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ぶんぶん便 No.348
発行日時: 2007/3/13 bunbun-bin ha tanosiina kyoumogenkini bunbunikou sore!
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■■■ 「ぶんぶん便」 2007/3/13 No.348
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作/者/か/ら/
わがやのいなもと(猫)はよくいえばクールです。
スキンシップをきらいます。
猫を飼う=猫を抱いてのんびり。は夢物語です。
夢をあきらめきれないわたしはいなもとをつかまえて抱きしめます。
抱くのではなく「抱く+しめる」のです。
そうやっていなもとをシメると、しばらくいなもとは耐えます。
2分ほど耐えてからグッと腕をすりぬけて走り去ります。
2分が3分になりやがて1時間になるでしょう。か?
ならないかもしれないけど、夢にむかって日々わたしは
いなもとをシメます。芸をしこむように。
しこんでいる芸が「抱かれること」だなんて、
飼い主としてみじめですが、がんばります。
夢物語を努力でノンフィクションにしてみせます。
―C―o―n―t―e―n―t―s――――――――――――――――
□今週のコラム : 創作の日常
○シネマ・de・ぶんぶん : 『俺は、君のためにこそ死ににいく』
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□ 創作の日常
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うちのリビングにはソファがない。
カーペットの上にホットカーペットをひいて
そのうえにぺたんと座る。で、ちゃぶ台が一台。
そのちゃぶ台にMacを置いてわたしは創作する。
仕事部屋があるけど寒いので冬はリビングが仕事場だ。
パソコンに向ってズドドドドと文字を打ち込んでいる状態は
いかにも創作してるふうに見えるが、それはもう創作の末期で、
「浮かんだ映像を筆記」してるだけ。
「浮かんだ映像を筆記」なのだから、
自分であって自分でないような他力感がある。
ズドドドドはラクちんだ。
実際の創作時間の大半は見た目遊んでるふうに見える。
音楽を聴いたりしながらぼ〜としている。
ぼ〜という顔してあれこれ考えている。
電車に乗っている時が最も創作が進むが
その次が寝起きの布団の中で、
リビングでのぼ〜は3番目くらいの環境だ。
先日はリビングぼ〜の途中でふと思考が飛び、
気になる映像表現について考えた。
わたしはアマだ。アマだから言える「違和感ある映像」がある。
違和感は悪い意味じゃないの。
「これは現実じゃなくてフィクションだから、
わざとこういうふうに撮るんだろうなあ」と。
それは死体の演技だ。
目を開けたまま死んじゃったかわいそうな死体。
その死体に同情や愛情をもつ人物が死顔にてのひらを当てて、
上から下へスーっと降ろす。
すると死体役の俳優さんがナイスなタイミングで目をつぶる。
その映像表現の違和感はきわだっていて、
「ああ、この死はホンモノじゃない。これはお芝居なんだ」と
見ていてホッとする。
こういうシーンはこのくらいウソっぽくないと
なまなましくて辛くて見ていられないもの。
この演出は輸入ものかな? 和製?
誰か知ってたら教えてね。
このシーンをシナリオのト書きにするとしたら
どう書けばいいのかなあと考えていると、
いつのまにかすぐ近くに夫がころがっていた。
「仕事部屋に勝手に入るな!」と言いたいが、
ここはみんなのリビングなので文句はいえない。
夫はリビングであおむけに寝転がり、両腕をひし形にまげて
うしろ頭の下にいれ、「セルフ手枕」で天井を見つめている。
彼もクリエイターなので、ナニか創作中なのかもしれない。
晩ご飯まだかな?と思案中なのかもしれない(がこれは無視)。
そのときわたしは夫が死体に見えた。
で、「死体の顔してみて」と言ってみた。
「てのひらを上から下に降ろすから、自然に目を閉じてみて。
そういうシーンを試してみたいの」
夫はとっさに死体風の顔をしかけた(目をむいた)が、
てのひらの風圧を感じたとたん笑い出し、
わたしの手を払い飛ばしてダンゴムシのようにうずくまり、
お腹をかかえてひいひいと笑い続けた。
歯をくいしばって、しまいに「ひたい(痛い)」と
お腹を抑えてころげまわる。
くるった。
死体なのに、オーバーアクト。
落ち着いてから問いただすと、
「死体の顔してみてと妻に言われる夫が日本にどれくらい
いるだろうか」と考えたらおかしくなっちゃったんだって。
「たぶん10人くらいじゃないか」と思ったらますますおかしくて
「そう言われて一瞬死体の顔しようとした自分」もおかしくて
笑いが止まらなくなっちゃったんだって。
そうかー。日本で10人。結構いるもんですな。
仕切り直してやってもらったんだけど
(やる人は10人中3人くらいかな)
役者でもない夫がてのひらの動きにあわせて、
ちゃんといいタイミングで目をつぶるじゃないの!
