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地球規模の広がりを見せるHIV/AIDS問題。アフリカなど途上国を中心に、現状と国際社会、市民社会の取り組みの最新情報を伝えるメールマガジン。




20号(Global AIDS Update)

発行日: 2005/7/14

■GLOBAL■<□<■AIDS■>□>■UPDATE■

 グローバル・エイズ・アップデイト
       GLOBAL AIDS UPDATE
----------------------------------
 第20号 2005年(平成17年)7月13日
  Vol.1 -No.20  Date: July 13, 2005

■GLOBAL■<□<■AIDS■>□>■UPDATE■

◆発 行:アフリカ日本協議会
◆連絡先:
・東京都台東区東上野1-20-6丸幸ビル2F
・電 話:03-3834-6902
・FAX:03-3834-6903
・電子メール:info@ajf.gr.jp
◆バックナンバー:以下のブログを参照!
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http://www.melma.com/mag/66/m00123266/
◆本メールマガジンから転送・引用を行う場合は
 事前に発行者にご連絡をお願いいたします。

*********************
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はじめに:発行趣旨
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○HIV/AIDS問題は、現代世界に於ける保健医療上の最大の問題の一つです。
○しかし、日本では、こうしたグローバル・エイズ問題の深刻さや最新の情報
が伝わっておらず、この問題へのコミットメントが薄いのが現状です。
○このメールマガジンは、グローバルなHIV/AIDS問題の最新動向を日本語で伝
えるメディアが必要だという認識から生まれました。
○HIV/AIDSに関わる主要なウェブサイトの記事を日本語で要約し、隔週で発行
いたします。


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■「第20号」目次 
特集1:G8サミットに向けて:日本の貢献
特集2:アジア太平洋地域エイズ国際会議:神戸
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●特集1 G8サミットに向けて:日本の貢献

1.小泉首相、世界基金に「当面」5億ドル拠出を約束
2.日本政府、感染症対策の新しいイニシアティブを発表

●特集2 アジア太平洋地域エイズ国際会議:神戸

1.アジア太平洋地域エイズ国際会議、神戸で開催
2.アジア太平洋地域は岐路に立っている:UNAIDSが分析と方針を発表
3.中国中央部における売血HIV感染問題:香港の支援団体が記者会見
4.パプア・ニューギニア:アフリカ並の感染割合か?UNAIDS事務局長の発言
5.神戸ICAAPにおける世界基金のプレゼンス
  〜各種関連会合を開催、各国の調整機構の機能はまだ不十分〜
6.

==============================================ミ☆ No.20===

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○特集1:G8サミットに向けて 日本の貢献
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★小泉首相、世界基金に「当面」5億ドル拠出を約束
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【東京発6月30日:グローバル・エイズ・アップデート編集部】2000年に開催
された沖縄サミットは、国際社会が感染症対策を重点化する大きなきっかけと
なった。このサミットから5周年を記念して、6月30日、世界エイズ・結核・
マラリア対策基金、世界基金支援日本委員会、外務省の三者が共催して「沖縄
サミット世界基金構想5周年記念特別シンポジウム」が東京で開催された。
 このシンポジウムに出席した小泉首相はあいさつにおいて、感染症対策にお
ける世界基金の有用性に鑑み、日本政府が「当面」(in the coming years)
5億ドルを世界基金に拠出することを約束した。
 世界基金は、感染症対策における多国間の主要な資金拠出メカニズムであり、
創立以来現在までに127ヶ国の310プロジェクト、計31億ドルの実施を承認し、
2004年末までに13万人のARV治療、100万人以上のHIV検査、38万5千人の結核治
療(DOTS戦略)、30万人以上のマラリア治療(ACT)、135万人以上に蚊帳を配
布するなどの業績を上げている。しかし、資金拠出活動の本格化に伴い、資金
需要が増大する一方、各国の拠出表明の出足は鈍く、2005年4月段階で、2005
年度の資金不足額が9億ドル、2006年・2007年の資金不足額は62億ドルと推定
されている。世界基金は、この資金不足を埋めるため、国連のアナン事務総長
を議長とする「資金補充メカニズム」を起動させ、各国に拠出を促す「資金補
充会議」を3月にストックホルム、6月にローマで開催した。9月にはロンド
ンで第3回資金補充会議が開催されるが、この会議が、各国の資金拠出表明の
山場になると思われる。
 一方、日本国内では、「世界基金支援日本委員会」(事務局:日本国際交流
センター)が2004年6月に正式発足し、世界基金への国内理解の促進と官民あ
げた世界基金への協力の環境整備を担ってきた。一方、日本の資金拠出に向け
た市民社会の行動も展開された。6月7日には、国内外でHIV/AIDSや貧困、ア
フリカ問題に取り組むNGOなど計90団体が、日本政府の世界基金への拠出増を
求める声明を発表し、財務省・外務省・内閣府などに提出した。小泉首相の
「5億ドル」拠出表明は、こうした動きを受けてのものである。
 小泉首相の拠出表明に対して、世界の貧困問題克服に取り組む「ほっとけな
い 世界のまずしさ」キャンペーンは、「小泉首相の拠出表明を歓迎する。一
方で、首相は『当面』5億ドルと表現したが、世界基金の資金不足は深刻であ
り、これが2006-7年の資金ギャップを埋めるためになるべく早期に拠出される
ことを求めたい」との趣旨の声明を発表した。

