(GAU92号)急がれる女性主体の新規HIV予防技術:マイクロビサイド臨床試験がまた失敗
発行日時: 2008/4/6----------------------
★「第92号」目次
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地域情報
● アフリカ
1. 南アフリカ共和国:国の新HIVガイドラインに市民社会から批判
2. ナミビア:洪水による非常事態宣言発令
3. 南アフリカ共和国:マイクロビサイドの臨床試験が失敗
4. 南アフリカ:エイズ治療薬納入の入札に市民団体が異議・提言
5.ケニアにおける騒乱と性暴力:HIV/AIDSとの関係
● アジア・太平洋
1.タイ: 新政権の医薬品特許の強制実施権発動撤回案に議会が大反対
2.アジア・太平洋地域:HIV/AIDS対策、予防は出遅れるも、ケアは進展
● 中東
エジプト:HIV陽性者逮捕は人権侵害、アムネスティらが抗議
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★ 南アフリカ共和国:国の新HIVガイドラインに市民社会から批判
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南アフリカ共和国では毎年60,000人を超える新生児がHIVに感染しているという。この問題に対し、南ア保健省は1月25日に新しいHIV母子感染予防ガイドラインを発表したが、南アフリカでHIV政策の改善とHIV陽性者の権利拡大に取り組む当事者団体「治療行動キャンペーン」 The Treatment Action Campaign (TAC)は、同ガイドラインにはWHOの推奨する対策が十分に含まれていないとして、批判的な姿勢であることを表明した。
新ガイドラインでは、HIV陽性の妊婦はすべて2種類の薬剤治療(妊娠28週目以降のAZT短期投与および分娩中のネビラピン錠投与)を受けるべきであり、生まれた新生児に対してはネビラピン・シロップ剤の単回投与および7日間のAZT投与を実施することとされている。また、新ガイドラインは妊婦検診を受けるすべての妊婦に対して原則としてHIV検査を行い、そしてHIV陽性の母親から生まれた新生児に対しては生後6週および18ヶ月にHIVスクリーニング検査の実施を推奨しているというものである。
しかしこのガイドラインには不備な点がいくつかある、とTACは主張する。このガイドラインは、長期間の抗レトロウイルス治療の開始基準に変化を加えておらず、HIV陽性の妊婦に対する治療開始は、妊婦のCD4値(免疫の強さの指標)が200にまで下がったときとしている。このCD4はHIV/AIDSの病状の進行に従って低くなるのであるが、新ガイドラインの作成に関与した専門家委員会の答申は、妊婦の場合CD4値が350になったら治療を開始すべきとしていたTACは、今回のガイドラインが妊産婦のHIV治療開始基準を変えなかったことに対して、遺憾の意を表している。
また新ガイドラインには、2006年にWHOが提唱した、ネビラピン耐性を示す妊婦への耐性予防用の別の薬剤投与(分娩後1週間のAZT+ラミブジン投与)が含まれていない。南ア保健省は、普段から、ネビラピン耐性を示す女性の存在について懸念を表明していたにもかかわらず、これの防止策をガイドラインに加えなかった。新ガイドライン作成に助言したHIV小児科医もこの耐性予防用の薬剤投与を強く推奨しているため、ガイドラインに含めるべきだったとTACは語っている。これに対して南ア保健省の広報局は、今回の決定は現段階での科学的根拠に基づいているものであると釈明し、今後より明確な科学的な証拠が出てくれば、分娩後1週間のAZT+ラミブジン投与を含めることも考慮するとしている。
新ガイドライン実施には、2009年まで2810万ランド(約4億5000万円)の費用が見込まれている。
原題:SOUTH AFRICA: TAC Gives Cautious Welcome to State's HIV Guidelines
出典:allAfrica.com
日付:2008 年1月31日
URL:http://allafrica.com/stories/200801310198.html
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★ ナミビア:洪水による非常事態宣言発令
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3月4日、アフリカ南西部に位置するナミビア共和国で、ヒフィケプニェ・ポハンバ大統領が同国北部および北東部での洪水による非常事態宣言を発令した。首都ウィントフックの大統領公邸で開かれた記者会見では「この非常事態に対する必要な介入策を緊急に講じる必要がある」と述べた。
