ぶんぶん便 No.261
発行日時: 2005/5/17■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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■■■ 「ぶんぶん便」 2005/5/17 No.261
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作/者/か/ら/
東京湾で目撃されて、人気ものになっていたこどものクジラが
定置網にひっかかって、溺死しちゃいました。
海中生物の死因が溺死だなんて、しょっく。胸が痛みます。
前から不思議だったんです。
クジラやイルカは水中で息ができないのに、
なぜ陸上で生きようとしないのでしょうか。
いっとき、陸上で暮らしたこともあるらしく、
ラクダみたいな奴だったという学説がありますが、
結局、海に戻ってしまいました。
よほど海が好きなんですね。
私はフリーのライターという不安定な仕事をしていますが
文章はうまくないし、要領も悪いです。収入も少ないです。
それでも文筆業にこだわるのは、よほど好きなんです。
時々溺れそうになりますが、文を書いて窒息するなら本望です。
あのクジラ、フジツボをいっぱい体にのっけて、
ニギヤカに旅していました。
あのまま無事北上できていたら、フジツボは一歩も歩かないまま
気の遠くなるような大移動をなしとげたわけです。ロマンですね。
――C―o―n―t―e―n―t―s――――――――――――――――
■ シネマdeぶんぶん特別企画対談
□ いとこサイト『じゃがいも徒然草』管理人さんからの伝言
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■■■ シネマdeぶんぶん特別企画 ■
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■ 深谷 と JUNKO の 感性不一致対談 ■ ■
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本日はコラムをお休みして、いきなりの『シネマdeぶんぶん』です。
いつもは公開前の新作映画を紹介しているコーナーですが、
今日は特別企画。去年公開した映画について「対談」します。
まずは対談のお相手と話題にした映画をご紹介します。
◎対談のお相手 深谷公宣(ふかやきみのり)さん 〜〜〜〜〜
【プロフィール】
1971年生まれ。 高岡短期大学専任講師。 英文学専攻。
○フィルム・スタディーズ事典 (訳者として関わる)
http://books.rakuten.co.jp/RBOOKS/NS/CSfLastGenGoodsPage_001.jsp?GOODS_NO=1690388&rbx=X
映画、映像に関する用語、人名、作品名を収録した用語事典。
配列は見出し語の五十音、アルファベット、数字順。
巻末に原題名や原綴、関連分野がわかる映画題名レファランスと
人名レファランスが付く。 (楽天ブックスより引用)
○ぶんぶん便での対談歴 「英語はイイカゲン語だ!」2003/11/18 No.184
「『ひまわり』談義」 2004/8/17 No.222
◎話題にする邦画 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『下妻物語』
http://www.shimotsuma-movie.jp/index_main.html
ロリータファッションを孤独に貫く桃子(深田恭子)と
ヤンキー娘イチゴ(土屋アンナ)の奇妙な友情物語。
『誰も知らない』
http://www.kore-eda.com/daremoshiranai/
帰って来ないおかあさんを待つ4人の子供達の生活。
実際にあった事件を元に是枝監督が映画化。長男役の
柳楽優弥がカンヌ映画祭で最優秀男優賞を受賞。
★ 対談、スタート! 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
▽JUNKO
『下妻物語』は、どこで観ました?
▼深谷
家で、DVDで観ました。
▽JUNKO
私は公開中に劇場で女友達と観ました。
やはりこの映画、男の人だと劇場では観辛いですか?
▼深谷
公開中は観る気しなかったです。
▽JUNKO
なんで急に観る気になったんですか?
▼深谷
あれ?なんでだっけ…
▽JUNKO
あ、そうだ。私が勧めたんでした。
▼深谷
ちょうどDVDを買おうかどうか迷っていたところだったんです。
キネマ旬報の年間ベストテン4位くらいだったので、面白いかなと。
▽JUNKO
で、どうでした?
▼深谷
率直に言って面白くなかったです。
▽JUNKO
ほんとに? ど、どこが?(動揺)
▼深谷
なぜあれを映画にするのかよくわからなかったんです。
テレビ(ドラマ)でいいんじゃないかと。
深田恭子のカメラ目線とかも、よくわからなくて。
ロココとロリータのつながりもわからない。
▽JUNKO
笑えなかった?
▼深谷
笑えなかったですね。
どこか笑えるポイントあったんですか?
