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サルコイ通信−145号ー
発行日: 2004/10/14━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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┃サルコイ通信┃ ┃話┃┃の┃┃散┃┃歩┃┃道┃
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サルコイ通信 ---通算145号---「話の散歩道」---第107号---
2004年 10月14日配信
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◆「食事こそ文化」 −話の散歩道−
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■「食事こそ文化」
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みなさんこんにちは。お元気ですか。
事務所の前の畑でコスモスの花が風に揺れています。
また前の川の土手では桜並木も紅葉してきて秋らしい季節を迎えました。
短い期間なのでですが、このところ雨模様が多くて秋晴れの紅葉を見るこ
とはなかなかできません。
先日日曜の早朝、教育テレビ番組「心の時代」のなかで、北海道で酪農
をしている「三友盛行」さんのお話が印象的でした。
お話しのなかで三友さんは、「自分は牛がおいしそうに草を食べている姿
を見るのが嬉しくて酪農をやっている」「だからおいしい牧草を腹一杯食
べさせてやりたい」「そのために自分の牧草地40ヘクタールに見合う牛
の数は40頭だと解り、それ以降牛の数を増やさないようにしている」。
さらに、「牛だけでなく私達人間の生活でも食事は出来るだけ心を込め、
家族も集まって一緒に食卓を囲むようにしている。食事は文化そのもので
ある。だから食事の時間を大切にしている」など、とてもいいお話しでし
た。
数日経っても脳裏から離れず、インターネットで調べて先日三友さんが
書かれた本を購入しました。「マイペース酪農」という本です。
印象に残った文章を紹介します。
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酪農の仕事といえども、朝食、夕食は家族揃ってともに食事をしたいも
のです。一家団らんの食事のためには男性は牛舎に早出、遅上がり、女性
は遅出、早上がりを守ります。このことが実現できる頭数規模が、まず第
一に適正規模なのです。
ともすれば、酪農家は牛乳搾ってお金にして、街のスーパーで買い物す
れば、効率よいと思いがちです。せめて自家用の菜園を持ち、野菜を育て
、収穫、貯蔵、料理、加工に時間のとれるような規模が求められます。牛
乳も売るだけでなく、豊かな食生活のため活用したいものです。
ヘルパーを利用できる飼養形態、頭数も大切です。人は生身の身体、常
に健康とは限りません。一人で留守番、あるいはヘルパ一人のお願いして
、持続して安定的に営農が行われる体制も適正規模です。三〇%フル稼働
でなく、土、草、牛、機械、施設、そして農民が八〇%操業で適正規模で
す。
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私の入植の経過を振り返ってみてもわかるように、生産を上げることが、
暮らしを向上させると当然のように頭から思い込み、家族も家庭も顧みる
余裕もなく働きました。
昭和四十年代の酪農民の共通の目標は100トンを搾ることでした。い
までは500トンになろうとしています。この三〇年間で五倍の生産向上
です。しかしながら、暮らしの実感としては、豊かになったとはとても思
えません。逆にいつも仕事に追われ、忙しく、生産、経営以外の何事も考
えられない状況です。
よく考えてみれば、三〇年前も現在も労働力は基本的に夫婦二人です。
労働力は変わらないのに、生産は五倍に増大したのです。
いくら施設の拡充、高性能機械の導入によるもとはいえ、これらを扱う
だけで労働は増えてきました。ましてや、輸入穀物飼料の多給と他人資本
(借金)の力を借りての生産量の向上なのですから、牛の生産病の治療と
借金返済分を上乗せして働くことになります。
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時として、牛乳を飲み、すき焼やステーキを食べますが、それ以外の酪
農製品を利用する酪農家はなかなかいません。それはあまりに余暇が少な
いからです。ようやく、自分たちの生産した物を自分たちのために利用で
きる時代がきました。そうした時間を、適正規模によって生みだすことの
文化的な意味は大きいと思っています。
牧草しかできない地域でも、自家用の野菜は育ちます。時間さえあれば
自作のパンを焼き、牛乳をたっぷり使ったケーキもつくれます。草があれ
ば、好みによっては羊を飼って羊毛の利用もでき、草木染めでみごとな編
み物もできます。
チーズをつくり、生クリークを分離してアイスクリームもバターも自家
製でできます。肉もじっくり煮込んだわが家自慢のシチューができます。
そこに酪農家らしい豊かな食卓が生まれるのです。
生産のためだけに目を向けず、暮らしの豊かさ、食生活の豊かさをも視
野においた酪農を実現したいものです。
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私の実家でも、かつては和牛やにわとりを飼っていました。
なかなか家を空けることが出来ず、特に母は旅行に行くことが余り出来な
かったようです。
子供心にも、たまには旅行に行けたらいいのにと思ったものです。
ともすれば今の環境を仕方がないと諦めてしまうこともありがちですが
、三友さんがおっしゃるように、生活の豊かさを求めて頑張った結果、仕
事に追われたり、いそがしすぎたりして私達の暮らしが向上しているとは
いえない状況が多くなっているようです。
食生活に重きを置くという話しに何故か感動した私でした。
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