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弁護士が教える男と女の実践的法律戦略

発行日: 2004/8/16

‐‐‐‐弁護士が教える男と女の法律戦略‐‐‐‐
 

▼▼▼ 尋問心得 2 ▼▼▼
 

 
 こんにちわ、弁護士の神山秀(かみやま しゅう)です。

 この間、私の個別サイトの「無料相談室」をスクロールしていたら、

 法律事務所や行政書士事務所の広告が入っていました。

 掲示板のスポンサーさんだと思うのですが、

 もし、私の掲示板を指定してくれていたら、とても光栄なことだと思いました。

 いわゆるプロの方々にも見てもらっていると。

 もっとも、機械的に入っているだけかもしれません。

 何分、面識もありませんから、知りようもありません。

 でも、無料相談ができるのは、スポンサーの方々のおかげと、感謝しています。

 もっとも、HPのシステムには全く無知なので、

 あさってのことを書いていたら、ご容赦を・・・。


 ☆☆☆☆☆☆☆☆

 
 さて、今回は、尋問心得2として、実践的なテクニックをお教えしましょう。

 私が修習生だったころは、尋問の研修はほとんどありませんでした。

 でも、少ない機会で参加したとき、極めて高い評価を受けました。

 単なる昔の自慢話です(笑)。

 尋問は、準備書面や証拠が出揃ったところで、行われるのが普通です。

 そこで、第一の鉄則は、十分な準備をすることです。

 訴訟を経験した方はご存知のように、自分側の書面と証拠、相手側の書面と証拠が、手元にあります。

 それとは別に、離婚訴訟などの場合は、たいてい「陳述書」を、双方が書きます。

 弁護士がついているときは、弁護士が代筆したりもします。

 なぜ「陳述書」がいるの?

 それは、とても高級な質問です。

 実は、主尋問を早く終わらせるためなのです。

 主尋問は、前回書きましたように、自分の味方に対する質問なので、

 極端なことを言ってしまえば、準備書面などと同じ内容になるのです。

 10年以上前は、わかりきった主尋問だけで、1時間半も使ってしまう弁護士もいて、

 眠気をこらえるために「般若心境」を書いている裁判官もいたくらいです。

 そのような事情が、いたずらに裁判を長引かせていました。

 そこで、今日の離婚訴訟などでは、予め「陳述書」を提出して、

 主尋問を、陳述書ではわからない部分の確認や、補足にしてしまったのです。


 
 つまり、明日、尋問がある場合、あなたの手元には、

 1 訴状、答弁書、準備書面。つまり、双方の主張を書いたもの。

 2 証拠。書証(手紙など)と物証(ラブホテルのライターなどの物)に分かれます。

 3 陳述書。先ほど書いた、主尋問で言う内容。

 が、揃っています。

 揃っているはずです・・・・。

 本人訴訟の場合、よく、相手方の書面などを無造作に袋に入れて、整理していない人が時々います。

 でも、勝ちに行くなら、時系列的にしっかり整理しましょう。

 100円ショップのバインダーで十分です。

 実際に弁護士が使うバインダーは、100円もしなかったような気がしますが。

 そして、当方の主張はよくわかっているはずなので、相手方の準備書面、証拠、陳述書を、

 「何度も何度も丁寧に読みます。」

 時系列的な図を書いたり、どの主張がどの証拠に対応しているのかとか、

 白紙の紙に整理していきましょう。

 あなたのとって、不愉快なことやありもしないことが書かれていると思いますが、

 我慢我慢!! 自分の弁護士になったつもりで取り組んでください。

 すると、多くの場合、最低でも2、3の矛盾点を見つけることができます。

 つまらない矛盾でもいいんです。

 例えば、準備書面で

 「被告(妻)は、しょっちゅう子供にも暴力を振るっていた。」

 と書いてあるのに、陳述書では

 「私と口論すると、妻はそばにいた子供に暴言を吐いたり、時には叩いたりもした。」

 と、なっているようなのは、日常茶飯事です。

 なぜ、そういう些細な矛盾を見つけるべきなのでしょう?

 具体例で説明しますと、反対尋問のとき

 「この陳述書に書いたことは全て真実だということですね。」

 「はい。先ほど主尋問で言ったとおりです。」

 「おかしいですねえ・・・」(しばらく間をおく)

 「なにがですか?」(少し不安になる)

 「準備書面では、私はしょっちゅう子供に暴力を振るっていた。となっていますね。」

 「はい。」

 「でも、陳述書では、『私と口論すると』となっている。いったいどちらが本当ですか?」

 「陳述書です。」

 「では、私は、しょっちゅうあなたと口論していたと言うことですか。」

 「具体的に、週に何回くらい口論したと言うのですか?」

 「週に1,2回くらいでしょうか。」

 「その度に、私は、いつも子供に暴力を振るっていましたか?」

 「いつもという訳では・・・・。」

 「では、私が、何回、子供に暴力を振るったと言うのですか?」

 「はっきり覚えていませんが・・・、5回くらいかなあ。」

 「ちなみに、子供が生まれてから今まで、あなたは何回子供を叩きました?」

 「軽いのも含めてですか?」

 「勿論です。」

 「10回くらいでしょうか・・・。」

 
 と、いう具合に、少しの矛盾を突いて、先制パンチを与えることができます。

 こんなにうまくいかないよ。

 そう考えるのもごもっともです。

 しかし、証言席で、矛盾点をつかれると、人間はかなり動揺して、案外このような展開になることも少なくありません。

 

 今回の鉄則は、

 「手持ちの資料を十分検討し、少しの矛盾でもチェックする。」でした。

 次回も、引き続き、尋問のテクニックについて書いてみたいと思います。

 より、テクニカルで突っ込んだ内容に入っていくつもりです。


  
___________________________


■■■■■■□  発行者 弁護士 神山 秀 (かみやま しゅう)


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