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地球規模の広がりを見せるHIV/AIDS問題。アフリカなど途上国を中心に、現状と国際社会、市民社会の取り組みの最新情報を伝えるメールマガジン。




77号(Global AIDS Update)

発行日: 2007/9/1



■GLOBAL■<□<■AIDS■>□>■UPDATE■

グローバル・エイズ・アップデイト
       GLOBAL AIDS UPDATE
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第77号(第4巻第1号) 2007年(平成19年)9月1日
Vol.4-No. 1(No. 77) Date: September 1, 2007 

■GLOBAL■<□<■AIDS■>□>■UPDATE■

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■「第77号」目次
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特集: 第8回アジア太平洋地域国際エイズ会議特集 第1回:概要
1.★世界的に対策が進む中でのアジア地域の苦境が浮き彫りに
  =スリ・ランカ 第8回アジア・太平洋地域エイズ国際会議=

2.スリ・ランカ・レポート:「やりました」で終わらない成果が求められるユースの活動 

地域情報
● アフリカ
1.ルワンダ 強制実施権発動、ARVジェネリック薬輸入を計画、WTOに申し入れ
2.アフリカ: セクシュアル・マイノリティの国際会議が初開催:各地域代表を選出

●アジア
1.中国・雲南省のHIV/AIDS:その対策は他の省とどう違うか

世界のHIV/AIDS
1.世界の鉱業をむしばむHIV/AIDS

●会議情報
1.第4回国際エイズ学会会議に向け、HIVに関わる人権侵害に注意を払うよう人権団体が声明を発表
2.エイズ研究財団amfAR、MSMとエイズに関する国際的イニシアチブの提唱を宣言
3.「女性とエイズ」会議、ナイロビで開催

●インタビュー
ロックスターが南アフリカのHIV陽性者運動のためのCDを発表
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---------------------------------------------- Vol. 3 No. 26----

◆発 行:(特活)アフリカ日本協議会
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★世界的に対策が進む中でのアジア地域の苦境が浮き彫りに
=スリ・ランカ 第8回アジア・太平洋地域エイズ国際会議=
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【2007年8月23日コロンボ(スリ・ランカ)発=グローバル・エイズ・アップデイト編集部】2007年8月18日から23日までの5日間、スリ・ランカ最大の都市コロンボで、第8回アジア・太平洋地域エイズ国際会議 the 8th ICAAP が開催された。

 スリ・ランカでは、2005年秋に対タミル人強硬派のマヒンドラ・ラジャパクサ政権の誕生以降、政権と北部地域の一部を実効支配する「タミル・イーラム解放の虎」(LTTE)の対立が激化し、治安上、開催が危ぶまれたこともあったが、ふたを開けてみると、参加者2400人強、288の口頭演題発表、700のポスター発表が行われるなど、これまでのICAAPの規模と比較しても小さいものではなく、この点ではまずまずの成功といえる。

 18日の開会式には、ラジャパクサ大統領が出席、演説を行い、スリ・ランカ政府の会議へのコミットメントが示された。この点は、厚生大臣すら参加しなかった前回の神戸エイズ会議に比べて大きな進歩だったといえよう。しかし一方で、HIV陽性者や市民社会による発言が式の終了間際に回されるなどの問題もあった。この点は、コミュニティの存在を強調した神戸エイズ会議に比べて後退であった。一方、23日の閉会式は、保守的なトーンで議論を呼んだ保健・栄養大臣の演説以外はコミュニティ・市民社会からの発表、報告で占められ、内容豊富なものとなった。

 今回の会議で市民社会が示したのは、遅々として進まないアジア・太平洋地域の「エイズ対策への政治的意志」に対する強いいらだちであった。アジア・太平洋地域は低流行期・局限流行期(特定のコミュニティに感染拡大がとどまっている)の国々で占められ、エイズが国家的危機と認識されていないために、国家が全体としてエイズに取り組んでいこうという機運が存在せず、省庁間連携・セクター間連携も希薄である。また、MSM(男性とセックスをする男性)、セックスワーカー、薬物使用者などのHIV/AIDS対策を妨げる法規制や犯罪化、HIVに感染した移民・移住労働者を強制送還する入管制度なども、多くの国でほとんど撤廃されていない。治療アクセスについても、アジア・太平洋諸国の歩みは充分なものではない。一定の財政規模と国力をもつ中所得国が多いにも関わらず、治療アクセスが政策上の優先課題とされていないため、未だに、治療が必要な人の5割以上が治療にアクセスできている国はわずかである。また、開発独裁体制を引きずった権威主義的な体制を持つ国家が多く、エイズ対策においても、市民社会の声があまり反映されていない。

