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(GAU103号)HIV陽性者への渡航制限問題で前進=メキシコ・エイズ会議特集=

発行日: 2008/9/6

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■「第103号」目次
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地域情報
● アフリカ
1.アフリカ:HIV/AIDSへのスティグマをなくす困難さが研究結果から明らかに
2.南アフリカ:伝統的割礼は安全か:割礼学校の問題点
3.アフリカにおけるエイズ対策の政治的課題 

● アジア・太平洋
1.インド:デリーのゲイ・パレード:規模は小さくても大きな一歩
2.中国:深刻化するエイズ遺児問題

●欧州・ロシア
旧ソ連圏で結核が悪化:IMFの財政指導が悪影響与える

●中東
イランのエイズ専門家2名が政府により拘禁

●グローバル
国連:母子が国連の新しいHIVイニシアティブの対象に

●論考
保健医療従事者の労働環境が、ARV配布プログラムの障害に=MSFが報告=

---------------------------------------------- Vol. 5 No.2----

◆発 行:(特活)アフリカ日本協議会
◆連絡先:
・東京都台東区東上野1-20-6丸幸ビル2F
・電 話:03-3834-6902
・FAX:03-3834-6903
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◆本メールマガジンから転送・引用を行う場合は、事前に発行者にご連絡をお願いいたします。

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メキシコ国際エイズ会議レポート:
一定の前進を見た「HIV陽性者の渡航制限」問題:市民社会のアプローチはいかに?
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【メキシコシティ8月8日発:グローバル・エイズ・アップデイト編集部】メキシコ国際エイズ会議では、1980年代から国際エイズ会議に毎回影を落としてきた、HIV陽性者の渡航制限問題が取り上げられた。8月5日、渡航制限問題に関する特別セッションとして「HIV陽性者への渡航制限」Travel Restrictions on People Living with HIV/AIDS)が開催され、渡航制限問題に関する最近の進展状況について、多くの報告がなされた。シンポジウムには、米国でこの問題に積極的に取り組んできたバーバラ・リー・米国下院議員を始め、ブラジルやエル=サルバドルのHIV政策担当者から、世界エイズ学会の学術研究者、HIV陽性者の代表まで、多くのパネリストが報告・討議を行った。

世界には、何らかの形でHIV陽性者の渡航制限を法律で課している国が少なくとも70カ国以上、また、HIV陽性者の短期滞在を禁止したり、ビザでHIV感染を申告させるなどの厳しい渡航制限を課している国が30カ国以上ある。しかし、こうした渡航制限は、公衆衛生上、何のメリットもなく、逆に、外国人に対する差別・偏見をあおり立てたり、外国人出稼ぎ労働者に対するエイズ対策を妨げたりするなどの問題があり、国連合同エイズ計画(UNAIDS)や世界保健機関(WHO)などは、こうした渡航制限を撤廃するよう主張してきた。

近年、この問題の解決に向けて、二つの大きな進展がみられた。一つは、HIV陽性者の入国を拒否する法律を有しているアメリカ合州国である。米国にこの法律があったが故に、国際エイズ会議を主催する国際エイズ学会(IAS)は、米国での国際エイズ会議開催を認めてこなかった。

これについて、バーバラ・リー議員が米国の最近の進展を説明した。2006年のトロント国際エイズ会議以降、この問題に取り組み始めたリー議員に対して、当初、政府も他の国会議員も無関心か反発という態度で、とりつく島もなかったという。しかし、第2次米国大統領エイズ救済緊急計画(PEPFAR II)の法案が上程されるに及んで、風向きは変わってきた。最終的に、このの問題はPEPFAR IIの法案とパッケージ化され、7月、最終的に可決された。あとは、上院と下院で通した法案の内容を調整することと、決定されたことを実施に移すことである。リー議員は、米国で渡航制限が解消されるのも時間の問題であるとし、米国でも国際エイズ会議が開催できる日も近い、と希望に満ちた調子であった。

