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ぶんぶん便 No.330
発行日時: 2006/10/24 bunbun-bin ha tanosiina kyoumogenkini bunbunikou sore!
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■■■ 「ぶんぶん便」 2006/10/24 No.330
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作/者/か/ら/
以前は風邪をひかなかったのに、最近はちょこちょこやられます。
○○は風邪をひかないそうだから、どんどん賢くなっているのかな。
食欲の秋なのに太るスキもなくスマート(嘘。げっそり)なわたし。
中年とは思えない見事な板状のプロポーションを誇っております。
頭痛がして寒気がして仕事が手に付かない。そんなときは、
『今日のいきぬき』がおすすめです。
http://homepage3.nifty.com/imacha/iki/
おかゆのような優しい味で、からだもこころも暖めてくれます。
『いきぬき』がおかゆなら『ぶんぶん便』はさしずめ……柿の種?
本日もお便り紹介から始まります。
――C―o―n―t―e―n―t―s――――――――――――――――
□ 読者のお便りから : トクにならない得意なもの PART2
○ 今週のコラム : 思い出は金魚色
● シネマ de ぶんぶん : 『TANKA』
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□ トクにならない得意なもの PART2
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先週に引き続き、読者のみなさまの得意分野をご紹介します。
得意とか、自慢って、大好きです。
だって、自分を肯定することだから。
◆まーくんさんからのおたより …………………………………………
- 戸沢自慢 -
「高麗観」まるで韓国です。最上川を見下ろす小高い丘に
建っています。ヨンさまグッズ沢山有ります。何の事はない
道の駅なんですけどね・・・。後は、やっぱり船下りですね。
これから雪が降ると、まるで水墨画の世界です。
(Jのツッコミ)よんじゅう、ん〜年生きているのに、
日本にまだ行ってないところがいっぱいあります。戸沢もです。
行ってみたいです、戸沢。ヨンさまグッズがあるうちに。
◆月の輪さんからのおたより …………………………………………
居眠りしながら字がかけます。
なかなかの達筆です。
子どもの連絡帳のお返事とか、主人への伝言メモとか、
うとうとと舟をこぎながらも結構読める字で書いているようです。
でも、書いている文章の内容には記憶がない。
きっと潜在意識の奥の奥にあるものを文章化して書いているのだろうと
思います。
娘の連絡帳の先生宛のお返事に、「明日、スピッツを連れて行きます。」
と書いて笑われました。
うちの家にスピッツはいません。
(Jのツッコミ)これは…おそるべき…現象です。
潜在意識の奥にある「実は好きな人」にいつのまにか恋文を送って
いたとしらどうしましょう?
そしてこのおたよりも、睡眠中に書かれていたとして、
今まさにこれを読み、びっくりしていらっしゃるとしたら…面白い!
◆ミィさんからのおたより …………………………………………
わたしの得意なものは「過去」の検索です。
歴史年表など、自分で意識して覚えようとしたことはきれいに忘れているけど、
何でもない人の行動、言動などは全部覚えてる。(自覚が無いのですが〜)
友達が「最近、無言電話に困っているの」というと、瞬時に「ああ、それって
あの人だよ」と答えられる。彼女がわたしに話したことなどを数年に遡り、
やりそうな理由と意地悪できるだけの情報(電話番号とか)を持つ該当者を
パソコンなみのスピードではじき出せる。
(Jのツッコミ)刑事になれます。今からでも遅くはないです。
刑事になってください。
わたしはこのごろ脳の検索エンジンが衰えています。
冷蔵庫にあるプリン、いつどこで買ったんだっけ?
さっき駅ですれ違った人、昔の知り合いだけど、ご近所だっけ?
御学友だっけ? なんてしょっちゅうです。
どうですか?
得意が見当たらない方も、だんだん思い出してきたのでは?
