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ぶんぶん便 No.189

発行日時: 2003/12/23

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■■■    「ぶんぶん便」  2003/12/23  No.189
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 作/者/か/ら/


今日は年末特別企画です。

ゴーヤって、お好きですか? 
「苦味が嫌い」な人はいますが「食べたことない」人は、少ないでしょう。

沖縄はじわじわと毎年近くなっています。
行ったことがなくっても、沖縄を知ってるような気がします。
はたして本当の沖縄を私たちは知っているのでしょうか?

沖縄ブームの火付け役となったNHK朝の連続ドラマ『ちゅらさん』。
その中でたびたび出て来た「ゆがふ」という沖縄料理店を覚えていますか?
店長さんのあたたかい笑顔と優しい言葉使いが印象的でした。
演じたのは沖縄出身の藤木勇人さんです。
藤木さんは『ちゅらさん』で言葉指導もされてます。

沖縄の看板息子(?)みたいな存在の藤木さんに、
宮崎より南に行ったことがないJUNKOが「沖縄」を聞いてみました。


■藤木勇人(ふじきはやと)さんのプロフィール
 1961年沖縄生まれ。ひとりゆんたく芝居を中心に、映画、ドラマ、
 CMなどに出演。島をテーマとした講演会等、幅広い活動を全国で展開中。

◆ひとりゆんたく芝居『南島妄想見聞録』
 2004年2月14〜22日、東京下北沢・駅前劇場。
 問い合わせ先=クリエイティブアルファ。
 電話 098-938-1812(12/25まで) 098-933-1887(12/26から)
  URL http://www.fujikihayato.jp 


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■ 本当の沖縄って何ですか?     藤木勇人さんにインタビュー

―――――――――――――――――――――――――――――――――
11月10日、千葉。この日は小雨が降り寒かったです。
ホテルグリーンタワー幕張のラウンジにて。
これから講演会の藤木さんにお時間をいただいてインタビュー。


▼藤木
寒いッすね。

▽JUNKO
沖縄はあったかいですもんね。

▼藤木
もうこれで十分真冬ですよ。

【本当と嘘を見極めて】

▽JUNKO
以前、沖縄ブームについて「本当の沖縄と嘘の沖縄がある」と
おっしゃってましたが…。

▼藤木
沖縄の枠だけにこだわって言ったわけではないんです。
たとえば今、沖縄ブームですよね。沖縄健康食品ブーム。

▽JUNKO
あっ、今日チラシ持ってきたんですけど
(生協の食品カタログチラシを差し出す)

▼藤木
あ、それ。例えばそのゴーヤ茶。
ゴーヤが体にいいってことで、ゴーヤだけを商品開発して頑張ってる
企業が沖縄にはあるんですよ。
昔は旬になると、ゴーヤは余ってました。
市場に出すと値段が下がるから捨てるんです。
今まで捨てていたゴーヤを加工して、お茶にすれば持つわけです。

▽JUNKO
ゴーヤ茶って、もともと無かったんですか?

▼藤木
つい最近ですよ。
お茶は体にいいってことで、商売はうまくいったわけですよ。
売れに売れて、この工場は今24時間操業。倉庫にものがない。
社長は全国に健康を売るために過労死しそうだって。

▽JUNKO
沖縄の人はしゃかりきに働かないイメージですが

▼藤木
でも流されます。
人に健康を売って自分は過労死寸前。
ここに嘘がある気がするでしょう?
沖縄って小さな島でしょ。それが全国の需要に答えようとしたら
無理が生じる。でも商売だから儲けたい。
儲けたいがために何かを忘れる。
すると本当の沖縄を表現することにならない。
スローライフという言葉があるけど、沖縄はその代表なんですよ。

▽JUNKO
スローライフという沖縄のいいところが
ブームによって変質しつつあるのですね。

【癒しの島と言われて】

▼藤木
沖縄は癒しの島だと言って、人がいっぱい来るけど
ぼくは癒しの島ではないと思ってる。

▽JUNKO
どうしてですか?

▼藤木
住んだらたいへんだもん。
基地問題、就職、なんだかんだって、しがらみの島です。

▽JUNKO
じゃ、他に住みたい?

