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ぶんぶん便 No.278

発行日時: 2005/9/13

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■■■    「ぶんぶん便」  2005/9/13  No.278
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  作/者/か/ら/


中学の音楽の教科書に、シューベルトの『魔王』が載っています。

私は期末テストの時、「この楽曲のタイトルは?」の問いに
自信たっぷりに『魔男』と答えました。

「登場するのは父と子と何でしょう?」の問いにも『魔男』

「子供は何に怯えているのでしょう?」の問いにも『魔男』

頭では『魔王』と書いたつもりなんです。

返却された答案用紙を見て唖然としました。

先生も唖然としたことでしょう。

優しい先生は×にせず、すべてを△にしてくれました。

ちなみにその先生のあだ名は『悪魔』です。

怖いからではなく、見た目が悪魔なんです。心は天使です。

人の情けを感じました。

同時に自分への不信感を募らせました。

この世で一番アテにならないもの。それは私です。



――C―o―n―t―e―n―t―s――――――――――――――――


□ 今週のコラム : かたつむり。

■ シネマ de ぶんぶん : びびっとくる映画



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□ かたつむり。

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娘に借りたCDが、なかなか良い感じ。
歌詞もメロディーもすてき。なにより歌手の声がのびのびと気持ち良い。

「AIKOのかたつむりという歌、好きだなあ」と感想を述べてみる。

すると娘はへらへらっと笑い、
「もう1度言ってごらん」と言う。

「だからAIKOのかたつむりだよ」と重ねて言うと、
娘は無気味にうすら笑う。
「かぶとむしのこと?」

あれ? 今、私なんて言った?
ひょっとして「かたつむり」なんて言っちまった?

頭では「かぶとむし」だったんだよ。
そう言ったツモリだったんだよ。
ぜんぜんでんでん虫じゃないよ。

…でんでんと言えば、でんでん太鼓。あれ好きだなあ。

娘は「かたつむりなんて気色悪う」と意地悪そうに笑う。
「なんで? かわいーじゃん!」私はムキになる。

言ってるツモリのことと言ってることが全く違っているコト、
ないですか? 

私、よくやるの。
気付くとゾッとする。
気付かなかったらと思うと、ますますゾッとする。

だって「オダギリジョー、すてき」と言ったツモリが
「メガネモチノウオ、愛してる」と言ってたとしたら、ね?
のちのち、メガネモチノウオから
「愛してると言ったじゃないか、おいっ」と言われても。ね?

脳と口の連結不備って、自分が自分じゃないみたいで、ちょっと怖い。
これ、老化現象ではなく、昔からのクセなんだ。

あれは中3の終わり。第一志望の高校の合格発表を見に行って、
自分の番号を見つけてほっとして、母に電話した。
「○○高校、受かったよ」

母は不審そうな声を出す。
「なにその高校?」

そう。私は受かった高校名を間違えた。
○○高校は、見た事も行った事もない、
もちろん受験もしていない、ヨソの学校名である。
なぜそんな名前が口に出たのかは不明だ。

それからさ、前にも書いたことあるんだけど、
韓国料理のチヂミ、あれを注文しようとして
「このチチゲにします」と言っちゃったんだ。

笑われたよ。はい。さんざ、笑われた。
くやしいのは、思い出すたびにこの自分も笑っている。
あの自分がかわいそうだ。

かわいそうと言えば、
可哀想に娘にもその遺伝子が受け継がれている。

娘は「いただきます」を間違えて「行って来ます」と
言ったりする。

娘は「お風呂入る」を間違えて「お腹すいた」と言ったりする。

娘は「JUNKOさんは人の話を聞いてない」と言ったりもするが
「いつも話を聞いてくれてありがとう」と言ってるツモリなのかも
しれない。

ツモリといえば。
ツモリチサトという服のブランドがある。
かわいくて、好き。たまーにお店を覗いたりする。
覗くだけで、購入はしない。というか、できない。
それでも、目が楽しいから見ている。

先日、ふってわいたようなチャンスが訪れた。
姑が、「デパート券がたまったので何か買ってあげる」と言うのだ。
しかも「服を買ってあげる」と言うのだ。
いつもみすぼらしい格好をしているからだろうか。

恐れ多いことに「2万円ぶん」とおっしゃる。
普段の私の服なら、2万円で10着買える。

せっかくのご好意だ。
私は2万1点買いという、ムコウの世界へ旅立つ決心をする。
この旅立ちにパスポートはいらない。
そのかわり、気合いが必要だ。

姑というスポンサーを盾に、ツモリチサトを訪れると、
そこはいつものとりすましたツモリチサトではない。
お友達感覚のツモリチサトである。
店員さんに話し掛けられても堂々と渡り合えるから
服を見る目もヨユーだ。

