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ぶんぶん便 No.220
発行日: 2004/8/3■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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■■■ 「ぶんぶん便」 2004/8/3 No.220
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作/者/か/ら/
先週、「思い出に残るあだ名を教えてください」とお願いしたら
たくさんのおたよりをいただきました。
読んでいると、あだ名のムコウにその方の青春が映像のように再現され、
教室のざわめきや、青い空が目に浮かびます。
大切な思い出を分けてくださって、ありがとうございました。
本日はコラムの前に、まず思い出のあだ名集をご覧ください。
――C―o―n―t―e―n―t―s――――――――――――――――
● 特集 読者のみなさまの思い出のあだ名
■ インスタント・ソーリー (今月のコラム)
□ シネマ de ぶんぶん
○ お知らせ
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● 特集 読者のみなさまの思い出のあだ名
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『ジェイン』 kyokoさんより
中学の英語の時間、名乗ってから音読しなければならないのに、
いきなり教科書を読み始めた女の子がいました。
先生に「名前は!」と言われ、彼女は「ジェインです」と答えました。
ジェインは教科書に出てくる女の子の名前です。
以来彼女はずっとジェインです。
【Jの感想】教室の大爆笑が目に浮かびます。
『越後屋』 ミィさんより
わたしは短大時代「越後屋」と呼ばれていました。
悩み多き大学生時代に、友人から色々と悩みを打ち明けられたりする度に、
わたしなりのコメントをしてきました。
親身になって、わたしならこうかなと思いつつ、それをアドバイスのよう
な感じで相談者の友人に言うと、その周りの友達がにやりと笑って
「越後屋ぁ〜、そちもワルじゃのう〜!!(爆っ!)」でした。
【Jの感想】越後屋的アドバイス。ぜひ相談してみたい…。
『だ』 カゴタさんより
本名が土橋(どばし)なので、小学生の頃、「どばちゃん」と言われてい
ました。ある男子が「どば」を早く言うと「だ」になるぜ、と言い、
それから6年間あだ名は「だ」でした。
転校生が「だの苗字、聞いたことない」と言うので「土橋だよ」と言うと
「『土橋だ』っていうの」と言いました。本名と思ってたみたいです。
【Jの感想】世界最短のあだ名。おみごとです。
『ムーミン』 深谷さんより
立派なオトナになってから、ムーミンと呼ばれました。
20代半ばから30代の男女が、
「ムーミン、あれやっといて」とか、
「ちょっとムーミン、なにボーっとしてんのよ」
などと言うのですが、いい大人が「ムーミン」
なんて、端から見たら滑稽ですよね。
ムーミンはだいたい、ボーっとしてると
思うんだけど、怒られる・・・
【Jの感想】ムーミンはかなりの誉め言葉です。
『ルースター』 るいさんより
留学中あだ名をつけられました。アテネの寮にいたとき。
寮で同じ釜のメシを食っていたアメリカ人が、言いました。
「Ruiにあだ名をつける。これまでなんて呼ばれてた?」
「とくにないよ」
「じゃあ、いま考えよう」彼女は考えはじめました。
「Rではじまるのは・・・そうだルースター(Rooster)にしよう」
ルースターはオンドリの意味。雄のニワトリ。それに「気取り屋」の意味も。
こちらが風采があがらないタイプなので、あだ名はギャグなんです。
「おはよう、ルースター!」
それ以来、オンドリになってしまった。
このとき初めてアメリカ人が仲間に入れてくれた気がしました。
留学五年目の秋のこと。
【Jの感想】あだ名はコミュニケーションなんですね。
『キューシンク』と『ニューシンク』 はいつさんより
同級生でヘーシンクに似たものがおりました。
おあつらえむきに柔道をやってます。
彼のあだ名は「ヘーシンク」となりました。
その後、転入生がありました。
僕らは驚きました。そいつの方が、ヘーシンクに似ていたのです。
しかも、柔道やってる。うっそー。って感じ。
僕らはヘーシンク会議を開きました。
本人達をよそにえらくもりあがりました。
で、きまりました。
キューシンクとニューシンク。
なんとも、ステキです。
【Jの感想】あったかいぎ。
『インドの夫人』 奈良のJUNKOさんより
私の中学生の頃のあだなです。
なぜかというと、額のど真ん中に小さいですが
ホクロがあるからです。
それがどうやら、インドの女性が額につける
ビンディーに見えたらしいんですよね。
「千昌夫」とつけられなかっただけでも、
感謝すべきだったんでしょうか・・・(笑)。
【Jの感想】夫人がつくところ。芸が細かいあだ名です。
『おばちゃん』 奈良のJUNKOさんより
同じく中学の時に「おばちゃん」という
あだなの子がいました。最近になって
久しぶりに街でみかけたんですが、
ほんとに「おばちゃん」になってしまった今となっては、
「お〜い、おばちゃ〜ん!」とはさすがに声をかけられず、
しかし、名字が思い出せず、そのまま彼女は
人混みの中に消えていってしまいました・・・ううう・・・。
【Jの感想】そういえば、オジサンというあだ名の男子がいました。
今会ったらなんといえばいいのか。
『アイガーの北壁』 匿名さんより
中学校の頃後ろ頭が絶壁の男子が「アイガーの北壁」というあだ名を
付けられていた。
【Jの感想】スケールでかいです。こうなると神々しい。
ご協力ありがとうございました!