▼藤木
いや、そうは思わない。
慣れているし、気候がいいから。
日本の中で一番「生まれやすくて死ににくい島」なんです。
おじぃおばぁ元気でしょ。出生率一番でしょ。
生まれやすく死ににくい。戦争がなければ。
沖縄には戦争が来る。いらんものがいっぱいくる。
日本のはじっこで出入り口だし、環境がいいから。
琉球時代からの歴史が語ってる。

▽JUNKO
基地があるのも住みやすいからなんですね。

▼藤木
そうです。睨む場所として最高のポジションだしね。
経済や環境からすると、住みやすい。お金がなくても生きられる。
県民所得は全国最下位。失業率は今年9%を越えた月もある。
9%越えたら外国では暴動が起きるってよ。
沖縄は国から助成金が降りて、裕福なんです。
裕福で、環境がいいから、基地が来るし。
大家族制だからしがらみも強い。

▽JUNKO
生まれてからずっと沖縄ですか?

▼藤木
そう。ずっと。だから慣れてる。
県外から来て住もうとしたら結構たいへんですよ。しがらみが。
なのになんで癒しの島と言って、みんなが来るのか。
去年は2万7千人が住民票を持ってきた。
すごいよ。島の人間もどんどん子供を生むのに
外からもどんどん人が入ってくる。
結局帰ってしまう人もいるけど。一度住んでみたいと思うのさ。
なぜ沖縄が求められているかというと。
日本は戦後復興にがんばって世界第2位の経済大国になったじゃないですか。
ところがバブルが崩壊した。
まさか銀行や保険会社が潰れるとは。
ぼくは郵便局に務めて介護保険の営業マンしてたこともあるけど。
大企業の社員がリストラされる世の中なんて想像つかなかった。
ぼくらの先輩たちは「ぼくらがここまで日本を復興したのに
なんでこうゆうことになってしまったわけ?」と思ってる。
日本はアメリカに習って経済復興する時に、その代償として
大事な何かを山ほど捨てたわけさ。それを今取り戻さないと
自分達がなくなる、と気付いた人がいっぱいいるわけ。
で、どうしたら取り戻せるかというと、沖縄が絶好の場所だという。

▽JUNKO
どうして沖縄なのですか?

▼藤木
古き良き日本がいっぱいあるから。

▽JUNKO
東京にはもうないですもんね。

▼藤木
地方にはいっぱいあるんだけどね。沖縄には凝縮されてる。
人が多くて、コミュニケーションが取りやすい。
沖縄に癒しがあるんじゃなくて、自分の中にある癒しを取り戻す場所
なんじゃないかな。それを探しにみんな沖縄に来ている気がする。

▽JUNKO
ゆっくり時間が流れてる、という印象ですね。
『ちゅらさん』を観てると。

▼藤木
『ちゅらさん』の印象は古き良き日本の印象なんですよ。

▽JUNKO
おばあがいて…

▼藤木
そう。年寄りがでしゃばる。
昔は年寄りがでしゃばってたと思うよ。
それが「隠居」なんて話になって。
しゃべっちゃいかん、みたいなことになって。

▽JUNKO
どうしてこうなっちゃったのでしょう。

▼藤木
教育だと思いますよ。
例えば、経済でものを考えると「動きが鈍い」ってことは
邪魔でしかないわけだし。
でも年寄りの持ってる知恵はすばらしい。気持ちよく生きるためのね。
沖縄には「隠居」はないんです。

▽JUNKO
そういえばおばぁも働いてましたね

▼藤木
そう。それに体動かなくたってね。
人は本能的に老人に敬意を表するでしょ。
今は介護がビジネスとして扱われるけど、
おじぃおばぁと住んでて、おじぃおばぁを尊敬してれば、
介護なんて当たり前のことで。そういうシステムが沖縄には残ってる。

▽JUNKO
んー。なるほど。

【健康ブームと沖縄ブーム】

▼藤木
地方の物産展をすると、売上げは北海道が1位、京都が2位だったけど
今は沖縄が京都と肩を並べてる。
何が人気かというと、ゴーヤ、黒糖、いろいろあるけど、
飽食じゃないわけ。粗食で、体にいいわけ。
今の健康ブームって何かわかる?

