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地球規模の広がりを見せるHIV/AIDS問題。アフリカなど途上国を中心に、現状と国際社会、市民社会の取り組みの最新情報を伝えるメールマガジン。




58号(Global AIDS Update)

発行日: 2006/12/7



■GLOBAL■<□<■AIDS■>□>■UPDATE■

 グローバル・エイズ・アップデイト
       GLOBAL AIDS UPDATE
----------------------------------
第58号(第3巻第7号) 2006年(平成18年)12月7日
Vol.3-No.7 (No.58) Date: December 7, 2006 

■GLOBAL■<□<■AIDS■>□>■UPDATE■

◆発 行:(特活)アフリカ日本協議会
◆連絡先:
・東京都台東区東上野1-20-6丸幸ビル2F
・電 話:03-3834-6902
・FAX:03-3834-6903
・電子メール:info@ajf.gr.jp
◆バックナンバー:下記ブログをご覧ください。
http://blog.livedoor.jp/ajf/
◆Melma!を通しての購読申し込みは
http://www.melma.com/backnumber_123266/
◆本メールマガジンから転送・引用を行う場合は、事前に発行者にご連絡をお願いいたします。

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はじめに:発行趣旨
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○HIV/AIDS問題は、現代世界に於ける保健医療上の最大の問題の一つです。
○しかし、日本では、こうしたグローバル・エイズ問題の深刻さや最新の情報が伝わっておらず、この問題へのコミットメントが薄いのが現状です。
○このメールマガジンは、グローバルなHIV/AIDS問題の最新動向を日本語で伝えるメディアが必要だという認識から生まれました。
○HIV/AIDSに関わる主要なウェブサイトの記事を日本語で要約し、隔週で発行いたします。

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■「第58号」目次
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地域情報
●アフリカ地域
1.急成長するナイジェリア映画界=「ノリウッド」、HIV/AIDS啓発に一役
 
● 米州・カリブ海地域
1.ガイアナ:南米で2番目にHIVの影響を受けている国

●アジア・太平洋
1.シンガポール政府、アナルセックスとオーラルセックスを合法化
 =ただし異性間のみに限る=

2.アジア開発銀行、太平洋地域のエイズ対策に資金提供

3.パプア・ニューギニア:警察による子どもへの暴力がHIVを拡大している-

国際政治
1.ドイツ、次期G8サミットの主要議題にアフリカ支援を掲げる
2.専門家グループ、単一で権威あるエイズ情報機関の設立が必要と提言

その他
国際HIV/AIDS連合、コミュニティの活動活発化のためのツール・キットを発行

-------------------------------------------- Vol.3 _ No.7 ★----

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急成長するナイジェリア映画界=「ノリウッド」、HIV/AIDS啓発に一役
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西アフリカの大国、ナイジェリアでは映画産業が急成長を続けており、制作本数だけでみると米国、インドについで世界第3位の映画大国となった。ナイジェリアの映画産業は、米国のハリウッド、インド・ボンベイ(ムンバイ)のボリウッドをもじって、「ノリウッド」Nollywoodと呼ばれている。

この「ノリウッド」の映画俳優や映画制作者たちが、HIV/エイズ対策に映画を使って一役買おうとしている。映画などのメディアをHIV感染拡大に歯止めをかけるために活用しようと訴えるエイズ映画週間が、ナイジェリアの首都アブジャで実施された。このイベントは、ナイジェリアのエイズ対策委員会と同国保健省の後援によって行われ、ナイジェリア国内外の映画関係者が参加して行われた。

ナイジェリア映画俳優組合会長のダン・アメデゥ氏によると、このイベントはコンドームなどのHIV感染予防具を使用しないでセックスをする危険性を訴えることが目的とした。同イベントでは、1人のパートナーだけと性的関係を保つことが現実的に難しいという状況を踏まえ、多くのパートナーと性的関係を持つ場合は、必ずコンドームを使用することを訴えている。

一部の映画関係者の間では、「ノリウッド」映画はアフリカの人々の声を代弁しているものであり、なぜこれまで映画などのメディアがHIV/エイズ対策に有効活用されてこなかったのかという疑問の声があがっている。

