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21世紀の中国 2004/12/12号

発行日: 2004/12/12

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  21世紀の中国  2004/12/12号
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◇◇【今日の一覧】◇◇

◆[フォーラム情報]◆

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ファイアウォール設置、ウィルス対策ソフトの導入が当たり前になってきました。
一方、技術情報の持ち出しなど内部からの情報漏えい対策については、多くの企業で
対策が実施されていないのが現状ではないでしょうか。
中国拠点での被害・損害が日本の 企業イメージに損害を与えないためにも、現地任

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今回は中国でのセキュリティ対策の現状を紹介し中国でも入手できる製品、日本側で
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◆[現代中国ライブラリィ]◆

●報道改革直後の大失態。衛生部、北京市の“SARS虚偽統計”

国際的に批判を浴びていたSARSの“虚偽統計”を中国政府は認め、衛生相と北京市長
を解任する事態にまで発展した。情報隠しの背景には、行政当局の古い体質と過剰な
までの経済偏重がある。「報道改革」を打ち出したばかりの胡・温体制だが、「情報
公開」にも取り組まなければならない。

経済優先主義のツケ

 衛生部は4月20日、北京市の19日までのSARS(新型肺炎・重症急性呼吸器症候群)
感染者数を40人から346人へ大幅に上方修正、死者数4人も16人に修正した。なんと
北京市の感染者数は8倍もサバを読んでいたのである。さらに、北京市の軍の病院数
カ所の患者数が235人に上る実態も初めて公表された。また、18日時点で中国の感染
者は香港などを除き、1807人、死亡者は79人になったとした。最大の広東省の感染者
数は1304人、死亡者46人。
 これまで北京市の感染者数については、WHO(世界保健機関)が衛生部の統計に
は軍病院の患者数が含まれていないと指摘されていた。これについても「病院間での
情報交換が十分でなく、正確に把握できなかった」(高強副部長)と認めた。
 SARS感染の統計をめぐって、衛生部は3月末まで実態の公表を渋って世界から
批判されていた。4月初めには、衛生部の疾病予防対策センターが不手際を認め謝
罪。温家宝首相も情報公開やWHOとの連携を指示したが、その後も衛生部の統計は
虚偽だという告発が外国メディアなどで報道されても否定していた。
 衛生部は「意図的に隠したケースはなかった」(高強次官)としているが、虚偽報
告なのは明らかだ。行政当局の“古い体質”が露呈した形だ。この間「SARSは沈静化
している」などと一貫して楽観論を言い続けてきたが、伝染病の拡大による国民の生
命と安全よりも、国民に「知らせない」ことによる“社会の安定”を重視したことは
間違いない。これだけ国民の生命と安全を軽んじては、「中国に人権はない」と世界
から批判されても仕方がないではないか。
 さらに、経済への影響を考慮するあまり、安全を強調しすぎた。広東省や北京市は
経済発展の牽引車的な地位にある。様々な国際イベントが中止や延期に追い込まれる
なかで、ビジネスや観光での行き来や投資の減少を恐れたのだろう。商務部と広東省
は、こんな中でも恒例の「春の広州交易会」を4月15日から開催している。ここにも
「過去に中止した例はない」というメンツ、「国民の安全よりも商売第一」というビ
ジネス偏重が露骨にあらわれている。
 国務院は、人の大量移動によるSARS拡大を防ぐため、5月の労働節(メーデー)の
1週間連休を取り消す可能性があるという。情報を公開しないことが病気を拡大させ
たり、不安感を増大させて、結局は経済にも打撃を与えるのである。
 共産党中央は、張文康・衛生部長と、孟学農北京市長の党職を解任。とくに孟学農
市長は、今年1月に若手市長として注目されつつ就任したばかりだった。閣僚級2人
が1度に更迭されるのは異例のことだ。SARS対策の遅れと、世界からの批判に強
い危機感があるといえる。

「報道改革」は正念場

 今回の大失態は、「報道改革」に取り組もうとした矢先の出来事である。党中央政
治局は今年3月末、「報道改革」を正式に決定。党や政府幹部の動静を重視する報道
をやめて、「国民のためのニュース」を伝えるというものだった。
 じっさい、市場経済の進展に伴うマスコミの競争は激しくなるばかりである。新聞
などは激しい読者獲得競争を演じている。いままで通りに、国民の関心が薄い指導者
の動向をトップにしていたのでは、読者も視聴者も見向きもしなくなるとの不満が報
道の現場にはあった。最近では汚職や事件の真相を暴く鋭い報道が増えているが、こ
うした報道も、幹部のたわいもない日常的な動向よりも小さく扱われれば読者や視聴
者はもちろん、記者も興ざめだろう。
 こうした流れを受けたのが「イラク戦争報道」だった。初めて新華社の記者が米軍に
従軍もした。戦争開始の第一報を世界に報じたのは新華社だった。まさに1991年の湾
岸戦争とは様変わりで、中国のメディアは大量の戦争報道や分析、解説を行ってい
る。中国のメディアが大きく変わりつつあるのも事実である。
 今回の問題は、政府の情報非公開、虚偽統計の問題で、直接マスコミの問題ではな
い。しかし、厳しい報道規制が敷かれたことは想像に難くない。厳しい報道規制がな
ければ、報道現場は実態暴露に頑張ったはずだ。ようするに、イラク戦争はいいが、
国内の安定にかかわる問題ではダメだということなのだろう。
 遅きに失した感はあるが、今回の実態の公表と閣僚更迭の断行は、胡錦涛−温家宝
指導部の改革姿勢を証明したともいえる。しかし、衛生部、北京市当局の失態は明ら
かだとしても、党中央や国務院中枢の責任はどうなのか。責任を取らされた衛生部長
や北京市長は閣僚(級)の幹部ではあるが、最高指導部ではない。
 この問題は党中央や国務院の問題だけではない。全人代の存在意義も問われてい
る。情報公開を制度として保障するような法体系を構築しなければならないことは明
らかだ。そして、何よりも今回の事態をマスコミ報道の現場は徹底して追及しなけれ
ばならない。それこそが報道改革につながる。
 そもそも、報道改革は党中央があれこれと指図することではない。現場に対して指
図、干渉をしないことこそが報道改革なのだ。その意味でも、胡−温体制は、先の報
道改革の決定から、さらにもう一歩踏み込むべきだろう。自由化、民主化に対する性
急さは、時には失敗を招くかもしれないが、ある程度の思い切った転換は必要だろ
う。いまの中国社会はそこまで来ているのではないか。発足したばかりの胡錦涛−温
家宝指導部の姿勢が問われる。(2003年4月21日)

  (木原)
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