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地球規模の広がりを見せるHIV/AIDS問題。アフリカなど途上国を中心に、現状と国際社会、市民社会の取り組みの最新情報を伝えるメールマガジン。




70号(Global AIDS Update)

発行日: 2007/5/24





■GLOBAL■<□<■AIDS■>□>■UPDATE■

グローバル・エイズ・アップデイト
       GLOBAL AIDS UPDATE
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第70号(第3巻第19号) 2007年(平成19年)5月24日
Vol.3-No. 19 (No. 70) Date:  May 24, 2007 

■GLOBAL■<□<■AIDS■>□>■UPDATE■

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■「第70号」目次
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● アフリカ
1.アフリカ連合保健サミット:各国は国家予算の15%を保健にあてる目標達成を目指す
2.ジンバブウェ:暴力を受けた女性が正義を求めて政府を告訴
3.タンザニア:ヘルペスとHIV感染予防の関係

●アジア
1.UNDOCが南アジア地域協力連合での静脈注射薬物使用者(IDU)のハーム・リダクションに関する報告書を発表
2.アジア開発銀行、アジアのNGOにHIV/AIDS予防の資金拠出

●国際機関情報
世界銀行: 突然の「『反』家族計画」 論?〜マダガスカル国別援助計画より
世界エイズ・結核・マラリア対策基金:2010年までの戦略の大枠決まる

●会議情報
アジア太平洋地域会議: HIV/AIDSへのコミュニティー・アプローチに注目

●NGO情報
ユニバーサルアクセスの実現に向けて行動を!—5月20日から26日は全世界での行動週間—

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◆発 行:(特活)アフリカ日本協議会
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★アフリカ連合保健サミット:各国は国家予算の15%を保健にあてる目標達成を目指す
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2007年4月10日、南アフリカ共和国のジョハネスバーグ市で、アフリカ連合(AU)の保健サミットが2007年4月10日に開催された。広大なアフリカ大陸の各地からはるばるやってきたエイズ活動家たちは、AU各国の保健大臣や高級官僚たちに対し、昨年、ナイジェリアの首都アブジャでAU各国がエイズへの取り組みを約束した「アブジャ宣言」を遵守するよう政府に働きかけるよう要請した。UNAIDSの報告によると、サハラ砂漠以南はHIV感染拡大の震源地であり、世界の3950万人のHIV陽性者うち、2470万人がこの地域に居住している。2005年までに世界中のエイズ関連による疾病でなくなった死亡者2,900万人のうち、少なくとも2,100万人はサハラ砂漠以南地域の人々であり、25年前にエイズが発見されて以来、最も大きな被害を受けているのがこの地域である。

いわゆる「アブジャ宣言」とは、アフリカの各政府にエイズによる被害軽減に向けた一連の目標を約束させたものであり、2010年までにエイズ治療とHIV感染予防、ケアの普及させることが含まれている。これらの約束は、アフリカの全ての国家元首によって承認されたにも関わらず、まだ実行されていない、と活動家たちは悲嘆している。彼らは、ジョハネスバーグで行われるAU保健サミットに出席する各国の代表に対し、HIV/AIDSに関する議論にもっと時間を割いて欲しいと要請した。「我々は1週間の会期中に合意される文書が、エイズ治療、特に抗レトロウイルス薬のことを軽視しているのではと懸念している。昨年アブジャで採択された、HIV/AIDS・結核・マラリア治療の普及に関する実行計画構想でさえ、治療目標について言及していなかったからだ。」と彼らは声明を出した。「我々はかつての苦しい戦いの日々に戻るつもりはない」と加えている。

また彼らは、アフリカ各国政府が「アブジャ宣言」を尊重し、エイズ予防と治療に関する国家目標、結核に関する国家予算を6月1日までに設定するよう要求した。母子感染の予防についても早急に対策するよう呼びかけた。彼らはまた、HIVや結核およびマラリアの感染拡大が、アフリカ地域の貧困と女性たちの社会的地位の低さと関連していることも強調している。「エイズ問題は直ちに対応をするべき緊急事態である。エイズの急速な感染拡大は、医療システムの強化に関して妥協するのでなく、医療現場の第一線を強化するエンジンになりうると信じている。」と、彼らは各国の保健大臣たちに促した。