被害の中心は、アンゴラ国境沿いの小さなオハングウェナ州、隣接するオシャナ州とオムサティ州で、数千人の人々が家を失い、零細農業者が家畜約25,000頭を奪われ、学校も17ヶ所流された。ポハンバ大統領は、ナミビア国民のための毛布や食糧、テントなどの短期的な緊急支援、さらに橋梁、学校、医療機関などの再建といった長期的支援の要請を国際社会へ訴えるため、非常事態宣言を発令した。「それ以外に国民の生活を守る方法がなかった」と説明している。政府の危機管理ユニットはすでに支援策を調整するよう指示を受けており、その業務支援のための人員も招聘されている。
ポハンバ大統領の「非常事態」という表現どおり、現在ナミビア国民が瀕しているのはまさに未曾有の危機である。避難所となっているオングウェディヴァの見本市会場とオシャカティのサッカースタジアムは衛生的に問題があり、疾病や感染症の発生が危惧されていることに加え、避難所生活を送る人々は、プライバシーのなさ、トイレに並ぶ長い列、子ども間の病気の広まりに不安と不満を抱えているという。今後の見通しも暗い。洪水で崩壊した土壌により広い範囲での不作が懸念されており、自給自足農業に頼り切っているコミュニティに悪影響を及ぼすことになるだろうし、もともと旱魃で弱っていた荷車用家畜もいなくなってしまったため、多くの零細農業者の耕作地はおよそ半分にまで減っている。この被害から予想される広範囲の飢饉を防ぐためには大量の穀物援助要請が必要となるのだ。
さらにオシャナ州やオシコト州では最近軍事行動が勃発し、作物や牧草地、放牧に大きな脅威を与えている。そのほかにも、民間セクターが2週間前に緊急洪水基金を立ち上げたが、アンゴラの方向から再び洪水が押し寄せており、さらに大量の降雨との予報もある。「すでに絶望的な状況からさらに追い討ちをかけられてしまいそうだ」と大統領は嘆いている。
原題:Flood Emergency Declared The Namibian (Windhoek)
出典:allAfrica.com
日付:2008 年3月5日
URL:http://allafrica.com/stories/200803050178.html
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★ 南アフリカ共和国:マイクロビサイドの臨床試験が失敗
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2007年に南アフリカ共和国で6,200人を対象に行われた、抗HIV用マイクロビサイドの大規模臨床試験は、十分な成果を上げられず失敗に終わった。。本試験では対象者の女性の半数に、ジェル状のマイクロビサイド、キャラガード Carraguard を、もう半数に、見た目も形状も同質な偽薬を投与した。HIV陽性者には134名にキャラガード、151名に偽薬が与えられた。しかし、その効果には差が認められなかった。研究者らは失敗の原因を追究している。
これまでのマイクロビサイドに関する臨床試験は、その効果がないことにくわえ、試験途中で、HIV感染の可能性が増大することが判明したため、中止に追い込まれていたが、本試験は全日程を終了した初の試験である。安全性については問題がなかったため、このキャラガードに抗ウイルス剤を加えて今後の試験に再利用する可能性もある。
本試験はビル&メリンダ・ゲイツ財団 Bill & Melinda Gates Foundation と米国国際開発庁 USAIDが資金提供をし、ニューヨークに本部を置くNGO「人口評議会」Population Councilが実施した。ゲイツ財団、USAID、人口評議会とも、マイクロビサイドの開発に多額の費用を投入しており、膣または肛門に挿入するだけでHIV感染可能性を抑制できるジェルまたはクリームの開発を長期目標に掲げている。アフリカでは女性が性交時のコンドーム使用を男性に要求することは難しく、女性主導のHIV予防手段の開発が急務であるために今回の実験は非常に残念な結果になった。
2000年に試験が実施されたノノキシノール9Nonoxynol-9 は、試験管でHIV感染に効果があると実証されたが臨床試験では感染を増大させることが判明、また2007年1月に実施された「スルホン酸セルロース」cellulose sulfate の試験でも初期分析の段階でHIV感染リスクが増大することが分かり、同年7月のアフリカでの3年にわたる「ディアフラム」 Diahragmの試験でも、HIV感染予防には効果がないことが照明された。2週間前に実施された性器ヘルペス用の薬アシクロビル acyclovir による実験では男性とセックスをする男性とアフリカの女性のHIV感染リスクを減少されるのではないかと期待されたが、その効果は認められなかった。