みなさん、どんどん得意を自慢してくださいね。
まーくんさん、月の輪さん、ミィさん、
楽しい得意技をありがとうございました。
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○ 思い出は金魚色
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うちには「ほっぺみかん」という名の亀がいる。
そして「いなもとみつお」という名の猫がいる。
あとは名無しの金魚が一匹。オレンジ色だ。
金魚にだけ名前がないのにはワケがある。
今年、娘が夏祭りから連れて帰ってきた時は4匹いて、
そのうち2匹は特徴があった。
でめきんは「田吾作」、黒のまだらは「金城」と名付けた。
あとの2匹は「ほかの」とか「オレンジの」と呼んだ。
そっくりなので、名付けても見分けがつかないからだ。
次々、というわけではないけど、
時々、という感じで、名付けた金魚から順にお亡くなりになった。
名付けると死ぬのか?と思いきや、1匹になってしまった。
名付けなくても死ぬのだ。
田吾作の死にわたしはわだかまりをもっている。
娘が留守で、わたしが水換えをし、翌朝、
彼は浮かんでいた。
おそらくわたしの水換えに問題があったのだ。
水換えは夜やった。1日の終わりで、疲労していて、
流れ作業のように行った。
わたしにとっては生活のはじっこの行為だが、
田吾作にとっては運命を左右する一大事となった。
誰もわたしを責めないけど、わたしはコタえた。
名前を付けるのがいやになった。
金魚がいる生活に、猫のいなもとはすっかり馴染んで、
趣味は「金魚鑑賞」とでもいうふうに、手を出さずじっと見ている。
名無しの金魚は名無しのままどこまで生きのびるだろう?
金魚には思い出がある。
あれは幼稚園に入る前だったろうか。
夜店に行った帰り、わたしは父におぶわれていた。
手には水を入れたビニール袋をぶら下げており、
中に2匹の金魚がいた。
金魚をすくった記憶は消えたのに、この帰り道はよく覚えている。
袋を落としてしまうという、アクシデントがあったからだ。
金魚がいることが誇らしく、気をとられているうち、
袋のとじヒモを握っているのを「手が忘れた」のだ。
父の肩の高さから、アスファルトに叩き付けられた袋。
金魚が飛び出し、ぴちぴちとはねた。
オレンジと、黒だ。
とんでもないことをしてしまった!
父は黙ってわたしを背中からおろし、金魚をつまんで袋に戻す。
水は減ったが金魚は減らないその袋を再びわたしに握らせると、
何事もなかったかのようにわたしをおぶった。
このときの不思議な感覚を覚えている。
ふだんの父は癇癪持ちでよく子どもを叱った。
小さな失敗を大声で叱責する。
生活のこまごまとした失敗を、地獄への道のように思わせる。
子どもに恐怖心を植え付ける能力が父にはあった。
こう書いちゃうと、非道なヒトに見えるけど、
恐怖心というのはオール「悪」ではない。
「おそれ」は生命力のひとつだとわたしは思う。
しかしまあ、そういう父はケムったい。
父が家にいると、空気がピーンと張って、
わたしの気持ちはゆるむことがなかった。
そんな父が、この失敗に腹を立てないなんて、フに落ちない。
おぶわれたまま、そのことを考えていると、
また「手が忘れて」、金魚はアスファルトに叩き付けられた。
こんどこそ、金魚は死んでしまう。
こんどこそ、父は怒る。
しかし、金魚は元気にぴちぴちとはねまわり、
父は何も言わずに金魚を拾う。
そして再びだまってわたしに袋を握らせた。
何も言わずに。
父はこのとき、何かほかのことに気を取られていたように思う。
娘と夜店に来たのは父のカラダで、
父のココロは、どこか遠くにあったように思う。
わたしは父に叱られなかったことが、寂しいことに思われた。
金魚の思い出は、まだある。
あれは小学校5年生のとき。
どこで入手したのか、金魚を2匹飼っていた。
やはりオレンジ色だった。
胸の高さのベビーダンスの上に金魚鉢は置かれていて、
わたしは上から覗いたり、横から眺めたりした。
上から覗くと金魚はスマートで、横からだと太っちょで。
同一金魚と思えず、不思議で不思議で、何度も見比べた。
熟考の末、上から見た金魚が真の姿だと思う事にした。
横からの姿にはガラス一枚分のウソがあるからだ。
当時は猫を飼っていなかったので、金魚鉢にフタをしなかった。
ある朝、いつものように金魚鉢を覗くと、1匹しかいない。
ハッとして床を探した。
なくしものをしたときのクセで、床を探すという暴挙に出たが、
はたして床に金魚はいた。
金魚は氷のようにカチンカチンに固まっていた。
体はきれいなカーブを描き、折れそうに固い。
夜中に飛び出してしまったのだろう。
その固さは一晩中の孤独を物語っていた。
「死んだ」
わたしは胸の中でひとりごとを言い、
カチンカチンを金魚鉢に戻した。とりあえず。
朝は忙しい。