関連記事:
シンポジウムに於ける小泉首相あいさつ
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/enzetsu/17/ekoi_0630.html
日本の拠出に関する世界基金のプレスリリース
http://www.theglobalfund.org/en/media_center/press/pr_050630.asp
ほっとけない 世界のまずしさキャンペーンのプレスリリース
http://hottokenai.jp/blog/archives/001_campaign_news/000326.html


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★日本政府、感染症対策の新しいイニシアティブを発表
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【東京発6月29日:グローバル・エイズ・アップデイト編集部】日本政府は6
月21-22日に東京で開催された「アジア・太平洋地域における保健とミレニア
ム開発目標に関するハイレベル会合」で、保健と「ミレニアム開発目標」に関
する国際協力についての日本政府の新しいイニシアティブとして「『保健と開
発』に関するイニシアティブ」(Health and Development Initiative: HDI)
を発表した。また、小泉首相は6月28日、駐日アフリカ諸国大使などで作る
「アフリカ外交団」(代表:チュニジア大使)と首相官邸で懇談し、このイニ
シアティブに対して、5年間で50億ドルの拠出を行うことを表明した。
 「『保健と開発』に関するイニシアティブ」は、2000年に打ち出された日本
の主要な保健関係の国際協力イニシアティブであった「沖縄感染症対策イニシ
アティブ」(IDI)が2005年3月に終了したことを踏まえ、ミレニアム開発目
標の保健関係のターゲットの達成への協力を柱に打ち出されたもので、主に保
健分野の二国間協力による援助を中心としたものである。「『人間の安全保
障』の視点の重視」を中心に、5つの柱によって起草された文書は、これまで
のイニシアティブに比べ網羅的であり、たとえばHIV/AIDSについては、エイズ
遺児などに対するケア・サポートの重点化や、感染者の社会参加の拡大
(Greater Involvement of PLWHA: GIPA)の支援の明記など、進歩的な面も多
く含まれている。一方、内容の豊富さに対して、日本政府の援助実施能力が十
分伴っていないことから、このイニシアティブの本格的な実現については、援
助実務者や日本のNGOのキャパシティ・ビルディングや、各目標達成に向けた
実施戦略の策定と実行が必要とする声もある。
 また、小泉首相の表明した「5年間50億ドル」については、「保健と開発」
という極めて広いテーマを冠したイニシアティブであることから、金額の巨大
さに比して、達成は必ずしも極端に困難というわけでもないのではないかとの
指摘がある。拠出については「何でもあり」にしてしまうのではなく、明確に
保健関連のミレニアム開発目標実施に資するものに絞り込むことが必要との声
も存在する。