本試験では、女性が定期的にキャラガードを使用できないため、すでに試験そのものが失敗するのではないかと予測されていた。参加者はキャラガードと偽薬のどちらが投与されていたかは知らされていない。また参加者にはコンドームも配布されたが、コンドーム使用の有無が今回の結果にどのような影響を与えているか今後検討する必要がある。
キャラガードは、1994年に利用可能なマイクロビサイドの候補として開発され、小規模な実験を通し、安全で女性に優しいものとして考えられていた。また、アフリカの高温な生活環境でも最低4年間の保存が可能である。そのため、キャラガードと他の抗HIV薬とを併用することで、どんな効果を上げられるか、現在調査中である。
原題:Anti-HIV gel for women fails in African trial
日付:Monday, February 18, 2008
出典:San Francisco Chronicle website
URL:http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?file=/c/a/2008/02/19/MNH9V2LUT.DTL
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★ 南アフリカ:エイズ治療薬納入の入札に市民団体が異議・提言
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2007年秋、南アフリカ共和国保健省が行った抗レトロウイルス薬(ARV)に関する入札に問題があったと市民団体が告発している。2007年9月、南ア保健省が行った、政府のARVプログラムへの治療薬供給に関する入札は、現在の抗レトロウィルス薬(ARV)契約の期限が切れるわずか数日前であった。エイズの専門家や活動家らは、どの薬を含めるかについての決定などがほとんど協議されていない、と問題を提起している。
2007年9月に2008年の入札について勧告を提出したエイズ法律プロジェクトAIDS Law
Project(ALP)の上級研究員ジョナサン・バーガーJonathan Berger氏は、ジョハネスバーグで行われた南部アフリカHIV臨床医学者学会Southern African HIV Clinicians Societyで次のように述べている。「入札の内容はあっさりとしたものだった。多くの勧告が、無視されるか、もみ消されるかしたのだ。このプロセスは、透明性や関与が欠如している。入札に関する決定はもっと開かれた形で行われるべきで、現在よりも入念に検討された入札にするために、本来、専門知識も利用できたはずだ。」
ARVの入札は製薬会社によって大きなビジネスである。南アフリカは世界で最もHIV感染者が多く、現在公的機関からARVを受け取っている患者数は40万人にのぼり、この数値は数年以内に2倍以上になると見られている。
政府は2004年4月のARVプログラムを開始する2ヶ月前に、前回の提供者に対する入札を呼びかけていた。しかし実際に提供者が決まったのは1年以上あとだった。
2004年の入札は3年契約で、その間政府は同じ薬価を支払い続けた。実際には、新しいARVが市場に導入されるのに伴い、古い治療薬の値段が下がり、ネビラピンのような治療薬は本来、安価に買えるようになったはずであった。しかし、南ア政府は薬価の改定をせず、2007年末までにネビラピンのような第一選択薬に対して、民間セクターの約2倍もの値段を支払っていた。
エイズ法律プロジェクトは2007年9月、次回の入札者は18ヶ月間のみの契約とし、政府に価格低下や、今後開発される新薬を入手可能にするべきだと勧告した。しかし実際の新しい入札は、2008年6月から2年契約で、政府はその間市場に現れる新しい、より効果的な、あるいはより安価な薬の調達はできないというものだった。
2004年の入札では、南アフリカの監督機関である薬物管理協議会Medicines Control Council (MCC)に登録を申請した薬を提供できるよう製薬会社に認めていた。しかしながら新しい入札では現在の入札契約が切れる3月20日までにMCCの承認が完了していない薬を提供することは禁止された。
原題:SOUTH AFRICA: Question marks over ARV tender
出典:PlusNews
日付:2008 年2月29日
URL:http://www.plusnews.org/Report.aspx?ReportId=77052
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★ ケニアにおける騒乱と性暴力:HIV/AIDSとの関係
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2007年末にケニア共和国で行われた大統領選挙に端を発する混乱と政治不安は、一般の人々に大きな被害を残した。以下は、ナイロビのスラム地域に在住していた女性の証言である。