アフリカの国々では、エイズ治療薬の承認過程を改善する必要があり、確立された規定がないため、米国食品医薬品局やWHOなどの機関の認可制をあてにしなければならないという背景がある。エイズなどの疾病に関して、伝統的医学、代替療法にかかわる規定、およびえせ治療行為の規制などシステム整備が必要である、と活動家たちは語っている。

原題:Africa: Keep Your Word, Aids Activists Urge Continent
日付:April 11, 2007
出典:All Africa.com
URL:http://allafrica.com/stories/200704110194.html

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★ジンバブウェ:暴力を受けた女性が正義を求めて政府を告訴
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ジンバブウェでは、与党ジンバブウェ・アフリカ国民同盟・愛国戦線(ZANU-PF)による野党支持者の弾圧が続いているが、この弾圧の中には、女性に対する性暴力も含まれている。野党である「民主的変革のための運動」 Movement for Democratic Change (MDC)の活動に参加したことを理由に、ZANU-PFの民兵や退役軍人によって性暴力を受け、店や家も破壊されたシリバジソ・テンボ Silibaziso tembo さんも、このような被害をうけた人の一人である。


テンボさんは、2000年頃から連続して暴行を受けていたといい、身体の一部が麻痺してしまった。その後、彼女は治療と難民申請を求めて、隣接する南アフリカ共和国に逃れた。現在は、ジンバブウェ政府に圧制や暴力に対する罪を国際司法の場で告発するため、裁判の準備をしている。ムガベ政権による独裁が続くジンバブウェ国内では、正当な裁きを求めることは難しいからだ。

テンボさんのように、MDCを支持したために迫害を受けた女性活動家は少なくない。2003年以降、南アフリカ共和国に本部を置くジンバブウェ市民組織は、女性が政府機関から性暴力や拷問を受けたという報告を多数受けている。被害者の多くは、国外へ亡命し、難民になる人もいるという。被害者のほとんどは、Zanu-PFにかかわる暴力集団に暴力を受けていた。

被害者らを保護するジンバブウェ亡命者フォーラム Zimbabwe Exiles Forum (ZEF)は、Zanu-PFによる暴力を国際司法の場に提訴するため、アフリカ人権委員会 African Commission on Human and People’s Right against the Republic of Zimbabwe に嘆願書を提出した。この委員会は、「人間と人民の権利に関するアフリカ憲章」 the African Charter on Human and Peoples' Rights の第30条に基づき設立され、6年の任期の独立した11人の委員で構成されている。

ZEFの代表であるガブリエル・シュンバ氏 Gabriel Shumba は、必ず彼女たちが国際司法の場で勝利すると自信を持っている。同氏によると、すでにZEFはアフリカ人権委員会にジンバブウェ政府に対して3件の告訴をしているという。

原題:Raped Zimbabwean Women Seek Justice
日付: 13 April. 2007
出典: Institute for War & Peace Reporting website
URL:http://www.iwpr.net/?p=acr&s=f&o=334883&apc_state=henpacr

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★タンザニア:ヘルペスとHIV感染予防の関係
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米国感染症学会が発行する学術誌「感染症ジャーナル」 Journal of Infectious Diseases に、タンザニアで高い感染可能性に直面している女性たちを対象にした研究の結果として、単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)に感染している人はHIV感染のリスクが4倍から5倍になるという論文を掲載した。HSV-2感染がHIV感染の重要な要因になりうることは、過去の研究でも明らかになっていた。1980年代後半のサンフランシスコでは、MSM (Men who have sex with men : 男性とセックスをする男性)におけるヘルペス・ウイルス感染とHIV感染との関係が、また、最近ではインドや南アフリカで女性における研究でも、同様の関係が報告されていた。今回の研究では、その関係がより明確なものになった。この研究では、約63%のHIV感染が、陰部潰瘍性疾患(GUD)の症状の有無にかかわらず、HSV-2に感染したことが要因で生じていると推定している。

アメリカとタンザニアの研究者らは、まずバーやホテルに勤務するタンザニアの女性を対象にHIVおよび性感染症の行動学的および生物学的危険因子を特定する横断的な調査を実施した。しかし、HIV感染率の正確な推定ができなかったため、HSV-2を含む性感染症がHIV感染にどの様な影響を与えているかも特定できなかった。そのため、2002年12月から1年間にわたり、「前向き追跡調査」(コホート研究)を実施した。その結果、追跡調査が可能であった689人の中で、32人のHIV感染が確認され(HIV感染率は100人年あたり4.6)、教育を受けていない人および過去の妊娠歴がある人、性行為のパートナーが多い人がHIVに感染していたが、いずれも多変量解析では有意ではなかった。