もう一つの進展は、昨年の世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)の理事会の中国での開催に端を発するものである。HIV陽性者の入国を禁止する法律を持つ中国での開催に対して、市民社会はこれをボイコットする可能性を示した。これに対して、世界基金事務局と中国政府当局は調整を重ね、「タスクフォースの設立」という条件を含むいくつかの条件で、市民社会と折り合うこととなった。その結果、本年1月に「HIV関連の渡航制限問題に関する国際タスクフォース」が設立。これには、ブラジル、エル=サルバドル、フランスなどの政府代表も参加している。

同タスクフォースは、「渡航制限」問題を、HIV陽性者の入国・滞在・在留にかかわるあらゆる制限・規制の問題であると捉えている。この認識から、同タスクフォースは、世界でHIV陽性者の入国・タイ(財)・在留を何らかの意味で制限している国が70カ国以上あることを突き止め、この12月に、タスクフォースとしての声明を出す予定となっている。

シンポジウムで、同タスクフォースの委員を務めるスーザン・ティンバーレイク氏 Susan Timberlake は、「答申の後は、皆様が積極的に、各国でアドボカシーを行う段階となる」と述べた。市民社会には、各国政府と答申の内容を最大限利用して、入国規制の廃止のために取り組む必要があるが、一方、こうした規制が残っている国はたいてい、エイズにかかわる市民社会運動が弱いという問題がある。単に各国の市民社会に投げるだけでなく、世界的に統一のとれた運動作りも必要となろう。

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アフリカ:HIV/AIDSへのスティグマをなくす困難さが研究結果から明らかに
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全世界的に、HIV/AIDSに関する理解を深め、議論をすすめることが大切だ:国際エイズケア医師連合 the International Association of Physicians in AIDS Care (IAPAC)は、メキシコで開催された第17回国際エイズ会議で、「生命のためのエイズ治療国際研究」 AIDS Treatment for Life International Survey (ATLIS)の結果をそう結論づけた。IAPACによると、HIV教育はかなりの成果をあげているものの、HIV/AIDSと共に生きる人々は世界中でスティグマに苦しみ、治療を中止せざるをえなくなっているという。

「生命のためのエイズ治療国際研究」は、18カ国・3000人のHIV陽性者へのインタビュー調査からなる研究である。回答者の54%は自分がHIVに感染していることを他人が知っているかどうかを「かなり」あるいは「ある程度」気にしており、うち83%は社会的差別やスティグマを恐れているという。アフリカの回答者は他の地域と比較して、自分が感染していることを他人に知られることにそれほど抵抗を感じないが、アジアや太平洋地域の回答者は、自分の感染を他に知られることによって、家族や友人との人間関係が崩れることを恐れていた。北アメリカ地域の回答者は、自分の評判に傷がつくことを最も恐れていた。

また回答者の26%は、ARV(抗レトロウィルス)薬による治療は副作用を引き起こすという理由で、治療を受けていない。治療経験者の34%が、副作用を起こしたと思い治療を途中で断念している。さらに回答者の半数以上が、治療の副作用によって、顔や体の輪郭の変化や、胃腸・肝機能への障害、疲労・貧血の症状が出ることを懸念している。他の地域に比べ特に治療の副作用を懸念していたのは、南北アメリカであった。またどの地域でも、女性は男性に比べて骨粗鬆症や体の輪郭の変化が気になるとした。

ATLISの調査では、全体で69%の回答者がエイズやその治療についての情報を求めており、特に南米やアフリカ地域ではその傾向が強かった。引き続きHIV/AIDS教育を強化することが必要である。HIVの薬物耐性に関する質問では正確に回答できたのは17%のみで、54%は全く回答できなかった。また北米地域、アジア太平洋地域の正答率は高いが、アフリカ地域の正答率は最も低く、これにラテンアメリカ地域、ヨーロッパと続いて低かった。

HIV/AIDSと共に生きる人々の回答者の半数近く(48%)は異性愛者で、HIV感染域が拡大しつつある恐れが確認された。全体の3分の1は特定の相手との交際であると回答している。アフリカは特定の相手との交際の傾向が強く、アメリカやヨーロッパでは複数の相手との交際もあった。南米では交際相手の状況を回答しない傾向があった。