ヴェロニカ・ワンゲシVeronica Wangeciさん(35歳)は、息子と一緒にナイロビ北東部のマザレ・スラム Mathareに17年間住んでいた。2007年12月のケニア大統領選挙に続く混乱で、彼女はその家を追い出されてしまう。彼女は、それから彼女が被った性的虐待について語ってくれた。
「(2008年)1月の初めの日に、2人づれの男が来て家を出て行かないと切り刻んでやると脅しました。私は息子と一緒に家を出て、友達のところで2日間過ごしました。そして自分の荷物がどうなっているか確認しに家に帰ってみることにしたのです。」
「私がマタトゥ(ミニバス)を降りたのは午後3時ごろでした。バス停には若者の集団以外は誰もおらず、その若者の中には武器を持った者もいました。私は見覚えのある2人の男に行く手を阻まれました。彼らはキオスクの方に私を押していき、なぜわざわざ戻ってきたのか尋ねました。」
「1人の男が私の服を引っ張り、脱ぐように言いました。さもないと持っている斧で切り刻むと脅され、私は恐ろしくなってブラウスを脱ぎました。彼はスカート、パンティ、ブラジャーを破り捨てました。もう一人は私をののしり、笑っていました。放してと訴えても、彼らはそのまま続けました。」
「彼はそれから私を地面に押し倒してレイプしました。もう1人の男は見ていましたが、突然警察の車が近づいてくるのに気がつき、それから2人とも走り去ったのです。」
「私は病院には行かないことにしました。高くつくし、私にはお金がなかったからです。私の友人はもう私達を泊めておけなくなっていたので、(ナイロビの別のスラムである)フルマHurumaのチーフのキャンプに行きました。」
「私はこのキャンプ地区によく現れる男性と知り合いになり、一緒に住もうと誘われました。でも彼は次第に私を虐待しはじめたのです。彼はいつでも彼が好きなときにセックスするように強要し、私が拒否すると暴力を振るい、決してコンドームは使いません。最近になって彼は、自分の家にこれ以上難民と一緒に住むことはできないと言いました。。私は今再び避難場所を求めてチーフのキャンプにいます。」
この事例が示すように、アフリカでは政治紛争や内戦などにおいて、女性への暴力が大きな問題として存在してきた。そのことと、HIV感染の拡大とは、大きな関係があるということが出来る。
原題:Veronica Wangeci: "He pushed me to the ground and raped me"
出典:PlusNews
日付:2008 年2月28日
URL:http://www.plusnews.org/report.aspx?ReportID=77026
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★タイ: 新政権の医薬品特許の強制実施権発動撤回案に議会が大反対
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タイでは、数年間の軍政ののち、この2月から、新愛国党のサマック党首を首班とする内閣が組織され、民政移管が実現した。タイは保健医療については途上国の中で優位な実績を残しており、HIV治療薬についても、早期からの導入を行ってきた。全ての人に治療薬を届けるため、治療薬の国内生産についても多大な労力を払ってきた。2007年には、世界貿易機関 WTOの貿易関連知的所有権協定(TRIPs)の柔軟性を利用し、HIV治療薬及び他の疾病の治療薬の一部について、強制実施権を発動して国内製造や、周辺の、治療薬の価格が安価な国からの輸入を行ってきた。しかし、サマック政権になって、この動きにブレーキがかかってきている。
タイの公衆衛生大臣は国会で、特許権を保持する薬剤に対する強制実施権の発動 Compulsory licensing を撤回するという提案が議会の反対に遭っている。反対を表明しているタイ民主党代表は、強制実施権拡大の流れに逆行するような提案は不適切であると述べ、巨大製薬会社や取引相手に対する国家の交渉能力を低下させると指摘する。また、タイ国民立法議会 National Legislative Assembly は公衆衛生大臣の特許権に対する姿勢に疑問を投げかけ、この件に関する政府の姿勢を首相に問いただした。
政府の強制実施権活用政策は以下の3原則からなっている。 1)薬へアクセスする患者の権利、2)国際貿易法に沿った方策と一般市民の健康を守るための合意に基づく国家の権利、3)タイ国の薬剤に対する特許問題に問題を抱える取引相手との迅速な交渉、である。
公衆衛生省広報担当官は、「大臣の提案は4種類の抗がん剤のみを指しており、抗HIV薬2種(エファビレンツ Efavirenz 、カレトラ Kaletra )および抗血小板薬(プラビックス Plavix )の計3種類には強制実施権を認め、安価な薬剤を提供できるだろう」と述べており、強制実施権の見直しは政府の施策をより透明なものにするとともに、陽性者の利益を中心に置くためにすることを目的としている。外務省、商務省、公衆衛生省の事務次官は前公衆衛生大臣とこの件について協議しており、各大臣に提言をすることを期待されている。