▽JUNKO
ずっと笑ってましたよ。すごく面白かった。
冒頭の、桃子がトラックにぶつかって飛んでしまう映像も楽しいし、
ジャスコのギャグも楽しい。
▼深谷
CMぽいですよね。監督がCMディレクター出身みたいで。
ジャスコのギャグはですね…今住んでるところにジャスコがあるので、
なんか、世間からそういう目で見られているのかなと。
【桃子のかっこよさ】
▽JUNKO
私は桃子の生き方に共感します。
▼深谷
仲間を作らず、ひとりで生きていくという。
▽JUNKO
そうそれ。あと、一見かわいそうな生い立ちなのに、
自分をかわいそうにしていない。そこがかっこいいなあと。
迎えに来てくれた母とではなく、駄目父と暮らすことを選ぶ理由を
「おもしろいから」と言ってるんですが、
そこに優しさと強さを感じます。じーんときました。
▼深谷
そうか。そこまで深く読まなかった。
▽JUNKO
映像の感覚的な好き嫌いってありますよね。
深谷さんは宮藤官九郎のドラマは好きですか?
▼深谷
『タイガー&ドラゴン』の第1回目を観ましたが
あんまり面白いと思わなかったな。
▽JUNKO
えっ? あれ、面白くないですか?(かなり動揺)
うーむ(感性の不一致を疑い始める)。
【ロリータファッション、好き?】
▼深谷
下妻に話が戻りますが、あのロリータファッションって
どこからきてるんですか?
▽JUNKO
わからない(実は嫌いじゃない)
▼深谷
そこでまず入っていけなかった。
あと、尾崎豊の曲が使われています。下妻のヤンキーだからってことで、
都会から離れた田舎者のイメージでわざと流しているのか、
本気で流しているのか、よくわからなかった。
ヤンキーといえば尾崎だろ、カッコ笑い、ということだとは思うけど、
それがあんまりはっきり伝わってこないというか。
▽JUNKO
シナリオからすると、確かにこの作品は模範的ではないです。
禁じ手をいっぱい使ってる。
ナレーションや回想をばんばん使って。
▼深谷
桃子のナレーション、無い方がいいです。
説明過剰ですよ。
▽JUNKO
私は逆に、これだけ禁じ手を使って面白いのはスゲーなと。
▼深谷
気に入ってますね。
▽JUNKO
基本的に友情ものは好きなんです。
ヤンキーのイチゴが伝説の刺繍屋を探してて、
桃子とふたりで代官山に行くシーンがありますが、
刺繍屋はイチゴの作り話なんですね。
桃子と一緒に行動したくて、嘘をついたとこが、いじらしい。
自分の作り話だから、本気が足りなくて、
つい水野晴郎を見に行っちゃったりする。
そんなとこで嘘が見えるんです。
よく作ってあるなあと。
▼深谷
なるほど。
▽JUNKO
桃子のロリータファッションはどうかと思うけど(と言っておく)
教室でひとりでお弁当を食べるシーンがあります。
あれ、女の子にはかなり辛いことなんですよ。
桃子はエラい。ひとりで強く生きている。
▼深谷
すねることもなく。
▽JUNKO
そこがすごいなと。
あと金銭感覚ですね。ふたりともルーズじゃない。
「それはアンタのお金だから貰う理由はない」と、
キッチリした感覚があって、それも気持ちよかった。
【感性の不一致?】
▼深谷
演技がですね。表情とかセリフまわしが単調に見えました。
そこはどうですか?
▽JUNKO
深キョンはいつも表情が無くて、棒読みセリフなんですが
それがこの映画で活かされているな、と思います。
ポーカーフェイスで、ラスト近くまで
イチゴをどう思っているかがわからない。
そのわからなさが、観る側をハラハラさせるんです。
▼深谷
棒読みがかえってよかったということですか?
高校生の文化祭みたいな感じに思えてしまいました。
▽JUNKO
深谷さんが「イヤだ」と思うところって、
私が「いい!」と思うところです。
▼深谷
同じところを反対から見てますね。
▽JUNKO
というか、感性の不一致ですねえ(断定)。
▼深谷
『真夜中の野次さん喜多さん』観ました?
▽JUNKO
観ましたよ!好きです! 深谷さん、だめでしょうね。
▼深谷
ぼくの妹が観て、かなり気に入ったみたいです。
▽JUNKO
妹さんとは気が合うかもしれない。
▼深谷
ガチガチに作り込んだ映画は好きじゃないんです。
『下妻物語』は、作り込みすぎて躍動感がない。
もう少しゆったり演出して、役者さんには好きにやらせてみるとか。
▽JUNKO
『誰も知らない』はその路線ですよね。
▼深谷
よかったです。正直、ぼろぼろ泣いてしまいました。
▽JUNKO
私は泣きませんでした。
いい話だなあと。しあわせな気持ちで、見終えました。
おかあさんが仕事から帰ってくるシーンがあって、
子どもたちが窓から外を見ながらソワソワと待っていて、
もうすぐドアが開く、その瞬間、今度はドアのそばに待機してるんです。
おかあさん、太陽みたいな存在だったんだなあと。
▼深谷
この映画、おかあさんを悪者に描いてないんですよね。
監督もインタビューなどでそう言ってましたけど。
▽JUNKO
そもそも男たちは子どもから逃げてるんです。
おかあさんは産むたびに引き受けていったわけですからね。
ちゃんと自分の子を好きだったんですよ。
子どもとの会話があたたかかった。
▼深谷
でも戻ってこない。ジメッとせずにカラッとしたまま。
どうですか?