映画女優のヒルダ・ドクボさんは、HIV陽性者の役を演じることを避けたがっている同業者たちを厳しく非難する。というのも、彼らはHIV陽性者の役を演じることにより、彼ら自身が本当にHIVに感染していると勘違いされ、差別されるのではないかと恐れているからだ。ドクボさんは、映画の登場人物が人々に与える影響力は大きく、社会において多くの変化を生み出すことができると確信している。また、彼女は、HIV/エイズに関する映画をナイジェリア政府の支援なしに制作するよう映画製作者たちに働きかけている。

ドクボさんは、以前に女性のHIV感染者の役を演じ、痩せこけてゆく感染者を演じるために厳しい減量をした。ところが、この役を演じたために周囲の人々からはHIVに感染していると誤解され、実際には感染していないということを証明するのに大変な苦労をした。彼女がHIV陽性者に対する差別・偏見をなくすために努力する日々は続く。

原題: NIGERIA: "Nollywood" joins fight against HIV
日付: October 17 , 2006
出典: IRIN Plus News
URL: http://www.plusnews.org/AIDSreport.asp?ReportID=6468&SelectRegion=West_Africa&SelectCountry=NIGERIA

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★ ガイアナ:南米で2番目にHIVの影響を受けている国
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南米大陸、ベネズエラの東隣に位置するガイアナは、南米・カリブ海地域ではハイチに次いでHIV感染が拡大している国である。人口80万人強(徳島県の人口とほぼ同じ)の同国には12,000人のHIV陽性者がおり、4,000名が抗レトロウイルス薬(ARV薬)の治療を必要としているが、2006年9月現在、1,546名のみしかARV治療を受けていない。

UNAIDS、WHOによれば、ガイアナは多額のHIV/AIDS援助を受けており、HIV陽性者一人当たりでは世界一であるにもかかわらず、国内でARV治療を必要とする患者の60〜75%はいまだにARVを入手できず、現在エイズは成人の主要死亡原因の一つとなっている。米国中央情報局(CIA)の「世界情報」(The World Factbook)によると、2003年のガイアナ1国でのエイズによる死亡者数(1,100人)は、オーストリア・ベルギー・オランダ・スイス・アイルランド・北欧4カ国・キューバの10カ国のエイズ死亡者数合計よりも多かった。

さらに、ガイアナでは、抗レトロウイルス治療の最初の組み合わせ(第一選択薬)に体制ができた場合の第2選択薬および診断検査へのアクセスは限られている。2006年2月時点で、第二選択薬を入手できるのはARV治療中の1%未満(12名)のみである。また、ARV治療を受けられるとしても、長期間不定期な頻度で投薬されることがあり、第一選択薬 First line ARV への薬剤耐性が現れやすい。現在のところ、推計10〜20%以上の人に体制が出現している。ガイアナには耐性遺伝子型あるいは表現型の検査技術がなく、ウイルス量検査は私立病院1ヶ所でしか実施できない。このような技術的な限界のため、海外に家族がいて資産を持つHIV陽性者は、米英など、海外に脱出してHIV治療へのアクセスを求めている。

また、もともとイギリス領であったガイアナには、合意に基づく成人同性間の性交渉を違法とする植民地時代の法律がある。これに対し、同性愛者に関する活動団体やUNAIDS、HIV陽性者団体などは、宗教団体、保守的な政治家らが、この法律を支持し続けていることへ懸念を示している。この法律のために、同性愛者や性産業従事者等への偏見が増し、対策プログラムへの資金援助活動やこれらの人々が予防啓発活動に参加することが難しくなり、そのプログラム自体が違法となる可能性がある。