いかがですか?
あだ名って、思い出の手掛かりになるんですね…。
それではここから今週のコラムです。
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■ インスタント・ソーリー
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近頃オトナとコドモの境界線があいまいになっちゃった。
オトナの犯罪とコドモの犯罪はソックリだし。
成人病も低年齢化してる。
私自身、子どもじみた感覚のまま社会人になり、オカアサンになり、
そのままでなんとかやっていけている。
半ズボンを履きリュックをしょって仕事にでかけるし、
マクドナルドのバニラシェイクを飲んだりする。
それが許される社会というか、見逃してもらえる。
告発されたり、むら八分されたりってことはない。
子どもの頃と違う部分といえば、顔のシワもそうだけど、
言葉遣いはやはり変わった。
昔みたいにいきなりひとんちの庭先で
「ひろみちゃん、あーそぼー」と叫んだりはしない。
「今、ひま?」くらいは言えるようになってる。
いきなり「ブス!」と言われることもなくなった。
子どもの頃は何度かそういう痛い目にあったけど
社会人になってからは、言われなくなった。
ひょっとしてどんどん美人になっちゃってる?わたし。
そう考えるテもあるが。
周囲がオトナになって、子どもじみた発言を控えるようになったのだ。
ありがたやありがたや。
子どもの世界でのみ使われることば。って、今もあるのかな?
境界線とともに消滅したかしら?
私が子どもの頃は、こうゆうのがあった。
「おまえのかあちゃんでーべーそ」とか。
「何時何分何曜日?」とか。
「あーらら、こーらら。せーんせーに言ってやろ」とか。
先生って、わかりやすい権威だったのだ。
「せーんせーに言ってやろ」は、
ただのおどしというか、揶揄(やゆ)で、普通は実行されない。
実行されたらタイヘンだ。
先生は飛んで来て有無を言わさず犯人らしき子どもに
ゴチンと拳骨をくれる。
「らしき」でゴチンだ。
その時、子どもは泣く。けど、
告げ口した子のほうが、実は傷ついていたりする。
そもそも大人が子どもを叱る姿って、見たくないものだ。
スーッと、心が冷えていく感じ。
美しくないんだな。
怒った父や怒った教師を見ると、
酔っ払いを見るようで、恐ろしかった。
今なにを言っても通じない。
感情の一方通行が、恐ろしい。
ドラマ『北の国から』で、純を叱る父・五郎は、やはり美しくない。
息子に負けるもんかという意地が、ほの見える。
親子でもやはり勝負になってしまうのだ。
どちらの理屈が正しいか、互いに優位に立とうとする。
相手に自分を認めさせたい。
自分を否定されたくない。
そういう思いは、親子ほど強くなる。
美しい怒り方って、ないのかも。
美しくなくて、いいのかも。
感情の爆発は、なにかしら、心に残る。
そう言えば。
「ごめんで済むなら警察いらない」ということばも懐かしい。
近頃では、凶悪な犯罪を犯した人が、犯行の直後に
「悪いことをしました。ごめんなさい」と謝ったりする。
オトナもコドモもだ。
そのパタンがどんどん増えているように思う。
なんかこう、フに落ちない。
「ごめんで済むなら警察要らない」と、
そっとつぶやいてみたりして。
だめだめ。せっかくオトナになったのだから、
もうちょっと論理的に「フに落ちなさ」を説明しなくちゃ。
そもそもさぁ、
犯罪の施行前と施行後にガラッと人格が変わるなんてこと、あるかな?