関連記事
WHO西太平洋地域事務所「アジア太平洋保健とMDGsハイレベル会合」紹介
http://www.wpro.who.int/sites/hin/meetings/mdg_japan.htm
アフリカ外交団の小泉首相表敬訪問に関するニュース
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/africa/hyokei_0506.html
「保健と開発」に関するイニシアティブ(英文・日本文)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/hoken/mdgs/kokensaku.html

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○特集2 アジア太平洋地域エイズ国際会議:神戸
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★アジア太平洋地域エイズ国際会議、神戸で開催
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【神戸発2005年7月5日:グローバル・エイズ・アップデイト編集部】7月1
日から5日の5日間にわたり、第7回アジア太平洋地域エイズ国際会議
(ICAAP)が、神戸国際会議場などを会場に開催された。同会議は、本来、
2003年に開催される予定だったが、SARS問題により組織委員会が延期を決定。
2001年のオーストラリア・メルボルンでの開催以降4年ぶりの開催となった。
会議には、アジア・太平洋地域を中心に合計2700人余が参加。アフリカや中東
地域からも数十人単位での参加があるなど、世界的な広がりを持つ会議となっ
た。
 ICAAPの歴史は1990年代初頭に遡るが、当初はコミュニティの参加が十分で
ない学術的色彩の濃い会議であった。しかし、1995年にチェンマイで開催され
た第3回ICAAP以降、まずはゲイ・コミュニティ、つぎにセックスワーカーや
ドラッグユーザー、移民労働者などのコミュニティのアジア・太平洋地域規模
での組織化が進み、メルボルンでの第6回ICAAP前後に、これらHIV/AIDSに取
り組む7つのコミュニティ関連ネットワークが連携する「セブン・シスター
ズ」がICAAPの組織・運営の柱となる体制が実現した。これにより、ICAAPは各
地域のHIV/AIDS国際会議の中でも、コミュニティの参画がシステマティックに
保障されている会議となっている。
 今回のICAAPでは、アジア・太平洋地域におけるHIV感染トレンドが、これら
の社会的脆弱性を抱えたコミュニティにおいて最も深刻に生じていることから、
これらのコミュニティでの活動をどう進めていくかが大きな焦点となった。そ
の一方で、アジア・太平洋地域は、アフリカに次いで多くのHIV陽性者を抱え
る地域であり、HIVの影響拡大が強く懸念されている地域でもある。このこと
から、会議開催の数ヶ月前から、UNAIDS、WHOなど国際機関や、主要国の援助
機関などの注目が集まり、ICAAP本番においては、これらの国際機関が、「ア
ジア・太平洋で将来的にどのような対策を行っていくか」についての戦略発表
の場ともなった。
 なお、開会式においては、予定されていた尾辻秀久・厚生労働大臣の出席が
直前になって取りやめられ、日本の大臣クラスの政治家の参加はなかった。
 次回のICAAPは、2007年にスリ・ランカのコロンボで開催される。

関連記事
第7回アジア太平洋地域エイズ国際会議ニュースレター(日刊、英・日)
http://www.icaap7.jp/data/daily.html
7th ICAAP Community Activity Website(ICAAPコミュニティ行事の案内)
http://www.icaap7commun.com/kobe/