子どもを持つ身として、子どもと離れて暮らすのは。
▽JUNKO
私自身は子どもを手放すのは考えられません。
娘のことすごく好きなんです。私の中で、何よりも優先します。
でもそれは私のタチであって、個人差があると思います。
▼深谷
「あんたなんか産まなきゃよかった」なんて言ったことないですか?
うちの母親はそういうことをたまに言ってましたが。
▽JUNKO
それ本気じゃないと思いますよ。
私は娘を産まない人生なんて考えられません。
【無責任。でも責められない】
▼深谷
『誰も知らない』のおかあさんは、ちょっと無責任ですよね。
▽JUNKO
そう。無責任です。
実際あった事件ですから、これを新聞記事で読んでいたら
私は腹を立てていたと思います。
でもこの映画を観る限り、責める気になれない。なんでだろう。
▼深谷
うーん。なんででしょうね。
▽JUNKO
「母子家庭の家に同居していた男が子どもを虐待」
というニュースを聞くと、私は男より母親に腹が立つんです。
「どうして子どもを守れなかったのか」って。
でも、この映画を観てから考えが変わりました。
その母親も子どもをかわいがった時間があったのではないかと。
▼深谷
うちはよく親が職業を変えていて、生活が不安定だったんです。
そういう環境で育ったからか、映画の中のおかあさんの
無責任さをあまり責める気にならないのかもしれない。
▽JUNKO
子供たち、言葉遣いが綺麗ですよね。
ちゃんと育てていたというのがわかります。
▼深谷
学校には行かせないけど勉強はさせているし。
▽JUNKO
結果的には悲しい結果になっちゃいましたけど。
▼深谷
それでも泣けない?
▽JUNKO
結果がすべてではないと思います。
私が今日、対談の帰りに事故で死んでも、
それで私の人生がかわいそうってわけではないし。
この映画はしあわせな時間の印象がとても強く心に残りました。
甘いですか?
▼深谷
いや、ぼくもこれはいい話だと思います。
でもかなり泣きました。
【ここからネタバレ危険区域】
▽JUNKO
どこで?死んじゃったところ?
▼深谷
どこだったかな。
▽JUNKO
死んじゃった子、成長して手足が伸びてて、
小さいほうのトランクに入らないんですよね。
それだけ長い時間、おかあさんを待ってたという…。
▼深谷
そのへんぼくもう泣いてました。
▽JUNKO
あの映画、長過ぎるという人もいるんですが、
あの長さは必要だと思うんです。
気が遠くなる時間、ずうっとおかあさんを待っていた。
それが伝わってきました。
▼深谷
どのシーンにも必然性があるので、長く感じませんでした。
珍しく意見が一致しましたね。
●〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜●
対談を終えて)
いかがでしたか?
映画って、観る人により印象が違うんですね。
ちまたにあふれる映画評も「あんなこと言ってら」くらいに聞き流し、
自分の感性で観るほうが楽しめます。
もちろんこの対談も「ふたりともわかってないなあ」とあきれ、
「面白さはここにあるのに!」と言いたい方もいらっしゃるでしょう。
それぜひ教えてくださいね。ご意見楽しみにお待ちしています。
観る価値ゼロなんて映画はまずありません。
作り手は他人だから、観る側の自分にない何かを表現してるはず。
それを見つけたとき、自分の世界が広がっていくような気がします。
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□ いとこサイト『じゃがいも徒然草』管理人さんからの伝言!
わが『ぶんぶん館』のいとこサイト『じゃがいも徒然草』の管理人
はいつでこさんが、ここのところ行方不明になってます。
メルマガ『楽しもう歴史教科書』もずうっとお休みです。
ご心配の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ようやく事情がわかりました。
メールの不具合だそうです。原因は大量のウイルスです。
はいつさんがウイルスとどう闘っているか、それはわかりません。
とにかく茶摘みはしたそうです。春ですからね。
はいつさんの復帰を待ち望むみなさまへ、はいつさんから伝言です。
「ただいま行雲流水です。はいつ。」
私ははいつさんの復帰を気長に待つ事にしました。
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ご意見ご感想お待ちしてます。
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※過去の作品からよりすぐり。ぶんぶんセレクションはこちら。
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