▽JUNKO
えー、なんだろう…。

▼藤木
血液サラサラ。活性酸素。

▽JUNKO
あー、それそれ。そればっかり。

▼藤木
紫外線をあびると活性酸素が増えるんでしょ?
それを増やさないようにするんでしょ。

▽JUNKO
抗酸化作用…

▼藤木
そうそれ。抗酸化作用。
沖縄は日本で1番紫外線が強いよね。
沖縄にいきとしいけるもの。蟻から人間まで、みな抗酸化作用が強い。
あの紫外線の中で生きてるから。
血液サラサラもそう。
暑いから汗をかく。血が濃ゆくなる。
すると血液ドロドロになるはずが、ならない。健康で長生き。
汗をかいても血液サラサラでいる能力を持ってる、ってこと。
医学的なことはわからないけどね。
植物もそう。シークワーサーとかさ。
あれだけの紫外線で自生してるからね。
何も特別なことじゃないのさ。それが特別視されてるだけ。
これはぼくの勝手な理論。だってぼくは学者じゃないし。
ただ、全国を旅してまわってて、見えてくることがある。
今沖縄が置かれているポジションとかね。

▽JUNKO
ブーム自体は喜ばしいことですか?

▼藤木
んー…いいことでしょう。
正しく進んでくれればね。

▽JUNKO
日本と同じ歩みをしたらよくないですね。

【本当に進むべき道って?】

▼藤木
観光地として、人がいっぱいくる。
いっぱいくればいいのか?という問題。
観光客は青い海、青い空が観たい。これを残さなきゃいけないんだよね。
ところが人をいっぱい呼びたいから、国から助成金もらって
公共事業として埋め立て工事をやってしまう。
人は呼びましょう、自然を破壊しましょう、これほんと、無計画だよ。
今自分が裕福に暮らすために。次世代のことを考えてない。

▽JUNKO
沖縄は変わってきましたか?

▼藤木
変わってきた。自分達を切り売りしてる。
観光客に対して、求められてる沖縄をどう心優しく出していけるか。
ホテルを安くする。というようなダンピング競争ではなく。
本当の沖縄、嘘の沖縄、って、そうゆうことなんです。
日本もそう。本当の日本、嘘の日本がある。
よくグローバルだとかボーダレスだとかいう言葉がはやってるけど
ぼくは絶対使わない。大嫌い。
ボーダレスです、国境ありません、手をつなぎましょうってさ、
結局自分の文化の押し付けでさ、言うこときかないと空爆する、って話。
今アメリカがやってることは、自分達の商品を売る場所がなくなってくると
新しいところを見つけて開拓していく。ってことでしょ。
アメリカは物質文明だから、いい車がある。大きい冷蔵庫がある。
でも本当に裕福なのか?

▽JUNKO
あんまり幸せそうに見えないですよね。
家も綺麗だけど、うらやましくないです。

▼藤木
一生懸命働く基準が、大きな家、大きな冷蔵庫。
それって何?みたいな。

▽JUNKO
日本もそっくりになってきた。

▼藤木
昔は日本ってそうじゃなかったよね。

▽JUNKO
グラフが右上がりじゃないと落ち着かなくなってる。

▼藤木
沖縄ってね。失業率最悪。所得も最下位。それでも生きてる。
生産性も最下位。野菜なんか十個できたら一個「もってけ」と
人にあげちゃうもんね。生産効率悪いよ。
労働時間全国一長い。でも生産効率最下位。

▽JUNKO
長く働いてるんですか?

▼藤木
真夏なんて。あの暑さだもの。効率落ちるよ。
沖縄の真夏はシエスタが必要だと思う。
早朝働いて、昼間は休む。夕方から夜まで働く。
日本の枠で労働時間が統一されてるから難しいけどね。

▽JUNKO
じゃ、学校も?東京と同じ?真夏の暑い時に授業?

▼藤木
だから学力も最下位でしょう。
でもみんな気持ちよく生きてるよ。
コンピュータって、そういうものを緩和するのに役立ちます。
メールを使って。労働時間が自由に設定できるものですよね。
技術がそうゆう方向に進めばいいのに、金儲けの方向にしかいかない。
子供達のコンピュータゲームなんてさ、
アポロ11号のコンピュータより優れてるんだって。

▽JUNKO
沖縄でも子供達がゲームするんですか?