また、この集団の性感染症の感染率は非常に高いが、HIV感染の可能性は横断研究で細菌性膣症とクラミジアに感染した人がより高く、追跡調査では潰瘍性性感染症やHSV-2、梅毒を含む生殖器潰瘍疾患の保有者において高く観測された。他の危険因子を調整したところ、最も感染可能性が高いのはHSV-2保有者で、他の集団よりも5.5倍も感染率が高く、クラミジアやGUD経験者、細菌性膣症の患者が続いた。

ワシントン大学 the University of Washington のローレンス・コレイ教授 Lawrence Coreyは、この研究結果はHSV-2が生物学的にHIV-1感染のリスクを増大させる要因であることを裏づけるものだとし、特に他の性感染症に比べてHSV-2の感染率がHIV感染者に多いことに注目している。

調査を実施した研究者らは、結論として、バーやホテルなど性産業に近い仕事に従事する女性はHIV-1に感染する可能性が高くなるため、効果的な介入手段が必要だと述べる。コレイ教授も、研究の結果に対して効果的なワクチンがHIVとHSV-2の両方に必要とされていると結論付けている。一方で、科学的に、根本的な問題の解決を実現するのは困難であるとも付け加えている。

原題:Genital herpes quadruples risk of HIV acquisition in high-risk women in Tanzania
日付: April 05, 2007
出典:aidsmap.com website
URL:http://www.aidsmap.com/en/news/DA90A407-7D43-4966-A60B-8120EEC45E64.asp

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★UNDOCが南アジア地域協力連合での静脈注射薬物使用者(IDU)へのハームリダクションと法規制に関する報告書を発表
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国連薬物犯罪事務所(UNODC)は4月10日に、「南アジア地域協力連合(SAARC)諸国での静脈注射薬物使用者(IDU)のハーム・リダクション(harm reduction:健康被害軽減)に関する法規制面での懸念」と題する報告書を発表した。この報告書は、バングラデシュ、ブータン、インド、モルディヴ、ネパール、パキスタン、スリランカでのIDUへのハーム・リダクションの実施と政府の薬物規制の関係について調査したものである。

過去20年間に、南アジアでは薬物使用者(特に静注薬物使用者)の間でHIV感染が急激に広がった。HIVと薬物使用の双方を抑制するために、南アジアのいくつかの国では、静注薬物使用者に対して注射と経口投与による薬物代替プログラムが始められた。これらの取り組みは静注薬物使用者に対して治療と過度の薬物依存からの回復の機会を与えるものであり、その効果については、WHOなどからも支持されている。しかし、ハーム・リダクションの実施は、薬物法や刑法による制限が障害となってうまくいかないこともある。

南アジア諸国のこれまでの取り組みを調査した結果分かったことは、これらの国々が、薬物の取り締まりにかかわる諸法令によって薬物の所有、使用、及び供給を禁じているにもかかわらず、どの国でも薬物の使用が減っていないということである。いくつかの国々では規制の強化が、HIVの血液感染を引き起こす可能性の高い、注射針の共用などのより危険性の高い方法へと向かわせている。同報告書はヘロインの入手が困難になったことが、薬物注射を拡大させた原因になったのではないかと指摘している。

これらの国々では、注射針を使用する薬物使用者に対して無菌の清潔な注射器の供与を行うことは、法令により禁止されている。また、多くの国の法律は禁止された薬品の使用を医療目的に限って許可しているが、経口投与は認めていない。さらに、薬物依存の治療薬としても用いられる、メタドンとブプレノルフィンについては国ごとに様々に規制がある上に、治療と監視の仕組みがないことで、代替療法の実施に支障が出ている。南アジア全域において、薬物依存の治療は刑事・民事上の複雑な手続きを経なければ受けられないようになっており、多くの薬物使用者が、治療にアクセスできない状態となっている。さらに、安全な注射の使用法及び薬物の使用についての情報が少なく、これらの情報の提供も法律で禁じられている。コンドームの入手は可能であるが、同性愛を禁止する法令などが障害となり、刑務所では供給されていない。

