JUNKOのワザありコラム「ぶんぶん便」 |
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bunbun-bin ha tanosiina kyoumogenkini bunbunikou sore!
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■■■ 「ぶんぶん便」 2007/1/30 No.342
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作/者/か/ら/
NHKの朝ドラで、主役の小説家(女)が小説家志望の男性を叱咤しました。
「夢だけじゃ生きていけません!」と。
「あなたには才能がありません」だから「あきらめなさい」と言うのです。
わたしは自分が怒鳴られたような気分になりました。
才能がないと、夢を追っちゃいけませんか?
そもそも、文章は才能で書くものですか?
才能なんてわたし、どーでもいーもん。
そんなもの、夢見る気持ちについて来るもんねー、ダ。
才能に声かけてみ。「先行ってて」と言うに決まってるよー、ダ。
「今に見てろ」と毒づくわたし。誰にって、主役の小説家によ。
まったくもう、ドラマの登場人物に喧嘩売ったりして、ばっかみたい?
ですけど、『今に見てろ魂(だましい)』は無敵です。
全国の夢追い人、がんばりましょう!
―C―o―n―t―e―n―t―s――――――――――――――――
□今週のコラム : そうだ。パンツ買おう。
○シネマ de ぶんぶん : 『あなたを忘れない』
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□ そうだ。パンツ買おう。
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そういえばわたし、最近「死にたい」と思わなくなった。
ということに、ふと気付いた。
こう書いちゃうと、モノモノしいけど、
リストカットしたことはないの。
「死にたい!」と思った時期があっただけ。
程度の差こそあれ、誰しもそんな感情に陥る瞬間があると思うけど、
わたしの場合、結構ヘビーに思っていた時期があって、
そのときは病院に通って「ココロを安定するおくすり」や
「ねむれるおくすり」をもらっていた。
「この病気で1番怖いのは自殺です。そんな気持ちになったら
電話をください」と医師から携帯番号を教えてもらった。
「いのちがいちばん」と信じているわたしが
「死にたい」んだから、これほんと、病気なの。
医師の携帯番号をお守りのように持ち歩いた。
自分が急に消えてしまいませんように。
そう願いながら。
入院を希望したが、入院は適当ではないと言われ、
カウンセリングと投薬だった。
症状は軽いほうらしい。病気と思わず、通院しない人もいるそうだ。
家事もこなせたし、育児も近所付き合いもできた。
ハタ目には、ふつーなのだ。
症状はぎゅっと内側に向いていた。
自分のやることすべてに自信がなく、過去をなげき、
未来を畏れていた。
常に不幸な気分がつきまとい、目がかすみ、耳鳴りがする。
自覚症状はあるのに、眼科に行っても、耳鼻科に行っても異常なし。
内科も外科も渡り歩き、最後にたどりついたのが「心の病」だ。
通院し始めて3ヶ月くらいたって「病名はナンですか?」と聞いてみた。
医者は「軽いウツと、不安神経症」と答えた。
医者自身が不安そうな顔をしていた。
短期間では病名を特定できないみたい。
あいまいではあるけど、病名を聞いてほっとした。
こんな状態が病気じゃくて、「正常」だったらタマラない。
病気だとしたら、治る可能性があるわけで。
どこかに幸せな「正常」が待っているわけで。
いつか「正常」に戻れるかもしれないわけで(倉本聰風)。
当時、自分の周囲は常に半透明なガラスで囲われていて、
掃除をしていても、掃除機の筒の先はガラスのむこうにあった。
現実がみなガラスごしの、ヨソゴトに見える。
周囲のすべてがかすむ。目をこすって一生懸命見るんだけど
もやってしまって、見えない。
思い返すと、当時は死にたいというより、むしろ死ぬのが怖かった。
怖くて怖くて、生きたくて、もがいていた。
その恐怖を終わらせたくて「死にたい」になるのだ。
生きる理由を探していたんだな。たぶん。
理由が要る、と思っていたんだな。たぶん。
わたしが「生きよう!」と思い直したきっかけは
ある人が言ったこんな言葉だったんだ。
「あなたはおかあさん。
娘さんの下着を買うのはあなたしかいない。
だから死んではいけません」
身内でもトモダチでもない、ゆきずりの女性が、
ふいにわたしにこう言ったんだ。
その人に「死にたい」なんてひとことも言ってないよ。
きっとその頃のわたしの顔には死相が出ていたのね。
で、わたしは急にしゃきんとした。
「そうだ、パンツ買おう」と、死にたい病から生還した。
わたしが今こうして生きているのは、幼い娘のパンツを買うという
動機付けがあったから。
当時わたしには夫がいて、夫には女性がいた。
浮気ではなく真剣なおつきあいで、親も承知していた。
わたしは世間に妻と思われつつ家政婦をしていたわけだが、
これって居心地悪いんだ。とっても。
「奥さん」と呼ばれるたび「それほどのものじゃありまへん」と
みぞおちがきゅっとなる。
恋愛映画には必ずお邪魔虫が登場する。
わたしは虫だ。恋愛の障害物だもの。
夫の人生の障害物になっているという自覚は、わたしを傷つけた。
夫の障害物を取り除いてあげたい。つまり「どいてあげたい」のだけど、
その先の自分の人生が全く見えなくて「どく勇気」がなくて。
そんなわたしをわたし自身が嫌悪していた。
自分を肯定できないから、自分の人生に意味が持てない。
娘のために(というか、パンツ買うために)人生を消費しよう、
そう決めたら、急に生きるのがラクになった。
「どく」先にも人生があるじゃん!