 さらには、アジア・太平洋のエイズ問題は、移住労働者問題に典型的なように広域での対策が必要であり、世界的に現在、エイズ対策の主流を占める国民国家レベルのエイズ対策では充分ではない。この点についても、アジア・太平洋の特殊性に応じた適切な政策形成が講じられていない。アジア太平洋地域のHIV/AIDSに取り組む市民社会は、大きな停滞感に放り込まれている。国際会議会議の場で多くの宣言をだし、働きかけをしていくことが、実際に政策を前に進め、状況を良くすることにつながっていかないことへのフラストレーションが、多くの活動家から聞かれた。

 世界保健機関(WHO)・国連合同エイズ計画(UNAIDS)による昨今のエイズ検査態勢の見直しと、「サービス提供者主導HIV検査・カウンセリング」 Provider Initiated Testing and Counseling (PITC)導入の加速化が、さらに市民社会をあわてさせている。PITCにより、HIV感染が判明したとしても、アジア・太平洋地域の多くの低・中所得国では、適切な治療やケアにアクセスすることは難しく、一方で、HIV陽性であることと社会的に脆弱なコミュニティの一員であることに対して、二重の偏見や差別を受けることになりかねない。こうした状況でのPITCの拙速な導入について、多くの市民社会活動家から懸念の声が聞かれた。移住労働者の運動体からは、「移住労働者に親和的な検査の原則」が提示された。

 今回のアジア太平洋地域エイズ国際会議費は、はからずも、世界でエイズ対策が進展する中でのアジア地域の苦境を浮き彫りにするものとなったといえる。次回のアジア太平洋エイズ会議は、インドネシア・バリで2009年9月に開催される。

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★スリ・ランカ・レポート:「やりました」で終わらない成果が求められるユースの活動 
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【2007年8月23日コロンボ(スリ・ランカ)発=グローバル・エイズ・アップデイト編集部】現在、世界では、HIV新規感染の40%を25歳未満の若者が占めており、一日に4,000人が感染している。若者らは、HIV感染の可能性がより高いとされている。他の年齢層に比べ、独身である割合が多く、性的に活発であり、性的自己決定能力の育成過程にある段階だからだ。アジア・太平洋地域も例外ではない。

今回の第8回アジア太平洋地域国際エイズ会議での若者の動きについて、簡単にまとめてみたい。今回、開催2日前(8月17日)に会議の一環として、「事前ユース会議」が開催され、地元スリランカのユースのための「国内フォーラム」と、国外から参加者らのため「国際フォーラム」とが開催され、合わせて100-120名の参加があった。国際フォーラムでは、9つのセッションから3つ選び、「ユースとセクシュアル・マイノリティ」、「ユースとセックス・ワーク」、など政策、ネットワーキングとロビイングなど、ユースと特定のイシューの関連について講義型・参加型のセッションが持たれた。

本会議では、「若者自身がイニシアチブを取る、HIV感染予防行動」「予防サービスへのアクセス」「教育現場におけるエイズ課題への対応」などについてのセッションが持たれ、活発な議論が行われたが、若者である当事者からの発表は「ユースが議長となり、発表者もユースのみのセッション」に限られ、世代やセクターを超えた連携強化、アジア太平洋地域特有のユースに関連する課題抽出などについては次回以降の宿題となった。

アジア太平洋地域では、特に第6回メルボルン会議以降、「若者の参画」「若者の多様性(都市-農村格差、セクシュアル・マイノリティ・ユース、ドラッグとユースなど)」が語られ始めたが、以降神戸、コロンボと特に議論の進展が見られず、「参画」ばかりが議論されている。いよいよ本会議の場で、「多様性に踏み込み、科学的実証に基づいた効果評価」を出していく次のステージに来ている。既存の枠組みを当てはめ、他のエイズ個別施策層に習うことから始め、「ただやりました」以上の成果が求められている。