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★アジア太平洋地域は岐路に立っている:UNAIDSが分析と方針を発表
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【2005年7月1日神戸発:グローバル・エイズ・アップデイト編集部】国連合
同エイズ計画(UNAIDS)はアジア太平洋地域エイズ国際会議(ICAAP)の場に
おいて7月1日、「アジア太平洋地域におけるエイズ対策の拡大に向けて」
(A Scaled-Up Responses to AIDS in Asia and The Pacific)を発表した。
この報告書は、アジア・太平洋地域のHIV拡大の現状を分析し、各国政府や援
助機関などに、今後の政策の方向性を提言するものとなっている。
 UNAIDSはまず「アジア太平洋は岐路に立っている」という現状認識を示す。
2004年現在、同地域のHIV陽性者の人口は820万人で世界の21%だが、一方、
2004年に新規に感染した人口は世界の新規感染数全体の24%を占めている。ま
た、地域・国レベルで見ると成人感染率は低いものの、インド、ビルマ、カン
ボジアなどでは、局所的に成人感染率が4〜8%を越える地方があること、ま
た、薬物使用者、セックスワーカー、移住労働者、男性とセックスをする男性
(MSM)においてHIV感染率が高い数値を示していることから、これが全体に波
及すれば、同地域は全体として深刻なHIVの影響を受けることになりかねない
と分析する。
 UNAIDSは、「岐路に立つアジア・太平洋」への処方箋として、予防と治療の
包括的な対策を、現段階で大規模な資源動員を行って実施することを提言する。
UNAIDSは、各国政府に対して「今まで通りの対策を行って後で加重負担に苦し
むか、今、包括的で大規模な対策をすることによって、長期的に被害を食い止
めるのかの二者択一を迫る。ここでUNAIDSが強調するのは、治療の実現ととも
に、予防、とくに現在、感染が集中しているドラッグユーザー、セックスワー
カー、移住労働者、MSMなど社会的脆弱性を抱えるコミュニティ(ヴァルネラ
ブル・コミュニティ)への大規模な予防対策の実施の必要性である。UNAIDSは、
これらのコミュニティへの予防対策が、この地域では徹底的に不足しており、
対策が届くカバー率が極めて低いと警告を発する。
 その上で、UNAIDSは、「アジア太平洋の政府はただちに行動を」と勧告する。
とくに予防対策については、各サービスに関するカバー率の数値目標を立てて
実行に移すこと、ヴァルネラブル・コミュニティを焦点化した対策を行うこと、
対策に当たっては当事者やNGOなど市民社会の関与を促進することなどを提言
している。
 アジア太平洋地域は、ドラッグ・ユーザーに対するハームリダクション(健
康被害軽減)や移住労働者への広域での対策などについて、十分に取り組めて
いないという問題がある。UNAIDSの提言は、こうした対策に消極的な各国政府
へのアドボカシーにおいて、有効に機能することになると思われる。

関連記事
UNAIDSの最新のプレスリリース等
http://www.unaids.org/en/media/recent+news+from+unaids.asp
UNAIDSの本報告書に関するカイザー・ネットワークの報道
http://www.kaisernetwork.org/daily_reports/rep_hiv_recent_rep.cfm?dr_cat=1&show=yes&dr_DateTime=01-Jul-05#31130


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★中国中央部における売血HIV感染問題
 香港の支援団体が記者会見
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【2005年7月1日神戸発:グローバル・エイズ・アップデイト編集部】7月3
日、神戸ICAAPの会見場において、中国河南省でエイズ遺児の支援に取り組む
香港のNGOによる記者会見が開催され、河南省におけるHIV/AIDSの深刻な実態
が改めて明らかにされた。
 中国河南省は人口9,000万人と、中国最大の人口を抱える省であるが、この
省の農村地帯では、80年代後半以降、各地に売血所が設置され、現金収入の乏
しい農村の成人が売血に応じることとなった。しかし、血漿採取後の血液を本
人の体内に戻すといった不衛生な血液採取により、多くの人々がHIV他の血液
による感染症に感染させられることとなった。これらの農村では50-70%の成
人がHIVに感染することとなり、河南省の小規模な郡単位でみても、1万人以
上がHIVに感染しているといった事態を招いている。現在でも、中国のHIV感染
者の4分の1が、こうした血液ビジネスにより感染したと見られている。これ
らの感染者の多くはすでに死亡もしくは発症しており、現地ではエイズ遺児の
ケアが極めて大きな問題となっている。
 この日会見したのは、香港に本部を置き、中国でMSM(男性とセックスをす
る男性)の予防・ケア対策および河南省を中心とするエイズ遺児のケア・サ
ポートを実施している「智行基金会」 Chi-Heng Foundation の杜聡 To Chung
 氏。杜氏は4年前に河南省でエイズ遺児の就学支援プロジェクトを開始し、
現在までに3,000人の児童を支援している。中国政府は、2003年のSARS問題以
降、HIV/AIDSに関して積極的な政策に転じ、河南省のエイズ問題に関しても、
近年呉副首相が河南省を訪れて「4つの無料、1つのケア」政策 Four Free, 
One Care を発表し、エイズ遺児の就学の無料化を打ち出すなどの施策を展開
しつつある。しかし、これらの施策も、管轄する郡の経済力などによって実施
レベルに差があり、問題が解決したとは言えない状況である。
 「智行基金会」では、現在、エイズ遺児の就学支援だけでなく、心理・社会
的ケアのプロジェクトも行っており、世界エイズ・結核・マラリア対策基金の
資金的支援も受けている。河南省におけるエイズ対策は、いわば「洪水が通り
過ぎた後」どうするかということであり、将来の中国におけるエイズ対策を占
うものであるといえる。

