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ぶんぶん便 No.233

発行日時: 2004/11/2

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■■■    「ぶんぶん便」  2004/11/2  No.233
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  作/者/か/ら/

最近、私ったら、すごく女らしくなったのです。

つまりよく迷子になるんです。

どこのどなたかが言うには「女というのは地図が読めないもの」らしく、
私はまさしく「地図の読めない女」になってしまったのです。

かつては読めました。地図で目的地に着く。それは簡単なことでした。

最近の傾向なんです。
取材などで新しい場所へ行くたび、地図を片手に右往左往します。

「駅から徒歩1分」と書いてあるのに、20分たっても付かず
とりあえず駅まで戻ってもう一度地図を読みます。

さっぱりわかりません。へたに動くとまずい予感です。

そんなときはコンビニに入ります。

コンビニの店員さんは迷子に優しいのです。
町内の地図まで出して教えてくれます。ほんと、有り難いです。

私は涙目でお礼を言い、脱兎のごとく走ります。

後で気付くのです。「ちったぁ、買ったらどうよっ」

帰り道、違う街の同系列のコンビニで買い物をします。

コンビニで妙にたくさん買い物をしている女を見かけたら
「JUNKOのお礼参り」と思って間違いありません。



――C―o―n―t―e―n―t―s――――――――――――――――


■ ぴょんぴょんしたら新大陸

□ シネマ de ぶんぶん

○ お知らせ


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■ ぴょんぴょんしたら新大陸

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自覚が足らない。
私にはそういうところがある。
自覚とはいろんな自覚である。

みのほど、とか。
年齢、とか。
おかれている立場、とか。

目的を見失うことはしょっちゅうだ。
たとえば仕事部屋を整理する。なんて目的を持つと。

引き出しを開けて帳表類とか、文房具を整理するうち
「あれ?このクリップはキッチンで使えるかも」と
キッチンに行く。すると、
「そうだっ、今のうちにお米といでおこう」と
イキナリ米をとぎ始める。そのうち、
「野菜もゆでておこう」と野菜をゆで始める。
「ゆでる間に冷蔵庫掃除しよう」と
効率のいい自分にうっとりしながら冷蔵庫を掃除し始め、
「牛乳が切れてる。買わなきゃ」と
手際よく、ゆで野菜をザルにあげ、
段取りのいい自分に酔いながら、お財布をとりに部屋へ戻る。

すると引き出しがゲロしたような部屋に唖然とする。
なんてことがある。
…クリップは三日後なぜか冷凍室から見つかる。

そんなとき、「初心忘るるべからず」と声に出して言ってみる。
普通、偉業を成した人が言う言葉だが、
仕事部屋の整理くらいで、私はもの申す。

これは目的を見失った例だが、
おかれている立場を見失うこともある。

ある寒い日のこと。
娘と並んで駅のホームに立っていた。
この日の立場とは、「娘とお買い物に行く母親」という立場である。

寒かった。
「寒い…コタえる」ここまでは意識があった。

「なに跳ねてるの!やめてよ!」
娘の悲鳴にハッとする。

気がつくと私は駅のホームでぴょんぴょん跳ねていた。

寒い → 運動すれば暖かい → ぴょんぴょん

上記一行に全く矛盾点はないものの、
「娘とお買い物に行く母」という立場を見失い
「ここは駅のホーム。公共の場である」という状況を見失い、
「いいとし」という身の程すら見失っている。

せめてもの救いは、横っ飛びに跳ねていたのではなく
縦に跳ねていたので、人の邪魔になってはいないということだ。

この「無心にぴょんぴょん」は娘を仰天させたが、
指摘された私自身も仰天した。

もし娘がいなかったら。
私はあのままぴょんぴょんし続け、電車が来たら地に足を付け
しれっとした顔で乗るだろう。自覚なく跳ねてるんだからね。

案外これまでも(ゾクッ)、
どこかで知らぬ間にぴょんぴょんしていたかもしれない(ゾクゾクッ)。
もっと変なこともしているかもしれない。
誰も指摘してくれないから、気付いてないだけかもしれない。

ただし、
中村獅童にもチャームポイントがあるように(※)、
ぴょんぴょんにも収穫はある。
気付いたことがあるんだ。
「跳ねるといろんなところが揺れるぞ」という、発見だ。

体のアチコチの部分が、ぷるぷる揺れる。
胸とかお尻とか揺れるに値する部分はもちろんのこと、
太ももの後ろとか、ふくらはぎの一部分とか、ウエストの横とか、
みぞおちとか、その下とか、ほっぺたとか、二の腕とか、三の腕とか、
本来「揺れるわけないだろ」な部分が小刻みに揺れる。
「昔は揺れなかったよね」な部分がぷるぷるきている。