今回会議に参加した若者が、それぞれのコミュニティに持ち帰り、自分たちの活動を少しでもスケールアップする中で、多様なセクターとの連携を期待したい。

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★ ルワンダ 強制実施権発動、ARVジェネリック薬輸入を計画、WTOに申し入れ
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2007年、アフリカ中部に位置するルワンダ共和国が、外国で生産されたジェネリック医薬品を国際貿易規則に基づいて輸入する最初の国になるだろう。これは、ルワンダ政府から送られた世界貿易機関WTO宛の申し入れ通知により明らかになった。ルワンダ政府は、2年以内にカナダの製薬会社アポテックス社Apotexが製造しているジェネリック治療薬「トリアビール」TriAvir*を26万パック輸入することを計画している、ということである。

WTOの「貿易関連知的財産権協定」(TRIPs協定)例外規則では、一定の条件の下で国家が強制実施権を行使して、特許権者の許諾を得ることなく製品を国内に流通させることが認められているのだが、それは特許保持者と事前に交渉を行い、相応の補償を行うことが義務付けられており、また、外国市場への輸出は原則として禁止されていた。また、製薬会社の利益を擁護する先進国政府や政治家、企業などの圧力を受け、強制実施権は滅多に使われなかった。しかし、 2001年にカタールのドーハで開催されたWTO閣僚会議において、「TRIPS協定と公衆保健に関するドーハ宣言」が採択された。これにより、WTO加盟国が国民の保健を守るための措置として強制実施権を発動することの自由が確認された。さらに2003年には、WTOでの合意により、緊急的に治療薬が必要である場合に、厳しい条件付きで治療薬の製造能力のない貧困国に対して、共生実施権を発動して製造されたジェネリック医療品の輸出が認められることになった。さらに、2005年には、TRIPs協定が改正され、2003年の合意が協定のの文面に盛り込まれることとなった。国際NGOオックスファムによると、ルワンダでは、現状でエイズ治療薬の74%は富裕層や政府関係者によって独占され、治療が必要な人々の77%がいまだにエイズ治療にアクセスすることができていない。この過酷な現状に鑑み、ルワンダ政府は、安価なジェネリック医薬品を購入し、貧しい国民にアクセス可能な形で届けることを目指して、今回の申し入れを行ったものである。
*「トリビアール」とは、途上国でもっとも広く使われているラミブジンlamivudine、ジドブジンzidovudine ネビラピンnevirapineの配合剤である。

原題:Country to Override Copyrights on ARVs
日付:2007/07/22
出典:all AFRICA com
URL:http://allafrica.com/stories/200707231283.html

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★アフリカ: セクシュアル・マイノリティの国際会議が初開催:各地域代表を選出
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2007年5月初旬、第一回「パン=アフリカLGBTI 会議」 Pan African LGBTI Conference*が南アフリカ共和国 ジョハネスバーグで開催された。LGBTI活動家らが、アフリカ全土で権利向上を目指し、今後アフリカ域内でのより強いネットワーク形成のため、地域代表を選定した。

会議は、創立29年目を迎え、560の団体から組織される「国際レズビアン・ゲイ連盟」
 The International Lesbian and Gay Association(ILGA)とともに、「オルタナティブス・カメルーンAlternatives Cameroon」、南アフリカ共和国に本部のあるLGBTのネットワーク組織である「ビハインド・ザ・マスク」Behind the Mask、「アフリカ・レズビアン連合」the Coalition of African Lesbians、「ウガンダ性的マイノリティ連合」Sexual Minorities of Uganda (SMUG)、南アフリカの「レズビアン・ゲイ・平等プロジェクト」 The Lesbian and Gay Equality Projectなどのアフリカの団体が共催した。

この会議は、カメルーンのゲイ活動家であった、ロジャー・ウィリアム・ノウォカップ氏Roger William Nowokapの死という悲劇的な事件により、幕を開けた。カメルーン人の活動家であった彼は、カメルーン代表として会議へ参加するため、現地へ向かう際、航空機が墜落、死去した。そのため、参加者はこの会議を彼への追悼の意を込めて開催することを決定した。

この会議の主な課題は、アフリカ全土で、LGBTI活動家が自立できるようになることである。過去、アフリカのLGBTI活動家が行ってきた大陸レベルでの施策は、ほとんどが失敗に終わっている。活動の組織化にあたり大きな障害となるのが、国家・社会に蔓延している同性愛嫌悪 homophobiaである。2007年4月現在、38のアフリカ諸国において、法により同性愛行為は犯罪であるとされている*。

