Japan on the Globe 国際派日本人養成講座 |
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-----Japan On the Globe(177) 国際派日本人養成講座----------
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_/ Common Sense: 一周遅れのフェミニズム
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_/ _/_/_/ 最近の脳科学が発見した男女脳の違いから
_/ _/_/ フェミニズムを見てみると、、、
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■1.夫婦円満の秘訣■
夫が冷蔵庫の中で、バターを探している。見つからない
ので、妻に聞くと、冷蔵庫にあるはずだ、と答える。もう
一度探してみるが見つからない。「どこか別の所に置いた
んじゃないか」と言うと、業を煮やした妻がやってきて、
冷蔵庫に手を入れ、まるで魔法のようにバターをとりだす。
「目の前にあるじゃない、どこを探しているの?」
妻は方向音痴である。新しくできたスーパーに行くのに
地図を見て、「郵便局が左側にある四つ角で、右に曲が
る」というように覚えるのだが、帰りはその角をまた右に
曲がって、帰れなくなってしまう。夫はまたかとあきれる。
我が家ではこんな事でよく言い争いになるが、最近のベスト
セラー「話を聞かない男、地図を読めない女」[1]を読んで安
心した。これは我々夫婦の能力上の欠陥ではなく、そもそも男
女の脳の違いによるものだそうだ。
男は視野が狭いので捜し物が不得意であり、女は頭の中で物
の位置や形状、動きを思い浮かべる「空間能力」が低いので運
転が下手だ。双方がこう理解していれば、うまく役割分担して、
お互いの欠点を補い合うことができ、円満な家庭を築けるだろ
う。
■2.別方向に進化した男女の脳■
男女の脳が違うのは、進化の過程で才能や能力が別々の方向
に発展してきたからだ。
はるか太古の昔、男は危険だらけの外界に出かけていっては、
自分の生命を賭けて獲物をしとめて、持ち帰る事が仕事だった。
見知らぬ地域を長い距離を歩き回ることで空間能力が発達した。
さらに遠くの獲物を見逃さないよう、視野は狭いが長距離を見
通す「トンネル視」ができるようになった。だから遠出しても
帰り道を苦もなく見つけられるが、冷蔵庫の中のバターは見つ
けられない。
女は子どもの世話をし、果物や木の実を採集し、群れの中の
女性同士と共同で煮炊きをする。たえず周囲に気を配るために、
周辺視野が広く、味覚、聴覚、臭覚、色彩感覚が発達し、細部
の観察力に優れ、同時にいろいろな事ができる。
一時に一つの事しかできない男から見れば、女たちのおしゃ
べりは、互いに相手の言うことなど聞かずに、一方的に話して
だけのように見える。しかしマルチ・トラックの女の脳は、し
ゃべりながら、相手の表情を読み、その服を「ちょっと素敵ね。
どこで買ったのかしら」などと眺めつつ、テーブルの上の紅茶
とケーキを味わう、などと並行していくつもの事ができるので
ある。だから話題が無限に展開していく。
■3.職業上の男女差別?■
職業によっては、男女の脳の違いが大きな向き不向きをもた
らす。英国建築家協会の調査では、女性建築家はわずか9%し
かいないという。英国の建築業界には封建的な男女差別がある
のだろうか。いや、大学で建築を学ぶ学生の半分は女性だとい
うから、性差別というより、頭の中で構造物を思い浮かべる空
間能力の差が、職業としての成否に大きく影響していると考え
るべきだろう。
パイロットにいたっては、イギリス、オーストラリア、ニュ
ージーランドの6665人のうち、98.8%が男性である。
パイロットはまさに空間能力が不可欠の仕事である。
空間能力に関連する数学的推理力も男性の得意分野である。
会計学を勉強する学生の38%は女性だが、実際の会計士とな
る女性は17%しかいない。一般に女性が数学に弱い、という
のは科学的な事実のようだ。
しかし、数学的推理力や空間能力が同等であれば、女性の方
が優秀だということは言えるらしい。オーストラリアでは、エ
ンジニア関係の仕事で、女性が占める割合はわずか5%だが、