こうした状況に対して、同報告書は、IDU対策を法律に沿った形で行なうためのいくつかの措置を提示している。一つは、IDU対策を医学的治療の一部として位置付けることである。また、ハームリダクションやヘルスケアに携わるスタッフに対しては、例外的に扱い、法的な処罰の対象からはずすことなども検討の対象となりうる。

レポートは下記のサイトからダウンロード可能。
http://www.unodc.org/pdf/india/reports/h13_report_0407/h13_report_0407.pdf

原題:Legal and Policy Concerns related to IDU harm reduction in SAARC countries
日付:April 12, 2007
出典:Yahoo health groups: AIDS Analysis Asia Pacific e-Newsletter
URL:http://health.groups.yahoo.com/group/AIDS_ASIA/message/820

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★アジア開発銀行、アジアのNGOにHIV/AIDS予防の資金拠出
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2007年、アジア開発銀行が、HIV/AIDS予防促進のために活動しているNGO団体に対し、合計150万ドル(約1億8000万円)の資金拠出を決定した。

これはスウェーデン政府によって設立されたHIV/AIDS信託基金 HIV/AIDS Trust Fund の融資によるもので、今回のNGOへの資金提供は、エイズ対策支援のサブプロジェクト・セットアップの包括的計画の一部である。この交付金は、アジア・太平洋地域における開発途上加盟国で活動しているNGOに対するもので、HIV感染予防とケア、そして治療行為などの活動に対する資金拠出となっている。また、感染の影響を受けやすい人口・社会集団へのケア・プログラムを実施しているNGOが融資の優先順位が高いようだ。アジア開発銀行ではこれまで、アジア太平洋地域におけるHIV/AIDS活動を支持してきたが、さらに有効な奉仕活動や、治療に必要な物資の運搬を援助するために、NGOと共に働く機会を設けている。

アジア開発銀行は、HIV/AIDS予防プログラムを実施している13のNGO団体を既に決定している。交付金はスウェーデン政府によって融資された、「アジア開発銀行アジア太平洋地域HIV/AIDS対策協力基金」 ADB's Cooperation Fund for Fighting HIV/AIDS in Asia and Pacific によって提供される。また、UNAIDSとも密に連携して、500以上のNGOによる案件提案書を提案を審査し選抜した。。この基金は、アフガニスタン、バングラデシュ、カンボジア、フィジー諸島、カザフスタン、キルギス、モンゴル、中華人民共和国、フィリピン、タジキスタン、タイ、およびベトナムで活動するNGOに拠出される。。

原題:Thirteen NGOs to Receive ADB Funding to Prevent HIV/AIDS
出典:アジア開発銀行ウェブサイト
URL:http://www.adb.org/NGOs/funding.asp

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★世界銀行: 突然の「『反』家族計画」 論?〜マダガスカル国別援助計画より
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米国のNGO「健康とジェンダー平等のためのセンター」 Center for Health and Gender Equality と国際家族計画連盟 International Planned Parenthood Federation (IPPF)は、世界銀行によるマダガスカルへの国別援助計画から、家族計画に関する言及が全て削除されようとしていることに、驚愕と懸念を表明する声明を発表した。以下、声明を紹介する。

世界銀行におけるこの驚くべき指示は、世界銀行の専務理事 Managing Director であったフアン・ホセ・ダボーブ Juan Jose Daboub 氏により行われた。氏は、マダガスカルの国別援助計画から家族計画に関するすべての言及を削除するよう指示したが、これは、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)、貧困削減における世界銀行のこれまでの政策や国際的な合意原則や基準から逸脱するものである。 
 
「健康とジェンダーの平等のためのセンター」 Center for Health and Gender Equity (CHANGE) 代表 ジョディ・ジェイコブソン氏 Jodi L. Jacobsonは、「世銀の家族計画やHIV感染予防に逆行するような方針について、これを遺憾に思う」と話す。 「家族計画とリプロダクティブ・ヘルスは、女性の地位向上に不可欠で、また貧困削減や感染症予防の観点からもなくてはならない。総裁であるポール・ウォルフォヴィッツ氏 Paul Wolfowitz は、誤りを認め、公の場で、世銀のリプロダクティブ・ヘルスの政策や位置づけを明確に示すべきである。」と、ジェイコブソン氏は指摘している。