ラーメンを食べる前と、食べた後では、たしかに気分が変わるけど。
それは気分の違いであって、人格の違いではない。
気分の変化くらいで、「ごめん」されたら、たまらない。
人は反省するのに、ある程度の時間と、成長が必要だと思う。
少なくとも、私には時間が必要だ。
何年もたってやっと、実感として「悪かった」とわかることがある。
あの時はぺろっと謝ったけど、それはあくまでも条件反射で。
あとでじっくり本当に悪かったと、悪さ加減がわかってくる。
それは、痛いことだ。
「ごめん」なんて言えないほど「ごめん」と思う。
「ごめん」と言って許されてはいけない気がする。
謝ってラクになるのは自分だけじゃん。なんて思う。
にもかかわらず。世の中は、
謝る。ということが、あまりに安易に、無思想に、
便利に使われている。
謝る。って何だろう。
そんなことを考えさせられる映画を観た。シネぶんに続く…。
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□ シネマ de ぶんぶん
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『ミラーを拭く男』 8月21日〜テアトル池袋ほか
公式サイト http://www.pal-ep.com/mirrors/mirrors-top.htm
脚本・監督:梶尾征則
出演:緒形 拳、栗原小巻、辺土名一茶、国仲涼子ほか
主役の緒形拳のセリフが一番少ない。というか、ほとんど、ない。
それがこの映画の特異性である。
それこそがこの映画の「伝えたいこと」ではないかと思う。
ま、主役は最期まで何も語ってくれないし
監督が登場して代弁してくれるわけではないので
それは私の「感じ」でしかないのだけど。
拳さんの役名は皆川勤だ。
名前でわかるように、無骨で真面目なサラリーマンという設定。
不似合いな白い家に住んでいる。
「奥さんの好きにさせてるんだな」とわかる。
彼は定年を目前に小さな交通事故を起こす。
事件とは言えないほど小さな事故だ。
事故を起こした後、皆川は何を思ったか、
カーブミラー(反射鏡)を拭きはじめる。
事故現場のミラーから始まって、市内じゅうのミラーを、
ついには会社を辞め、旅に出て、全国のミラーを拭きまくる。
旅の途中、様々な出会いがある。
彼をとりまく人々のすったもんだをよそに
彼はひとり、黙々とミラーを拭き続けるのだ。
この映画を「家族愛」だとか「夫婦愛」と解釈する向きもあるが、
私はもっと個人的なことのように思う。
彼は小さな不祥事に対し、謝ることをしなかった。
謝らずに旅に出た。
世間的には非常識だが、
罪に向き合う人間の対応として、これ、アリだと思うんだ。
昔からガッコのセンセはこう言った。
「悪い事をしたらすぐ謝りなさい」
謝るって、何だろう。
私、わりとすぐに謝る人間だ。
謝ると周囲が納得するもん。
謝る事で、終わらせたいもん。
そういうもくろみが私を謝らせているように思うんだ。
皆川勤は謝らない。
罪を終わらせず、ずっと背負って、行脚するのだ。
そんな生きざまを「声にならないセリフ」で見せつけられた。
今後、「まずいことしたかな?」と思ったら、
謝る前に、ミラーを拭いてみようと思う。
自分を見つめ、罪を見つめて、
「私は本当に悪かったのか?」
答えが見つかるまで、ミラーを拭き続けてみようと思う。
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○ お知らせ
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月初めはホームページ『ぶんぶん館』が更新されます。
上記コラムがイラスト付きで読めます。お暇な時に覗いてみてください。
↓
http://homepage1.nifty.com/jyk/bun.html
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ご意見ご感想お待ちしてます。
↓
RXE01422@nifty.ne.jp (直接JUNKOに届きます)
※過去の作品からよりすぐり。ぶんぶんセレクションはこちら。
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