかない。
本当にわからないことがあって、知りたくて聞くのに
相手を困らせてしまうたぐいの質問もある。
そういう質問をする人はソクラテスかもしれないし「おばか」かもしれない。
ソクラテスかもしれない「わたし」かもしれない。
当時わたしは新入社員でパソコンというものが全然わからなくて
同じ新入社員だけど仕事ができて使いこなしている女子Aに
操作を教わっている最中、質問をぶつけた。
「ぷろぐらむってなに?」
女子Aの顔は真っ赤になった。
顔は真っ赤なのにスイッチが切れたように動作が固まってしまった。
なんか、聞いてはいけないことを聞いてしまったような気まずい沈黙。
わたしはとっさに「終了ボタンってどれだっけ」と
質問を変える事でその場をリセットした。
当時は会社の制服を着て、20代前半でして、お肌もぷりぷり、
ういういしいほんとにかわいい(好きに言っとこ)わたしだったが
デスクワークはわからないことだらけで、
目にしたもの、耳にしたものすべてが質問となった。
「聞くはいっときの恥」と言うけど、始業から8時間すべて
恥かきっぱなしの迷惑かけっぱなしのOLだった。
郵便物を整理していたときのこと。
不要なものは捨て、必要なものを対象者に配る仕事で、
「迷ったら聞いてね。大事な書類を捨ててはいけないから」
と言われたので、わからないときは課内に響く大声で質問した。
「ふぁっしょんまっさーじってなんですか?」
女子A〜Fは青くなる。
男子の反応はよく覚えていない。
沈黙は一瞬だけでみな笑い出した。
聞いてはいけないことを聞いてしまったらしいの。
でも気まずい空気はない。
女子Bが小声で「捨てていいよ」と言うので
わたしはその文字が書かれたチラシをゴミ箱に捨てた。
質問してもいいけど、大声でしちゃいけないという
微妙なセンだ。
たびたびぶんぶん便で紹介しているが、わたしは映画の記者会見に行く。
記者会見ではまず制作者側(監督や役者)の挨拶があって
そのあと記者からの質問タイムになる。のち、フォトセッションの流れだ。
わたしはもう7年くらいこういう場に記者として座っているが
質問をしたことがない。
試写を観たあとに行くのだが、手を挙げてまで聞きたい事はない。
ほかの記者の質問と役者たちの返答で取材はこと足りる。
監督や役者が「こういう気持ちで作った」と話してくれるので
もうそれでじゅうぶんだし、そういう場での質問ってとても難しい。
「どんな気持ちで演じました?」という質問が1番多いが
わたしは心で代弁する。「さっき挨拶で言ってたじゃん」
本当に知りたくて聞いてるのかなあ、という質問がほんとに多いの。
たま〜にキレのいい質問が出て「すごいな」と思うけど。
だいたいが質問に心も愛も「問いかけ」すらもない。
具体性もないし、やっつけ仕事で一応聞いたからね、みたいな感じ。
わたしは沢尻さんの件は良く知らないのだけど
聞きたい気持ちが入ってない質問を何万回もされたら
「言ってもしゃあないべ」と思ってしまうだろうなあと思う。
お客様に対してどうとかそういうことはおいといて。
「問いかけ」が入ってない質問はむなしい。
さて先日『オリヲン座からの招待状』の記者会見に行き、
わたしはめずらしくも「質問をしてみたい」と思ったの。
しかも、1番いけない「聞きたいことはなくて言いたいことがある」
というパターンである。
「この映画はすばらしい。創ってくれてありがとう」を伝えたくて
このひとことを言った後で形式上なんか質問くっつけちゃお、と思った。
わたしが1番嫌いな行為をやろうとしてるわけ。
この映画を好きすぎて、心があふれて、分別なくなっちゃってるの。
で、いろいろ質問を考えに考えて「どのシーンが1番好きですか」みたいな
いわゆるアリガチな質問を思いつき(沢尻さんなら一喝するだろう)
質問タイムが始まって、どきどき。
昔大縄に入るタイミングがつかめなかったように
手を挙げるタイミングがつかめない。
職場体験学習で入って来た中学生新聞の記者に先をこされたよ。とほほ。
今だ!と思った瞬間に気付く。
質問者はまず媒体名を名乗らねばならない。
「ぶんぶん便の大山と申しますが」で始めなければならない。
大好きな宮沢りえさんの前で「ぶんぶん」と言えるか?
大好きな加瀬亮さんの前で「ぶんぶん」と言えるか?
みめ麗しい樋口可南子氏、コワモテの宇崎竜童氏、大作家浅田次郎氏の前で
「ぶんぶん」と言えるか?
ぶんぶん。書くのに抵抗感がなく、読んでも楽しいぶんぶん。
堂々と言えないなんて、恥ずかしいぞ、JUNKO。
自分の媒体だろ? わが命、ぶんぶんだろ。
行くぞ、JUNKO。
自分を励まし手を挙げた瞬間、司会者の「質問タイムは終わりです」
いつもは「質問はラスト2つです」とか予言があるのに
いきなりぶつっと終わってしまった。
質問が少なかったので見きりをつけたみたい。
悔恨の会見。
カイコンのカイケン。
KAIKONのKAIKEN。
いくじなしのわたしが撮ったせめてもの写真です。
↓見てやってくださいね。
http://homepage1.nifty.com/jyk/js/61.html
あのちゅうちょは、実を言うと、
質問ではない質問を投げかける罪悪感だったんだ。
すばらしい作品に、てごたえある質問を用意できなかった自分を
わたしは恥じていた。記者として失格。
ナイスな質問ができるあしたのわたしでありたいな。
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