パンツを買う母という、具体的な自分の姿が見える。
それはかっこよく見えた。どかない自分より、素敵に見えた。
妻をやめ、オカアサンになる。
オカアサンというカテゴリーで、人生を使い切っちゃえ。
この子の母親業は、わたしにしかできない大切な仕事だもの。
正式に離婚し、ウソから解放された。
ウソのない生活は、わたしをウツから解放してくれた。
…ウソとウツってカタカナだと似てるね。
娘のパンツを買うために生きる。
そもそも「生きたい」という気持ちが強かったから
そのことばに飛びついた。
それにこの動機付けはとってもカンタンよ。
だってもう、パンツ買ってはかせて洗って、
ごはん作って食べさせて、仕事してお金稼いで食べさせて、
ときどき、ぎゅっと抱きしめて。
神経使わず、体を動かせばいいの。
会社勤めをしながらPTAも引き受ける。
休日は内職しながらお菓子作りもする。
なんでも引き受けてどんどんやっちゃう。
ジブンじゃなくて、「他」なの。
無私の精神だから、損得勘定しなくていい。
そうやって、動物のように自然に日々を過ごしたら、
オカアサンって、やたら楽しい。楽しくて笑っていたら、
一緒に子育てやらせてと言い出す男も現れた。
なんせわたし、笑顔がかわいいから。
華やかなシワ加工がばっちりキュートなの。
ふたりが3人になってワイワイ家族していたら、
いつのまにか娘は大きくなって、パンツを自分で買うようになって、
ごはんだって自分で作れるようになって、
わたしは生きる理由がなくなった。
いつ死んでもいい。って気付いた!
すると急に死ぬのが怖くなくなって、
そうなったらもう、別に死にたくないんだよ。
つまりきっと。生とか死って、意識しないほうがいいんだね。
当たり前? そうかあ。
わたしはそんなことに気付くのに、人生半分使っちゃったよ。
こうなったら、死ぬまで生きてましょ、と思える。
生きてる間にできること、がんがんやろう、と思ってる。
生や死よりも「やりたいこと」が優先してる。
命の使い方が、わかってきた感じ。
もしも今、「死にたい」と思っている人がいて、
生きる理由を探していたら、身近な誰かのパンツを買ってみない?
そこから始めてみたらどうかな。買う相手、いない?
ペットがいたら、ペットのエサでもいいの。
ペットがいなかったら、金魚を飼ってみるとか。
金魚が天寿を全うするまで、責任をもって
エサをやり、水換えをする。
人生を金魚に捧げるくらいの気持ちでさ。ね?
水槽を洗う指先からみるみる元気になってくるはず。
みんな、生きたいの。
理由を探しているだけなの。
たぶん理由はなんでもいいの。
自分の幸せから少し目をそらす。
それがラクになるコツのような気がするの。
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○シネマ de ぶんぶん : 『あなたを忘れない』
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公式サイト↓ 公開中
http://www.sonypictures.jp/movies/26yearsdiary/site/
このニュース、覚えていますか?
2001年1月26日、新大久保の駅で、転落した人を助けようとして
2人の男性が亡くなった。
ひとりは40代の日本人男性。
もうひとりは韓国人青年イ・スヒョン。26才。
スヒョンを主人公にした実話に基づくフィクションで、
日韓合作映画。
母国で兵役を終え、夢を探しに日本へ来て、日本語を学び、
最後、見知らぬ人を助けようとして唯一無二の命を落としてしまう。
そこまでの「生きている彼」をじっくりと描いた作品で、
その生き生きとした若者の姿が、苦しいくらいリアル。
だからこそその死が、死を残酷に描写しなくても、その死の痛さが
伝わって来る。命の重さが伝わって来る。せつない映画だ。
彼が亡くなる前の、7秒間の、彼の姿が印象的で、
これは目撃者の証言に基づく彼の最後の姿だ。
圧倒される。
この7秒間に彼が見た光を、観客全員が感じる。
感じて、考える。身近にある命のひとつひとつの重みを。
この作品には、言いたい事がある。
それはあいまいではなく、はっきりとしたもので、
言いたい事をはっきり伝える映画を作る勇気はすばらしいと思う。
この試写を観た翌日、須防監督の『それでもボクはやってない』を観た。
こちらも、言いたい事が見事にはっきりとしていた。
あちこちにいい顔をせず、ずばっとストレートを投げて来る。
『それでも…』は144分。なのに長くない。息もつかさず気がつけばラスト。
144分間、観客の息をとめるなんてすごい作品だぞ。
「面白い」と言う人が多いし、広義ではそうなんだけど、
わたしは「面白い」という言葉を使う事ができない。
そのくらい、圧倒されてしまった。
笑えない。笑えないほど、せまってくる。
まっすぐに勝負してくる映画だ。
「エンタテイメントとしての技術」など、感じさせないくらいの、
真っ向勝負。観てて、ぐったりだ。
同じ表現繰り返してごめんね。興奮さめやらず。なので。
誰もがもつ、お腹の底にひそむ正義感に火をつける。
『あなたを』も『それでも』も正義感点火装置だ。
『あなたを』はラブストーリーとしても胸きゅんです。
『それでも』は法学部の学生の必修授業に組み込んでほしい。
そして法曹界で働くすべての人に、観てほしい。
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