こうした動きは、これまでの世銀の政策の方針から逸脱したものであり、2007年の世界開発報告書でも、リプロダクティブ・ヘルス・サービスの重要性に触れており、マダガスカルの家族計画への対応は予想外のものだった。同報告書は、性の健康と家族計画、更には若い女性のための安全で合法的な中絶機会への重要性を認めている。 
 
このような急展開の背景には、中米エルサルバドル共和国の元財務大臣であり、また、カトリックの聖職階制と密接な関係にある同国の右派政党の党員だったダボーブ専務理事の個人的な動機があるようだ。同理事は、ウォルフォヴィッツ総裁により昨年4月に雇用されている。

「貧困削減のためには、世銀は、家族計画やリプロダクティブ・ヘルスの支援を削減するどころか、より拡大していかなければならない。ダボーブ氏のような極端な保守主義者は、国際機関ではお呼びでないはず」と語るのは国際家族計画連盟英国ウェストハンプシャー地区区カルメン・バロッソ氏 Carmen Barroso である。

思想的な立場から家族計画やリプロダクティブ・ヘルスを妨害しようとすることは、世銀のような国際機関では避けられなければならないことである。しかし、キリスト教原理主義団体の強い影響下にある米国ブッシュ政権も、今回行われたような圧力を世銀に対して行使しようとしており、その動向が懸念される。

原題:Groups Decry World Bank's Attack on Family Planning Reversal in World Bank's 
position on family planning undermines country efforts to reduce poverty and prevent disease
日付:April 13, 2007
出典:CENTER FOR HEALTH AND GENDER EQUITY プレスリリース
URL:http://www.nabeepchen.com/archives/2007/04/14/pump-out-them-babies  
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将来計画の形成に前進
=世界エイズ・結核・マラリア対策基金第15回理事会=
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【ジュネーブ発:グローバル・エイズ・アップデイト編集部】2007年4月25日から27日までの3日間、ジュネーブで世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)の第15回理事会が開催された。世界基金理事会では過去数回にわたって世界基金の2010年までの戦略課題が討議されてきたが、今回の理事会で、主要な点がほぼ決着した形となった。

戦略課題のうち、最大の対立点をなしていたのは、世界基金の資金規模の問題である。目標となる資金規模を決定して、それに向けて資金確保の努力を行っていくことは、世界基金の拠出の安定性と継続性の確保に向けて極めて重要である。これについて、途上国政府および市民社会側は、より大きな資金規模である60億ドルから80億ドルの線を主張し、一方、先進国政府側は、より「現実的」な資金規模として、40億ドルから60億ドルの線を主張した。これについては、理事会開催の3日間を通じて調整が行われ、最終的に、世界基金への資金需要が60-80億ドルに延びることが予測されること、それに向かっての資金確保に努力することが明記された。

その他の戦略課題についても多くの決定が行われた。この中で、将来の世界基金のあり方に大きな影響を及ぼしそうなのは、「国家計画への直接の資金拠出」 Program Funding の導入である。三大感染症に対して適切なプロセスを経て採択された、質の高い国家計画について、新たに独立した審査メカニズムを設置して、直接の資金拠出を行うことを目指すことが決定され、次回理事会において、この審査メカニズムに関する提案がなされることとなった。これは、プロジェクト・ベースの資金拠出を基本としていた世界基金のあり方が、プログラム・ベースに転換していく可能性をはらむものとなっている。

世界基金への市民社会・民間セクターの参画の拡大に関しても討議と採択が行われ、基本的に、世界基金の案件においては、資金受入責任機関(Principal Recipient (PR) :世界基金から資金を受け取り、運用する責任を持つ団体)を、市民セクターを含む異なったセクターから二つ選定することで、資金活用の透明性を上げ、案件の実施成績を向上させるという「二重責任機関制」(Dual Track)が原則となった。

一方、近年、世界基金に対して、目的を限定して寄付を行うケースが増大している。例えば、民間企業による世界基金への貢献イニシアティブである「プロダクト・レッド」 (Product)REDはアフリカのエイズ問題に資金使途を限定しており、フランス等を中心とする「UNITAID」は、一部の医薬品購入への資金拠出に使途を限定している。こうした「目的限定的資金貢献」(Restricted Financial Contribution)については、民間および核心的資金創出メカニズムに限って認め、世界基金の主要財源である政府開発援助(ODA)については目的限定的な拠出は認めないとする原則が採択された。