原題:Africa: Landmark Global Survey Shows HIV-Positive Patients Still Fear Stigma More than 25 Years After the Start of the Pandemic
 日付:2008年8月4日
出典:Allafrica.com
URL:http://allafrica.com/stories/200808041866.html


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南アフリカ:伝統的割礼は安全か:割礼学校の問題点
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南アフリカ共和国・リンポポ Limpopo 州のツァネーンTzaneenに住む16歳の少年スティーヴ・マトリャベラSteve Matlhabela が、親戚を訪ねるため家を出た時、家に戻るまでに1ヶ月かかるとは予想していなかった。

彼が親戚がいる村に着くと、知り合いの少年に映画に行こうと誘われた。いくらか離れたキャンプに着いた時、そこには映画館はなく、そこにいたたくさんの少年が彼に服を脱ぐように言った。スティーヴを映画に誘った少年がその服を彼の母親に届け、「彼は割礼をしに行った」と伝えた。エイズで母親を失った彼のいとこもまた、成人するための「学校」にいたが、スティーブの家族は2人の割礼料金が1420ランド Rand(192USドル、約2万円)を請求されても、なす術はなかった。「警察に駆け込もうにも、この学校を運営しているのが地域の警察署長だから、どうしようもない」とスティーヴの祖母は語る。結局、素ティー部の家族は、この支払いのために借金をするしかなかった。

スティーヴはその学校に着くとすぐに割礼された。麻酔はない。激痛に耐えることは成人するために必要な過程だと考えられているのだ。割礼から1ヶ月以上たっても傷が痛んだが、学校では医者に診てもらうと成人できないと教わるため、彼は医者に行けなかった。

2005年と2006年に行われた3つの調査で、包皮切除がHIV感染を最高60%まで予防するという結果が出たことにより、国際的NGOや政府までもが割礼を奨励した。一方で専門家らは割礼の安全性を再考すべきだと訴えていた。リンポポ州には1996年以降、州内に200以上ある割礼学校で行われることについて、これを法律によって管理する体制が、かたち上は出来ているが、実際に少年たちが学校での手術によって死亡するケースが生じているにも関わらず、文化的タブーから政府がこれに介入することは困難であった。

IRIN/Plusニュースによると、スティーヴよりもはるかに若い少年たちが保護者の許可なく、強制的あるいは騙されるなどしてこの学校に入学させられているという。これは学校長などが、新たに少年を連れてきた少年たちに金銭的援助を約束するからである。何も知らない少年たちは、この学校がいかに素晴らしくて居心地がいいかを吹き込まれ、一旦入学すれば出られないという。州政府監督下にある一人の学校長は、12歳以上且つ保護者の同意がなければ少年の入学は認められないと話したものの、何人かはその基準を満たさずに入学したことを認めた。

マングワナ Mhangwana という9歳の少年が、彼のおじ(12歳)のいる割礼学校から家に戻った時、彼は歩行が困難な状態だった。それでも彼の祖母には傷つけられた場所を見せなかったという。地域の病院の看護師によると、毎年冬にはこのような少年が来院するようだ。難しいのは、彼らが女性に下腹部を見せることに抵抗を感じており、家に戻っても自分の母親に傷を見せないことだという。

政府の定めた規定では、包皮切除の施術料金は350ランド (48USドル、約5000円)以下とされているが、割礼学校の中にはこの2倍以上の料金を課すところもあるため、家族は息子に150ランド(21USドル、約2300円)で割礼手術ができる一般病院に行かせたがる。しかし一般病院で施術されることは少年達の間では嘲笑の的になるようだ。

地元の警察も、これは警察の介入することではないと言う。正式な外科医は厚生省に登録されているが、割礼学校の運営は地元の許可証があれば可能である。この運営を金儲けの手段として考えている市町村政府もある、と学校長の一人は言う。ある被害者の家族は、警察に息子を取り戻して欲しいと頼んだことがあるが、警察も学校に踏み込むのを怖れていたという。

