グローバル・エイズ・アップデート |
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★「第97号」目次
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地域情報
●アフリカ
1.ザンビア:性暴力がエイズの取り組みの支障に
2.マラウィ:ARV治療で死亡率が激減
3.ウガンダ:生活苦にあえぐ北部出身の国内避難民たち
4.アフリカ:抗レトロウイルス治療による新たな課題=慢性疾患
●アジア・太平洋
1.中国:静かな性意識革命とエイズ対策の変化
2.韓国:ソウル市がHIV陽性者の身体障害者認定制度を提案
3.タイ:ジェネリック薬導入政策、途上国の必須医薬品アクセス拡大の突破口に
4.アフガニスタン:大規模なコンドーム配布プロジェクトで性感染症と家族計画対策
●グローバル
1.気候変動がHIV/AIDSに与える影響
---------------------------------------------- Vol. 4 No. 21----
◆発 行:(特活)アフリカ日本協議会
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・電 話:03-3834-6902
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★ ザンビア:性暴力がエイズの取り組みの支障に
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アフリカ南部の国、ザンビアでは、抗レトロウイルス薬(ARV)が普及し、多くの人々がARVにアクセスしている。ザンビアに住むあるHIV陽性者の女性は、ARVにアクセスし、健康状態もある程度改善された。しかし、彼女にはもうひとつの悩みがある。もし彼女の夫にHIV感染の事実を知られれば、彼女は罵倒され、さらには離婚されてしまう恐れがあり、彼女はそのことをとても心配している。そのため彼女は、命をつなぐARVを夫に隠れて服用しているという。いつも薬を隠しているので、服用するのを忘れてしまうこともある。
国連合同エイズ計画(UNAIDS)によれば、世界中で3,320万人がHIVに感染しており、うち女性は1,540万人である。アフリカでは、成人女性の59-61%がHIVに感染している。女性の感染率の高さの要因のひとつに性暴力があり、それは治療の妨げの原因ともなっている。
先の女性のエピソードは、ニューヨークに本部のある国際人権NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)」によって記録された数多くのケースのひとつである。HRWは、こういった性暴力に手を打たなければ、ARV治療の無料提供に支障をきたすと警告した。「ザンビア政府が法改正や医療制度改革を行わなければ、多くのザンビア人女性が適正な治療を受けることが出来ず、健康と命を失うことになるだろう。」とHRWレポート作成者のナダ・アリ氏 Nada Ali は語る。
国連女性開発基金 The UN Development Fund for Women(UNIFEM) は、女性への暴力はあらゆる場所に起こりうる人権侵害のひとつであるとし、2007年11月、「女性への暴力にNOを“Say No to Violence Against Women”」キャンペーンを展開した。南部アフリカの活動家たちも、性暴力がHIV感染拡大と関連があると主張し、キリスト教女子青年会(YWCA)などのNGOも女性被害者のサポートにあたっている。
ザンビアには現在、性暴力を取り締まる法律がないため、政府は法整備に動いている。2005年には強制わいせつ行為とセクシュアル・ハラスメント、女性と子どもの人身売買を禁ずる法改正を行った。リーヴァイ・ムワナワサ Levy Patrick Mwanawasa ザンビア大統領もこれらの問題を憂慮していると声明を出し、性暴力を取り締まる条例を早期にまとめると約束している。
原題:Zambia: Gender Violence Hampers Aids Fight
日付:2008年5月1日
出典:allAfrica.com
URL: http://allafrica.com/stories/200805091088.html
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★ マラウィ:ARV治療で死亡率が激減