関連記事
智行基金会のエイズ遺児プロジェクト
http://www.chihengfoundation.com/orphansproject.html
杜聡氏が2002年に行った日本での講演会の記録
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/kaikaku/oda_ngo/shien/02_hoken/chp_3_1.html (第1章2:「深刻化する中国のエイズ問題・中国中央部の農村から」)


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★ パプア・ニューギニア
 〜アフリカ並の感染割合か?UNAIDS事務局長の発言〜
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 UNAIDSのピーター・ピオット事務局長 Peter Piot は7月3日、神戸で開催
されているICAAPにおいて、パプア・ニューギニア(PNG)では、現在アフリカ
諸国に見られるような高い感染率が生じている、と述べた。氏はマレーシア、
ベトナム、ビルマ(ミャンマー)での流行拡大も懸念を示しているが、パプ
ア・ニューギニアでは異性間の感染や特に注射薬物使用者などを中心に、多様
な人々が感染している。しかし、男性とセックスをする男性 MSM などの他の
特定のグループに関しての十分な情報がなく、どの程度パプア・ニューギニア
の感染拡大の要素となっているのかわかっていない。データ自体もまだ十分な
ものではなく、全体の青写真が明確になっていないのが現状である。
 アジアは世界第2位の感染者数を抱える地域であり、今後流行拡大を抑制す
る対策がうたれなければ、向こう5年間でさらに1,200万人が感染すると言わ
れている。
 パプア・ニューギニアでは、昨年、成人人口の1.7%がHIV陽性者・エイズ患
者であるとUNAIDSは報告している。ピオット氏は「パプア・ニューギニアは不
安定な生活から派生するジェンダー間の不平等や家庭内・パートナー間の暴力
などによって、異性愛者間による感染拡大、すなわち一般人口への拡大が顕著
になってきた。」と、今回のエイズ会議中に述べた。
 ベトナムやマレーシアのように注射薬物使用による感染拡大も大きな要因で
ある。ピオット氏は、エイズ教育や治療ともに、清潔な注射針やメタドン(よ
り健康被害の少ない薬物)を供給することを促した。このような動きはマレー
シアと共に中国が頭一つ抜け、早い段階から対策をしている。今後アジア諸国
が追随するのを期待しているとピオット氏は述べた。

原題:Papua New Guinea at Risk for AIDS Epidemic
日付:July 3, 2005
出典:ABC news
URL:http://abcnews.go.com/Health/wireStory?id=904642

