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ぶんぶん便 No.55

発行日時: 2001/10/20

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■■■    「ぶんぶん便」  2001/10/20 No.55
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 作/者/か/ら/
毎週火曜発行のぶんぶん便。たまにはウィークエンドにお楽しみください。
ってことで、フト出してみました。深い意味などありません。
会社で読んでる方、ごめんなさい。しつこいけど、火曜も出ます。
今回、2はホコロビだらけの文章で、発行するのに大いに迷いました。
誇りもホコリもホコロビもある私をどうか読んでやってください。
ぶんぶん腕を振り回し、ぶんぶん頭をフル回転。
文凡人JUNKOのつたない文章、よろしくお受け取りください。

――C―o―n―t―e―n―t―s――――――――――――――――

1 『アルコールと私』
2 『大食い。ソレハのどかな異常』

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■1 アルコールと私
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私の母は2歳の時に父親を亡くした。
私にとって祖父にあたるこの人は30代で死んでいる。
原因は酒だと聞いている。
親族揃った花見の宴会で酒を飲み、酔っぱらって川に落ち、
濡れたまま寝てしまい、肺炎で死んでしまった。
周囲は何していたの?って話だよね。
信ぴょう性はないが、母はその話を信じている。
父親を知らずに育った母は
「おとうさんが欲しいと思ったことはないけど、戦争中は兵隊を出さな
い家には配給が少なく、おなかがすいてしかたなかった」と、
食べ物の恨みだけはあるらしい。

今は母も歳をとり、親族と会って昔話をしたり、古い写真を見たりするが、
どれが父親だか写真を見てもわからない。それらしい男の人を指して
「たぶんこれがオトウサン」などと言っている。一族皆で「たぶんそれ」
なんて言ってるのだから、かわいそうな祖父である。

父親には未練のない母だが、アルコールに対する嫌悪感はあるようだ。
見合いの時、相手にビールを飲ませ「一杯で赤くなった」ので決めた。
赤くなるから酒に弱いと決めつけ、父と結婚したわけだ。

予想に反して父は酒に強いが、外で酒を飲まない。家では飲むが、
晩酌程度で、乱れることはない。ま、狙いは当たったと言える。
母はひとくちも相伴しない。全く興味がないようだ。
「おいしくない」と言うが、父親の死因という潜在意識がアルコールを
拒否しているのかもしれない。

私自身はアルコールが体に合わない。
心も舌も合うのだが、体がウケツケないのだ。ビールすらイケナイ。
飲む。良い味だなと思う。しばらくすると血圧が下がる。
すっと気分が悪くなり、床に這いつくばりたくなる。
しゃがむだけでは足らず、頭を下にしないと苦しい。
場所を選ばずこうなるから、たいへん。
友人におぶってもらう。ことになったり。
通りすがりの人に送ってもらう。こともあった。みなさん、ありがとう。

こんなにおいしいのに、こんなに少量で、こんなに気持ち悪くなるなんて。
オジイチャンの怨念かなと思う。酒で早世した恨みが子々孫々に伝わって
酒との相性を悪くしている。あるいは酒に殺されないよう、守ってくれて
いるのかもしれない。

失敗を何度か重ねて、今ではすっかり距離を置く関係である。
我が家の冷蔵庫にアルコールはみりんだけだ。
外で飲む時は、例えばチューハイ1杯とジュース1杯を同時に頼み、
ちびちび飲む。この方法で、チューハイ2分の1杯ならなんとか飲める。
無理して飲むこともないのだが、舌は好きだから、みんなが飲んでいると
欲しくなる。

前の結婚で、夫とうまくゆかなくなった頃、ぐれてみるかなと思い、
ある夜、家でウィスキーのストレートをワンフィンガー飲んでみた。
途端、気持ち悪くなった。トイレに行く手前で床に這いつくばった。
ひんやりとした床が頬に気持ちいい。立つこともできず、そのままそこに
倒れていた。これでオシマイかなあ、と思いながら。

帰宅した夫と目が合った。
「ああ、助けてくれ。水くれ」と目で訴えたが、夫はそのまますうっと
部屋へ消えた。ナカッタコトにされてしまった。
妻が急性アルコール中毒で死んだら、バツが悪いだろうに。と思う…。

私はトカゲのまま思う存分床を楽しみ、明け方には復活して朝食を作った。
「昨夜、私が見えなかったの?」と聞くと
「酔ったフリして、あまえてるのかと思った」と言う。
おお!致命的であるよ、この距離感。お見事でござる。
さばけた気分で珈琲を注ぐ。

あのまま死んでたら、オジイチャンの二の舞いだ。
こんなことで死んでたまるか。と、力がみなぎるのだった。(ぶんぶん)

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■2 大食い。ソレハのどかな異常
―――――――――――――――――――――――――――――――――
「エラソーなこと言うくせに、ヤスい奴」と思われそうだけどね。
私は「大食い選手権」系テレビ番組が好き。
食べ物を粗末にして、とか。難民の飢えた子たちをどう考える、とか。
批判するほうが文化人ぽい。
でもね。少食の私にとり大食いは神業である。魔法なんだよ。夢の世界だ。