一発でオッケー。NGなしよ。すばらしい!
この演技はしろうとでもできると発見!
みなさんもやってみて、ほら!
一人暮らしのひと、ひとりでもできます、ほら!
てのひらに妙なあぶらが付いたけど、実験成功で満足した。
ト書きの書き方、「つかめた」ような気がする。
ふたたび夫は天井を見つめ、わたしはぼ〜っと創作に戻る。
これがわがやの創作の日常である。
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○シネマ・de・ぶんぶん : 『俺は、君のためにこそ死ににいく』
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公式サイト↓5月公開
http://www.chiran1945.jp/
石原都知事製作総指揮戦争映画、ついにできました。
うっわー漢文みたいね、上記一文。
企画発表、クランクイン記者会見と、わたしは2度もこの映画に
関わるセレモニーに参加して取材し続けたけど、
最初の企画発表の時、態度激デカな石原さんに「かちん」ときて、
その後は「つくれるもんならつくってみろ」的な
ひっじょーに冷めた目で見ていた。
だってさ。招待状を携えて行くわたしら記者に対して
つまり招待客にむかって、
「くだらない質問すな!」と「る抜き」言葉で一喝した上、
「質問の時間など要らん」と大声をあげ、
「シナリオ? そんなもん3日もあれば書ける」だとよ。
「書けるもんなら書いてみろ!」と思っていたら
テキ(石原氏)はどうにか書いてしまい(さては知事の仕事さぼったな)、
わたしの大好きな窪塚洋介くん(なれなれしくてごんめん)とか
筒井道隆さんとか岸恵子さまとか、
魅力的な俳優をちゃーんとキャスティングして、
どこからお金を集めたのか飛行機もばんばん飛ばして、
2時間21分という長い映画を仕上げてしまった。
仕上げたのは新城監督だけど(へらずぐちでごめん)。
試写を見た。
試写会場ガラガラ。いやな予感がしたけど作品は悪くはなくて、
監督やスタッフが心をこめて作った映画だと伝わってくる。
この時代に生きた人はめちゃめちゃ感情移入するだろう。
わたしは導入から中盤にかけて全く感情移入できなかったけど、
1時間15分経過した数分間と1時間50分経過した数分間、涙が出た。
その2シーンはおすすめ。胸があつくなる。
途中退場しなくてよかった。
全体の流れにのれなくても、いいシーンにはちゃんと感動がある。
映画って一面からは評価できないなとあらためて思う。
映画を楽しめなかった時、わたしはまず自分の感度を疑ってみる。
不満=作品が悪い。のではなくて、
それを不満に思う理由が自分のバックボーンにある。としたら
それもひとつの発見だ。
わたしがこの映画を肯定的に見られなかったのは
石原さんの態度が本当にイヤだったから。
記者を人間扱いしない人に良い作品が作れるわけがない。
作られてたまるか。なんて思いがあったし。
ここまで根に持つなんてねちっこいけど、
わたしの大切な部分を踏みにじられた気持ちなの。
記者は相手を理解しようとして一生懸命耳を傾ける。
それが取材だし、取材される側とする側に人間の上下はないと思ってる。
みな石原さんの映画への思いを一生懸命聞いたのに、
語るだけ語って聞く耳モタナイは人として失格です。
映画に話を戻すと、
窪塚洋介くん演じる兵士はキャラクターがつかみにくく、
なぜこの役に窪塚くんなの?という違和感があったが
ラストは「あーやっぱ窪塚くんだよなあ」という展開があって、なっとく。
わたしは窪塚くんが好きすぎて、とくべつな役じゃないと
しっくりしないの。これもわたしのバックボーン。
この映画は少し長過ぎるけど見た甲斐は誰にでもどこかしらあると思う。
公正に判断できないわたしでも涙が出たのだから。
岸恵子演ずるトメさんは実在の人物だ。そこがこの映画の強みだと思う。
公開後、この映画は酷評される予感がする。
酷評する人はこの映画に感動シーンがあるということを
また、この映画を長年待ち望んでいた人たちがいることを
ふまえた上できちんと批評してほしい。
言論の自由は感情のゲロではない。
そしてやはり言論は自由だ。イヤなものはイヤでいい。
石原さんは自分が作りたい映画を作ることができるチカラを持っている。
そのチカラは権力だと言ってしまいたいが、実績だと思う。
昔、日本映画にとてつもなく貢献した。
その実績が映画会社を動かしたのだ。
わたしは石原さんがちょっとうらやましい。
こちとら実績をこれから作るのだと思うと気が遠くなる。
せいぜい長生きしてがんばらなくっちゃ。
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