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★神戸ICAAPにおける世界基金のプレゼンス
〜各種関連会合を開催、各国の調整機構の機能はまだ不十分〜
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【2005年7月5日神戸発:グローバル・エイズ・アップデイト編集部】「世界
エイズ・結核・マラリア対策基金」(世界基金)は、神戸ICAAPに、リチャー
ド・フィーチャム事務局長、クリストフ・ベン渉外担当ディレクターを始め、
多くの事務局スタッフを派遣した。展示場には世界基金のブースが配置され、
事務局スタッフや関係者が各種会合を行った。
 7月2日には、参加者を対象とした朝食ミーティングが持たれ、インド、ネ
パール、カンボジアなどアジア諸国、ケニア、コートジボアールなどアフリカ
諸国からも参加があった。ここで主要に問題になったのは、インドなどで世界
基金に対応して対策案件を形成する「国別調整メカニズム」(CCM)が市民社
会に開かれていないという問題であった。インドは10億人を越える人口を抱え
る大国であるのにCCMが一つしかなく、また、このCCMが市民社会に十分に開か
れたものになっていない。この点について、インドの人口規模や多様性、市民
社会の広がりに対して、CCMを複数設けるべき、また、インド政府に対して、
CCMへの市民社会の参画を促して圧力をかけるべきとの声がインドの参加者か
ら相次いだ。同様の問題は多くの途上国が抱えており、世界基金の将来にとっ
て大きなネックとなっている。
 7月4日の昼食時には、「国際エイズ・サービス組織評議会」 ICASO およ
び「アジア・太平洋エイズ・サービス組織評議会」APCASO の主催により、途
上国および先進国のNGOが、世界基金に関わって、どのように連携し、自国政
府に対して働きかけを行うかという観点からのワークショップが開催された。
世界基金からも、市民社会関連コーディネイターおよびポートフォリオ・マ
ネージャーが参加し、参加者からの質問に積極的に答えていた。
 同日の夕方には、東アジア・太平洋地域の高所得国・中高所得国の市民社会
が、各国政府に対して、世界基金への拠出増額を働きかけていくネットワーク
を作るための非公式ミーティングが開かれた。ここには、日本、韓国、香港、
中国、ニュージーランドのNGOが参加した。世界基金理事会の先進国NGO代表団
で調整役を務めるICASOのリチャード・ブレジンスキ代表 Richard Burzynski 
は、「東アジア・太平洋地域には、世界基金への資金拠出の少ない高所得国が
多く存在する。これらの地域の市民社会が連携して各国の政府に拠出額の増額
を求めていく運動を作ることが必要だ」と述べ、この地域における市民社会活
動の活性化に期待を示した。

関連記事
ICASO「An Advocacy Guide on Global Fund Financing」
http://www.icaso.org/GFAdvocacyGuide.final.v2.pdf(英語)
※他に仏語、ロシア語、スペイン語版も存在。