ILGA 共同事務総長であるロザンナ・フレイマー・カルデラ氏Rosanna Flamer Calderaとフィリップ・ブラウン氏Philipp Braunは、会議で発表された「アフリカにおける国家に後押しされた同性愛嫌悪」という報告書で次のように述べる。「この報告書に挙げた多くの国はシステム的にこのような法を施行しているわけではないが、単に法が存在することだけで、国によってある程度憎悪や暴力が正当化される風潮を助長し、多くの市民が恐怖から逃れようと、ひっそりと暮らすことを強いられるのだ。」

セネガルのLGBTIグループ、アンドリジーAnd Ligeeyという、ゲイの男性を支援するグループの活動家(匿名希望)は、最近になってゲイ男性が政府のHIV感染予防政策の対象となったことを賞賛する一方、ゲイである男性は社会のあらゆる側面において迫害を受けていると証言した。「我々の闘争とは、権利を可視化し、主張することである。セネガルでは多くのゲイが、犯した罪ではなくセクシュアリティにより、不条理な判決を受け逮捕されているのだ。」

アフリカではレズビアンについても、性的指向だけでなく、性別が理由で様々な差別を受ける危険にさらされている。アフリカの14カ国からメンバーが参加している11のレズビアン・フェミニスト組織からなる「アフリカ・レズビアン連合」は、レズビアン問題を会議の重要な議題とするのに一役買った。

本会議中、多くのレズビアン団体により、「フェミニストイデオロギー—アフリカにおけるLGBTIの活動活発化におけるその役割と影響」というパネルが作成され、使用された。この会議での目的は、抽象的なコンセプトをわかりやすく、身近なものにし、ゲイの男性にもジェンダー問題に関心を持ってもらうことであった。

地域レベルでの組織化を目指すアフリカのLGBTI活動家が直面しているもう一つの問題というのが、言語の壁である。英語・フランス語間の溝を埋めようとする努力は、成功を収めた。このような障壁にも関わらず、この会議に参加していた活動家は、「アフリカ地域LGBTI連盟」設立に向け、議論を進めた。暫定理事会設立のため、11名をアフリカの地域ごとに北、南、東、西、中央の5の地域に分割し、それぞれの地域から2人の代表を選出した。この理事会の最後一席は、トランスジェンダーの活動家のために残された。

以下のメンバーが理事に選出された。(母国でのLGBTIの人々に対する同性愛嫌悪や暴力を鑑み、数名は匿名である。)
北部代表:
・ 匿名希望—モロッコ 
・ 匿名希望—アブ・ナワスAbu Nawas—アルジェリア
中央部代表:
・ 匿名希望—ホライズンズHorizons—ルワンダ 
・ 匿名希望—オルタナティブ・カメルーンAlternatives Cameroon—カメルーン
東部代表:
・匿名希望—ケニア・ゲイ・レズビアン連合Gay and Lesbian Coalition of Kenya—ケニア
・匿名希望—スペクトル・ウガンダ・ウガンダ
西部代表:
・ローランド・ジャイド・マカレイRev. Rowland Jide Macaulay—レインボーの家—ナイジェリア
・匿名希望—アンドリジーAnd Ligeey
南部代表:
・リンダ・バウマンLinda Baumann—レインボープロジェクトThe Rainbow Project—ナミビア
・ダニーロ・ダ・シルバ—Danilo da Silva—ラムダ・モザンビークLambda Mozambique—モザンビーク
トランスジェンダー:
・リーズル・セロンLiesl Theron—ジェンダーダイナミクスGender Dynamix

暫定理事会の目標は以下の通り:
・南アフリカ共和国に本部を置く、LGBTIのアフリカ地域における連合体の法人格の獲得・組織と次回の域内会議への資金調達
・次回会議にて提出する規約草案の作成
・アフリカ全土のLGBTI団体に対する情報発信

政治的な圧力や市民一般が持つ、差別やスティグマを超え、域内ネットワーク活動によって、各国政府に働きかける材料になっていくことが期待される。この連盟の名前は、アフリカの地域性なども考慮しながら、決定される予定。

*編集部注1:LGBTIとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、インター・セックスの頭文字をそれぞれとったももので、セクシュアル・マイノリティと言われることもある。
*編集部注2:サハラ以南アフリカ各国で同性間性行為を禁止する「反ソドミー法」の多くは、植民地時代の19〜20正規前半に、旧宗主国である英国などから持ち込まれたものである。