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国際保健の専門誌「ランセット」誌The Lancet が最新号で報じたところによると、アフリカ南東部のマラウィ共和国では、無料の抗レトロウイルス薬(ARV)治療により、エイズによる死亡率が著しく減少しているという。毎年エイズに関連する疾病によって、8万人もの死亡者を出してきたマラウィだが、2004年から2006年の間に8万人以上のHIV陽性者が、無料でARV治療を受けることができた。ロンドン大学衛生熱帯医学大学院 the London School of Hygiene and Tropical Medicine が、このプログラム導入の前後で死亡率を測定し、プログラムの有用性を調査した。
まず2002年当時、ARV治療が無料ではなかったマラウィ北部において、3万2千人の人口に対する死亡率調査が開始され、のちにARV治療のための診療所ができて8ヶ月後の2006年2月まで続けられた。その結果、成人死亡率は10%減少したが、これは診療所ができてからの8ヶ月間に死亡を免れた患者数に相等する。また、これまで最も高かった幹線道路付近での死亡率は35%減少した。調査陣は2002年に国勢調査を導入し、継続的に人口統計調査を監視するシステムを確立した。各集落の責任者を決め、彼らが住民の出生数、死亡数、移住数を報告できるよう訓練した。その記録は最新の国勢調査と照合しても大差がない。
マラウィでのARV治療の導入は今後も加速的に展開され、エイズによる死亡者数は、さらに減るだろうと関係者は期待している。
原題: UGANDA: Hard labour for HIV-positive IDPs
日付:9 May 2008
出典:health-e.org
URL: http://www.health-e.org.za/news/article.php?uid=20031952
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★ ウガンダ:生活苦にあえぐ北部出身の国内避難民たち
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アフリカ東部の内陸国、ウガンダの北部では、20年前から内戦が続いている。北部に在住していた46歳のメルア・アラニョさん Melua Alanyo は、北部の反政府勢力による略奪や強姦、殺戮から逃れて、首都カンパラから10kmほど離れた郊外にあるキレカKireka地区に移り住んだ。彼女は近くの山で石を切りだして生計をたてているが、最近ではエイズが発症したために体調が悪くなり、9人の子どもたちを養うのに十分な収入を得ることができていない。
キレカには、アラニョさんのように、ウガンダ北部からの戦火を逃れてきた国内避難民Internally Displaced People(IDP)のスラムが多くある。「難民法律プロジェクト」Refugee Law Project:RLPという組織の試算によると、キレカ地区には避難民がおよそ30-60万人はいるといわれている。カンパラに親戚がいるものはそのつてをたどり、身を寄せる親戚のいない人たちは、避難民のキャンプにとどまっているというのだ。自分の住居を追われ、地方のキャンプに住む人々は国内避難民と認定され、政府や非政府組織の援助を受けることができているが、カンパラに移住した人たちは難民集団としてのアイデンティティを保たずに都市の中に埋没してしまった状態になり、援助の対象となってこなかった。
ウガンダ北部でHIV陽性者の在宅ケアや生活援助を行っている「国際出会いの場」Meeting Point International(以下MPI)という非政府組織は、約1,000人のアチョリ人 Acholiが、キレカ地区に住んでいると推測している。どのくらい人々がHIVに感染しているかの公的な数字はないが、同組織によると毎週数百人の女性がMPIの集会所に集っているそうだ。今まで、MPIはWFO 世界食料機関 から提供される資金で、約300人のHIV陽性者らに抗レトロウイルス薬(ARV)治療のための金銭的援助や食糧支援を行ってきたが、昨今の穀物の高騰でWFOからの援助も停止し、活動が滞っている。
RLPの研究・広報部長のモーゼス・オケロ氏 Moses Okello は、国内避難民の間でアルコール依存症や薬物使用が蔓延し、性暴力や家庭内レイプによってHIV感染率が増加しつつあると述べた。しかし、ウガンダ政府内の難民対策担当大臣は、都市に住む難民の問題は認識しているが、特別に国内避難民に対象をしぼった援助プログラムをつくる予定はないと表明している。北部での内戦が静まりつつある中、もとの村に帰る人々も増えてきている。カンパラに住むアチョリ人たちもふるさとに帰りたがっているが、村で再び生活を立ち上げるための十分な貯えがない。RLPは、政府が国内避難民を対象とした再定住プログラムを立ち上げ、彼らが自分の村に帰るために必要な移動費用などを援助するべきだと強く主張している。
原題:UGANDA: Hard labour for HIV-positive IDPs
日付:1 May 2008
出典:IRIN plusnews