▼藤木
やるやる。

▽JUNKO
なんかやだなあ。
ああやって子供がしゃべらずにゲームしてる姿って怖いんですけど

▼藤木
空恐ろしいよね。
コンピュータの進むべき道をきちんと考えなきゃね。


【しいたげられた人々は…】

▽JUNKO
沖縄って結婚式とか、宴会が派手ですよね。
芸能人が多く生まれる理由はそこでしょうか。
躍りがうまいとか、歌がうまいとか。

▼藤木
ぼくがこれから言うことは学術的ではないよ。
琉球王朝時代、小さな島でしょう。
常にどこかの国に寄り添ってるわけさ。
中国だったりもするわけ。すると中国からお客さんが来る。
戦争したら絶対やられちゃうから、友達になる。芸は身を助く。
芸を見せ、酒を飲ませ、仲良くなって生き抜いてきた。
音楽奉行ってのがあったくらいだからね。
それともうひとつ。
大衆性からいくと、しいたげられた国でもある。
人間しいたげられるとどうなるかわかる?

▽JUNKO
んー…???

▼藤木
歌って躍るのさ。
それだけは止められないからね。
ソウルもそうでしょ。
人間はしいたげられると歌って躍る。そして自分を解放するの。
沖縄の民謡って、1日2〜3曲作られてる。

▽JUNKO
へ? 民謡って、古い歌をずっと歌い続けるんじゃ…

▼藤木
いや、毎日作ってる。今の自分を歌うわけさ。

▽JUNKO
だから芸能界で活躍する人がいっぱい出てくるんですね。
先駆けは南沙織とか、フィンガー5とか。

▼藤木
あの時代、東京に行くと、沖縄出身を隠す人が多かった。

▽JUNKO
え? どうして?

▼藤木
差別もあったしね。「琉球人お断り」みたいことがあって。
そんな時代があったから…。
今は違う。「沖縄出身?いいですね〜!」と言われる。
いろいろやりやすくなってます。

▽JUNKO
地方で沖縄に似た場所、ってあります?

▼藤木
長野かな。山に閉ざされてて、信州人でしょ。
沖縄は海に囲まれてて、沖縄人(うちなんちゅ)。
日本人かどうか、心の奥底で迷ってる。

▽JUNKO
藤木さんが生まれて初めて沖縄から出て、行ったのはどこですか

▼藤木
奄美大島。親がそこの出身だから。あそこも不運な島でね。
奄美大島の民謡はすごいよね。しいたげられた人間の歌はね。


【流されて】

▽JUNKO
沖縄の駄目なところってあります?

▼藤木
いっぱいあるよ。安易に流されてきた。
死んだら終わりだから、どこかで折れないといけないけど。
捨ててはいけない信念を出していかなきゃいけないこともある。
沖縄はいっぱい可能性があるのに、はがゆい。
自分達でプロデュースできないんだよね。
光るものがあるのに。それを引き出すのは本土の人。
すると島からの純粋培養ではなくなる。
そんなのもあってほしいさ。

▽JUNKO
沖縄の人って、本土で県人同士かたまりますか

▼藤木
県人会は盛んだよ。国内だけじゃない。
沖縄って移民が多いの知ってる?
南米。ブラジルとか。ハワイ、ペルー、アルゼンチン。
勝手にグローバルな県民。

▽JUNKO
順応性高いですね。

▼藤木
日本が200年鎖国してる時に、交易してたからね。
鎖国してた日本には、日本らしさが守られていただろうね。

▽JUNKO
それをどんどん捨てちゃったですからね。

▼藤木
恥ずかしいくらいにね。
小泉さん、もっと何とか言えないのかしら。
被爆国なんだからね。

▽JUNKO
なのにあちらは「戦争手伝え」っていうんですからね。
なぜ「嫌だ」って言えないんでしょうね。

▼藤木
しがらみだよね。
ぼくが沖縄に持ってる不満は日本への不満と同じだね。
沖縄や日本には山ほど可能性があるのに、
自分でプロデュースできずに他に流される。


【ちゅらさんコトバはやる】

▽JUNKO
『ちゅらさん』では基地問題には触れませんでしたね

▼藤木
そう。でも死に関してはしょっぱなで触れましたよね。
お兄さん亡くなったからね。朝の番組でいきなり。
びっくりしたよね。
あそこで死の不条理を見せてる。すごい脚本だよ。
その後、残された人々が明るく生きて行くということに
テーマをしぼってる。