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★神戸ICAAP閉会式を引き締めたNGO連合の声明
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【2005年7月5日神戸発:グローバル・エイズ・アップデイト編集部】神戸
ICAAPは7月5日に閉幕した。7月5日には、全体会の後、閉会式の前に、ア
ジア太平洋地域HIV/AIDSネットワーク連合(セブン・シスターズ)による、
ICAAPの総括スピーチが行われた。
 セブン・シスターズの7つのネットワークによる総括スピーチの終了後、イ
ンドの若いHIV陽性者のアクティヴィスト、コウサリア・プリアサミー 
Kousalya Periasamy 氏が登壇し、一つの声明を読み上げた。声明はセブン・
シスターズのうち、アジア太平洋HIV陽性者ネットワーク(APN+)、アジア太
平洋エイズ・サービス組織評議会(APCASO)、アジア太平洋セックスワー
カー・ネットワーク(APNSW)、アジア・ハームリダクション・ネットワーク
(AHRN)、アジア太平洋レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェ
ンダーネットワーク(AP-Rainbow)、エイズと人口移動に関する行動調査調整
機構(CARAM-Asia)、および、2000年の国連エイズ特別総会で採択された
「HIV/AIDSに関するコミットメント宣言」の遵守を要求する世界の市民社会ネ
ットワークである「世界エイズキャンペーン」 World AIDS Campaign によっ
て起草されたものである。
 この声明は、まずアジアにおける深刻なHIVの影響について述べる。アジア
太平洋では、ヴァルネラブル・コミュニティに対する十分な予防対策が行われ
ていないために、1時間ごとに148人がHIVに感染し続けている。エイズ治療に
アクセスできた人は、ここ1年で5万5千人から15万5千人に増加したが、そ
れでも、必要な人の15%をカバーしているに過ぎない。これらは、明らかにア
ジア太平洋地域の各国政府のHIV/AIDSに対する政治的コミットメントが不足し
ているからである。
 この声明では、こうした事態を受けて、予防とケア、治療の体制を早急に整
えることを各国政府、および国際機関に要求している。2006年に予定されてい
る上記「HIV/AIDSに関するコミットメント宣言」の中間レビューに向けて、各
国が責任を持って「宣言」に記入された目標を達成することを要求している。
さらに、中間レビューに向けて各国が課されている、各国のエイズ対策の進展
に関する報告書について、HIV陽性者や市民社会がその作成に主体的に参画で
きるような公式のメカニズムを設立するよう、各国政府に求めている。
 この声明の作成は、ある意味ハプニング的に生じたことだった。停滞気味だ
ったICAAPに何らかの新風を吹き込みたいという、今回新たに参加した途上国
の活動家たちが、既存のセブン・シスターズの枠組みを活用しアドバイスを得
ることによって、洗練された声明ができあがったのである。
 UNAIDSは、2005年の世界エイズデー・キャンペーンのスローガンを「エイ
ズ・約束を守れ」 AIDS: Keep the Promise に設定し、「コミットメント宣
言」評価の年である2006年の存在をアピールしている。しかし、「コミットメ
ント宣言」の内容は必ずしも、各国の市民社会には浸透していない。この声明
は、アジア・太平洋地域の市民社会に、「コミットメント宣言」中間レビュー
の重要性を思い起こさせ、ICAAPの成果を来年へとつなげる役割を果たすもの
となった。

関連記事
「アジア太平洋地域の国家政府に対する市民社会からの声明」全文
http://www.worldaidscampaign.info/
セブン・シスターズ(アジア太平洋地域HIV/AIDSネットワーク連合)
http://www.7sisters.org/


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■□編集後記
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 今回で本メールマガジンも第20号目となりました。今回神戸で行われました
エイズ会議においては、本編集部では2名が参加をして参りました。今回の会
議では、今日メールマガジンに載せました政策レベル、国レベルの報告や問題
提起から、コミュニティに特化したアートイベント、あるいは歌や踊りなどが
行われるスペースもあり、決してアカデミックなものばかりはありませんでし
た。
 2日に行われた「Insert」というクラブイベントでは、国際色豊かなゲスト
が入り、またショーなども全国から集まった、煌びやかなドラッグ・クイーン
やセクシーなゴーゴー・ボーイが出演し、非常に興味深いイベントでした。
 実は今回メールマガジンで登場しているUNAIDS事務局長のピーター・ピオッ
ト氏も「Insert」をのぞきに来たようです。コンドームやレッドリボンの配布
なども行われ、笑いあり、感動ありの素晴らしい啓発活動でした。
 さて、これからポストICAAPとして、日本のプレゼンスはどのようなものに
なっていくのか、今後の外交政策、そしてNGOなどの動きにも注目していけた
らと思っています。

------------------------
■□メールマガジンご案内
------------------------

○メールマガジン「グローバル・エイズ・アップデート」は、世界のHIV/AIDS
問題の 最新動向を網羅するメールマガジンとして発行しています。

○このメールマガジンは、購読者の皆さまに逐次お送りするほか、HIV/AIDSや
国際保健・医療関係のメーリングリスト、関係機関等に継続して送付いたしま
す。ただし、メーリングリスト等への投稿は、徐々に減らす形となります。継
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ペンネーム : AJF

  • (特活)アフリカ日本協議会は、アフリカの人々の地域自立の支援、アフリカの人々との対等なパートナーシップの構築、アフリカに関わる人々のネットワークの形成、アフリカ理解の促進とアフリカの自立支援のための政策提言などを行っています。

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