原題:SOUTH AFRICA: How safe is traditional circumcision?
日付:2008年8月4日
出典:IRIN Plus News
URL:http://www.irinnews.org/Report.aspx?ReportId=79616

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アフリカにおけるエイズ対策の政治的課題 
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アフリカ諸国政府および市民社会は、エイズによる影響が次世代に及ばないようにし、次世代を、エイズから解放された世代、いわゆる「エイズ・フリー世代」 AIDS-free generation にしていくため、積極的に国際社会に訴えなくてはならない。

これまで国際社会は、アフリカにおいて、エイズに関してさまざまな取り組みを行っている。ビル・クリントン米国前大統領は、より一層の対策を行えば、そうした世代を築くことは可能だと指摘している。エイズ・フリー世代を築くという目標は、あまりに楽観的だと指摘されるかもしれない。しかし、最近発表された国連エイズ合同計画 UNAIDS のレポートは、近年国際社会が取り組んできた努力を、多少なりとも評価できる点がある、と言及している。

例を挙げて評価できる点を見てみよう。今年と3年前を比較すると抗レトロウイルス薬(ARV)にアクセスでき、治療を受けることのできる人々の数が増加しており、世界では約300万人がARVにアクセスすることが可能になったという。アフリカ南部 ナミビア共和国では、2004年でARVを必要としている人々の1%しか入手できなかったが、現在までに88%の人々が入手できるようになった。また、ARVの普及によって、エイズによる近年の死者数が220万人(2006年)から200万人(2007年)へと減少した。

アフリカで、エイズ・フリー世代を築くためには、さらなる財政・人材・その他の投資が必要とされている。このような投資を有効に利用するためには、アフリカ諸国の政府が健全な行政運営をするための改革を進め、効果的な対策を迅速に行うことができる行政が必要である。

このような行政体制構築に向けた改善のためには、アフリカ諸国の政府は、エイズ資金がどのように使われているかを監督する役割を再認識し、強化することが重要である。エイズに限らず、途上国全体で、資金管理には大きな問題がある。米国ワシントンD.Cに本部を置くNGO 国際政策センターCentre for International Policyによると、途上国では、説明責任の欠如によって、年間5000億米ドルにも上る資金が失われているという。エイズ対策資金もこうした腐敗に無縁ではない。こうした事態を受け、行政側だけではなく、市民団体も同様にエイズ資金の使用用途を監督する役割を担うことが求められている。

非常に長い時間がかかるが、文化的な慣習を変えることも重要である。政府と市民団体が先頭に立ち、文化的に受容されることが難しい、または拒否されるような議題でも公の場で話し合うことができるようにすることが必要である。例えば、同性間性的接触によるHIV感染は、ザンビアにおいてもHIV感染の拡大要因の一つであるが、文化的な理由により、この問題は、公共の場で話し合われることがない。

ルワンダは、強力な政治的リーダーシップのもとにHIV母子感染を防ぐための医療サービスの拡充に力を入れている。また、ブルキナ・ファソとコート・ジボアールでは、政治的リーダーシップにより、コンドームなどの普及が強化されている。

エイズに取り組むためには、アフリカ諸国の政府による健全な行政運営と活発な意見交換が行うことができる民主的な社会を築いていくことが重要である。

原題:Africa: The Politics of Combating Aids
日付:4 August 2008
出典:allAfrica.com
URL:http://allafrica.com/stories/200808040478.html

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インド:デリーのゲイ・パレード:規模は小さくても大きな一歩
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ゲイ・パレードが2008年6月29日にインド・デリーで開催され、500人以上が虹色の旗や横断幕を掲げて、ビジネスの中心地であるニューデリーのバラカンバ通りBarakhamba Roadからジャンタル・マンタル(Jantar Mantar)までの2キロを行進した。これは、デリーが1400万の人口を誇る巨大都市であることに鑑みれば、小さなパレードだが、インドのゲイ・コミュニティーにとっては驚くべき成功であった。