URL: http://www.plusnews.org/Report.aspx?ReportId=78011
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★ アフリカ:抗レトロウイルス治療による新たな課題=慢性疾患
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数年前、アフリカをはじめ、多くの途上国では、HIV感染によって、体重減少が著しく、死にいたる陽性者が多かったが、抗レトロウイルス薬(ARV)治療を受けるHIV陽性者が増えるにつれ、彼らの平均寿命が延びている。しかし、平均寿命が延びることによって、HIVを原因としない糖尿病や心臓病などの慢性疾患を発症するHIV陽性者数が増加している。
現在、南アフリカ共和国ではHIV陽性者の死因の中で、高血圧は第4位であり、糖尿病は、第6位である。ARVによってHIV陽性者の寿命が伸びることに関するデータは、最貧国では未だに十分に得られていない。一方で、先進国のデータによると、HIV陽性者の8%のみが、エイズに関連する疾病によって死亡していることが報告されている。
南アフリカHIV臨床医学会会長 the Southern African HIV Clinicians Society のフランソワ・ヴェンター医師 Dr Francois Venter によると「HIVは、長く付き合っていかなくてはならない病気になるだろう」という。HIV陽性者は加齢に伴う特定の病気になりやすい疾病になりやすいリスクが高いかもしれない。HIV陽性者が、そのような病気を陽性者ではない人よりも早く発症するということを裏付けるデータも報告されている。しかし、ヴェンター医師は、HIV陽性者が適度な運動し、栄養のある食事を摂り、ストレスを抱えないなどの注意を怠らなければ、質の高い生活を送りながら年を重ねることは可能だと楽観的だ。
ヴェンター医師は、彼の同僚の臨床医たちにHIV陽性者の肥満、喫煙や抑うつ症に特に注意するようにアドバイスしている。それに加えて、途上国のHIV陽性者の健康に影響を与える貧困や心のケアへの配慮も必要だという。ヴェンター医師は、ARV薬の副作用により、死亡率が上がるという「従来の考え方」を否定する。しかし、そのような考え方に対する答えはまだ出ていないと反論する臨床医もいる。
2008年1月のニューヨーク・タイムズ紙によると、アメリカにおいて命をつないでいる多くのHIV陽性者は、1990年代に使われていたARV薬の副反応などによる健康被害に苦しんでいると専門家は指摘する。デンマークのある研究によると、25歳の成人が、副反応の少ないと言われるARV薬を服薬した場合、そうでない場合と比べ、39年、長生きするという報告がされている。しかし、このような研究はアフリカでは行われていない。アフリカでは、貧困や、結核に代表される様々な日和見感染症などの環境要因が、HIV陽性者の寿命を縮めていると考えられている。
アフリカのHIV陽性者たちは、欧州や米国のHIV陽性者と比べ、かなり遅くARV治療を始めている。南アフリカでは、服薬治療を始める人のCD4(免疫システムの強さの指標)の数値は平均で80から100程度であるが、この数値が低いほど、短期的にはエイズ発症による病気、長期的にはエイズ発症とは関係のない病気の発症率を高める原因とされている。
これは、CD4の数値が低くなりすぎると、免疫システム及び内臓器官が元に修復することができないほどのダメージを受けてしまうからだ。内臓器官の機能が低下した場合、肝臓病、腎不全やガンなどを発症しやすくなる。先進国では、CD4の数値が350を下回ったらARV薬治療を開始する場合が多いが、南アフリカ共和国などでは、そのような指針は推奨されてはいない。
ただ、ARV治療が一般的になって来たにせよ、南アフリカ共和国では、サハラ以南アフリカの多くの諸国と同様に、HIV陽性者にとって一番懸念されることは、ARV薬を入手できず、病死するということである。HIV検査が十分に普及しておらず、多くの陽性者が、治療の前に死亡しているのが現状だ。
原題:AFRICA: Getting old on ARVs
日付:9 May 2008
出典:IRIN plusnews
URL: http://www.irinnews.org/Report.aspx?ReportId=78133
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★ 中国:静かな性意識革命とエイズ対策の変化
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これまで中国は伝統的に性に対して閉鎖的だったが、最近では性意識に大きな変化がみられ、特に都市部在住の高等教育を受けた人々の性意識は開放的になっている。これと平行して、HIV感染拡大が進行している。中国におけるHIV陽性者数は、2007年の時点で約70万人、2007年の新規感染件数は約5万件あった。陽性者の41%が異性との性交渉が原因であり、そして38%が薬物使用、11%が同性との性交渉、約10%が血液売買や血液製剤であった。性感染症の知識が浸透していないにもかかわらず、リベラルな性行動の増加と風俗店の増加が新規感染者増加の原因ともいわれる。