ガイアナ政府および米国政府、世界エイズ・結核・マラリア対策基金を含めた主要なドナーらは、これらの問題に取り組み、性的指向やHIV陽性・陰性・不明等にかかわらず、すべてのガイアナ市民の権利を保障する新しい法律を作成し、国内外でいまだに広がるHIV/AIDSや同性愛に対する偏見・差別を減らす努力をすべきである。ガイアナの地方部はとくに、情報・サービス・ケアがいまだに乏しく、礼拝に出席すればHIV/AIDSが治るというような根拠のない宗教的な教えが有害な影響を与えている。これらの地方において、適切な情報の普及は特に重要である。

詳細情報へのリンクは下記のとおり(すべて英文サイト):

アムネスティ・インターナショナル: ドミニカ共和国とガイアナでのHIV/AIDS・人権問題
http://web.amnesty.org/library/pdf/AMR010022006ENGLISH/$File/AMR0100206.pdf

ガイアナ大統領エイズ救済緊急計画 米国 現状報告 2006年7〜8月
http://www.hiv.gov.gy/docs/cdc_rp_pepfar_jul_aug06.pdf

ガイアナ政府 HIV/AIDSプログラム
http://www.hiv.gov.gy/

アグア・ブエナ人権協会
http://www.aguabuena.org

ガイアナ政府、アメリカ人牧師を非難 (Yahoo!ニュース 2006/10/30)
http://news.yahoo.com/s/ap/20061030/ap_on_re_la_am_ca/guyana_us_evangelist

原題: Misinformation and denial of evidence based HIV/AIDS treatment and prevention spreads within Caribbean Region
日付: October 2006
出典: Agua Buena Associacion de Derechos Humanos 
URL:http://www.aguabuena.org/ingles/articules/guyana200610.html

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★シンガポール政府、アナルセックスとオーラルセックスを合法化
=ただし異性間のみに限る=
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2006年11月4日、シンガポール政府は、22年ぶりに刑法を改正して、合意に基づく異性愛者の成人間におけるアナルセックス及びオーラルセックスを合法化した、と発表した。ただ、この改正は異性愛者間のみと明示されており、同性愛者間の行為は依然として違法である。

今回廃止されたのは、刑法377条の一部で、同条項は、公共の場で、また私的に「男性・女性および動物の自然秩序に反する性行為」をした者に懲役又は罰金を課していた。一方、男性間の性行為を「わいせつ」として2年以下の懲役を規定する377条A項は現状のまま残った。

英国、香港及びオーストラリアは、男性間の性行為を禁止する法律をそれぞれ1967、1991、1997年に廃止している。

今回の改正を先導したシンガポール内務省 The Ministry of Home Affairsは、改正が一部規定に留まっていることについて、「刑法の性的行為に関する規定は、社会通念上受け入れられるものと受け入れられないものとを明確に区分している」とするプレスリリースを発表した。「シンガポールは保守的な社会であり、多くの国民は同性愛を容認していない。宗教団体などは同性間の性行為を批判している。こうしたことから、政府は同性愛者のライフスタイルを容認する立場をとっていない。」と説明している。

この発表に対し、ゲイとレズビアンのアドボカシー団体である「ピープル・ライク・アス」 People Like Us は、377条A項が実際に運用されていないとしても、同規定が存在することこそが同性愛者への差別を正当化していると批判した。

刑事法専門の弁護士であるスバス・アナンダンSubhas Anandan氏は、「現状の罰則規定は同性愛者にとって著しい障害になっている。この規定は社会が閉鎖的であることの象徴だ。」と話す。

今回の改正では他にも児童買春、クレジットカード詐欺などの罰則を明文化し、「インターネット」など新しい技術についても定義するなど、19項目に及んでいる。

原題:Singapore to legalise anal, oral sex - but only for heterosexuals
日付:November 9, 2006
出典:Fridae Empowering Gay Asia Website
URL: http://fridae.com/newsfeatures/article.php?articleid=1800&viewarticle=1

(編集部注)シンガポールの同性愛禁止法(反ソドミー法)は19世紀後半の英国ヴィクトリア朝時代に、英国の各植民地に持ち込まれたもので、正常位以外での性行為を「自然に反する」(unnatural)などとして禁止し、重刑を科すものです。英国など同性愛者の解放運動が強力に存在する国では廃止もしくは死文化されましたが、多くの途上国ではこの法律が残存し、政府が同性愛者を弾圧するための法律的な根拠として使われています。前の「ガイアナ」の記事で述べられていた同性間性行為を禁止する法律も、シンガポール同様、英国によって持ち込まれた反ソドミー法です。