インドの刑法377条は英国植民地時代に導入されたもので、「自然の摂理に反する」性交渉に刑事罰が科される。この法律は、同性愛者に対する取締のために悪用されてきた。パレードにはあらゆる階層の人々が参加し、刑法377条を廃止するよう抗議した。

インドでは、コルカタ(Kolkata)や南部のバンガロール(Bangalore)などの主要都市でパレードが実施されているが、インド・デリーでゲイ・パレードが開催されたのは初めてである。デリーで開催されるまでには長い道のりがあった。377条廃止の活動がこれまで色々と行われてきている。「377条に反対する声」(Voices Against 377)は、2004年にデリー高等裁判所へ377条廃止を提訴するために設立されたNGOである。その最終聴聞会が2008年7月2日に開催された。また、2006年には作家のヴィクラム・セスVikram Sethが377条に対する公開書簡を執筆した。これにはノーベル賞を受賞した経済学者のアマルティア・セン(Amartya Sen)なども署名した。デリーでのパレードについて都市設計者であり同性愛活動家のゴータム・バンGautam Bhanは「今が好機だ。我々は『インドには同性愛者がいない』などという不自然な社会認識からやっと抜け出せる。デリーは同性愛者だけでなく女性の権利や個人の正当性についても発言できる都市となった。」と述べた。

パレードは盛況だったが、一般の人々の中には、パレードの趣旨を理解できず当惑していた人々もいた。そういった意味でも、パレードは最初の一歩である。

原題:Gay Pride Delhi-Style
日付:Sunday, Jun. 29, 2008
出典:TIME
URL:http://www.time.com/time/world/article/0,8599,1818912,00.html

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中国:深刻化するエイズ遺児問題
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中国における急速なHIV感染の拡大は、国内のエイズ遺児を増加させ、社会福祉と公衆衛生に大きな影響を及ぼすと懸念される。また、中国国内のエイズ遺児人口の急増は世界的なエイズ遺児の増加につながっており、今日のエイズ感染拡大の原因にもなっている。

世界的に、エイズ遺児の増加は問題となっている。というのも、2010年までに世界全体で1億600万人の子供たちが両親を亡くし、そのうち2500万人はエイズ遺児と推定されている。2003年、親をエイズで亡くしている15歳以下の子供たちは世界中で1300万人いた。カンボジア、マレーシア、インドでは1994年から1997年までの4年間で、エイズ遺児数が4倍に増加しており、この増加の傾向はナミビアや南アフリカ、ボツワナと類似している。中国保健省は国内のエイズ遺児は少なくとも10万人存在すると見積もっている。またユニセフ中国事務所は今後5年のうちに更に15万&#12316;25万人の子供たちがエイズ遺児になると予測する。エイズ遺児たちは健康面、教育面、そして精神面に支障をきたす傾向がある。そのため、ユニセフは2003年より地方保健当局と共にエイズ孤児への精神的および社会的支援を提供している。

HIV陽性者と生活する子供も、約300万人と多い。陽性者やその子供たちにHIV感染の教育を行うことは重要である。中国でHIV感染の原因を理解している人々の割合は8.7%にすぎず、農村部に住む25%の人々はHIV感染という言葉すら耳にしたことがない。中国農村部では不衛生な注射針の使用により血液感染が増加している。最近では、血縁者の殆どがHIV/AIDSに感染しており子供たちを養育できなくなっており、エイズ遺児の増加は深刻な問題となっている。

地方官庁やNGOはエイズ遺児を守るため、経済支援を行う必要がある。またHIV感染への偏見を減らすことも重要である。政府は教育や労働を含む新たな政府政策を検討し、実施することが重要課題である。

原題:AIDS Orphans in China: A public health and social crisis
日付:2 July 2008
出典:The Epoch Times
URL:http://en.epochtimes.com/news/8-7-2/72827.html