原題:First Pan African LGBTI Conference African LGBTI activists meet in Johannesburg and elect a regional body to further advance towards equal rights in Africa
日付:June 11,2007
出典:ILGA - International Lesbian and Gay Association- website
URL:http://www.ilga.org/news_results.asp?LanguageID=1&FileID=1081&FileCategory=50&ZoneID=2


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★中国・雲南省のHIV/AIDS:その対策は他の省とどう違うか
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中国雲南省南西部に位置するフサHusaは、遠くから見ると、緑の生い茂る段々の丘に趣のある木造の家屋が立ち並んでおり、まさに絵葉書で見るようなアジアの農村風景が広がる地域である。しかし、近づいて見てみると、そこは中国でのHIV感染拡大の震源地となっている。この一帯の村の人口は20,000人であるが、そのうちの約200人がHIVに感染していると言われている。1989年に中国で初めてエイズの事例が報告された雲南省南西部のこの地域では、1%の感染率が続いている。

ここは中国の多くの地域よりはるかに感染率が高いと考えられているため、エイズが中国全土でいかに広まっていくかという前兆にもなっている。HIVの感染予防に大量の資金が費やされているにもかかわらず、2010年までに雲南省のエイズ患者は現在の2倍の150,000人になると推計されている。この地域では、薬物中毒者に対する無料の診療所の設置など政府による多くの努力にもかかわらず、中国で主要なHIV感染経路となっている薬物使用が依然として一般的に行われており、感染率が上昇している。

こうしたなか、同省では政府機関や援助団体がさまざまな予防策を講じている。例えば、フサから最も近い大都市のルイリ(漢字表記は瑞麗)で働くセックスワーカーたちは、毎週の予防教育や3ヶ月に一度のHIVテストを受けている。中国とビルマの国境に立ち並ぶ売春宿で働く少女たちは、HIVの感染方法についてよく知っている。

しかし、ここでは何もかもが売買の対象となっており、コンドームなしのセックスの値段もそれほど高くはない。ここで働く女性たちは短期滞在者で、近くの村やビルマからやってきて数ヶ月しか滞在しない。顧客のビルマ人や中国人にしても商人やトラック運転手など移動する人々だ。そのため、両集団ともに追跡することが難しく、テストや教育も困難である。

ただ、全国的にはHIV陽性者の4分の1しか自分の感染の有無を把握していないのに比べて、雲南省では、少なくとも陽性者の50%が感染の有無を知っている。雲南省のNGO関係者たちは、エイズに関してメディアに伝えることを除けば、中国での活動がやりやすいことに気づき始めている。しかし、このことは中国の他のエイズ感染地域でも当てはまるわけではない。売血によって何千もの農民がHIVに感染した河南省中央部では、多くのNGOが報復を恐れてマスコミに報告したり、HIV/AIDSの統計を出したりといったことをしていない。彼らが言うには、これらは政府以外には部外秘の情報なのだ。

原題:China tries to get grip on AIDS as it spreads in rural provinces
日付:July 22, 2007
出典:yahoo health groups
URL:http://health.groups.yahoo.com/group/China_AIDS_Survey/message/1981

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★世界の鉱業をむしばむHIV/AIDS
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アフリカからロシア、またペルーから中国にかけ、鉱業会社はエイズに対する課題に直面している。鉱物への需要が好況であるが、エイズが経済活動を阻んでいる。

南アフリカの巨大な鉱山企業であるアングロ・アメリカン Anglo-American で保健対策の責任者を務めるブライアン・ブリンク氏 Brian Brink は、「HIV/AIDSは、我々の想像を超える深刻な事態となっており、報告されていない感染者が多数存在するだろう。」と述べる。業界世界第4位であるアングロAngloは、21年前の1987年、南アフリカ共和国の労働者18,450名のの中で4名が、HIV抗体検査でHIV 陽性であったことが判明したときから、HIV/AIDSの問題が生じていることを認識はしていた。それから20年以上が経過して、ブリンク氏は、労働者の3分の1以上がHIV陽性者であること、また南アフリカが世界的流行の中心となっていることから、この会社独自の予防努力は失敗に終わったと話す。

「我々はこの疫病を止めなかった。実際に振り返ってみると、我々の施策は何もしていないに等しい。」ブリンク氏Brinkは言う。全世界で3000万人がこの病に倒れたが、これは第一次世界大戦における犠牲者の2倍に相当する。鉱業従事者はこの流れを食い止めるため、南アフリカにおける教育を切望している。