一方、世界基金への新たな資金創出方法として「債務振り替え」Debt Conversion が4カ国を対象に、ひとまず「予行段階」 Pilot Phase として行われることとなった。これは、対象国に対して債権を持つ先進国が合意して、対象国の債務を免除し、免除された債務の内の一定の割合が、対象国の世界基金のプロジェクトへの追加資金として拠出されるというものである。最初は、インドネシアとドイツが合意して実施することになりつつある。

なお、今回の理事会は議長・副議長の改選にあたっており、議長には、民間セクター理事のラジャット・グプタ氏 Rajat Gupta (出身は米国。コンサルタント企業「マッキンゼー」の元最高経営責任者)、副議長には、途上国NGO代表理事のエリザベス・マタカ氏 Elizabeth Mataka が新たに選出された。

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★アジア太平洋地域会議: HIV/AIDSへのコミュニティー・アプローチに注目
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2007年8月19日から23日に開催される、第8回アジア太平洋地域国際エイズ会議  International Congress on AIDS in Asia and the Pacific (ICAAP)がスリランカ、コロンボにて開催される。この地域でこれまで延々と繰り返されてきた、政府が果たすべき役割への議論に飽き飽きした活動家、専門家、およびHIV陽性者らは、この会議を、コミュニティにおける強いリーダーシップを主眼にしたものにしようと計画している。

UNAIDSアジア・太平洋地域局地域プログラム・アドバイザーであるチョウ・カシン氏は、「地域レベルでのリーダーシップについて書かれた抄録が多く、かなり目立っている。コミュニティを形成する市民社会側は、政府に頼らず、自分たちがするべきこと、必要なことが何かを掌握し、自身の未来は自分たちで担うということではないか。」と言う。

本会議は、60ヶ国、3,000人を越える参加者が予想され、政治家、官僚、医療系専門家、研究者、HIV陽性者、メディアらの参加が期待されている。ICAAPは、スリランカ最大の国際会議の一つだが、現在の同国の治安状況によって、人々が参加を見送らないかが大きな懸念事項だ。

4月初旬、開催地となるコロンボで、アジア太平洋地域の専門家・活動家らが集まり、本会議の内容や運営についてのディスカッションが行われた。特に差別やスティグマ、陽性者への治療アクセス、政治指導者らによるコミットメント、ハーム・リダクション(健康被害軽減)、エイズによる影響を受けるコミュニティへのサービスの拡大、およびコミュニティ・リーダーシップなどが具体的な課題として提示された。

話し合いでは、具体的な国々の差別やスティグマ、治療アクセスなどについて事例が発表された。中国・インドの動き、ベトナムの差別の事例、そして現在アジアでも注目をされている薬物使用者への、清潔な針交換を含むハーム・リダクションなども討議された。本会議では、コミュニティ・レベルでこれらの課題がどのように可視化され、問題克服につながっていったのかなどが注目を集めることになるだろう。

原題:Stress on Community Approach to HIV/AIDS
日付:April 9, 2007
出典:IPS website
URL:http://www.ipsnews.net/news.asp?idnews=37274

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★ユニバーサルアクセスの実現に向けて行動を!—5月20日から26日は全世界での行動週間—
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WHOの発表によると、2006年に新たに70万人がエイズ治療薬にアクセスできるようになり、治療薬にアクセスできる人の数は全体で201.5万人に達した。しかし、その一方で数百万人の人が早S急に抗レトロウイルス薬を必要としながら、その供給を待っている状態であり、これまでの増加のペースでは、2010年までに治療薬を必要とする全ての人に治療薬を提供するという、「ユニバーサルアクセス(すべての人にエイズの予防と治療とケアを提供する)」の目標達成には、500万人も及ばないこととなる。この時期には、映ず治療を直ちに必要とする人は980万人にのぼると推測されている。

治療薬がなければ生きられない数百万人の人々に、治療薬を届けるスピードを上げるためには、より多くの人の行動が必要とされる。そこで、世界的なエイズ治療アクセスの実現に向けて活動する市民団体である、国際治療準備連合International Treatment Preparedness Coalition (ITPC)は、世界エイズ・キャンペーン(World AIDS Campaign)とともに、5月20日から26日までの1週間を、エイズ治療の普遍的アクセス実現のための「全世界での行動週間 Global week or Action」とし、より多くの人の参加を呼びかけている。6月6日から8日までドイツで開催されるG8サミットに先立って行なわれるものである。