ケンブリッジ大学による研究で、国際通貨基金(IMF)の経済プログラムがが対象国の保健システムに悪影響を与えていることを示す調査結果が、さる7月に発表された。

調査を行ったケンブリッジ大学のディビッド・スタックラー氏 David Stacklerらによれば、1980年代後半以降、冷戦の終結に伴い、旧ソ連圏で社会主義体制にあった諸国がIMFのプログラムによる政治社会変革を経験したが、保健分野などに当てられる一般予算が減少し、結核などの事例が増加していると指摘する。旧ソ連圏の21の国々で、この20年間の結核の事例を発症数、発症率、致死率の3つの数値を分析したところ、IMFのプログラムに参加することによってそれぞれ13.9%、13.2%、16.6%の増加が見られることがわかったという。

さらに、一年間IMFのプログラムを継続することで、致死率が4.1%上昇するというデータもある。一方で彼らはIMFプログラムを中止すれば、結核による致死率が30%程度減少するだろうと予想している。IMFの資金貸付はそれ自体が当事国の健康事情を悪化させるというものではないが、健康事情の悪化を促進してしまっている可能性もある。反対に、IMF以外の帰還による資金の貸付は結核の致死率を減少させることに繋がっているとのことである。

今後、結核以外への疾病への影響も調査するべきだとしている。

原文:International Monetary Fund Programs and Tuberculosis Outcomes in Post-Communist Countries

日付:July 22, 2008

出典:PLoS Med Online 

URL:http://www.plos.org/press/plme-05-07-stuckler.pdf

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イランのエイズ専門家2名が政府により拘禁
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イラン・イスラーム共和国で、エイズ専門家であるアラッシュ・アラエイ博士とカミアル・アラエイ博士Drs. Arash, Kamiar Alaeiが政府により拘束されている。この二人は兄弟であるが、イランで最も優れたエイズ研究者弟である。彼らは、アメリカのアジアとの学術的交流を促進する組織であるアジア財団Asia Societyと連携してアジア太平洋地区でエイズの啓発活動に関わっており、同組織もこの事態に対して深い憂慮を表明している。1998年から二人はイランの西海岸のケルマンシャー州で薬物使用者のハーム・リダクションとHIV/AIDSに関するプログラムを行っていた。また、彼らはイラン国内の活動にとどまらず、アフガニスタンやタジク人の医師育成などにも関わっていた。

彼らはイランおよび周辺地区でのエイズプログラムを担う専門家として期待されており、BBCやワシントンポストを含む国際的なメディアにも広く取り上げられていた。

アジア財団は、他の機関とも連携して、この問題の解決へ向け積極的に行動していくとしている。

原題:Iran Detains Two Leading HIV/AIDS Experts
日付:16 July 2008
出典:MaximsNews Network
URL:http://www.maximsnews.com/news20080716asiasocietyfellowsiran10807160104.htm

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★ 国連:母子が国連の新しいHIVイニシアティブの対象に
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国連諸機関は連携して、2008年8月にメキシコで開催予定のHIV/AIDS国際会議の開催前に、新プロジェクトを発表し、6つのアフリカ諸国に対し、HIVの母子感染を食い止めるため50億ドルにのぼる支援を行うとした。最近発表された2008年の国連エイズ報告によると、抗レトロウィルス(ARV)治療を受けているHIV陽性の妊婦の割合は2005年から2007年にかけ14%から33%に上昇し、母子間の新規感染は41万人から37万人に減少した。

今後2年間で、9つの対象国において、1千万人あまりの妊婦がHIV検査を受け、28万5千人の母子が治療を受けることになる。対象となるのは中央アフリカ共和国、レソト、ナイジェリア、スワジランド、ウガンダ、ジンバブウェ、ビルマ(ミャンマー)、中国、そしてハイチである。全世界のHIV陽性妊婦のおよそ25%が、これらの国で占められている。

国際医療品購入ファシリティ(UNITAID、ユニットエイド)の事務局長のフィリップ・デゥステ=ブラジ  Philippe Douste-Blazy 氏によれば、新プログラムは、単にHIVに感染している母子を支援するだけではなく、HIV/AIDS、マラリア、結核の治療全体を大幅に拡大させようとするものだという。そして、その母子に最もあった診断法や薬剤に対して援助することを目的にしている。