平均所得は14%も多い。また性差を補正した知能テストでは、
女性の方が3%ほどIQが高い、という結果も出ている。
一方、女性が優れているのは、言語能力、コミュニケーショ
ン能力だ。子どもや他の女性と長い時間を過ごすために、特に
発達した能力である。イギリスにいる1万6千人のフランス語
教師の75%、14万4千人の福祉・カウンセリング従事者の
70%が女性である。さらに同時通訳などは、マルチトラック
の言語能力を要する仕事で、まさに女性の独壇場である。
■4.男は地位と力を求め、女は関係と協力を求める■
狩猟者として進化した男の脳は、自分の目指すものを獲得す
るための問題解決マシン、目的追求マシンである。西欧5カ国
で実施された調査で、自分はどんな人間になりたいかという理
想像を多くの形容詞から選択するアンケートでは、男性に多か
った回答は「大胆な、競争に勝てる、有能な、支配力のある、
断固とした、賞賛される、実際的な」であった。狩猟者のリー
ダーとしての「地位と力」が男の理想である。
同じアンケートで女性の回答には「温かい、愛される、寛大
な、思いやりのある、魅力的な、友好的な、惜しみない」が多
かった。子どもを育て、家庭を維持し、他の女達と一緒に働く
女性は「関係と協力」を大切にする。
西欧が作り出した近代世界システムは植民地主義と人種差別、
自然征服を基調とするものだが、こういう世界では、主役はあ
くまで「地位と力」を求める男であり、「関係と協力」を求め
る女は、男の所有物、あるいはせいぜい補助者でしかないこと
は当然だろう。西欧世界の近代世界システムと女性蔑視とは、
同じコインの両面と言えそうだ。[a,b]
■5.女の権利宣言■
男性支配の近代世界システムの中で、女性の権利を求めるフ
ェミニズムが生まれた。その出発点はフランス革命の時に、オ
ランプ・ド・グージェという女性が、「人権宣言というのは不
十分である。男(homme:オム=人)の権利しか言ってないじ
ゃないか」と言って、女(femme:ファム)の権利宣言を出し
た事が出発点になっている。[2]
西洋語では「男」(英語では man、フランス語では homme)が、
同時に「人」をも意味することから、人権宣言=男権宣言とも
捉えられる。言語からして男性中心なのである。そこで女(fem
me)に主義(isme)をつけて、feminisme、すなわち、フェミニ
ズム(女権拡張論)が生まれた。
それは西欧近代世界システムの他国も自然も征服せずんばや
まず、という極端な男性原理支配への反撥として生まれた思想
である。西洋に生まれたからと言って、人類普遍の思想と勘違
いしてはならない。
■6.男女共同参画社会基本法の前提■
政治的権利については男女対等が実現した現在、フェミニス
トたちは、男性と対等の「社会進出」を目標としているようだ。
女性も男と同じように、いつまでも家庭に縛られているのでは
なく、社会に出て職業を持ち、「成功」を目指すべきだという。
社会における制度または慣行が、性別による固定的な役
割分担等を反映して、男女の社会における活動の選択に対
して中立でない影響を及ぼすことにより、男女共同参画社
会の形成を阻害する要因となるおそれがある、、、
平成11年6月に志向された「男女共同参画社会基本法」の
一節である。ここで言う「性別による固定的な役割分担」とは、
「男は仕事、女は家事」という概念であって、これが女性の社
会進出のブレーキとなっているという主張である。この条文の
主張は次の前提に立っている。
1) 男女の固定的な役割分担は、社会の制度や慣行によってで
きたもの。
2) 女性の「社会における活動」には、家事や育児は含まれな
い。
■7.ジェンダーフリーの迷信■
1)から、「ジェンダーフリー」という理想が生まれる。セ
ックスとは肉体的な性差だが、ジェンダーとは制度や慣行によ
って文化的に作られた性差別だというのである。そして育児の
段階から文化的に「男らしさ」「女らしさ」を植え付けるよう
なことをしなければ、男女はみな同等に育ち、パイロットも会
計士も半分は女性になるはずだ、という「信仰」である。
そのために、学校では男子生徒の名札をピンク、女子生徒を
黒にしたり、世間でも「うちの主人は、、」等と言うと「あな
たは奴隷か」と突っ込んだりする。(逆に男性が「うちのカミ
さんは、、」と言ったら、どう叱られるのだろう?)