国連の報告では、HIV陽性者数の数は、東ヨーロッパと中央アジアでは、10年間で20倍に増加している。国連開発計画 UNDP では、ロシアにおける感染率は、2005年には2年間で2倍以上の1.2%となり、ロシア第5位の金・鉱業地帯 イルクーツクの感染率は、ロシア全土の平均の3倍を超えている。インドにも、感染率が1%以上である多くの地域がある。

南アフリカにおける鉱山労働者のHIV感染率は、今や一般労働者の2倍に迫っている。国連の算出によれば、中国では2005年に650,000人が感染し、2年間で23%増大した。このペースでの感染拡大が続けば、2015年までに、中国で1900万人もの人々が感染することになる。

今年5月、7鉱業会社より、健康・公衆清栄に関する専門家が集い、エイズ拡大抑止戦略策定のため、ロンドンで会合が開かれている。各課題別では以下の通りである;

(1)セックス・ワーカー

多くが移民である鉱業労働者にとって、セックス・ワーカーは非常に魅力的な存在である。鉱業の盛んな地域 中国・雲南省では、不法滞在者は公衆衛生サービスを受けると、強制送還となる恐れがあり、ミャンマーやベトナム出身のセックス・ワーカーは、HIV感染リスクが高い。セックス・ワーカーの顧客は一般市民へのHIV感染の主要な原因となっている。2005年、国際労働機関(ILO)は1,400万人のセックス・ワーカーが治療を受けることなく働かざるをえなくなっていると推定した。

(2)薬物使用者

ロシアと近隣諸国では、HIV感染は獄中者や、セックス・ワーカー、薬物使用者に集中している。ロシアは主にアフガニスタンのアヘン密輸ルートとなっている。国際NGO ヒューマン・ライツ・ウォッチ Human Rights Watch HIV/AIDSの担当者である、ジョセフ・アモン氏 Joseph Amon は、「私がウクライナで働いていた頃、日雇いの鉱業労働者が薬とアルコールに収入のほとんどを使い、HIV感染が拡大している。」一方、中国政府は、SARSの教訓から学び、早急な対応をしている。前述のアングロ ティナ・メン氏Tina Mengは「中国で投資をしている企業はより総合的な対応策を講じるため、政府と同調している。エイズが根付いてしまえば、個人、コミュニティ、更には企業経営に対し非常に恐ろしい影響を与えるということを我々は知っている。」

(3)政府の対応と問題の可視化などについて

南アフリカ共和国では、全ステークホルダーによって、市民社会と企業がHIV対策5ヶ年計画策定した。企業は、鉱業地区で、コンドーム配布に加え、ノベルティを出すことで、エイズ検査を促している。政府と企業の協働により、鉱業場の閉鎖や企業の撤退の際にも、プログラムの持続可能性は保障される。世界最大の鉱業グループ BHPビリトン社 BHP Billiton は、HIV教育と医療プログラムに投資しても、再教育、長期欠勤の防止、生産性の観点で、何もしなかった場合に比べて4倍の利益が見込まれる、と予想している。

原題: Is HIV a time bomb under the mining industry?
日付: Tue Jul 10, 2007
原典: ロイター通信
出典: Mail and guardian online website 
URL: http://www.mg.co.za/articlepage.aspx?area=/breaking_news/breaking_news__business/&articleid=313654

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★ヒューマン・らいつ・ウォッチ、2007年シドニーでの第4回国際エイズ学会会議に向けてHIVに関わる人権侵害に注意を払うよう声明を発表
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 7月20日、国際人権NGOのヒューマンライツ・ウォッチ Human Rights Watchは、7月22日から25日までシドニーで開催される第4回国際エイズ学会に先立って、「HIVと共に生きる人びとに対する人権侵害が、エイズに関する科学的な進歩の影響をいかに弱めてしまうかということに注意を払うべきである」という声明を、参加する科学者や関係者に向けて発表した。

「調査研究はHIV/AIDSに対する戦いの中心にある。しかし、HIVとともに生きる人びとが差別を受ける状況が続けば、科学的な進歩もその効果をほとんど発揮することができないだろう」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチのHIV/AIDSプログラムの責任者を務めるジョー・アモン氏 Joe Amonは指摘する。

また、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、参加する科学者に対して、政府によるエイズ活動家への嫌がらせや脅迫に反対するよう呼びかけた。科学者がエイズに関する国際的な対応を協議するために自由にシドニーへと移動することができる一方で、世界中のエイズ活動家たちがHIVに対する活動のために投獄されたり、嫌がらせを受けたりする状況にある。

