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ぶんぶん便 No.326

発行日時: 2006/9/26

     bunbun-bin ha tanosiina kyoumogenkini bunbunikou sore!
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■■■    「ぶんぶん便」  2006/9/26  No.326
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  作/者/か/ら/

仕事に煮詰まると、近所の川を見に行きます。

K川とO川と、ふたつの川があって、どちらも魚がいて水鳥が住み、

緑豊かな景観で、川沿いの遊歩道をのんびり歩けます。

人生に男はひとりで十分ですが、川はふたつあると、選択肢が楽しめます。

子どもの頃は臭いドブ川でしたが、

都の河川改革が成功して、清く正しく美しくなりました。

近頃では夕暮れ時、毎日のように川を見ています。

つまり毎日煮詰まっているわけです。

それでも元気でいられるのは、川がわたしを浄化してくれるから。

川よありがとう。綺麗にしてくれた都にも感謝。

今日もおそらく煮詰まります。さて、どっちを歩こうかなあ。


――C―o―n―t―e―n―t―s――――――――――――――――


□ シネマ de ぶんぶん  : カポーティ。そして康夫氏。

○ お知らせ : 本誌が「映画のまぐまぐ」に掲載中

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□  カポーティ。そして康夫氏。

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トルーマン・カポーティをご存知ですか?

『ティファニーで朝食を』の原作者。米文壇の天才で、
ゲイで、アル中で、ヤク中で、社交界のスターだった超セレブな作家だ。
そのカポーティを主役とした映画が、日本にやってくる。
傑作『冷血』を執筆中のカポーティという、
マトをしぼりにしぼった無謀とも言える映画だ。

『カポーティ』公式サイト↓9月30日公開
http://www.sonypictures.jp/movies/capote/index.html

この企画、ハリウッドでよく通ったと思う。
監督の「思い入れ」というか「思い込み」なくして
成立しなかっただろう。結果、この作品はヒットし、
アカデミー主演男優賞を受賞した。

わたしはいつも映画を見る時、途中何回か時計を見る。
シナリオを学ぶ立場から、
「このあたりでころがる(起承転結の転)のか」
「ヤマが早いな」「もう着地?」などと、確認しながら見てるわけ。

ところが、『カポーティ』の試写を観たとき、
気がついたらエンドロール。しまった!
最初からイッキに惹き込まれ、飲み込まれ、気がついたら終わってる。
不思議な気分だった。

「どうしてだろう」と。いくら思い返しても、わからん。
これ、とっても静かな映画なのだ。
ハリウッドお得意のジェットコースター映画ではない。
カット割も少なく、「ほら見ろ!すげーだろ」的な展開はない。
淡々とカポーティを映し、それでいて、カポーティの心は見せない。
観客の共感を拒絶するように、カポーティは異質で冷淡だ。
カポーティの深層心理は、結果(末路)から推測するしかない。
なのに惹き付けてやまない魅力。これって何?

試写を観て、ぞくぞくっとして、人に勧めたくなったが、
「興味深い映画」としか言いようがなく、
この不思議を解消するため、監督の来日記者会見に行った。

ベネット・ミラー監督は、作品からは想像つかないほど若く、
ハンサムで、饒舌だ。
やはり作品への思い入れが強く、強いがため、
作品の芸術性を重視し、気品を保ったようだ。
脚本家も主演俳優も少年時代からの友人なのだって。
だから心置きなく理想を追求できたのだろう。

この映画は、『冷血』という作品の創作過程のストーリーだ。
『冷血』は実際あった猟奇殺人の犯人をカポーティが取材し、
犯人が死刑になるまでを小説にしたもので、死刑にならなければ
成立しなかった作品でもある。
今のワイドショーの起源ともなる作風だ。

監督は、カポーティだけでなく、個々の人間、企業、
そしてアメリカの悲劇を描きたかったと言う。
野心のために、自分の足で踏みつけているものに気付かず、
イノセンスを喪失し、自らも破滅して行く。悲しい文化のサイクルだ。

反面、芸術は悪魔的である。との解釈もできる。
人を傷つけるのを畏れていては傑作は生まれない。
そういう受け止め方もできる。

わたしはこの作品を見て、命をかけて生み出す芸術と
魂を捨てて得る名声は、同一線上にある(場合もある)と感じた。
是非を議論するのはむなしい。
成し遂げる人は、本人すら巻き込まれるように、
そこに突き進んでしまうのだ。

わたしも創作しながら生きていく。
今後、実力が伴っちゃって、影響力を持っちゃったら、
ひょっとして、悪魔になるのだろうか。
悪魔になりたくはないけど、なることを畏れて、
避けながら創作するのは…無理だと感じる。

記者会見は8月23日に東京で行われたが、
長野県知事在職中の田中康夫氏がゲストで来ていた。
作家と政治家両面からのコメントを求められたが、
個人として、自分のコトバでしゃべっていた。
「カポーティは正直な人」と評し
「言葉は表現されたとたん、表現した人の思いに関係なく
人を喜ばせたり傷つけたりする」と言い(同感)、
「たったひとりの人が褒めてくれる。それだけでもうれしい。
人を喜ばせるために存在したい」と語った。

田中氏はヤッシーバッジを胸に、テレビで見るよりはるかに
誠実そうだった。テカリもなく、さっぱりとした顔、
すっきりとしたスタイルで、しゃべりも無駄がない。
創る人間の苦悩と喜びを自分なりに整理整頓して胃の腑におさめた、
そういう、下山後の静けさがにおっている。

やたらと英単語を使うので、そこんとこ、嫌われる所以かも。
英単語は使うんだけど、英語しゃべれるのかな。そこんとこ、疑問。

実物はテレビで見るより素敵。これは、三国連太郎、オダギリジョー、
おすぎ、浅野ゆう子に次いで、ベスト5入りを果たした。

あ、でも、田中氏の場合、もともとは苦手なタイプだった、という
マイナス評価から始まってるので、素敵というより、
プラマイゼロの位置に修正されたところです。
って、エラソー。 
わたしって、なにさま?


記者会見の様子↓(Photo by Junko)
http://homepage1.nifty.com/jyk/js/49.html



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○ 本誌が「映画のまぐまぐ」に掲載中

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

まぐまぐのジャンル別サイト「映画のまぐまぐ」
( http://movie.mag2.com/ )で、ぶんぶん便が紹介されています。

「映画のおすすめ情報」として2006/9/26(火)〜2006/10/3(火)
ぶんぶん便の2006/7/11号が紹介されていますので、
ちょこっと覗いてみてくださいね。
公開中の『サム・サッカー』紹介記事です。

映画の情報が満載な楽しいサイトです。

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