○なぜユニバーサルアクセス目標が危機にあるか
エイズ治療薬へのアクセスは過去3年間で急速に拡大したが、このままの増加のペースでは普遍的アクセスの実現には間に合わない。100カ国以上の国々の中で、たったの35カ国しかHIV/AIDS対策のための資金計画を増額させていない。エイズ政策を主導する立場にある世界保健機関WHOは、十分に資金集めが行なわれておらず、治療の拡大に向けてリーダーシップを発揮できていない。G8諸国は、2005年のグレンイーグルズG8サミットで掲げた国際的な公約に対して、十分に取り組んでいない。

○何を要求しているのか
各国政府はHIV感染の予防や結核の診断や治療などが行えるように、より強い保健制度を構築できるよう取り組むべきである。また、すべての国は2007年6月末までに、毎年度の目標や予算額を含む、普遍的アクセス実現のための資金計画を提示すべきである。WHOは治療拡大目標と計画をレビューし、野心的で、かつ実現可能性のある計画と目標を提示すべきである。G8は6月のドイツでのG8サミットにおいて具体的な資金計画を提示すべきである。多国間、二国間及び民間の資金提供機関は、WHOがリーダーシップを発揮できるよう資源を保証すべきである。アボット社やノバルティス社などの製薬企業は、ジェネリック薬を製造しようとする途上国政府に対して圧力をかけるのをやめるべきである。

○これまでの取り組みの成果
ITPCは、ジュネーブで、WHO、UNAIDS、世界基金と2007年3月に一連の会議を持ち、各機関に要望を提示し、交渉を行なってきた。また、G8諸国にも要望を書き連ねるとともに、アボット社やノバルティス社による途上国政府に対する法外な行為への抗議活動を行なってきた。

○今、行動すべきこと
「全世界での行動週間 Global week of action」に、保健大臣や財務大臣などの各国の政府のリーダーたちに対して、電話や電子メール、ファックスの送信や、集会の開催などによって、次の3年間でユニバーサルアクセスの実現に近づくための目標や期限や工程を示すよう要望する必要がある。また、WHOやUNAIDS事務所やG8諸国の大使館にも、財政面やその他の支援が現状では不十分であることを伝えなければならない。その他、先進国の国際開発担当部門や世界基金、WHO、及びその他の基金の十分な資金援助がなければユニバーサルアクセスの達成という公約が果たされないことを伝える必要がある。そして、各機関には、ユニバーサルアクセスの達成に向けて、2010年の目標達成までの明確な運営計画を提示させる必要がある。


原題:Universal Access to AIDS treatment destined to fall FIVE MILLION 
Lives short UNLESS WE ACT  Global Week of Action -- May 20 -26, 2007
日付:April 26, 2007
出典:Universal Access Aids Campaigning website
URL(参考):http://www.ua2010.org/index.php/en

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■□編集後記
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気持ちのいい日が続きますが、皆様いかがお過ごしですか。
編集員Wは、先週末に長野県の上高地へ小旅行に行ってきました。長い間行ってみたいと憧れていた場所だったので、日本アルプスを目の当たりにしたときの感動は、ひとしおでした。
今年の夏は、山にも登ってみたいと次の目標に胸をふくらませています。

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■□メールマガジンご案内
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○メールマガジン「グローバル・エイズ・アップデイト」は、世界のHIV/AIDS問題の 最新動向を網羅するメールマガジンとして発行しています。

○HIV/AIDS問題は、現代世界に於ける保健医療上の最大の問題の一つです。しかし、日本では、こうしたグローバル・エイズ問題の深刻さや最新の情報が伝わっておらず、この問題へのコミットメントが薄いのが現状です。

○このメールマガジンは、グローバルなHIV/AIDS問題の最新動向を日本語で伝えるメディアが必要だという認識から生まれました。HIV/AIDSに関わる主要なウェブサイトの記事を日本語で要約し、隔週で発行いたします。

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  • (特活)アフリカ日本協議会は、アフリカの人々の地域自立の支援、アフリカの人々との対等なパートナーシップの構築、アフリカに関わる人々のネットワークの形成、アフリカ理解の促進とアフリカの自立支援のための政策提言などを行っています。

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