「最近の私のカラダ、跳ねるとあちこち揺れるんだけどさ」
友人に話すと、たいていが「ぷうーっ」とフキだし、
さんざん笑ったあげく、恐ろしくもノーコメントなのだ。

「私もよ」という答えを期待しているのだが
誰もそうは答えてはくれない。

揺れないのだろうか。
跳ねないのだろうか。

私と別れた後、ひとりひっそりと部屋でぴょんぴょんしてみて
「ああ…なるほど」と新大陸発見しているのかもしれない。

みなさまもさっそくお試し下さい。


※中村獅童…顔が足の裏に似ている歌舞伎出身の売れっ子俳優。
しかも子どもの足の裏で、カチカチじゃなくて柔らかそうだ。
足の裏っていうのは、まあ、たいてい顔にすると「いけてない」
ものだが、彼の場合、目が小さすぎるという特徴が際立っており、
「すぎたるはおよばざるよりすばらしい」という理論によって、
足の裏にして超チャーミング。魅力爆裂な顔に仕上がっている。


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□ シネマ de ぶんぶん 

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『80(エイティ)デイズ』 www.80days.jp 11/6〜公開

出演/スティーヴ・クーガン、ジャッキー・チェン、セシル・ド・フランス
  キャシー・ベイツ、アーノルド・シュワルツェネッガー

【JUNKOの感想】

ジュール・ヴェルヌの『八十日間世界一週旅行』が原作となっている。

なんてったってヴェルヌはすごい。

『十五少年漂流記』、『海底二万里』などなど
夢もロマンも科学の匂いも備えた作品をせんはっぴゃくろくじゅーさんねん!
から次々と世に送り出している。

せんはっぴゃくろくじゅーさんねん。
その頃そんな夢を見られるなんてスゴいと思う反面、
その頃だから科学に夢を持てたのかなあなんて、思ったりもする。

ヴェルヌの作品は後にどんどん映画化されるけど
実写の場合は、原作の壮大さを表現するのがかなり難しい。
そうとうお金がかかるし、特撮技術が追い付かない。

近頃はCGという便利な味方を得て、予算的にも技術的にも
実写化が可能になったが、あのロマンをCGで済ませると、
うすっぺらくなってしまう。

この名言知ってる?

『CGはロマンを可能にし、ロマンの精神を崩壊させる』

…今ふと思い付いただけなんだけど。

この映画はそこを充分に踏まえた作品で、予算をかけて
ロケ撮影にこだわった。CG利用は必要最低限にとどまっている。

ちょっと、前時代的なアメリカ映画の匂い。

テンポの早いイントロ、安心した上でハラハラする展開、
全体にコメディがちりばめられ、予定調和なラストだ。

予定調和なラストとは、危機を乗り越えた男女が
「ほっとして顔を見合わせてキス」をするコト。

せっかくいい映画なのに『スピード』すらそうだった。

あんなにほこりまみれでさ、傷だって負ってさ、
周囲に人がいっぱいいるのに、「ほっとしてキス」だよ。

しゃらくさっ。

「ほっとけキス」と名付けて私は忌み嫌っているの。

アチラではそれが日本で言う「手討ち」となって、
チャン、チャン、と終わる。

ヴェルヌの映画化が前時代的な作りというのは、ある意味正解なのかも
しれないが、どうなんだろう。こうやって夢やロマンを型にはめるのが
ハリウッドの手法だけど、作り手はこれで楽しいのだろうか。

予算をかけたわりにはアメリカで興行成績がふるわなかったらしい。
買い付けた日本の配給会社は急きょ策を練った。

結果、「吹き替え版で話題作りをしよう!」ってことで、
原田泰造、松方弘樹、中山エミリを使って、ライト兄弟に中川家を
キャスティングして、話題作りに励んでいる。

字幕より吹き替えの方がセリフの情報量が断然多いので、
私はわりと吹き替え版を利用するのだが、プロの声優を使わず、
お笑いタレントで話題作りをしようなんて、ちと発想がさみしい。

さみしいっていうのは、鑑賞者としてではなく、
もし私が日々精進する声優だとしたら、カチンとくるってこと。
世の中、もっと職人芸を評価してほしいわ。

私は試写で字幕版を観たが、2時間1分、ちゃんと楽しめた。

そして試写室を出て、今日ここでこうして文章化するまでの12日間、
ただの1度も思い出すことがなかった。

だから駄目かっていうと、そうじゃなくて。

2時間1分、ハッピーになれたってこと。
豊かな使い捨ての幸せ。贅沢したと思う。


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○ お知らせ

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月初めはホームページ『ぶんぶん館』が更新されます。
今回は先週のコラムにイラストを付けました。お暇な時に覗いてください。 
              ↓
           http://homepage1.nifty.com/jyk/bun.html

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