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★ アジア開発銀行、太平洋地域のエイズ対策に資金提供
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アジア開発銀行(ADB)は、ソロモン諸島やトンガ王国をはじめとする太平洋地域の国・地域にHIV感染予防の治療サービスの提供を開始した。提携先である太平洋共同体事務局 the Secretariat of the Pacific Community(SPC)が実際のHIV/AIDS対策プログラムを運営し、ADBが800万米ドルを拠出する。対象は、クック諸島、キリバス共和国、マーシャル諸島、ミクロネシア連邦、ナウル共和国、サモア独立国、ソロモン諸島、トンガ王国、ツバル及びバヌアツ共和国の10カ国・地域である。

SPCは、太平洋地域の諸国・諸地域において、技術や研究調査面から援助をする専門組織で、約1年前にHIV/AIDS対策についてADBと提携をした。この組織は、10人の専門職員を雇用してHIV感染予防活動に取り組んでいる。マス・メディアを通じたコンドーム配布に関するマーケティング調査やヘルスケア・ワーカーの育成、HIV感染の可能性が高いグループに対する情報提供を行っている。

これまで、この地域では、コンドームの使用が普及していなかったことをはじめ、高い人口移動率や性感染症への強い偏見が太平洋地域でのHIV感染の可能性を高めていた。

ADBの太平洋地域ディレクターのインデュ・ブシャン氏 Indu Bhushan は、プログラムの実施に「強い手ごたえを感じる。」と話す。

今後、SPCは、移動が多いためにHIV感染の可能性が高いと推測される船乗りのために、ドロップ・イン・センターをバヌアツとキリバスにつくる予定だという。センターにはインターネットなどの通信設備やHIV抗体検査やHIV感染経路についての正しい情報を得られるよう配慮しているという。

詳細は、http://www.adb.org/Projects/HIV-AIDS/default.aspを参照のこと。

原題:ADB Partnership Delivering Services to Fight HIV/AIDS in The Pacific
日付:November 20, 2006
出典:ADB website
URL:http://www.adb.org/Media/Articles/2006/11007-Pacific-HIV-AIDS/default.asp

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パプア・ニューギニア:警察による子どもへの暴力がHIVを拡大している
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国際的な人権NGOである「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」(Human Rights Watch)によると、太平洋地域南部のパプア・ニューギニアでは、警察官による、子どもを対象にした暴力問題が深刻だ。最近ではこの問題に関する法改正が実施されたが、少年拘置所などに収容された子どもたちに対する性的暴行や虐待が後を絶たない。また、拘置所では、空きの拘置室がある場合でも、子どもたちが他の大人たちと同房に入れられ、性的暴行や暴力の危険にさらされている実態が次々と報告されている。

同国では、警察官による暴力は日常化してしまっている。あまりにも日常茶飯事なために、一般の人々は、暴力事件を特に騒ぎ立てることはない。しかし、暴力が人々によって許容されているわけではない。事実、人々は、パプアニューギニアの警察が、一日でも早く、信頼するに足る組織に生まれ変わってくれることを切望している。

一方で、このような警察官による性的暴力は、同国における急激なHIV感染率の増加につながっているとの指摘がある。同国は、南太平洋地域において最もHIV感染率が高く、警察によるセックス・ワーカー、少年、男性同性愛者たちを狙った暴力事件やコンドーム所持者に対する嫌がらせは、さらなるHIV感染拡大を招いてしまっていると危惧されている。

同国では、警察によるこのような暴力事件を減らすために、警察官2人1組で子どもたちの監視に当たるシステムを導入した。これにより、暴力問題の改善の兆しが見られ初めている。また、虐待を防ぐための監視システムのさらなる導入が検討されており、いくつか非政府組織(NGO)も警察の暴力問題を改善するための対策にのりだしている。しかし、このような対策が進んできているものの、今のところ子どもに対する暴力事件の減少に結びつく明確な成果は現れていないのが現状である。

