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風のまがりかど その.10
発行日時: 2004/12/30〜= = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = =
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風のまがりかど
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− その10. 2004年の終わりとこれから 消費社会−
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本来なら昨日26日に発行するはずだったのですが、書けなくて今日になってしまい
ました。本当は前回の「葡萄売りのはなし」の後半を書くつもりだったのですが、
ストーリーに迷い結末を書けなくなってしまったので、これはお預けということに
して、上記のような内容にしたいと思います。
最後の最後に大地震がやってきて、新潟と並んで人間の脆さを痛感させられまし
た。文明があたかも揺るぎのないもののように思えてくると、自然は制御できる
ものと錯覚してしまいがちです。しかし、この広い宇宙に目を向けたとき、誰もが
瞬間的に了解することですが、人間に自然を制御することなどとうてい出来ないと
いうことです。
自然と闘うという西欧の自然観に対し、自然と共存していくという東洋の自然観は
ただ温暖な地であるというだけでなく(酷暑の土地もありますが)歴史の長さをも物
語っているようにも思います。私たちの先人は、自然界の力をうまく利用して、そ
こから多くのエネルギーや生活に必要なものを得てきました。そこには、自然に対
する畏敬の念が存在し、それを統御しようという考えとは全く反対の方向だったは
ずです。
今日私たちの消費文明は、資源というレッテルを貼った自然界の物質を廃棄物とい
うレッテルを貼った物質にものすごい勢いで変えている、まあいわば、人間にとっ
て使えない状態のものを猛烈な勢いで生産しているわけです。これを推し進めれば
人間にとってこの地球がとても住みにくいものになることは、火を見るよりも明ら
かです。それにもかかわらず、今日尚この凄まじいいわゆる環境破壊は続いていま
す。
少し前までNHKで、地球の歴史を数回のシリーズで放送していました。この番組
でもやっていましたが、人間がこの地上に現れたのは地球史から見てほんの最近の
ことです。つまり、巨視的には地球上に二本足の生物が現れて突如大量増殖し、そ
れが地球環境を劇的に変えているわけです。しかし、その環境破壊の犯人である人
間という種はほとんど反省の色なく、地球という星にある自分たちが使えるものす
べてを食い尽くそうとしています。
このままでは、地球という星は生物にとって極めて劣悪な環境になってしまいます。
いや、そんなことはわかっている、とヒトはいいます。しかし、それに対して具体
的な行動を取っている人はわずかであり、それは社会全体が消費を前提とする経済
の上に成り立っているからです。そういう社会のあり方自体を変えていかなければ、
遠からずこの星は食い尽くされてしまうでしょう。
それでは何がまず私たちにできるか。
そこで、私が提案したいのは、個人レベルでの均衡ということです。具体的なこと
を挙げて言えば、まず買うものを減らす。そして、ゴミを出さない。これは同じこ
との両面です。また、持っているものを減らす。食べ物なら、残り物をゴミとせず
堆肥化する、あるいは残さないように食べる、調理する。
とりあえず、身の回りから無駄を省く。何を所有しているかを把握できないほど、
モノが溢れている状態から抜け出す。そうして、必要なものを長い間、使い続け
る。消費すると言うよりは、ものと付き合う、ということではないでしょうか。
しかし、これを実行しようとすると、恐らく生活のあり方自体が問題になってくる
ことと思います。遅くに家に帰ると、面倒なことはやってられません。コンビニで
弁当を買うとプラスチックゴミが出るし、野菜を買っても使い切ることは難しいで
しょう。食べ物のみならず、身の回りにあるものすべてが似たようなものです。便
利だから安いからものを購入し、今までのものを捨てる、あるいはため込む。
個人レベルでの色々な工夫をしている人は少なくないかもしれません。しかし、根
本的には社会の構造を変えない限り、この生活は変えられません。いつかは円高が
終わりを迎え、こんな極端な日本の消費社会は終わりを告げるでしょうが、それに
しても基本的なしくみは変わりません。
それよりも問題なのは、最初に書いたような我々の生活が自然に対立するようなあ
り方であることです。地球の仕組みをよく知り、それに対応した、その力に抗わな
い形の社会、暮らし方にしなければならないということです。景勝の地ならどこで
もホテルを建てる、こんなことは昔の人は考えなかったでしょう。風土という概念
が忘れられ、風水などという流行語のみがもてはやされ消費されるだけです。
私たちは、コンクリートやアスファルトをはがし、そこに出てきた土塊(つちくれ)
に「ここはどういうところなのか」を聞かなければならないのです。そして、自然
の力の働きを知り、それを活かしていく、そういう暮らしをしていかなければなら
ないのです。
この社会はまだまだ未成熟で、一見強靱に見える建築物も意外に脆(もろ)いもので
す。つまり、社会のかたちが以前に比べて硬直化し、うまくそこで流れなくなって
いるのです。もちろん多くの問題がまだあります。触れなければいけないことが
多々あるのですが、とりあえず、根底にある考え、方向性を確かめ、それに沿って
生活のかたちを作り上げていかなければならないのです。
色々な情報が洪水のように流れていきます。それを堰き止めることが出来ないのな
らば、その中に入らないようにするしかありません。モノの洪水が押し寄せてくる
のなら、そこから距離を置くしかありません。無論、私自身がそれに掠(かす)め取
られているわけで、それが容易なことでないことくらい十分承知しています。
しかし、少しでも方向を変えることが必要だと思うのです。万人の一滴が大河にな
るように、それが社会を変えるのです。長い話になりましたが、とても多くの犠牲
者を出したこの痛ましい惨事から得られる教訓として、そしてそれを繰り返さない
ための大きな方向転換が、ここに示されていると思います。
来る2005年が、これを読んでいて下さるみなさんにとって良い年になりますように
祈りながら、この社会の大きな流れが転換点を迎えてくれる年になるようにと願わ
ずにはいられません。
それでは、よいお年をお迎え下さい。
<2005年へ
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■ 2004年12月30日(木曜)発行
□ 発行者:風のまがりかど mailto:meer@aug.email.ne.jp
■ バックナンバー http://www.asahi-net.or.jp/~fv2y-mrs/magarikado.htm
□ マガジンID 『まぐまぐ』:0000135635 & melma!:m00118412
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