このプロジェクトでの新たな取組みは、UNICEFに対して薬品の価格交渉権を与えること、また子供への感染を防ぐと同時に、HIVに感染している母親にはより効果的な治療を行うというところにある。またプロジェクトでは、9つの対象国でHIV陽性の妊婦に1年間のARV治療を行う。UNICEFの事務局長アン・ベネマン Ann M Veneman氏は、妊婦のHIV検査は、彼らの生存率改善に大きな効果があり、ARV治療を速やかに提供することよって、女性や子供を含むコミュニティ全体が恩恵を受けるだろう、と述べている。

原題:Africa: Moms, Babies to Benefit in New UN HIV Initiative
日付:2008年8月4日
出典:World YWCA website
URL:http://www.worldywca.info/index.php/ywca/women_s_news/articles/moms_babies_to_benefit_in_new_un_hiv_initiative

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論考:保健医療従事者の労働環境が、ARV配布プログラムの障害に=MSFが報告=
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8月に開催されたメキシコ国際エイズ会議において、途上国の医療従事者に支払う賃金総額が、エイズに関する資金投入の不足や、世界銀行(世銀)や国際通貨基金(IMF)などの国際機関の圧力があり、保健医療従事者の人件費の増加ができず、抗レトロウイルス薬(ARV)配布プログラムの運営に支障をきたしている、と国際保健NGO「国境なき医師団 M仕ecins Sans Fronti俊es (MSF)」らが報告した。

実務的レベルでは、ARVを必要とするHIV陽性者数は増加し続けているにもかかわらず、保健医療従事者数は増加せず、またその賃金も頭うちの状態である。つまり、既存のスタッフ負担が大きくなるばかり、という悪循環が見られるそうだ。限られた医療従事者だけでは、同プログラムの質を維持・向上することは難しく、医療サービスの質が低く診療を受けるまでの時間が長すぎるなどの理由により、医療施設に足を運ばなくなるHIV陽性者の数が増加しているそうである。こうした問題は、陽性者のコンプライアンス(服薬遵守)維持にも影響を与える。

例えば、アフリカ中部のマラウィでは、一人の看護師が、400人の患者を担当しており、これに対して彼女の給料は日給およそ3米ドルのみというのが現実である。一方で、彼女が管理する患者用の医薬品の価格は1ヶ月あたり約7,500米ドルにのぼる。

貧困国では、保健医療従事者として働く資格を有する人材は存在するが、彼・彼女らのための賃金が、十分ではないために人材採用・確保ができてない。ルワンダ、ザンビア、ケニアやタンザニアでは、医療従事者として働くことができる人材は多く存在するが、実際には保健医療従事者としては働いていない。

このような問題を受け、MSFなどの援助団体らは、保健医療従事者間の役割再分担 task shifting を行い、既存の保健医療従事者の有効利用に力を入れている。このような取り組みは、特に地方のARV配布プログラムの運営に貢献しているという。今回の国際エイズ会議で、MSFは、医療従事者間の役割再分担は、マラウィ、レソト、南アフリカやルワンダの経験から、医療サービスの質の維持に貢献していると述べた。

しかしながら、MSFは、医療従事者間の役割再分担の課題として、局所的な対策ではなく、保健医療従事者が圧倒的に少ない、という根本的な問題に対する解決にはならないと指摘する。

原題:Africa: World Bank, IMF Blocking Better Antiretroviral Rollout - Say Campaigners
日付:4 August 2008
出典:Allafrica.com
URL:http://allafrica.com/stories/200808041627.html

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★編集後記
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涼しい日が続いて、このまま夏が終わってしまうのでしょうか。編集員Wは、残り少ない夏を楽しむべく、東京・原宿で行われていたよさこい祭りにいってきました!ご存知の方も多いと思いますが、よさこいは高知発祥の踊り。92チーム、なんと総勢6000人の踊り子が参加したそう!(私は見学していただけなんですけどね。)色鮮やかな衣装やサンバやヒップホップを取り入れたチームもあって見ているだけで楽しかったですよ!9月にも池袋で行われるそうなので、お近くの方はぜひいってみてください。

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