ぶんぶん便 No.280
発行日時: 2005/9/27■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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■■■ 「ぶんぶん便」 2005/9/27 No.280
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作/者/か/ら/
スパムメールって言うんですか? ごっそりいただきます。
半端な量ではありません。
1日100通以上いただきます。
1日100通以上捨てています。
ゴミの減量化を考えますと、フリマで売りさばきたいくらいです。
仕事にも使うアドレスで、名刺にすり込んでいるから
変えるわけにはいきません。
ブロック対策はとっていますが、イタチごっこです。
スパムメールには不思議なコトが書いてあります。
女性とおつきあいするたびにお金をくれるというんです。
不思議以外の言葉が見つかりません。
そもそも私は女です。正真正銘、男好きですから〜。残念!
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□ 極めて理想的なふられ方
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3年前、ぶんぶん便で「理想的なふられ方」というコラムを書いた。
ふられるってのは辛い事で、そこには理想もへったくれもない。
でも、傷が浅いか深いかって違いはあるよね。ってお話だ。
1)付き合ってる相手からフラれる。
2)告白と同時にフラれる。
3)告白前にフラれる。
以上3段階。下へ行けば行く程、傷は浅いはずだ。と書いた。
付き合ったら、それが1年でも10年でも、思い出ができちゃう。
思い出があるぶん、いっぱい辛い。というのが、
当時の私の理屈なのだけれど。
3年たった今、私はその理屈に上書きをしたい。
いっぱい辛い。
でも、辛いってことは、悪いことじゃない。というのが、
最近の私の理屈だ。
私は結婚11年目に離婚した。もろパタン1である。
彼とは学生時代からの付き合いだ。
二十歳の時、生まれて初めてできたボーイフレンドで、
同じ大学の同学年だった。
学部の違う彼は、たびたび私の学部に顔を出す。
少しでも一緒にいたいから、一緒に授業を受けるのだ。
生徒がひとり増えたって、教授は気付かない。
私たちは私語を発することなく、行儀よく並んで授業を受けた。
それだけでふたりは幸せだったんだ。
ある日、彼は喫茶店で、手帳を見ながら
「この1年で、ぼくたち何日会ったと思う?」とにやにやする。
「365日ぶんの302日だよ。すごいよ、ぼくら」
へえー! 私は心底びっくりした。
会った日に印をつけて数えてるってことに、びっくりした。
挨拶だけの日もカウントしたという。
彼は几帳面で、私は大雑把で、思考のすれ違いが多かったけど、
価値観が違うほうが断然面白いし、
コレデキマリダ!的な感覚があったので、
在学中に婚約し、卒業した年に結婚した。
共働きで目が回るほど忙しかった新婚時代を経て、
娘を産み、私は専業主婦になる。
親子でディズニーランドに行くような、普通の家庭を築いていった。
私は若かったので、やり残したことがあるような感覚はあったけど、
生まれ育った家庭より、自分で作った新しい家庭が好きだった。
この家庭のために捨てる夢は惜しくない。
いや、この家庭こそが私の夢だと思えた。
家庭が私の人生を肯定するすべてだったのだ。
夫に好きな女性ができて、世界はぐにゃりとゆがんだ。
私の人生は一瞬にして否定された。
ガラガラシャー、って音だよ。
未来へのシャッターが鼻先で閉まる音。
365日ぶんの302日は消えた。
でも残り63日は続くのだ。
63日が365日になるのには時間がかかった。
何年もかかった。
実を言うと、つい最近なのだ。
昔と今をハッキリと区別できるようになったのは。
夫と別れ、私は仕事を持つようになり、再婚もした。
それでもつい最近まで、朝起きると、
サラリーマンだった前の夫の朝食を用意しようとあせって起きて、
違う空間にぽつりといる自分にとまどう。
「私は誰? ここはどこ?」と一瞬、考える。
娘に何かあると、まず思い浮かぶのは前の夫の顔だ。
すぐに意識が戻って「ああ、そうそう。違う違う」と思い直すけど。
子連れ再婚した人には少なからずこういう感覚が残るのではないか。
子どもの誕生を共に喜び、成長に一喜一憂した蜜月。
今一緒にいる人と、その記憶を共有できない寂寥感はつきまとう。
それは相手も同じこと。疎外感はあるだろう。
娘はひとりっ子だ。
誕生してからずっと写真を撮り続けたし、ビデオも撮った。
それらをすべて残して私と娘は家を出た。
正式に離婚したら、ビデオの山がドーンと送られて来た。
観るのが怖くて、段ボールごと押入れにしまい、封印した。
再婚して何年もたって、娘が学校へ行っている間に、
ひとりこっそりと再生してみた。
おそらく見ると傷つく。でも、
傷つくかどうか、試したかった。
娘は小さく、ぽっちゃりとして、足元もおぼつかない。
私はお肌つるつるの若いママさんで、何の憂いもなく、頼りない。
撮影者の302日男が、
「手をつないでないと危ないよ」と、
神経質っぽくナレーションを入れている。
『たまごクラブ』の表紙になりそうな幸せ家族だ。
そのあまりの幸福さに、私はあっけにとられ、
すっかり楽しくなってしまった。
やめられないとまらない。
時間を忘れて次々とテープを再生した。
どれくらい時間がたっただろう。現在の夫が帰宅した。
私は「見てこれ!」と夫をひっぱりこみ、肩を並べて鑑賞した。
そのうち娘が学校から帰ってきた。
「見てごらん」と娘をひっぱりこんだ。
再生家族3人で、前世家族の幸福を眺めた。
観ながら、なんども笑った。
それは思いのほか楽しい時間だった。
見終わって、現在の夫はぽつりと言う。
「赤ちゃんの頃の姿を見ることができてよかった。
撮っててくれて、彼に感謝するよ」
私は302日男と青春時代を過ごし、子育てを一緒にした。
フラれた時は、超悲しくて、大不幸を味わった。
別れが辛いのは、それだけ幸せだったってことだ。
それがあって、今がある。
今の生活? 楽しいよ。
いっぱい辛かったから、幸せの感度が高くなったのかも。
不幸って、心がじょうぶになるための栄養なのかな。
徹底的に不幸を味わう。これこそ理想のふられ方。ね?
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