▽JUNKO
『ちゅらさん』の時に言葉指導をされましたよね。
ウチナーグチではなくウチナーヤマトグチを使って
全国の人が聞いてわかるようにしたということですが。

▼藤木
ぼくが『ちゅらさん』で指導した言葉は全部ウソです。
あれは「ちゅらさんコトバ」なのです。
『ちゅらさん』が終わってから沖縄でも「ちゅらさんコトバ」が
はやったんだもの。ハハハ。

▽JUNKO
国仲涼子ちゃんたち若い人はああゆう言葉を普段使うんじゃないですか

▼藤木
いや、彼らはぼくにもわからないような言葉をしゃべるね。
その若者言葉はやめてもらったわけ。
主人公恵理は1972年本土復帰の年に生まれたので
ちょうどぼくらの世代が使ってた言葉じゃないといけない。

▽JUNKO
言葉指導で一番気を使われたことは?

▼藤木
イントネーションの中に日本の中の南が見える。
そのイメージを大切にしました。

▽JUNKO
やさしい言葉でしたよね。

▼藤木
「だからね〜」「でもさ〜」と。
実際あそこまで伸ばさないから、「レベルの低い大衆語」と
いう人もいるけどね。
『ちゅらさん』が終わった後に、
県が観光客向けに作ったキャッチフレーズが
「だいじょうぶさ〜。沖縄」
あれは画期的だったね。今までだったら行政のやることって
「大丈夫デス。沖縄」だったよね。
これじゃ伝わらない。
ね、チャンプルーって知ってる?

▽JUNKO
豆腐とゴーヤと…炒めて混ぜて…

▼藤木
そう。そうやって沖縄言葉が浸透するのはいいことです。
ぼくはゆがふの店長をやったけど、ゆがふって漢字があるんですよ。
世の中の果報、と書いて世果報(ゆがふ)。
果報は寝て待て。の果報。無病息災、いいことのすべて。の意味だけどね。
漢字で書けるの。死語になった日本語なわけよ。それが沖縄には残ってる。
ちゅらさんも日本語なんだよ。当て字で美しいって書くけど、
もともとは古語の清(きよ)ら。
日本語の清らが鹿児島では「きょら」と言う。
沖縄に来る頃には「ちゅら」に変わってる。


【旧暦はひとに優しい】

▽JUNKO
沖縄のお正月、ってどうですか。

▼藤木
沖縄は正月が2回ある。お盆は1回。旧暦が活きてる。
海洋民族だから、潮の満ち引きが重要なの。
それを知ってないと命を落とすから。祭事は旧暦でやる。
正月は旧正月と新正月があるけど、うみんちゅは旧正月しかしない。
農業も、月の満ち欠け、潮の満ち引き、要するに引力が関係してくる。
自然と一緒に生きてるから。旧暦のほうが人間に優しいわけ。
新暦は太陽暦なんだけど、それは経済が中心の考えなんだよね。
それに合わせるために、人間無理するんだよね。

▽JUNKO
新暦のために短命になっちゃってるかも。
旧暦だから沖縄は長寿なのかも。


【沖縄でダウンジャケットを着る】

▼藤木
旧暦に合わせると沖縄にも四季があるのよ。
低い時は4度、って記録もある。
十度くらいまでは普通に下がりますよ。
名護だったら朝は8度とか。
十度あっても沖縄は寒いよ。季節風が吹くから。
北海道の人が住むとね。2〜3年で「沖縄寒い」って言う。

▽JUNKO
北海道の冬はあったかい。って言いますよね。

▼藤木
そう。完全暖房だからね。

▽JUNKO
常夏ってイメージなんですけど、沖縄。

▼藤木
沖縄人って、ダウンジャケット持ってるんだよ。
なんで持ってると思う?

▽JUNKO
うーん。本土に来るためかなあ?

▼藤木
ファッションです。
テレビや雑誌の情報で知って、手に入れるの。
昔の人は本土から情報が入らないから、寒いって思わなかった。
寒いって感じるのも、情報なのさ。
昔は「我慢できる寒さ」と思って着物を2枚着るとかさ。
情報が入って、「寒いからジャケット着なきゃ」と思ってしまう。
思い込みさ。
最近は泡盛のお湯割りまで出てきちゃって。

▽JUNKO
泡盛って、普通はどうやって飲むものですか?