一方で、中国農村部、とりわけ河南省 Henanでは、経済的な理由で売血した百姓たちは感染した注射針の使い回しにより、HIV感染が拡大した。この事件は、エイズが政治課題となる契機となった。
先日、輸血でHIV感染した河北省出身のHIV陽性者とその家族の11名が、病院に対して救済を求めていたが、警察に拘留された。陽性者らは、温家宝首相が省南部の沙河市Shaheを訪問しており、政府関係者の注意をひくためにデモ行進をする予定だった。拘留された11名のうち8名は10日以上拘束されている。警察は彼らの容疑について「国家安全保障事件」と述べただけで詳細を公表していない。
このように、中国政府はエイズ問題を長年拒絶してきたが、最近では真剣に取り組んでいるという見方も広がっている。胡錦濤国家主席Hu Jintao、温家宝首相Wen Jiabaoや呉儀副首相Wu YiがHIV陽性者と会い、政府は国家予算を増やし、様々なエイズ関連プログラム:コンドームの使用教育、芸能人を使った活動紹介映像作成等−を支援している。その上、海外の資金提供者も受け入れるようになった。
また、中国政府はエイズに関する市民社会組織の活動を支持している。しかし、まだ組織数が不足していたり、リスクを伴う活動に対する安全保障などの法整備が課題になっている。
原題:Quiet sexual revolution forces Beijing to admit dangers of Aids
日付:2008/04/17
出典:Guardian(UK)
URL:http://www.guardian.co.uk/world/2008/apr/18/china.aids
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★ 韓国:ソウル市がHIV陽性者の身体障害者認定制度を提案:市民社会の反応は?
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韓国の首都、ソウル市の市役所報道官は2008年4月14日、HIV陽性者が各種の福祉メリットを受けられるように、彼らを身体障害者として認定する法案を保健福祉家族省 Ministry for Health, Welfare and Family Affairsに提出する予定であると発表した。
2007年12月末現在、韓国のHIV陽性者数は4,343人であり、うち約1,693人がソウル在住者であるという。
韓国では、HIV陽性者にとって金銭的困難と医療プライバシーが最も差し迫った問題となっている。多くのHIV陽性者らは、今回の法案により、国民健康保険の支払いだけは免除されることになる。ただ、それでも経済的な支援としては足らないという向きもある。また、免除を受けるためには、政府への申告が要件となるため、陽性者が過度に差別される風潮がある韓国では、申請をためらう陽性者も多いとみられる。調査によると、281人のHIV陽性者のうち47%が、定収入がなく、55%以上が1ヶ月500,000ウォン(52,181円)未満で生活しているという。
HIV陽性者は実質的な支援を必要としている。一方、差別・巣ティ熊の強さを考えれば、韓国保健福祉家族省がHIV陽性者を実質的に支援するためには、彼らを障害者として認定することなく支援する必要がある。
原題:Seoul City Seeks Recognition of AIDS Patients as Disabled
日付:2008/04/15
出典:THE KOREA TIMES
URL:http://www.koreatimes.co.kr/www/news/nation/2008/04/205_22530.html
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★ タイ:ジェネリック薬導入政策、途上国の必須医薬品アクセス拡大の突破口に
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タイはこの一年半にわたって、途上国で治療を必要とする人々に効果のある医薬品を届けるための方法論を世界に提示してきた。世界貿易機関WTOのTRIPS協定(知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)下での強制実施権の影響力は、開発系製薬企業にブランド薬の価格を下げさせるだけに留まらず、ジェネリック薬の市場価格を世界規模で下げさせることにも成功した。これにより、国内外を問わず多くのHIV陽性者が、必須医薬品にアクセスすることが可能になった。