飾ってある1枚のブラウスを指差し、
「これが欲しいな、おかあさん」と言ってみる。
すると姑は怪訝な顔をする。
「それは子供服でしょ。子供のワンピースじゃないの」

そう言われてみると、そう見えてくる。
オトナが着るにはケタはずれにかわいすぎ、
はしゃぐにもホドがある、って感じの服だ。

試着するとそれは大人のブラウスと証明された。
姑はぽん!と手を打って、「そういうことか」と言った。
「変だと思ったけど、JUNちゃんが着るとぴったりね」だって。

こうして私はムコウの世界で一生ものの服を手にして
コチラの世界に戻って来た。
大切に大切に着て着て着て、着倒している。
洗濯機でガンガン振り回しても、ビクともしない。
高いだけのことはある。

あれ? いつのまにか服の話しなぞしている。
服の話しなぞするツモリはさらさらなかった。

そもそも書きたかったのはかたつむりだ。というわけでもない。
はて。私は何を言いたかったのだろう。
誰か知ってる?

少々頭が痛くなってきた。
ま、いっか。ってことで、本日はこのへんでごめんなさい。

このコラム、タイトルどうしようかしら。
やっぱかたつむり?


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■ びびっとくる映画  -  シネマ de ぶんぶん  - 

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このコーナーでは、これから公開する、あるいは公開したばかりの
新作映画を紹介している。

読んだみなさんが、「よしっ、観てみるか」とか、
「観た気になったから他のを観よう」とか。
映画ライフの参考にしていただければ。そんな気持ちで書いている。

配給会社は公開前にマスコミ向け試写会を開く。
1作品に1回ではない。
5〜8回、もしくはそれ以上、上映する。

招待状が届くと記者や映画評論家はスケジュールに合わせてそれを観る。
私もそれを観て、ここで感想を書いている。

ぶんぶん便という媒体にはクライアントがいない。
映画会社からお金をいただいてるわけでもないので、
心置きなく思ったままを書いている。

作品にダメ出しはしない。
1回観て「びびっとこない」からと言って
それがダメな映画とは言い切れない。
だから、びびっとこない映画はとりあえず、紹介しない。

私の感性にはモンダイがある。
あの名作『風の谷のナウシカ』に3回チャレンジして3回寝てしまった。
4回目にやっと最後まで観ることができ、「いい作品だ」と思って、
「今までなんで寝てしまったんだろうバカバカ」と反省したのだけど、
1週間したらすっかり内容を忘れてしまった。

こんな私だからね。ダメ出しする資格ないの。

自分が感動した映画を評論家がこてんぱんに批判しているのを聞くと
ぐにゃっとした気分になる。

「バカか? お前」と見下されたような不快感。

せっかくいい気分なんだからほっといて、と言いたい。

どんな映画もそれを「いい」と思う人が必ずいるはずなので、
人の感動を邪魔することはなるべく避けたい。


試写以外でも映画は観る。
今年に入って劇場で観た映画で、びびっときた作品をここに挙げてみる。
ミニ感想つき。
「わたしはこう感じたよ」というご意見があったらお寄せください。


『電車男』
http://www.nifty.com/denshaotoko/

オタク男と付合ってみたくなった。
劇場版では秋葉系のかわいさが強調されているが、
テレビ版はむしろ、短所をちゃんと押さえている。
どちらも原作を広げていて、秀作。


『亀は意外と速く泳ぐ』
http://www.kamehaya.com/

普通ってエラい。すごいパワーを秘めてるんだ!
ってことを言いたいんじゃないか?と思う。
亀はうさぎより強し。って再認識する映画。
主演の樹里ちゃんの脱力系演技がぴかぴか。


『運命じゃない人』
http://www.pia.co.jp/pff/unmei/

よくできた脚本。びっくりな展開。なのにほのぼの。
この映画を作った人、天才かも。
山中総という俳優さんの魅力を再認識した。


『いつか読書する日』
http://www.eiga-dokusho.com/

1シーン1シーンがいとおしい。ムダが1分もない。
邦画の将来性に期待が広がるような作品だ。
ひとりでコツコツと生きている女の人生がすがすがしく、
田中裕子あっての作品。岸辺一徳とのラブシーンが感動的だ。
牛乳配達が生き甲斐で、「夢は町中に牛乳を配ること」という
50女を主役にすえた勇気に、脱帽だ。



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