▼藤木
普通は水か氷で割るんだけど、本土の文化が入ってきてお湯なんかで飲む。

▽JUNKO
おいしいですか?

▼藤木
まあ、飲めるね。
でもおっかしいんだ。お湯で割るなんて、昔は考えられなかった。
もともと大昔は氷がなかったから水で割ってた。
それが氷が入って、今ではお湯だからね。

▽JUNKO
沖縄の人は取り入れるのが上手ですよね。

▼藤木
なーんでも取り入れるさ。昔からの癖。
大きいものにずうっと巻かれてきたから。
島だから海から入ってくるでしょ。一回入ると出て行かない。
狭いところでぐるぐる回してると、亜種になる。
日本人はビールが好きさね。
暑い時に7度くらいに冷やして飲むのがいい、って。
あれ嘘だと思う。
中国ではチンタオビール、冷やさず飲むでしょ。
暑い時に飲むといいっていうのも、じゃなんで札幌にビールがあるんだって。
サッポロビール、おいしいじゃない?
全部情報に踊らされてるだけさ。
沖縄って、復帰するまで鍋料理がなかった。
復帰後、ダイエーが持って来た。沖縄に鍋を広める、って。
ぱーっと広まったけど、おばぁはさ。
鍋としゃぶしゃぶとすき焼きの区別がつかないのさ。
鍋やってるのに生卵割ってさ。
すき焼きやってると「何故混ぜない?」って。
人が目を離したすきに混ぜちゃう。
混ぜたらチャンプルーさ。

▽JUNKO
アハハ…

▼藤木
沖縄人はなんでも取り入れるけど自分流にアレンジするのさ。
そうゆう遊び心がありますよ。

▽JUNKO
藤木さんって、沖縄博士みたいですね

▼藤木
だって島を題材に生きてるんだから。
沖縄のことはまだまだ勉強しないといけないね。

▽JUNKO
これからはどうゆう活動をなさるんですか?
例えば映画を自分で作るとか。

▼藤木
今はそうゆうユトリはないね。
映画にはいい脚本が必要だから。
いい脚本を書く事に挑戦してる。
ぼくはこうやって沖縄を題材に仕事をしてるから
島に感謝して恩返しをしなきゃいけないと思ってる。
島に嘘つきたくないし、島を甘やかしたくもない。
どんな時代にも生きていける沖縄にしていきたい。

▽JUNKO
藤木さん脚本の沖縄の映画。楽しみです。


《こぼれ話》
▼藤木
沖縄にはNOVAがない、という話があって。

▽JUNKO
沖縄の人は英語ペラペラで、必要ないってことですか?

▼藤木
いや、電車がないからさ。
駅がないから「駅前留学」できないわけ。

▽JUNKO
あーあ!

▼藤木
このあいだ、モノレールができて。
そしたらさ。NOVAができてるの。

▽JUNKO
わー!「駅前留学」って不当表示じゃないんですね。
それにしても、モノレールだなんて。
沖縄が東京になっちゃわないように。頑張ってください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

○ 今年最後のご挨拶

―――――――――――――――――――――――――――――――――

今年最後のぶんぶん便、いかがでしたか?
30日はお休みし、来年は1月6日にスタートします。

休み中も毎日コンピュータを起動しておりますので
ご意見、ご感想をお気軽にお寄せください。

きっとこの1年、みなさまそれぞれに、いろいろなことがあって、
いろいろな思いで、ぶんぶん便を読んでくださったのだと思います。
おつき合いくださり、ありがとうございました。

来年もJUNKOのゴタクにおつき合いくださる余力が残るよう、
みなさまの元気をお祈り申し上げます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ご意見ご感想お待ちしてます。
  ↓
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※創刊以前のコラムは、ぶんぶん書庫で読めます。
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―――――――――――――――――――――――――――――――――
執 筆 者● 大山淳子 RXE01422@nifty.ne.jp
発行責任者● 吉永和夫 yoshinaga@mbe.nifty.com
連 係 HP●『ぶんぶん館』 http://homepage1.nifty.com/jyk/

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