さらに、会議への参加者は、女性が直面している人権侵害にも目を向けなければならない。女性の権利に対してこれまで以上に敬意が払われることがなければ、ワクチンや膣殺菌剤のような科学的な進歩も、その与えることができる影響は限られたものになるということを理解すべきである。相変わらず政府は、感染につながる暴力や、HIVとともに生きる女性に対する暴力から彼女たちを守ることができないでいる。

「われわれはエイズの拡大を科学の力だけでとめることはできない。科学の進歩と人権の推進が協調しあう必要がある」と、前述のアモン氏は語っている。

原題:Sydney AIDS Conference: Scientific Advances Undercut by Rights Abuses Advances in HIV/AIDS Prevention, Treatment Hinge on Respecting Human Rights
日付:July 20, 2007
出典:Human Rights News
URL:http://hrw.org/english/docs/2007/07/19/global16439.htm

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★ 米国エイズ研究財団amfAR、MSMとエイズに関する国際的イニシアチブの提唱を宣言
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*この記事は、2007年7月18日に書かれたものです。

アメリカの米国AIDS研究財団 amfARは、7月24日にシドニーで開かれる国際エイズ学会主催の国際エイズ学会会議an International AIDS Society (IAS) conference in Sydney, Australiaにて、MSM(=Men who have Sex with Men 男性とセックスする男性、以下MSM)間でのHIV感染拡大を防ぐための新たな国際的イニシアチブを発表する予定だ。

この背景には、多くの諸国、特にアジア、アフリカ、東ヨーロッパなどの発展途上国内で、MSMに対する社会的差別やスティグマが深刻な問題になっており、医療サービスへのアクセスも困難になっている状況がある。また、この状況は欧米のゲイ・コミュニティがHIV/AIDSによって危機に瀕した1980年代を彷彿させるほどであるともいえよう。

amfARが提唱するこの新たなイニシアチブとは、アフリカ、アジア、南米などで支援を草の根的な活動を行う団体に対して、MSMのためのHIV/AIDSの予防・治療・ケアプログラムの改革促進をamfARが支援するという内容のものである。このamfARの支援により、各国のMSMのためのエイズ対策の公的、私的資金を増やすことや、MSMに対するスティグマ・差別・暴力が減少することもねらっている。このMSMのための新しいイニシアチブは、既にUNAIDSやMSMとエイズに関する世界フォーラムなどから協力を得ているのに加え、多数の民間基金や個人も資金提供を表明しているものであり、このイニシアチブの成果は期待できるものになりそうだ。

ちなみに、今回の国際エイズ学会の会議にはamfARの暫定最高責任者であるケヴィン・フロスト氏Kevin Frostをはじめ、UNAIDS代表や公衆衛生を研究する大学教授や感染症専門の医師など多数の参加者が招かれる予定である。

原題:Press Conference to Announce Launch of MSM Initiative
日付:2007/07/18
出典:amfAR
URL:http://www.amfar.org/cgi-bin/iowa/programs/globali/record.html?record=263

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★ 「女性とエイズ」会議、ナイロビで開催
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7月4日から7日にかけて、ケニアの首都ナイロビで世界キリスト教女子青年会(YWCA:Young Women Christian Association)による「女性とHIV/AIDS」会議が開催された。世界各地から2,000名以上が参加し、上昇傾向にある女性や少女のHIV感染率に対して、参加者の関心を高め、具体的な行動に移していくことについて話し合った。

会議の主要テーマには、女性のHIV感染率の上昇、ジェンダーの不平等、健康管理と治療、性やリプロダクティブ・ヘルスの権利、女性のリーダーシップや女性の経済参加などが挙げられていた。

開会式では、ケニア文化・スポーツ大臣のマイナ・カマンダ氏 Maina Kamanda がスピーチをし、正義、平和、保健、自由、人間の尊厳、環境保全などの基本的な課題を促進するには、女性のリーダーシップが鍵となることを強調した。また、カマンダ氏は、ケニア政府が文化・スポーツ省の社会サービス局でジェンダー部門を設立するなどの努力を行っていることや、ケニアの女性公務員の割合が現在の30%から近い将来50%にも到達する見込みであることに触れた。同氏によれば、政府は文化・スポーツ省を通じて女性企業家への初期費用100万ケニア・シリング(約180万円)の予算を割り当て、小規模融資を通じて、女性個人や女性グループの起業を支援しているという。