タイ産業同盟 the Federation of Thai Industries は政府に強制実施権発動の継続を求めている。理事長であるノイチャイブーン氏 Kiatphong Noichaiboonは、「強制許諾は国際貿易や海外からタイへ支払われる関税とは関係がなく、現状を改める必要はない」と述べている。タイ・エイズNGOネットワークも強制許諾撤回に反対の立場の表明している。
原題:Minister underattack for plan to reverse CL
日付:February 19, 2008
出典:Bangkok Post
URL:http://www.bangkokpost.com/News/19Feb2008_news12.php
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★アジア・太平洋地域:HIV/AIDS対策、予防は出遅れるも、ケアは進展
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アジア地域での近年の感染トレンドの変化が徐々に明らかになりつつある。治療アクセスの拡大や予防対策については出遅れている一方で、ケア・サポートについては、ある程度拡大しているという。
インドネシアでは、若い女性のHIV/AIDSへの感染経路の多くは、静脈注射による麻薬の使用によるもの、および、セックスの際にコンドームを使わない夫からの感染だ。専門家によると、インドネシアのHIV/AIDS患者の90%以上が静脈注射による薬物の使用者であり、コンドームを使用する男性は10%に満たないという。
また、インドネシアの人にはコンドームの使用が性の乱れを促進するという認識が強く、使用する人は少ない。
香港では、HIV/AIDSのパートナーシップパターンは変化しているという。香港で、注射針の交換やクリニックによる医療の提供など、薬物使用者におけるHIV/AIDS対策を実施している、中分大学の公衆衛生学教授、S.S. リー氏 S.S. Leeによれば、以前はビーチやバーでパートナーと出会っていたが、現在はインターネットを通じ都市や国を越えた出会いがあるため、以前よりも多くのパートナーに対し疾病が広がっているのだという。
ハワイでは、防疫官や患者らは、注射針の交換や迅速な検査、薬物治療などを積極的に行っているため、ハワイはHIV/AIDSの発見や治療に最適な場所だと話す。しかし、感染しているまたは感染しているかどうか不明な入国者がこの島で性行為を行えば、公衆衛生上、大きなリスクを抱えることになってしまう。
ハワイの最も古く最大のHIV/AIDS機構である、ライフ基金the Life Foundationのメラニー・ムーア氏は、次のように述べた。「我々はインターネットをセーフセックスにおける問題として捉えてきました。」
ベトナムは、米国の「大統領エイズ救済緊急計画」PEPFARのアジアで唯一の対象国であり、多くの資金援助を受けている、ハワイからも技術協力が提供されている。ハワイ大学のAIDS研究の権威、セシリア・シクマ教授Dr.Cecilia Shikumaによれば、抗レトロウイルス療法の拡大やHIVへの援助が必要だと指定されたアジア15カ国のうち、実際に援助を受けているのはベトナムだけだ。昨年シクマ教授はハノイの病院へ出向き、HIV治療プログラムのトレーニングを行うため、ベトナム軍の医師団をハワイへ招聘した。今年ホーチミン市に、トレーニングを受けた軍医師団を擁するHIV治療病院がオープンする。
ハノイのHIV/AIDSセンター2HIV AIDS Center 2は1992年から、薬物中毒者や売春婦、子ども、孤児、日和見感染者などに対する検査と治療を行ってきた。ヌグイェン・シ・フオンNguyen Thi Phuongセンター長によれば、このセンターの収容人数は300から1,000に増大した。抗レトロウイルス治療(ARV)薬は、アメリカや国際組織から得ているのだが、不足しているため全ての患者に行き渡るわけではなく、多くは苦痛緩和療法を行うことしかできない。世界保健機関(WHO)のハノイ事務所に所属する、HIV/AIDSシニアアドバイザーの藤田正美医師によれば、薬物乱用者やセックスワーカーとそのパートナーの間で、ウイルス感染者が急速に増加しているという。2000年、ベトナムでの症例は、前年122,000件から倍以上の280,000件にまで増加した。
ベトナムではHIV/AIDSに対する政治的関与や国際サービスの増加、ホモセクシュアルの人々に対する「新たな政策」など、「態度の変化」が起こっているという。