このような警察の暴力事件減少にむけた改善努力は、これからも政府によって取り組まれるべき重要な課題である。オーストラリアは、この分野におけるパプアニューギニアの最大の援助国であるが、過去、オーストラリア政府からの支援によってパプア・ニューギニア警察による暴力問題改善することが十分にできてこなかった。そのため、現在パプア・ニューギニア政府とオーストラリア政府間における支援金調達交渉は依然として継続中である。

原題:Papua New Guinea: Government Must End Continuing Police Brutality Against Children Torture, Rape Undermine HIV/AIDS Prevention
日付: October 30, 2006 
出典: Human Rights Watch website
URL:http://www.hrw.org/english/docs/2006/10/30/png14463.htm

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★ ドイツ、次期G8サミットの主要議題にアフリカ支援を掲げる
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2007年の主要国首脳会議(G8サミット)の議長国となるドイツは10月18日、2007年のサミットの主要議題に「アフリカ」と「気候変動」を掲げると発表した。2005年に英国で開催されたグレンイーグルズ・サミットの2大課題を引き継ぐことになる。ドイツは来年、アフリカの首脳を招いて、民間投資の条件緩和と拡大に重点をおいたアフリカ会議を開催する予定もあり、アンヘラ・メルケル首相Angela Merkelは、「グレンイーグルズで公約したアフリカの債務救済と支援拡大の実現を目指す」と意気込みを語っている。

国連貿易開発会議UNCTADによると、2005年のアフリカへの対外直接投資は、前年比78%増の310億米ドル(170億英ポンド)に達したが、多くの投資は価格高騰の影響を受けて、石油、ガス、鉱業などのセクターに費やされることとなった。その結果、アフリカ諸国の貧困層には、投資増の恩恵がほとんど還元されなかった。

ドイツは、旧東独地域の観光都市ハイリゲンダム Heiligendamm で開催される次期サミットの課題を当初、「世界経済」で検討していたが、「アフリカ」と「気候変動」を加え、より野心的な議題を掲げた。この発表を受けて、貧困削減に取り組む団体などから評価の声が上がっている。ロックバンドU2のボノ氏が主宰する、アフリカの貧困やエイズに取り組む支援団体DATA(Debt, AIDS, TRADE, Africa)のオリー・バストン氏Olly Bustonは「アフリカと世界経済という2大課題を扱うのは、非常に前向きで正しい選択だ」とコメントしている。オックスファムOxfam のアドリアン・ロベット氏Adrian Lovettもメルケル首相の姿勢を歓迎している。だが一方で、英国の国際NGOオックスファムOxfamは、グレンイーグルズ・サミットで主要8カ国が公約した18の最貧国の債務帳消しと2010年までに年間500億米ドルの途上国への援助増額を行うことに対して、「公約を達成するには、各国の支援は出遅れている」と報告しており、前出のロベット氏も「先進国が、長期的で予測可能な支援を行わない限り、途上国は貧困から脱出できない」と訴えている。

ドイツは、次期Heiligendamm・サミットでの協議事項として、ヘッジファンドの規制についても示唆しているが、進展はあまり期待できない。他方、主要国に中国を加える可能性についても否定的だ。中国については、ブラジル、インド、メキシコ、南アフリカ共和国という4カ国と共に、サミットに招待することになりそうだ。

原題: Germany to put debt and aid for Africa at top of G8 agenda
日付: Thursday October 19, 2006
出典: Guardian
URL : http://business.guardian.co.uk/story/0,,1925448,00.html

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専門家グループ、UNAIDS/WHOに替わる新たなエイズ情報機関の設立が必要と提言
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国際的な医療保健専門家のグループが、HIV/AIDS問題に取り組むWHOやUNAIDSに取って代わる、新たなエイズ情報機関を設立すべきとの提言を作成中であることがわかった。このグループによると、医療従事者・政策立案者のため、科学的実証に基づく治療ガイドライン Evidence-based treatment guideline を作成し、医師や政策決定者らが、それぞれの分野で一貫した政策を推進できるようにするためには、一本化されたHIV/AIDSに関する情報機関を設立することが必要だという。

