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ぶんぶん便 No.322

発行日時: 2006/8/29

     bunbun-bin ha tanosiina kyoumogenkini bunbunikou sore!
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■■■    「ぶんぶん便」  2006/8/29  No.322
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  作/者/か/ら/

毎年夏は甲子園球場に注目するのですが、今年は忙しく、

決勝の2日目をナガラ見するのに留まりました。

全国高校野球に関して、東京人はちと寂しいです。いや、わたしだけかな?

東京を地元と思えず、東京代表に思い入れできない。

今年はせっかく早稲田実業が決勝に進んだのに、うっかり苫小牧を応援。

4番の本間選手がキュートだったの。まるきり左門豊作なんですよ。

ハンカチ王子を応援していれば、バンザイできたんですけどね。残念。

あと何年住めば、東京を地元と思えるでしょう?

あまりに人が多くて、よそよそしく、故郷と思えないのが寂しいです。

――C―o―n―t―e―n―t―s――――――――――――――――


□ 今 週 の コ ラ ム  : 冷凍マウスをどう思う?

● シネマ de ぶんぶん : 『アキハバラ@DEEP』

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□  冷凍マウスをどう思う?

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『冷凍マウスの精子から子ども』というニュース、ご存知ですか?

マウスって、ねずみのマウスね。
15年間冷凍されていたマウスのカラダから精子を取り出し、
元気なマウスを誕生させたという、理化学研究所の発表だ。
とても有意義な成果らしいんだな、これが。

精子そのものを冷凍保存すると、特殊な薬品や技術が必要だが、
マウスを丸ごと冷凍すると、「手間が少なく簡単」なのだって。
これ、朝日新聞に載っていて、気になった(さわった)ので、
テレビのニュースでも確認したところ、
インタビューに答えた人(研究者)はうれしそうに
「手間が省けます」と言った。

ぞっとした。
わたしの感性は異常?

動物実験で人類がどれだけ恩恵を受けているか。
わかっているつもり。アタマで、だけど。
わたし自身、数えきれない生命を日々奪って生きている。
しらすごはん食べた日には、すごいよ。だから、
きれいごとぬかすな!と、知識人や研究者は鼻で笑うだろう。
現場の苦労を知らないくせに!とね。ほんとに知らないもの。
今こうしてぶんぶんを読んでいる人も、笑ってる?
が、わたしは正直「ぞっとした」のだ。

精子で冷凍するのと、マウスごと冷凍するのとの大きな違いは
研究者にとっては「手間」だそうだが、わたしにとっては、
後者にはマウスの生命がまるごと投げ出されている。という点で、
その1点がものすごく気になる。
それを「手間が省ける」という利点で、
「いい方法が見つかった」「技術が進んだ」と言えちゃうことが怖い。

研究の現場では、それが常識であり、通常手段として
まかり通っていることだとしても、
一般人(というか、わたし)の耳には異様に聞こえる。
「手間が省ける」というのは、耳障りきわまりない。

手間を省く。これ、科学の発展の重要な起源だ。
だから、何十日歩くより新幹線で1時間だし、
それによって生み出された時間は計り知れないけど、
同じくらい、消えた時間もある。
多くの文化も、科学の発展の影でバッサバッサと切り捨てられている。
ちと話がそれたから戻すね。

研究者は、この研究の成果で広がる可能性について、
「永久凍土に眠るマンモスから精子を採取し、
現代にマンモスを復活できるかもしれない」と言う。

現存するマウスの命を丸ごと投げ出して、マンモス復活?
なんじゃそりゃ。
マンモスを復活させて、なんかいいことあんの?
原稿用紙3枚以内にまとめて提出してくれろ。

朝日新聞には「マンモスより人間のほうが成功率が高い」とも
書いてある。

人間をまるごと冷凍するツモリだろうか?
やりかねないな。
脳死した人間をまるごと冷凍し、ん年後に精子を取り出して
子孫を誕生させる。
すると百年の時を超えた親子、夫婦も可能になる。
生前の写真や功績を見て、精子を選べる時代がやってくる。
ま、人間の残酷さが人間に還るなら、いいか。
他の生命体をどうこうするよりマシか。

たかが1匹のマウス。されど1匹のマウスである。
ひとつの命を「手間」という感性で、消したりつけたりしないでほしい。
っていうか、他の生命の恩恵をうけるとき、
「手間」という言葉を使ってほしくない。これが、本音。

この研究は、とどのつまり、新しい命の誕生を目指している。
命を誕生させる研究が、今ある命を無神経に扱っていいのか?
そんな感性の人間に作り出される生命体って、なんなんだ?