ホーチミン市(旧サイゴン)では、2001年に聖パウロ修道会が感染者のケアに特化したHIV/AIDSセンターを設立した。アメリカとアジアから健康ジャーナリストが訪問した際、症状が深刻化している5歳から13歳の14名の子どもと14名の大人の患者がいた。
「患者が生きる限り、自然な生活を送るべきだというのが我々の哲学です。」シスタートゥエ・リンSister Tue Linは話す。「在宅ケアであれば我々の哲学を実現できると考え、当初はその方法を取っていました。ベストを尽くしましたが、うまくいかなかったため、この方法を取ることにしたんです。」
人々はこの病気と薬物中毒や売春を結び付けようとする。「それだけではない、一般の人々にも関係があるということを伝えるため、必死で努力しています。」ホーチミン市の健康保健サービスの副代表であり、HIV専門家でもある、トゥルオング・ジアン博士Dr. Le Truong Giangによると、ホーチミンでは1990年に初の症例が疑われ、その後ヘロイン系の薬物使用者の間で広まっていったのだが、「多くの教育と蔓延の縮小キャンペーンのおかげで」急速にコントロールされた。
ベトナム文化の中で同性愛は社会的に認識されていないため、ゲイの人口がどれほど多いのか誰にもわからない、と博士は言う。「10万人と言う人もいれば、15万人と言う人もいる。我々には知りようがない。」
ジアン氏は、ホーチミン市の同性愛者のために、「ブルースカイクラブ」を設立した。現在1000名の会員がいる。コンドームを広報するバンやモバイルクリニックに無償で提供し、無料の検査や治療、同等教育、清潔な針、コンドームなどを提供している。しかし、針の交換プログラムは1993年に開始したのだが、何年間も支援者は現れなかったという。
香港中分大学のS.S.リー氏によれば、中国では65万人がHIVに感染していると推定され、2010までに何百万人もが感染すると予想される。「中国は巨大な変化に直面しているが、良質で効果的な健康保健システムが欠落している。」
HIV治療がメタドン(ヘロイン中毒の治療薬)のポリシーと同一水準に達するまでに10年を要しており、一日に約7,000名が都市部の20のクリニックでメタドンを得ている。
7〜8年前、彼は中国の駅へのコンドームの自動販売機の設置に寄与したが、香港ではなかったという。「西の人々は保守的です。」
中国のHIV/AIDS対策予算は、10年前の2000万ドルから1億ドルへ増えた。予算の増加によってこの国は、HIV、結核、マラリアと闘うことができるようになったと彼は話す。「今がチャンスです。」
1990年に開始した針の交換プログラムと、1996年に抗レトロウイルス薬が手に入るようになったことは、ハワイのHIV/AIDS感染者の状況を大きく改善した。
注射針の交換は、薬物使用者間の感染率だけでなく、パートナーや赤ちゃんの間の感染率も低下させた。HIVに感染した人々は、治療薬のおかげで、AIDSを発症することことなく、生きながらえることができるようになった。2001年に106件だったAIDS症例は、2005年に68件にまで減少した。
1983年にAIDSの報告が開始されて以来、HIV/AIDS調査プログラムには、6月30日までに2975件の報告があった。2006年7月から2007年6月30日までに報告された89件のうち、80件が男性で、残り9件が女性となっている。この調査結果から、ハワイでは男性とセックスをする男性がHIV/AIDSに対し最もリスクのある集団であると考えられる。2003年から2006年の間、AIDSに感染した子どもはいなかった。ハワイの保健局は、米疾病予防・管理センター CDC に推奨される、氏名ベースのHIV報告を必要とする管理規定の策定に向けてへの変更を行っている。
原題:HIV/AIDS Social stigma stifles some prevention efforts, but patient care is improving
日付:Monday, January 28, 2008
出典:Star bulletin website
URL:http://starbulletin.com/2008/01/28/news/story03.html
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★エジプト:HIV陽性者逮捕は人権侵害、アムネスティらが抗議
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アムネスティ・インターナショナルとヒューマンライツ・ウォッチの共同声明によると、エジプトのカイロ市警察は2007年10月、HIV陽性が疑われる4名以上の男性を逮捕した。理由は、公衆の保健を危険にさらし、人的な被害を生じさせかねないということであった。
