ユーラシア・ウォッチ 第123号【秋野豊ユーラシア基金】
発行日時: 2007/12/24
since June 2002
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◆◆ ユーラシア・ウォッチ ◆◆
Eurasia Watch
編集・発行:秋野豊ユーラシア基金
http://www.akinoyutaka.org
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第123号 2007年12月24日
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◇Contents◇
・自著を語る
庄司真理子・宮脇昇編『グローバル公共政策』(宮脇昇)
・文献紹介
ほか
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[自著を語る]
庄司真理子・宮脇昇編『グローバル公共政策』晃洋書房
2007年5月刊(税込2,415円)
[ご購入はこちらからどうぞ]
http://www.amazon.co.jp/dp/4771018626/ref=nosim/?tag=akinoyutakaor-22
宮脇 昇(立命館大学政策科学部准教授)
本書は、グローバル公共政策という新しい研究対象について、平易に教科書
として編集されたものである。
本書では3部構成で、グローバル公共政策の鳥瞰図を描いた。
第1部 グローバル公共政策を、公共性、公共財、公共政策の3つの観点か
らアプローチ。
第2部 政策決定過程を、国連、EU、WTO、サミット、NGO、企業な
どを通して検討。
第3部 課題ごとに探究。人間の安全保障、軍備管理、民主化と人権、ジェ
ンダー、地球環境、開発。
この3つのアプローチからグローバル公共政策の輪郭に迫るのが、本書の特
色である。
本書の底流に流れる考え方は、次のようなものである。
国際機構、国家、NGOなどが共同して問題解決にとりくむ様相を分析す
る際にはグローバル・ガバナンスという言葉で接近することもできる。しか
しアクター間の協力方法、その際の政策決定過程、課題ごとの固有の問題領
域の特性、これらのことを複合的にとらえた新しい研究対象として、公共政
策という切り口で研究を深める必要があると感じてきた。それがグローバル
公共政策というテーマである。
グローバル公共政策を語るにあたって、国内の公共政策論からの類推、そ
して公共哲学や公共性論の蓄積を無視することはできない。しかしそれだけ
に立脚してこのテーマを俯瞰することもできない。新しいテーマには新しい
分析枠組みが必要である。(あとがき:編者)
最後に、本書の巻頭言をお寄せいただいた山本武彦先生(早稲田大学)の言
葉(巻頭言の一部)を紹介させていただきます。
「いずれにせよ、邦書ではほとんど見られることのなかったグローバル公共
政策という新鮮な視座から多領域にまたがる争点分野に分析が施されたこと
の意義は大きい。公共政策論や国際関係論を学ぶ人たちはもとより、NGO
などの実践的な場で活躍される方々に広く読まれることを期待してやまない。」
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◆新刊書・論文紹介
冒頭の「○」は単行本や雑誌、「・」は雑誌に掲載された論文を意味します。
価格は原則として総額表示としております。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜《政治・安全保障全般》〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○須藤季夫『国家の対外行動』(シリーズ国際関係論・4) 東京大学出版会
2007年11月刊(¥2,625)
○猪口孝『国際関係論の系譜』(シリーズ国際関係論・5) 東京大学出版会
2007年12月刊(¥2,625)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜《アジア》〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○広瀬徹也『テュルク族の世界:シベリアからイスタンブールまで』(ユーラシ
ア・ブックレット No.114) 東洋書店
2007年10月刊(¥630)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜《ロシア・CIS諸国》〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○外川継男『サビタの花:ロシア史における私の歩み』成文社
2007年11月刊(¥3,990)
○酒井明司『ガスプロム:ロシア資源外交の背景』(ユーラシア・ブックレット
No.111) 東洋書店
2007年10月刊(¥630)