前述したように、男女は肉体ばかりでもなく、精神において
も脳そのものから異なる、という最近の脳科学の成果は、この
ジェンダーフリーが迷信であることを証明しつつある。
男女は、肉体的も精神的にも異質である。「同等」であるべ
きだが、事実として「同質」ではない。そして数百万年の長い
進化の過程で、男女の脳の「違い」は、競争しあうよりも、補
完しあうように発達してきた。相互の違いを認め、互いに補完
し会ってこそ、真の「男女共同参画社会」が生まれるのである。
■8.男の考える成功基準は?■
2)の家事や育児をしている女性は「社会において活動」し
ていない、という前提から、専業主婦を、古い「制度または慣
行」に盲目的に縛られた無自覚の「遅れた」女性、という先入
観が生まれる。
女は社会で成功していない? それは男の考える成功基
準を女にも当てはめた見方だ。だが、大きな会社を経営し
たり、ジャンボジェット機を飛ばしたり、スペースシャト
ルに搭載するコンピュータにプログラムを組んだりするこ
とが、最大の成功だなんて誰が言ったのだろう?[1,p139]
高給や高学歴が社会的成功の基準だというのは、「地位と
力」の男性原理に囚われた偏見である。無給で、また学歴も不
要だが、難しく、また価値ある仕事が世の中にはたくさんある。
主婦もその一つである。
「社会において活動」している著者の経験から言うと、一人の
子どもを20年かけて立派に育てることは、企業で30人の部
下を使って業績を上げることよりも、はるかに難しく、創造性
と忍耐力を要する仕事である。
仕事の価値においても、次世代の立派な国民を育てることの
方が、TVゲームのソフト開発をして億万長者になることより
も、社会的貢献度は高い。TVゲームなどなくとも人間は幸福
に生きていけるが、次世代の国民を立派に育てることなくして、
心豊かな国民生活はありえないからである。
職場で男と競争しようとする女性には、能力と実績以外の性
差別があってはならず、どしどし才能を発揮して欲しいが、
「高給と高学歴が成功の証明だ」という偏見からは自由になる
必要がある。同時に家事と育児に専念する専業主婦も、自分の
仕事の偉大さに自信と誇りを持つべきだ。
■9.女性原理の先進国■
西洋世界に比べて、わが国の思想的、社会的伝統はまったく
異なる。キリスト教では、神はアダムを作られ、そのあばら骨
から補助者としてイブを作ったのであるが、日本神話では最高
位の太陽神・天照大神からして女性神である。
その直系の子孫である神武天皇は、民を「大御宝(おおみた
から)」として、一つ屋根のもとで仲良く暮らすことを、建国
宣言の中で理想とされた。さまざまな部族が、大家族として仲
良く暮らすことを願われるということは、まさに「関係と協
力」を理想とする女性原理そのものである。「国民統合の象
徴」という現憲法の表現にも「関係と協力」の理想は引き継が
れている。[b]
中世以降は、武家が実権を握ったが、それも天皇から征夷大
将軍として地位を認められたものであり、あくまでも「関係と
協力」の女性原理のもとで、国家の安寧と秩序を守るための
「地位と力」であった。幕府を皇室の権威のもとにおいたとい
うことは、国民生活の「関係と協力」こそが真の目的であり、
「地位と力」はあくまでもをそれを守り、維持するための手段
として位置づけた、ということである。そこに我が祖先の叡智
が窺われる。
近代世界システムは「地位と力」を自己目的化してしまい、
ついに20世紀には核兵器と地球環境破壊という行き詰まりを
迎えた。21世紀には人類は「関係と協力」という女性原理に
方向転換し、新しい世界システムを構築していかなければなら
ない。その面で女性原理の先進国としてのわが国の責任は重大
である。
わが国のフェミニスト達は、「遅れた」日本女性達の先頭を
走っているつもりかも知れないが、現実は半周遅れの西欧社会
で生まれたフェミニズムを、さらに半周遅れで追っているに過
ぎない。先頭を走っているのではなく、一周遅れなのである。
わが国のフェミニスト達には、無自覚な西洋崇拝から目覚めて、
わが国の伝統から明日への叡智を引き出し、男女がその違いを
対等に補完しあう真の「男女共同参画社会」を目指して、真の
トップを走ってもらいたい。
(文責:伊勢雅臣)
■リンク■
a. 024 平和と環境保全のモデル社会:江戸
鉄砲を捨てた日本人は鎖国の中で高度のリサイクル社会の建設
に乗り出した。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h10_1/jog024.html
b.074 「おおみたから」と「一つ屋根」
神話にこめられた建国の理想を読む。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h11_1/jog074.html
■参考■(お勧め度、★★★★:必読〜★:専門家向け)
1. 「話を聞かない男、地図を読めない女」★★、アラン・ピーズ、
バーバラ・ピーズ、主婦の友社、H12.4
2. 「フェミニズムとは何か」★★★★、長谷川三千子、まほろば、
H12.11
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ おたより _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
■成田さん(ヘルシンキ在住)より
こちらへ来るまで私も他の多くの日本人と同じようにアメリ
カ=一番正しい国(?)と勘違いしていました。しかし、日本
を離れていろいろな国籍の人々と会ううち、自分が今まで受け
てきた教育、また日本人の考え方等などに疑問を感じるように
なりました。それまでは米国がすることがすべて正しく、日本
が戦争中行ったことが恥ずかしいと思うよう、どうやらパター
ンとして刷り込まれていたように感じるようになりました。
また、こちらへきてから、多くの国の方が日本に対して良い
印象を持っていることに感激しました。
今は「国のためなんか古いよ」という若者があまりに多いの
に残念でなりません。「日本のため=日本人一人一人の幸せの
ため」と気付いてほしいものです。
■ 編集長・伊勢雅臣より
「フィンランドと日本は隣国である。間には1つしか国がない。
」という親日感あふれるジョークを、私もヘルシンキで聞きま
した。
読者からのご意見をお待ちします。本誌への返信で届きます。
掲載不可、匿名・ハンドル名ご希望の方はその旨、明記下さい。
欄掲載分には、薄謝として本誌総集編を差し上げます。
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→千年紀書房 http://www.hexnet.co.jp/jog.htm
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