わたしがぶうぶうぶうたれていると、夫は言う。
「多くの科学や医学の発展は、偶然から生まれた。
立派な目的ではなくても、すばらしい結果を生み出すことがある」

ははは、笑わせるんじゃねえ。
どんなにすばらしい結果を出せても、
まるごと冷凍されたマウスの個々の命は戻らないんだよ。ばかやろう。
わたしはね。その個々の命に目を向けたいの。
世界を敵にまわしたって、そういう考えしかもてない、
ナノサイズの思考回路なんだよ! ふんっ。

わたしがさらにぶうぶう言っていると、夫は言う。
「精子精子って、連呼するのやめて。耳障りだ」

あーそーですか!

胸がドキドキする。腹が立つと、こうして
胸がドキドキザワザワして口が止まらなくなる。
小学生のとき、よくこんなふうに腹を立て、
クラスの男子と大げんか。バケツで殴られたりしたものだ。
成長しとらん。どうするわたし?

なんたら研究所とも、夫とも、クラスの男子とも感性が合わない。
感性の孤独を感じつつ、自分の心を守りたい。

そういえば。
なつかしい超能力者、ユリ・ゲラーがCMで復活した。
彼は昔、スプーン曲げで一世を風靡した。
見事に曲がったスプーンを見て、当時ビートたけしはこう言った。
「このスプーンじゃカレー食えねえな。使えなくしてどうする?
 スプーン職人のほうがよほどエラいんじゃねえの?」

この名言をふと思い出した。マウスと関係あるのかないのか、
自分でもわからないんだけどね。

作家の坂東眞砂子氏が『子猫殺し』というエッセイを日経新聞紙上で発表した。
センセーショナルな内容で、抗議が殺到しているが、
その内容について、今ここでは分析したくない。

坂東氏が文筆家にもかかわらず、理論武装もせず裸体文で載っけたので、
おそらく抗議されたい、議論したい、という欲求なのだろう。
だから非常にツッコミやすく、思惑通り抗議されているが、
坂東氏の「感性」を理論でねじふせても、
「感性」はそのまま氏の中に残るだろう。

わたしが対応したくないのは、冷静には語る自信がないから。
冷静を装うのもイヤだし。つまり、わたしは逃げた。

エッセイを読み、わたしは傷つき、少し泣いたけど、
それはわたしの「感性」によるもので、
坂東氏が人を傷つける目的でその文を載せたわけではないだろう。

文章は書いた本人の意志に関係なく人を傷つける。
わたしの文もどこかで誰かを傷つけているだろう。

わたしはだから、傷が癒えるまで、この痛みに耐えるしかない。
傷が癒えたら、何か言いたい気もするが、癒えないままかもしれない。
つまり、逃げ切るかもしれない。

「生命」について、人は驚くほど違った解釈をもっていて、
違った解釈のまま、同じ地球に生きている。ということを
認識しなければならない。

少しでも感性の近い人を探し、そういう人達と手をつないで生きたいが、
そうもいかないのが人生だ。

痛い話からどこまで逃げ切れるか。逃げ切れればそれでいいのか。
わからない。


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● シネマ de ぶんぶん : 『アキハバラ@DEEP』

─────────────────────────────────
公式サイト↓9月2日公開!
http://a-deep.goo.ne.jp/

今日(28日)試写に行ったら、もう今週末公開だと言うじゃあーりませんか!
帰ってスグ書いてるから書きなぐりになっちゃうけど、面白い!

石田衣良原作。「また?」と思ったけど、映画化は初めてらしい。
石田衣良さんって、テレビ出現率高いから、とっくに映画界にも
進出してると思ってました。この人、本名の苗字が石平さんなんですよね。

映画を見る前は「アキバ系のお話かあ、電車男のチームものね」
という先入観あったのですが、観てびっくり。
これはハリウッドランクのエンターテインメント映画です。スケールがでかい。

こもった面白さじゃなくて、開けている。Aボーイじゃなくても楽しめます。
ストーリーは、アキバ系とヒルズ族のタマシイの戦い。なのですが、
自分を守るためにどういう手段をとるとヒルズ族になり、Aボーイになるか。
そこのところがきっちり描けています。
Aボーイの純粋さと弱さ。そして強さが光ります。

登場人物が多いのですが、すべてに丁寧にキャラ設定がなされ、
どれもこれもあっちもこっちも楽しめる。

特にわたしが注目したのは、寺島しのぶと荒川良々と萩原聖人。

寺島さんはみるみる奇麗になってます。進化する美人。
わたしもこれから美人になるかもしれん。でもどうしたらなれるの?
荒川さんは見てるだけで幸せになれちゃう容姿なのですが、
今回は、のらりぬっぺりの「腕」がすばらしい。
そして萩原さんは、不思議とハジッコの役ほどよい仕事をなさいます。
チラ出なのにすごい存在感!
『GO』に続き、端役大賞を差し上げたい。

先入観もたずに、ダマされたと思って、観てね。
あ、タイトルは「あきはばらあっとでぃーぷ」と読みます。

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