逮捕の波は、2007年10月、カイロ中心部の路上での男性2人の喧嘩に警察が介入したことから始まった。そのうちの一人が警官に対し、HIVに陽性であることを話したところ、警察はただちに両者を道徳警察へ連行し、同性愛者であるか調査を行った。警察は拷問により、彼らの友人の名前と性行為の有無を聞き出したのだ。2人は警察の書いた調書へのサインを拒むと、警官に暴行を受けたと弁護士に話している。鉄製の机に拘束され、就寝時も床に放置された状態で、道徳警察に4日間拘留されたというのだ。警察はその後、彼ら2人に対し、同性愛者同士で性行為を行ったことを「証明」するため、肛門検査も行った。このような同性愛の「証拠」を探す強制的な検査は、医学的に誤った行為であるだけではなく、拷問であるといえる。
警察はその後、最初の2名の逮捕者が持っていた写真や電話番号から、更に2名の男性を逮捕した。4名全員に対し、同意を得ることなく強制的にHIV検査を行った。男性同性愛者同士の性行為を罰するかどうか、検察官の決定が保留となっているため、いまだに全員が拘留されている。報道によれば、HIV陽性である最初の2名の逮捕者は、今もなお手足をベッドの拘束された状態で病院に収容されている。
検察官はHIV検査結果が陽性であったある男性に対し、「君のような人間は焼き殺されるべきだ。生きている価値がない。」と吐き捨てるように言ったという。
HIV陽性の可能性がある人々に対する警察の取り締まり強化中に逮捕された男性は12名に上る。4名は既に1年の禁固を言い渡されており、8名は拘留中である。アムネスティとヒューマンライツ・ウォッチは、エジプト当局に対し、国家のHIV/AIDS予防努力にこれ以上のダメージを与えないよう、基本的人権の尊重と早急な釈放を要請した。
「エジプト政府当局は、同性愛者の人々に対して、不当な法律を適用することで、HIV陽性者の人権を侵害しています。」ヒューマンライツ・ウォッチのヒューマンライツプログラム擁護者のレベッカ・スクレイファー氏Rebecca Schleiferは述べる。「さらに、エジプト政府は、HIV感染予防や治療に関する情報アクセスを妨げることで、公衆保健全体に脅威を与えているのです。」
「恣意的な法の運用による逮捕、HIV感染検査の強制、そして肉体的虐待は、拷問や虐待が罪に問われず、刑事免責として歓迎されるエジプトの刑事裁判システムに、もう一つ不名誉な記録を追加したにすぎない。」とアムネスティ・インターナショナルの中東・北アフリカプログラムの副ディレクター、ハッシバ・ハッジ-サラウイ氏Hassiba Hadj-Sahraouiは憤る。
合意の上での成人男性同士のセックスを罰することは、個人のプライバシーや自主性を守り、尊重するという国際人権法の基本に反しており、エジプト社会のルールにも違反するものである。HIVの状態を基に人を拘束し、同意なしにHIV検査を行うことを目的とした第9条の使用は、国際的保護を脅かすものであり、恣意的な逮捕の禁止にも違反する。アムネスティ・インターナショナルは、成人がプライベートで合意の上に同性間のセックスを行ったことを原因として個人を拘束することは深刻な人権侵害であり、一刻も早く無条件に釈放されるべきであるとしている。さらに、エジプトに対し、全ての裁判官に対しHIVに関連した国際人権標準に関する教育を受けさせること、同意なしに抑留者に対し検査を行うことをやめるよう要請している。
ヒューマンライツ・ウォッチの詳細な報告については、以下をご参照ください。
http://hrw.org/english/docs/2008/02/05/egypt17972.htm
2004年3月のヒューマンライツ・ウォッチのレポート「拷問の時代:エジプトのホモセクシュアルに対する弾圧に基づく正当化された暴行」は以下をご参照ください。
http://hrw.org/reports/2004/egypt0304/
原題: Egypt: Spreading Crackdown on HIV Endangers Public Health
日付:February 15, 2008
出典:Human Rights Watch website
URL:http://hrw.org/english/docs/2008/02/15/egypt18064.htm
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★編集後記
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さくらが咲きましたね!読者の皆さんも先週末はお花見を楽しまれたのではないでしょうか。
満開のさくらを眺めているだけで、気分がうきうきしてくるから不思議です。編集員Wの近所には、定番のソメイヨシノだけでなく、色の濃いしだれ桜も見ごろを迎えていて、ピンクのグラデーションがきれいです。
今週末もまだまだ楽しめそうですね。読者の皆様、よい週末を!
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