学校から帰ったらお墓を作ろう。
悲しいというより、がっかりしていた。
そして今よりずっと、冷静だった。
子どもの頃の方が生や死を自然に受け止めていた。
朝ご飯を食べ、いざ登校というとき、チラっと金魚鉢を見て、驚いた。
2匹が元気にすいすい泳いでいる。
水で「もどった」ようだ。
あれ以上のマジックを見たことがない。
わたしはそれ以降お葬式に行くのが怖い。
棺桶に横たわるヒトを見ると、
「すぐに焼いちゃっていいのかなあ」と思う。
「もどしてみたら?」と言いたい気持ちを抑えるのに
ぐったりと疲れてしまうのだ。
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● シネマ de ぶんぶん : 『TANKA(短歌)』
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↓公式サイト 11月11日公開
http://www.tannka.jp/
えへん、なんとこれは、R-15であーる。
14才のあなたはここから先を読んではいけません。ってことはないよ。
でもこれ、R-15でいいのかなあ。15才に見せちゃアカンでしょう。
未成年はやめておきましょうよ。
お酒はダメでこの映画はOKだなんて、バランス悪すぎる。
俵万智さんの小説『トリアングル』が原作。
脚本と監督が阿木燿子さん。
つくり手が、おんなくさい映画です。
ずいぶん前に記者会見に行ったの。
主役の黒谷友香さんより監督の阿木さんのほうが目立ってた。
ライトがあたっていたのは、阿木さんで。
少女のようにうきうきとはしゃいでいた。
映画会社が阿木さんのために用意した企画なのか?と思ったほどだ。
この「うれしさが隠しきれない」って、いいなあと思う。
悲願が達成したのに「べつにぃ」って斜に構える人いるでしょ?
そういうの、自己顕示欲のねじれで、かわいくない。
わたしは映画の作り手になりたいから、作り手になった時のうれしさは
すごくよくわかる。わたしもきっとはしゃぐ。阿木さんを超えると思う。
ライトはあたらない立場だけどね。
阿木さんが官能映画を撮った。のはわかるけど、
俵さんが官能小説を書いていたとは驚きだ。
『サラダ記念日』のイメージがついてまわっていた。
年齢はわたしと同じだから、もうあの頃とは違うのだ。
試写会は平日の朝十時から。朝からいきなりの官能シーンで
かなりひいた。
わたしは官能系ってよくわかんないの。
この映像を観て、ふと頭に浮かんだのが「ぽるの」という言葉で。
これ、死語? さいきん見かけないけど。
物語はわかりやすいツクリだ。
主役のキャリアウーマンが、ありがちだけど家庭持ちと不倫して、
ありがちだけど年下の男とも関係してる。
恋愛じゃなくて、関係だけしてる。とわたしには見える。
年上男は知的、年下男は無教養。この設定もありがち。
物語なんてどうでもいい、官能シーンで勝負したい。って
ことなのだろう。か?
その年下男役の黄川田将也くんが、サラサラと美しい。
彼が透き通ってるから、いやらしさが美しさに変換される。
これは「ぽるの」としてはダメージかもしれないが、
彼のおかげでこの作品は「恋愛映画」としてぎりぎり踏みとどまった。
かも、しれ、ない。
彼は子どもっぽい言動をとるが、本質は心が広く、しぶとい。
そういう良さを見落とすと、滑稽な映画に見えちゃうかも。
映画って、斜に構えてみると、陳腐に見える。
心を開いて、良さをすくいあげるように見つめると、何か見えてくる。
人とのつきあいに似ているね。
阿木さんは、女として求めているものがわたしとは違うけど、
「新しいことをしよう」としているのは確か。
このひとは良いも悪いも、存在が唯一無二だ。
登場人物の個性より監督の個性のほうがギラギラしてる。
そこも含めて、不思議な作品だ。
記者会見の写真↓(Photo by J)
http://homepage1.nifty.com/jyk/js/50.html
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スパムメール対策で、筆者アドレスを変型して載せることにしました。
お手数ですが、よろしくお願いします。
ご意見ご感想はこちらへ(文中の「あっと」を@に変えてください)
↓
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※過去の作品からよりすぐり。ぶんぶんセレクションはこちら。
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※創刊以前のコラムは、ぶんぶん書庫で読めます。
http://homepage1.nifty.com/jyk/syoko.html
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