しかしながら、このタイの行動が、製薬業界の利益を重視している欧米諸国から賞賛されるわけはなく、タイ政府は、強制実施権の発動を停止するよう圧力を受けている。2007年3月には、有力な開発系製薬企業のひとつであるアボット社が、強制実施権発動の対抗手段として、タイへの新薬の提供を中止するといった事件もあり、今年1月に発足した新政府は、これ以上、この問題に世界的な注目が集まることに懸念を示している。米国の製薬会社と米国政府は、タイに対して政策の再考を求めているが、実際に圧力をかけるといった行動にはでておらず、膠着状態である。当時の米国通商省の代表部はタイ政府の行動を容認していたが、2007年4月になって、タイは特許を違反しているとして監視リスト国名を書き込んだ。しかしながら、米国が制裁を加える可能性は今後も低いといえるだろう。
一方でタイ政府は、強制実施権の発動を公共セクターで使用する医薬品のみに限定することで、製薬企業の市場を守ろうとしている。薬価が下がっているとはいえ、民間セクターで使用する医薬品はジェネリック薬の独占が続いているためである。タイ政府が強制実施権を発動して以降、先進国も含む多くの国が多くの医薬品について強制実施権の発動を行っている。あらゆる地域の、様々な医薬品について、タイの強制実施権行使は画期的な突破口となったといえるだろう。
(参考記事)
·2007年7月23日発行グローバル・エイズ・アップデイト
「メルク社が特許取得のエイズ治療薬の価格を引き下げ」
http://blog.livedoor.jp/ajf/archives/50951783.html
·2007年4月30日発行グローバル・エイズ・アップデイト
「MSF、アボット社のタイにおける新薬の販売停止を非難」
http://blog.livedoor.jp/ajf/archives/50906023.html
·2007年01月19日発行グローバル・エイズ・アップデイト
「タイ政府、エイズ治療薬への強制実施権を発動、自国内生産へ」
http://blog.livedoor.jp/ajf/archives/50838262.html
原題:Thailand Lowers Medicine Prices; Faces U.S./E.U. Pressure
日付:2008/4/15
出典:Essential Action's Global Access to Medicines Bulletin Issue
URL:http://salsa.democracyinaction.org/o/1678/t/5144/signUp.jsp?key=2959
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★ アフガニスタン:大規模なコンドーム配布プロジェクトで性感染症と家族計画対策
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2008年、アフガニスタンでは数百万個のコンドームが国内で配布される予定だ。支援団体と同国公衆衛生省によると、コンドームの配布の目的は、性感染症と妊産婦死亡率の低下、家族計画の改善であるという。
この数百万個のコンドームは、国際的な支援団体によって購入されアフガニスタンに運ばれている。これらのコンドームは、同国内の保健施設、民営の薬局、または一般的な商店で無料配布もしくは人々が購入できる価格(1個米ドルで2セント)での販売になる。
アフガニスタン公衆衛生省によると、約300万個のコンドームを国連人口基金(UNFPA)を含む支援団体から受け取り、これらの全てが無料で配布されるという。イギリスの家族計画支援団体であるマリー・ストープス・インターナショナル Marie Stopes International (MSI) は、250万個のコンドームを補助金による低価格で地域市場に供給する。
MSIアフガニスタン プログラム責任者であるファーハド・ジャビド氏 Farhad Javidは、「(コンドームに対する)多くのアフガニスタン人の態度は、変化しつつあり、コンドーム使用は増加しつつある」という。また、同氏はこの傾向を歓迎しつつも、コンドームに対する人々の理解を深めるためのより一層の努力が大切であるという。アフガニスタン公衆衛生省の報道担当者、アブドゥッラー・ファヒーム氏 Abdullah Fahim は、「私たち(公衆衛生省)はアフガニスタンにおけるいくつかの公衆衛生目標を達成するため、コンドームの普及に努めている」と述べている。
アフガニスタンでは、過去6年間の間にコンドームの使用は着実に増加しており、特に、都市部でその傾向が著しいという。前の政権であるターリバーンの支配時代やそれ以前は、コンドームやセックスについて語ることはタブーであり、公の場で取り上げられることはほとんど禁止されていた。