研究者たちは、HIV/AIDS問題で指導的立場にあるWHOやUNAIDSなど大型国連機関が「機能不全に陥り、指導力を発揮できていない、まるで(人造の怪物である)フランケンシュタインのような」状態にあると批判している。

このグループは「英国医学ジャーナル」 British Medical Journal に所属するデイヴィッド・トーヴィー David Tovey 氏をリーダーとする11人の専門家によって構成されている。このグループによると、HIV/AIDSへの取り組みでは、多数の異なる機関がエイズに関して異なった統計を発表するため、情報が混乱し、何が「最良」なのか判断しにくい。ガイドラインを誤って解釈することから、薬剤処方が複雑化し、薬剤耐性の増加が問題となっている。最近開催された「アフリカ医学会」総会でも、より組織的で一元化した情報機関を設立すべきとの要望が出された。単一な情報源を確立し、十分な知的権威を備えることで、各国政府や医学専門家たちも、その勧告を無視できなくなることが望まれる、と、このグループは主張する。

もう一つの問題点として、現行のWHOガイドラインが、科学的実証に基づくものではなかったり、先進国での研究成果に頼りすぎたりしているため、途上国においては、ガイドラインがそのまま適用できないことがあげられる。正しい情報が行き渡らないことは、非科学的な治療法への信奉、ジェンダー格差、差別やスティグマの問題にもつながる。

 このグループは、二つの主要な方法により、科学的な証拠に基づいた政策を導き出そうとしている。1つは、適切なガイドラインを作成することにより、アフリカの政策決定者たちに直接の影響を与えること。もう一つは、単一で包括的な情報源により、世界中でHIVの拡大を止めることを目的とした明確な方針の実現をはかるということである。

チームはすでに内容の評価段階に入っており、現在公開手段を検討している。グループのメンバーで、国際アドボカシー団体「保健外交団」 Health Diplomats 会長のデロン・ヒューマン氏 Delon Humanは、「アフリカの国々の50%以上がすでに民主化を達成しており、インターネットが情報アクセスの拡大を実現している。NGOや医療従事者の団体の力が、非常に大きくなってきている現在、私たちのプロジェクトがアフリカの医療従事者に届くのは確実だと信じている」と語っている。

原題: Does the world need another AIDS authority?
原典: The Lancet 2006; 368:1639-1640
出典: Aids-HIV Information weblog
URL:http://www.aidshiv.info/preventing-aids-among-women-children-in-asia-pacific/preventing-aids-among-women-children-in-asia-pacific.html

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国際HIV/AIDS連合、コミュニティの活動活発化のためのツール・キットを発行
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国際HIV/AIDS連合 The International HIV/AIDS Alliance はHIV/AIDSへの地域での取り組みを活発化するために、次の2種類の教材toolkitとトレーニング用マニュアルを開発した。概要は以下の通り。

○1.1 「様々な手法を使おう!Tools together now!」 
100種類の参加型学習・活動の具体的な手法を集録したもの
○1.2 「皆で一緒に始めよう!All together now!」 
HIV/AIDSの予防、ケア、サポートと治療及びその影響の緩和に向けて、コミュニティがいかに取り組んでゆくかを、解説したもの

この2種類の教材toolkitは、活動団体や地域コミュニティがHIV/AIDSに効果的に取り組めるよう力強い方向性を提示するもので、採用した手法や取り組みは、全て現場で開発されてきたものだ。地域コミュニティが全員でともに活動を始め、状況を調査し、計画し、行動し、評価し、前進するという各過程へと進んでゆく手助けをする。基本的には、HIV/AIDSの影響下にある地域で活動するファシリテーターをトレーニングするためのものだが、その他のHIV/AIDS関連団体においても役立つ。