○坂口泉・蓮見雄『エネルギー安全保障:ロシアとEUの対話』(ユーラシア・
ブックレット No.113) 東洋書店
2007年10月刊(¥630)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜《ヨーロッパ》〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○田中俊郎・小久保康之・鶴岡路人編『EUの国際政治:域内政治秩序と対外関
係の動態』慶應義塾大学出版会
2007年12月刊(¥3,990)
(第1部 国際政治システムとしてのEU:域内国際政治の諸相)
・渡邊啓貴「欧州統合の中の独仏関係」
・吉武信彦「欧州統合の中の北欧諸国」
・和達容子「EU環境政策にみる域内国際政治」
・宮下雄一郎「ジャン・モネと欧州統合:『モネ・メソッド』の効用と限界」
・庄司克宏「EU域内市場における自由移動、基本権保護と加盟国の規制権限」
(第2部 国際政治の中のEU)
・細谷雄一「冷戦と欧州統合」
・小林正英「新しい安全保障主体としてのEU」
・鶴岡路人「EU外交の中の欧州安全保障防衛政策:付加価値の再検討とEU内
調整の課題」
・東野篤子「EU拡大における地域間主義 (interregionalism)」
・明田ゆかり「縛られた巨人:GATT/WTOレジームにおけるEUのパワーとアイ
デンティティ」
・・・などを収録。
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◆編集後記
今月初頭のロシア下院選挙は、日本でも大きく報じられました。プーチン与
党の圧勝や、メドヴェージェフを後継に指名するなど、その後のロシア内政の
展開で注目すべき事柄はたくさんありますが、私は個人的に旧ソ連諸国での選
挙監視活動のあり方に関心を持ち続けています。◆報道されたように、ロシア
では、11月16日の時点で欧州安全保障協力機構(OSCE)民主制度・人権事務所
(ODIHR) が選挙監視団の派遣を断念しました。他方、より独立した位置づけに
あるOSCE議会会議(加盟国議会議員で構成)は、ODIHR が予定していた規模で
ある70名以上からなる監視団をロシアに派遣しました。◆現時点では、立ち入
った分析はできませんが、私が気になるのは、監視団の規模です。ODIHR で派
遣を予定した人員も70名であったので、結局は同規模の監視団を編成できたと
評価できるかもしれません。しかし、広大なロシアに派遣する規模としてはあ
まりに少なく、儀式的なものと評価されても仕方ないように思えます。◆旧ソ
連諸国が受け入れるOSCEからの監視団の規模は、それぞれの国がどれだけ「西
側」の規範を尊重しているか、の指標になります。カザフスタンはロシアの約
10分の1の人口規模ですが、2年前に行われた同国の大統領選挙では、400名を
超えるODIHR の監視団が組織され全国に展開しました。カザフスタンはつい先
ごろ、2010年に旧ソ連諸国で最初のOSCE議長国になることが決まっています。
◆中央アジアではこのほか、クルグズスタン(キルギス共和国)も欧米からの
支援を受けている立場上、従来積極的に監視団を受け入れざるを得ない立場に
あると考えらます。12月16日、同国で任期前倒しの議会選挙が実施され、ODIHR
からは250名超の監視団が派遣されました。しかし、前回の国政選挙(2005年
政変後の大統領選)に比べると、公平性や民主性についてOSCEの評価は後退し
ました。◆クルグズスタンをはじめ、年末年始にかけて、旧ソ連諸国では国政
選挙が相次いで実施されます。昨日(23日)はウズベキスタン大統領選でしたが、
多選と非民主的との批判の中、無風のままカリモフが再選されました。OSCEか
らの監視団はこれまで同様、限定的で計21名にとどまっています。西側のメデ
ィアは依然報道を制限されているのでしょう、今朝のBBCでは、隣国クルグ
ズスタンから国境越しにウズベキスタン側の映像を映していました。このほか、
1月5日にはサアカシヴィリが自身の進退と親米路線の是非を問うグルジア大
統領選挙が控えています。OSCEはこれに300名の監視団を派遣するとのこと。
年末年始、これらユーラシア各国の多様な政治変動に注目していきたいと思い
ます。◆今回が今年最後のメルマガ配信です。一年間のご愛読ありがとうござ
いました。来年もどうぞ宜しくお願いします。次回の配信は年明け1月15日頃
を予定しています。 (湯浅)
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ユーラシア・ウォッチ 第123号(2007年12月24日発行)
発行元:秋野豊ユーラシア基金(代表 秋野洋子)
〒151-0061 渋谷区初台1-51-1 初台センタービル803
編集責任者:広瀬佳一・湯浅 剛
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