アイルランド前大統領で前国連人権高等弁務官(UN High Commissioner for Human Rights)のメアリー・ロビンソン氏は女性や社会的弱者が処せられる厳罰の不正に対して、女性自身が立ち上がるよう呼びかけた。また、ロビンソン氏はHIV感染が多大な影響をもたらしているアフリカをはじめ、女性にとって世界規模の挑戦であると述べた。
原題:Kenya: Women and Aids Meeting Starts in Nairobi
日付:4 July 2007
出典:ALL Africa.com
URL: http://allafrica.com/stories/200707031043.html

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★ロックスターが南アフリカのHIV陽性者運動のためのCDを発表
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 英国の伝説的ロックスターであるアニー・レノックス Annie Lennoxは、彼女に賛同する23人の女性アーティストとともに、CDを発表した。収録曲『Sing』は、マドンナやセリーヌ・ディオン、ファーギーなど23名の著名な女性アーティストと「治療行動キャンペーン」 Treatment Action Campaign(TAC)の合唱団が歌っている。収益は、TACを通じて南アフリカ共和国の女性や子どものHIV陽性者の緊急救済に充てられる。

 レノックス氏は、80年代にデイブ・スチュワード氏と結成したグループ、ユーリズミックス Eurythmics の元メンバーとして活躍し、現在はソロ活動を続けている。以下、インタビューを紹介する。

—南アのHIV陽性者の現状を調査するために、ケープタウンの東ケープとカイェリチャ Khayelitsha に行きましたが、どうでしたか。

「今までにない体験だった。自分がまるで知らない星に降り立った宇宙飛行士のように感じた。まだ自分の中で処理しきれていないけれど。私は数年前にHIV感染が拡大していることや、感染者たちを取り巻く現実を知り、非常に衝撃を受けた。いつか現地を訪ねようと思っていたが、今回やっと実現した。ここでは何百万人もの人が死の淵にいる。両親をエイズで亡くした子どもや、(経済的に困難な状態のため)1歳の赤ん坊の体重にも満たない7歳児にも会った。マンデラ前大統領が言ったように、それはまさに『大量殺戮 genocide』だった。」

「せっかくマディバ(マンデラ前大統領の愛称)の主導により、この国はアパルトヘイトから解放されたのに、その後にこのような状況をみることになるとは誰が考えただろう。一方で、ムベキ(現大統領)がなぜHIV/AIDSの原因はHIVでないと主張しているのかを理解できず困惑している。保健省の大臣が、抗レトロウィルス薬には毒性があるなんて言って、自分の地位がそのまま続けられると考えているのだろうか。」

—(アフリカへの資金援助などを訴える活動をしている)U2のボノの二番煎じでは?という意地悪な見方もありますが。

「(笑って)私はボノの女性バージョンだと言われたくないしなりたくもない。彼は彼、私は私。私たちはミュージシャンという共通点はあるけど、私は私でありたい。私は健康で一定水準の生活ができている。このことに感謝して、自分はお返しをする立場にあると思った。私は自分がしたいと思うことに威厳を持って臨みたい。でなければ私はただの旅行者になってしまう。」

原題:Annie Lennox Gathers Artists for Aids Fundraiser Song
日付:30 July 2007
出典:Allafrica.com
URL:http://allafrica.com/sendpage.html?ref=http://allafrica.com/stories/200707301031.html

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■□編集後記
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先週NHKを観ていたら、桑田啓祐(サザンオールスターズ)のライブを放送していました。編集員Wは特にファンというわけではないのですが、夏といえばやっぱりサザンよね〜と見入ってしまいました。中でもよかったのが「祭りのあと」。8月の終わり特有の生ぬるい風に当たりながら聴いていたらしみじみして、終わったとたんにレンタルCD屋さんに走りました。

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■□メールマガジンご案内
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○メールマガジン「グローバル・エイズ・アップデイト」は、世界のHIV/AIDS問題の最新動向を網羅するメールマガジンにして発行しています。

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  • (特活)アフリカ日本協議会は、アフリカの人々の地域自立の支援、アフリカの人々との対等なパートナーシップの構築、アフリカに関わる人々のネットワークの形成、アフリカ理解の促進とアフリカの自立支援のための政策提言などを行っています。

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