アフガニスタンにおけるHIV陽性者数は明らかではないが、同国公衆衛生省の推計によると少なくとも3,000人が感染している可能性があるとしている。これらの感染者のほとんどがHIV検査を受けておらず、エイズに関する十分な知識を持っていないという。
また、国連児童基金(ユニセフ)によると、アフガニスタンでは、少なくとも2人の女性が毎時間ごとに妊娠・分娩時の難産により、命を落としているという。これは、10万人中1,600人が亡くなっているという計算になる。この妊婦死亡率は、内戦により疲弊したアフリカ西部の国シェラ・レオーネに次ぐものである。
アフガニスタン公衆衛生省によると、この高い妊婦死亡率の原因には、保健施設へのアクセスの悪さ、栄養不足、早期の結婚や多くの妊娠回数が挙げられている。
同国公衆衛生省母子保健部部長、ハミダ・エバーディー氏 Hamida Ebadi は、「もし女性たちの妊娠を毎2年に一度の妊娠に減らすことができれば、現在の妊産婦死亡率を下げることができる」といい、コンドームは効果的かつ信頼度の高い避妊用具として一役買ってくれるのではないかと期待を寄せている。
同氏は、「イスラーム法でも、女性が妊娠してから、再び妊娠するまでの間には一定の期間がなくてはならないと書かれている」という。同国公衆衛生省と支援団体は、コンドームの他にも経口避妊薬、避妊注射や膣内挿入避妊具などの避妊用具を予定外の妊娠の防止や他の病気等のリスクを低下させるために供給していくという。
前述のMSIによると、コンドームは家族計画や人口増加抑制のために大切な手段である。同国の支援団体の推計によると、平均的なアフガニスタン女性は一生の間に7−8回の妊娠を経験し、ほとんどの女性が18歳前に結婚するという。MSIによると、「アフガニスタンの現在の年間人口成長率3.5%が続くと、2050年には人口が、6,500万人以上になるだろう」と考えられている。
原題:AFGHANISTAN: Can condoms fulfil multiple expectations?
日付:6 May 2008
出典:plusnews
URL:http://www.plusnews.org/Report.aspx?ReportId=78063
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★ 気候変動がHIV/AIDSに与える影響
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気候変動が途上国のHIV感染拡大に拍車をかける新たな脅威となっているという。
健康と人権問題の関係について研究しているダニエル・タラントラ教授Daniel Tarantolaは、地球温暖化などの気候変動が深刻化することで、途上国のHIV陽性者たちがより厳しい状況に追いやられることになると警告している。差別や不平等、基本的社会サービスの欠如が、HIV陽性者を脆弱な状態にしてしまうことは既に明らかとなっているのだが、気候変動もその一要因になるというのだ。もし温暖化によって世界経済が停滞し、食糧事情が悪化すれば、途上国社会は経済的圧迫を受けることとなり、政府をはじめ社会全体が、エイズ対策のような感染症の対応に無防備になり、それに伴い、HIV陽性者の健康状態はさらに悪化し、様々な病気を併発すれば、感染者の死亡率が高まることは避けられない、というのがタラントラ教授の説である。
2008年4月に「エイズ・ワクチンの完成には少なくともあと10年、長ければ20年かかる」と、米国と英国を代表する科学者たちが予測を発表した。教授は「現状はとても深刻な事態である。コンドームなど科学的効果が証明されている確実な方法で感染を予防しつつ、マイクロビサイドなどの新規予防分野のさらなる開発を継続することが重要だ。」と話している。
原題:Global warming set to fan the HIV fire
日付:2008/04/29
出典:The Age (Australia)
URL: http://news.theage.com.au/global-warming-set-to-fan-the-hiv-fire/20080430-29eh.html
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★編集後記
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6月になりました!6月と言えば。。結婚式ですね。世間一般でいう適齢期の編集員Wは、友人の結婚式参列に忙しいです。。。とほほー。
今日銀座を歩いていたら、二次会帰りらしき人がいっぱい歩いていましたよ!ドレスアップをしているからわかるんですよね。
ご祝儀ビンボーの日々は続きそうですが、お祝いの席はやはり楽しいものです。
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