確かに最近そのテの番組はエキサイト過剰ではある。
もともとチープな娯楽番組だった。あくまで常識の範囲内の大食い。
その頃からのファンである。

ケーキをホールごとざくざく食べちゃう、とかね。
団子をひと串イッキ食い、とかね。
私の果たせぬ夢を次々叶えてくれる。
オリンピックに冷ややかな私は、アメリカのホットドック早食い選手権で
並みいる巨漢を征して小柄な日本男子がチャンプになると
「エラいぞニッポン」と涙ぐみ「チャチャチャ」と口ずさんでしまう。
大食いの人は、予選落ち族も含め、私にとり大スターである。
イチローより高橋尚子より偉大な人である。

以前彼らは気持ち悪さの限界でギブアップした。
今は食道・胃袋・腸・膀胱の限界まで頑張る。
「ひょっとしてこいつ、死ぬかもしれん」と思う。
内臓破裂。体内に食べ物飛び散り死亡。てことにならんか、
とハラハラする。娯楽番組でハラハラしたくない。
このあたりで製作側が歯止めをかけ、趣向を変えてみてはどうか。

こういうのがあった。
大食い界のプリンス小林くんとマドンナ○○さんが
(ごめん、美少年の名前しか覚えてない)回転寿司でデートをする設定。
好きなものを好きなだけ食べるというもの。
「おいしいね」なんて言いながら、どんどんどんどん食べていく。
皿はテーブル狭しと重なってゆく。
競争じゃないの。だからふたりともおいしそうに食べる。
タダで好きなだけ食べられて出演料もらえる。満面の笑みだ。
隣席の一般人が目を丸くして見ている。
サインをねだる子まで現れる。
最後「あー、おなかいっぱい。ごちそうさま」で終わる。
おいしい段階で終わる。
のどかな異常が、なんとも、愉快。

「のんびり食べて異常に大食い」だったプリンス小林も
「打倒小林」「宿敵小林」なんて、番組があおるもんだから、
ぞくぞくと挑戦者が現れ、戦うごとに、人相が変わった。
体を鍛え、頭も使うようになって、頬の無駄肉がそげ落ちた。
緊迫感のある、闘争心の顔、になった。
もともと美少年だったのが、今は沖田総司も真っ青な若武者となり
ステーキを手づかみで食べる様も神々しい。

小柄だから大柄の大食いには物理的に勝てるわけないハズだが
必ずトップを走っていた。命賭けマス、て感じだ。
ついにこのたび、大柄大食いに最後の最後で負けた。
矢吹ジョーと力石徹を彷佛させる。痛々しいラストだ。

もうやめて。のんびり大食いに戻って。
関係者各位、くいしん坊万才にスカウトしてお給料あげてください。

馬鹿だなと思う。
思いきりセクハラ発言させてもらうが、男のやりそうなことだ。
彼らは賞金以外、これといった報酬はない。
何のために戦ってるかというと、闘争心に他ならない。
体にイイわけない戦いに挑んで、死ぬ寸前まで食うのだ。
親は泣くぞ。と、JUNKOは思うぞ。

で、こういう馬鹿は、実はそう嫌いじゃない。
物知り顔で「フッ、俺は損なことには関わりたくない」という奴より
血が綺麗な気がする。
どういう作戦で戦うの? と聞けば、大食い戦士はスラスラ答える。
何のために戦うの? と聞いたら「へっ」と黙ってしまうだろう。
そこに食べ物がある限り。というギャグもとばせずに。
そういう無垢な馬鹿さ加減は嫌いじゃない。

馬鹿は馬鹿でも、危険な馬鹿もいる。
「正義のために戦う」という奴らだ。
正義って何? と聞いたら、どう答えてくれるのだろう。
戦争と言えば人殺しが合法化するらしい。
平和な時だけ過去の戦争を反省し、センチメンタリズムに浸る。
コトが起こるやコロッと忘れてセッセと戦う。
そもそも「疑わしきは罰せず」という法の倫理はどこへいったの?

「アメリカを支持する」と動く日本の政治家は滑稽である。
アメリカ支持のムコウにある、結果としての殺りく行為に言及しないのは
ズルい。ただ「欧米先進諸国に横並びせねば」とアセッてるふうに見える。
こういう馬鹿は危険だ。
こういう馬鹿は男に多いように思う。何度もセクハラでごめん。
女はこんなところで見栄張らないし、もっと現実主義である。
非常時に冷静でいられる愚鈍さも持ち合わせている。
これ、ひどい偏見だけど、感覚として当たっていると思う。

男は、女は、とヒトククリでコメントするのを良しとしない私だが
マスとしての方向性は存在すると思うんだ。
そうでない少数派の市民権を認めた上での話だ。

ああ、らしくないコトを書いてしまった。ごめんなさい。
こういうゴタクは、安全圏に居て綺麗ごとを言う自己陶酔的正義感に過ぎ
ない。だから書かない、と決めていた。のに書いちゃった。
二度と書かない。ように自分を律します。

大食いが好き。のんびりおおらかで平和的な大食いが好き。
と、言いたかったんだ。                 (ぶんぶん)
   
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以上「ぶんぶん便」No.55をお届けしました。いかがでしたか。
また次回お会いしましょう!

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「ぶんぶん便」2001/10/20 No.55
執筆者●JUNKO RXE01422@nifty.ne.jp
発行責任者● 吉永和夫 yoshinaga@mbe.nifty.com
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