また、国際HIV/AIDS連合は、抗レトロウィルス薬療法(ART)の地域での実施—訓練用マニュアルも作成した。

抗レトロウィルス治療を受ける人の数の急速な拡大に伴い、NGOやCBOでは、抗レトロウィルス治療およびその影響について適切なトレーニングを受ける必要性が高まっていた。そのようなニーズに応えて、国際HIV/AIDS連合は、トレーニング用マニュアルを作成した。

このマニュアルは、基本的にはNGOやCBOのスタッフに、HIV検査やHIVの予防、およびARTを実施するにあたって、必要な情報や事前に準備すべきことを提示している。マニュアルは専門的ではない、分かりやすい言葉によって書かれていることから、地域の人々に知識を伝えていく上でも役立つ。

さらに、このマニュアルは、ARV療法の準備、HIV陽性の人々への治療のサポート、社会的差別stigmaの防止、子供のためのARV療法等も網羅し、各々について実際的なトレーニングおよびトレーナーへの不可欠な情報とアドバイスが含まれている。

これらの教材を入手するには、下記のウェブ・アドレスからPDFファイルをダウンロードしてください。

1.1, 1.2について  http://www.aidsalliance.org/sw36326.asp
2について      http://www.aidsalliance.org/sw31860.asp

ハードコピーが必要な場合には国際HIV/AIDS連合にリクエストいただければ無償で配布する。

このリソースをできるだけ多くの方々に使っていただけるように、メーリングリストや同様のフォーラム、個人のウェブサイトなどで、国際HIV/AIDS連合のリンクを貼って紹介して欲しい。

原題: Resources: The International HIV/AIDS Alliance toolkits and trainers' manual
日付: October 20, 2006
出典: Break the Silence listserv
URL : http://eforums.healthdev.org/read/messages?id=14206

(編集部注)国際HIV/AIDS連合(International HIV/AIDS Alliance)は、1993年に結成され、現在、世界17カ国でHIV/AIDSに関するプロジェクトを行っている国際NGOで、本部は英国にあります。このツールキット開発のニュースについては、同団体が持つコミュニティとの協働の技術を伝えるものとの趣旨から、重要と判断し掲載しました。

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■□編集後記
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12月1日は、ご存知の通り「世界エイズデー」でした。各地ではいろんなイベントが催されたようですね。編集員Wは仕事で結局どれにも行けずじまい。グーグルのトップページにぽつんと表示されたレッドリボンを横目でにらみながら仕事していました。せっかくの、年に1回の機会に参加できず、残念でした。読者の皆様はいかがお過ごしでしたでしょうか。感想等教えてくださいね。

 ところでここ最近、HIV/AIDSに対する世間の関心の高まりを感じます。世界エイズデーに関しては昨年より報道の扱いがぐっと大きくなりましたし、グーグルのレッドリボン然りです。身近なところでは、最近「グローバル・エイズ・アップデイト」の購読者とブログ(冒頭URLをご参照下さい。)のアクセス数も急増中です。

 ただ、正しい認識が一般に広まっているかは別の話のようで・・・。私の母は「レッドリボン」を乳がんのキャンペーンと混同していました。

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■□メールマガジンご案内
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○メールマガジン「グローバル・エイズ・アップデイト」は、世界のHIV/AIDS問題の 最新動向を網羅するメールマガジンとして発行しています。

○このメールマガジンは、購読者の皆さまにお送りします。継続してお読みになりたい方は、以下の講読申込票をメールマガジン発行元((特活)アフリカ日本協議会)までご送信下さい。また、本メールマガジンを発行している「Melma!」の以下のサイトから登録することもできます。
http://www.melma.com/backnumber_123266/

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<講読申込票>info@ajf.gr.jpまで
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<スタッフ応募・問い合わせ票>info@ajf.gr.jpまで
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発行者プロフィール

ペンネーム : AJF

  • (特活)アフリカ日本協議会は、アフリカの人々の地域自立の支援、アフリカの人々との対等なパートナーシップの構築、アフリカに関わる人々のネットワークの形成、アフリカ理解の促進とアフリカの自立支援のための政策提言などを行っています。

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